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2012年8月6日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 朴大成

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/1)に、人物シリーズ39回目として弦をこする擦弦楽器アジェン(牙筝、아쟁)の演奏家、「生きている伝説の人物」朴大成(パク・デソン、박대성)(1938年~)を紹介した。
いつもながら充実した解説に感謝して楽しく聞かせていただいている。

まず牙筝の復習・解説から始まった。
・日本の琴に似た、韓国の楽器の伽耶琴(カヤグム:가야금)や玄琴(コムンゴ:거문고)と同じく床に置いて演奏する。これらより一回り大きいため、国楽器中、最も低い音を出す。演奏法は、弦を手やばちではじいたりせず、(松脂を塗った)レンギョウの木の棒を使って、弦を擦すり音を出すのが特徴。
合奏では独特な低音で、他の楽器の旋律を支える存在だが、独奏の場合は、心の奥深くに積もった悲しみを引き出すような切ない音を醸し出す。

▼朴大成ほか演奏による「歳月(세월)」を聴く。情感がこもり、かつ瞑想的である。本来独奏楽器なのか、それとも合奏楽器なのか、あるいは伴奏楽器なのか・・・。

次のように朴大成のプロフィールが紹介された。
・1938年6月25日 珍島の(錚々たる)音楽・芸術一家に生まれ、長い間、釜山で音楽活動を続ける。
・1960年代後半 牙筝散調*を初めて作り出したハン・イルソプ(한일섭、1929年~1973年)について学ぶ。
  → (*)アジェンを小型化した楽器のこと?
・1980年代後半~90年代 日本に渡り生活した時期もある。
長い海外生活の後、帰郷したが、韓国は彼の知っていた頃の姿とは見違えるほど変わっていた。地方ごとに国楽管弦楽団が設立されていて、さらに若い演奏家たちは国楽器を利用して、現代風な創作音楽を作り出していた。現代の国楽界は、伝統音楽しか知らない年老いた演奏家が溶け込むには少し難しいところがあったかもしれないけれど、朴大成の音楽が発表されるやいなや、国楽愛好家たちの間に瞬く間にうわさが広がり、彼の名が一躍脚光を浴びることとなった。
・2005年 CD「朴大成の国楽の世界(박대성의 국악세계)」がきっかけとなり、その名が一般に知られる。

▼朴大成ほか演奏による「牙筝散調(アジェンサンジョ、아쟁산조 )、晋陽調(チニャンジョ、진양조)」を聴く。まるで歌っているようで・・・こちらは自然な感じがする。

▼朴大成ほか演奏による「牙筝散調(アジェンサンジョ、아쟁산조 )、チャジンモリ(자진모리)」を聴く。軽快*で楽しく聞けそう。
  → (*)テンポは、「チニャンジョ(진양조)」(6拍)<「チュンモリ(중모리)」<「チュンジュンモリ(중중모리)」<「チャジンモリ(자진모리)」の順に速くなる。

2011年5月28日土曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 アジェン

今週水曜日(5/25)放送のKBS WORLD「国楽の世界へ」では、牙筝(아쟁:アジェン)が紹介された。遅くなったが次の通り記す。
牙筝は、形が伽耶琴(カヤグム)に似て更に大きいながら、弦をこする擦弦楽器である。国楽の場合、低音部のパートを受け持つ。中国伝来の楽器だそうだ。

▼ファン・スクギョンによる宮中宴会曲「スジェチョン」を聴く。緩やかに流れるように演奏を下から支え、厚みをもたせている。

近年、小型化することで高音の表現を可能にした、散調アジェンと呼ばれるものがある。
▼パク・テソンによる「歳月」を聴く。人間の声に近い音程で、独奏楽器らしい内面的で細やかな表現をしている。

最近では、創作音楽にも使われているそうだ。
▼キム・サンフンの「HARIN」を聴く。現代曲に・・・。

(資料1)
「全羅北道 韓国伝統ソリ文化」に「散調」、および牙箏(アジェン)散調の解説がある。

(資料2)
「アジアの楽器図鑑」(小泉文夫記念資料室)は、子供向けに作成したものだが、韓国の楽器編もあり、映像と音も紹介して、とてもわかりやすく参考になる。

2011年9月6日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 散調(サンジョ)

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/31)に、前回までチャンダン(長短:チニャンジョ、チュンモリ、チュンジュンモリ、チャジンモリなど)のテンポについて解説してきたが、今回からチャンダンを活用した音楽を見ていくことになり、当回では「一般庶民たちが広く親しんだ器楽独奏曲」の散調(산조:サンジョ)について紹介された。

まず、国楽の「伝統継承の形を現す言葉として・・・口で伝え、心で教えるという意味の言葉」の「口傳心授(구전심수)」の解説から始まった。

▼ユン・ユンソク(アジェン)、キム・チョンマン(チャング)によるユン・ユンソク流アジェンサンジョの中から「チニャンジョ」を聴く。出だしに何だか現代音楽を聞いているような錯覚を覚えた。

サンジョ(散調)の音楽的特徴
・演奏の特徴は「その時々で、状況や感情に伴い、自由に変わっていく」こと。
・ただし「全てが自由なのではなく、チャンダン(長短:チニャンジョ、チュンモリ、チュンジュンモリ、チャジンモリを中心)の流れに合わせて演奏される」。
・カヤグムサンジョ=チャンダン+クッコリ+フィモリ
・コムンゴサンジョ=チャンダン+オンモリチャンダン
・作曲者の名を冠して「~流」と曲名に付けられるとのこと。

▼パク・ジョンソン(ハーモニカ)、コ・ミョンジン(チャング)によるハーモニカサンジョ「ヨルリム(열림)」を聴く。ハーモニカの音色のせいか、庶民の日常を題材にした映画に流れてきそうな、とても素朴で馴染みやすい音色がする。

サンジョ(散調)の歴史
・起源は、「(100年ほど前の)1800年代末にキム・チャンジョというカヤグムの演奏家がサンジョという形で演奏したのがその始まりだとされ」、その後、他の楽器にも展開されたとのこと。
・「サンジョの・・・メロディーの変化が複雑で、演奏するスピードもとっても速くなったため・・・サンジョ演奏用に、近年になってからサンジョカヤグム、サンジョテグム、サンジョアジェンといった楽器が開発されるようになった」とのこと。

▼キム・スチョル(ギター)による「ギターサンジョ」を聴く。えっ、これってサンジョなのという感じで、ギターの独特な奏法も加わって・・・クロスオーバーだろうか。

(余談)
今日のNHK「テレビでハングル講座」の基本文型は、「알고 싶어요」なので、当然K-POPコーナーに、イ・ソンヒの「알고 싶어요(分かりたいです)」が紹介されると期待したのに、・・・1986年ではだめなのでしょうか。

2013年2月19日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 アンサンブルシナウィ

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/13)に、人物シリーズ67回目として、2007年に結成された新しい国楽グループ「アンサンブルシナウィ(앙상블 시나위)」を紹介した。

(本ブログ関連:"シナウィ")

「シナウィ」と国楽グループ「アンサンブルシナウィ」の説明から始まった。
・シナウィは、巫俗音楽を起源に持つ、即興の器楽合奏曲を意味する。奏者同士、基本的な部分だけ取り決め、各自オリジナルのメロディーを基本リズムの長短(장단)にのせ演奏する。西洋音楽のようにハーモニーを奏でるのでなく、不規則な演奏ながら調和する。
・最近は、伝統的即興形式によらず、ある程度、固定されたリズムで奏するものが増えた。この伝統を基に、現代に響く音楽を目指して演奏活動するのがアンサンブルシナウィである。

▼「魂のためのカデンツァ」中から、「オンモリ、チュンモリ(엇모리、중모리)」を聴く。亡くなった人の魂を讃える珍島シッキムグッ(씻김굿)を基に再構成されたそうだが・・・聴きやすさに。

次に、アンサンブルシナウィのプロフィールが紹介された。
・2007年 結成。演奏技術と多様なジャンルとの調和を試み、国楽関係者、大衆からも大きな期待を寄せられる。メンバーは、伽耶琴に似るも擦弦楽器の「アジェン(牙筝、아쟁)」のシン・ヒョンシク(신현식、リーダー)、「パンソリ(歌)」のイ・ボングン(이봉근)、「カヤグム(伽耶琴、가야금)」のハ・セラ(하세라)、「打楽器」のキム・ジヘ(김지혜)、そして異色の経歴を持つ「ピアノ」のチョン・ソンヒ(정송희、作曲)である。
・演劇、ジャズ、舞踊、メディアアートなど多様なジャンルと融合し、現存の5つのパンソリから、広く知られる題目をピックアップし、新しく構成したりする。
・<フュージョン国楽>として、伝統音楽に西洋音楽や大衆音楽をのせる演奏が多い中で、アンサンブルシナウィは、伝統音楽に秘められた、現代に共感できる部分を探し求めている。

(付記)
例えば最近では、オペラ観覧がひとつの音楽鑑賞の地位を持つようになったが、青い目の歌舞伎を見る人がどれだけいるだろうか。音楽大の卒業者が多数になれば、その中の音楽人が、土(つち)に生き受け継がれてきたものを、容易に採譜し再構成して表現するようになるだろうけれど、それを生活者の土(つち)に戻すことはできるだろうか。いったん、すくいとったものは・・・。

2012年9月24日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 黃秉冀

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/19)に、人物シリーズ46回目として撥弦楽器のカヤグム(伽耶琴、가야금)演奏家、黄秉冀(ファン・ビョンギ、황병기)(1936年5月31日~)を紹介した。
(Ko-Wiki情報などからも、インテリでエリート中のエリートといった存在だろう)

まずカヤグムの復習から始まった。
・桐製胴体の上に載せられた弦を<指で弾いて>音を出す撥弦楽器で、外見や奏法は日本の琴によく似る。独奏曲としてもよく使われ、韓国の伝統楽器を代表する存在。
  → (東アジア全域に広がるロングシタール(long zither)類の伝統楽器の一つ)
・歴史的に、名が示す通り伽耶の国で作られたといわれるが、普及し広く演奏されたのは、伽耶滅亡後の新羅の国になってといわれる。
・仏教が盛んだった新羅では、梵唄(ボムペ、범패)といわれる、インドからシルクロードを経て伝来の仏教音楽が各地で演奏されたという。

黄秉冀のカヤグム創作曲の基盤について解説された。
・はるか昔の仏教音楽を思い、黄秉冀が作り出したのが、カヤグム独奏曲「沈香舞(チムヒャンム、침향무)」。それまでのカヤグムの調律方法を変え、さらに両手で同時に弦を弾いたり、爪で弦をこすって音を出すなど、新しい演奏方法で注目を集め、カヤグム創作曲の基盤を作り上げた。
・カヤグム演奏家を目指す人なら、必ず学ぶ、カヤグム創作曲のひとつとして選ばれる。

▼黄秉冀のカヤグム演奏による「沈香舞(チムヒャンム)」の「第一楽章」を聴く。ひとつひとつ揺らぐように弦にリズムを与える・・・始まりを意識させるような。Ko-Wikiにある「天使の襟がなびくような透明なグリッサンドの分散和音」という音色と響きも聴いてみたい。

次のように黄秉冀のプロフィールが紹介された。
・1936年 ソウル(京城府)に生まれる。
・1951年 中学生のとき 初めてカヤグムに出会う。(朝鮮戦争のため釜山で避難生活していた)
・1959年 ソウル大学法学部卒業。(国楽演奏家としてはかなり異色な学歴の持ち主)
ソウル大2年生のとき、KBS主催の全国国楽コンクールで1位を獲得する快挙を成し遂げ、ソウル大学の音大学長の目にとまり、法学部卒業と同時に、音大講師として働くことになる。
・1963年 4章からなる初の創作音楽「森」を発表。(カヤグムの音色で叙情的な自然描写を試みる)

▼黄秉冀のカヤグム演奏による「森(숲)」の中から、第3楽章「雨(비)」と第4楽章「月光(달빛)」を聴く。細かく繰り返すリズムは雨降りを想いださせる。余韻響く音色から静寂な夜の奥域を・・・少し賑やかに感じさせるけど。

・1970年代半ば アジェンの弓を使ってカヤグムの弦を擦ったり叩いたりする演奏に、さらに奇怪な女性の声が加わる、不思議な一曲「迷宮」を発表し若者にも話題になる。
作品に共通して言えることは、山や川、自然をテーマにしている。

▼黄秉冀作曲による「掃葉山房(ソヨプサンバン(소엽산방)」中から、「トドゥリ(도들이)」のコムンゴ(거문고)演奏を聴く。リズムを浮き出すように、間を聴かせる・・・。

2014年8月26日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 旌善アリラン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/20)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第69回として、江原道旌善(정선)地域に伝わるアリラン(아리랑)、「旌善アリラン」にまつわる話を紹介した。

始めに、アリランの江原道<旌善>について、次のように紹介された。
・旌善アリランの由来に、①朝鮮建国時期説や、②アウラジ(아우라지)川を挟んで恋をした二人の男女の話も伝わる。その歌詞に、旌善地域の当時の暮らしが伝わる。
・国土の7割は山で、その中で江原道旌善は、韓半島の脊梁(大幹)を成す太白山脈の真ん中、山深い奥にある。標高1,000mを超す数多の山、そこから出る水の流れは川と結びつく。百回も曲がりくねった水の流れと一千階層からなる絶壁と表現される。都会と遠く離れた地域だが、山奥の旌善を世に知らせたのは、美しい自然と歌、山と水と共に生きてきた人々の歌、旌善アリランだ。

▼ 旌善アリランを新編曲した「道(길)」の歌を聴く。ラウンジミュージックのよう心地よい・・・今様である。

次に、旌善アリランの由来①について、次のように解説された。
・地域に多様なアリランが伝わるが、ユネスコ無形文化遺産と、韓国文化財の両方指定されているのは旌善アリランだけで、1971年、江原道無形文化財第1号に指定された。
・多様なアリラン中、旌善アリランは最も歴史が長い。約600年前、高麗が滅び、朝鮮建国のとき、高麗臣下に朝鮮王の太祖(태조、李成桂)に不満を持つ者もいた。彼らは杜門洞(두문동)に隠れて生活した。その中の7人は旌善(居七賢洞、거칠현동)に入り、生涯高麗に忠節を誓い、山菜を食べて生活した。高麗を思い、離れた家族を考える、そんな気持ちを込めた彼らの詩を、後に歌にしたのが、今日の旌善アリランの始まりという*。

(*)「旌善郡ホームページ」より: 「大院君が景福宮を修造した朝鮮後期から、アリランが全国的に知られ始め、当時まで命脈をつないできた旌善の伝統音楽に『アリラン、アリラン ・・・』という音をつけて『リフレイン』として定着し、これを基に『旌善アラリ』、または『旌善アリラン』と名づけられた。」

▼ 「旌善アリラン(정선아리랑)」を弦楽器アジェンとピアノ演奏で聴く。あれれ、冬のソナタ・・・コラボ、今様である。

最後に、旌善アリランの由来②について、次のように説明された。
・アウラジ川を挟んだ、ヨリャンリ村の娘とユチョンリ村の青年は、ツバキを摘みに行くと言い訳して川を渡り、互いの愛を育ませた。梅雨時、川の水位が高くなって渡れないのを、娘が川の水を恨めしく思い歌ったという由来だ。現在、アウラジ川辺に娘の銅像が立っている。

▼ ソウル、京畿地域に伝わる「長アリラン(긴아리랑)」の歌を聴く。農作業の歌か、穏やかに伸び伸びと歌う。

・旌善アリランは、山中一人で農作業する身の安全を知らせるため歌ったともいう・・・そうだ。

2013年3月12日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金一球

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/6)に、人物シリーズ70回目として、パンソリの赤壁歌(チョッピョッカ、적벽가)の芸能保有者である名唱、金一球(キム・イルグ、김일구、1940年~)を紹介した。

まず、「広大(カンデ、광대)」の解説から始まった。
・広大は、パンソリの他に、綱渡り(ジュルタギ、줄타기)、軽業、仮面劇、人形劇などの伝統芸能を職業とする集団の意。李朝末期、パンソリを整理した申在孝(シン・ジェヒョ、신재효、1812年~1884年)は、次の4つを広大の条件としてあげた。
① 「人物」、見目形より、その役に合った姿であること。
② 「語り」、広大が基本的に話し歌うため、語りが上手であること。
③ 「完成された声」、自身の芸事が頂点に達すること。、
④ 「身振り手振り」、演じる際の体の動きに関する条件である。

 ▼金一球による短歌「広大歌(광대가)」を聴く。申在孝創作のパンソリで、彼が唱えた広大のあるべき姿が淡々とつづくよう・・・。

(参考)「短いバンソリにみられる人生観」(李文相、「東アジア研究」2009.3)・・・「広大歌」歌詞訳掲載

次のように金一球のプロフィールが紹介された。
・1940年、全羅南道和順に生まれる。父は、西便制の「春香歌」の歌い手、金東文(キム・ドンムン、김동문)名唱。
・10歳になる前からパンソリの稽古を始めた。
・光州へ引越して、孔大一(コン・デイル、공대일)名唱に師事。また他分野を開くため、木浦の張月中仙(チャンウォルジュンソン、장월중선)名人を訪ねた。
・張月中仙は、パンソリ、コムンゴ、カヤグム、舞踊、ボムピなど伝統文化全般に渡る歌や楽器に優れ、唱劇団の伴奏をしていた際、韓一燮(ハン・イルソプ、한일섭)名人と共に「散調牙筝」(サンジョアジェン、산조아쟁)を考案し演奏した。その貴重なメロディーを金一球に伝授した。
・散調は、パンソリのメロディーをベースとしており、幼児からパンソリに親しんだ金一球はすぐに演奏するようになった。さらに上を目指して、「伽耶琴散調」(カヤグムサンジョ)の名人、元玉花(ウォン・オクファ、원옥화)に再び師事して、それをマスターした。

▼金一球による散调「ホトゥンカラッ(허튼 가락)」を聴く。散調の本来の名前が、この曲名("
でたらめな調子" )だそうだが・・・ちょっとチェロに似てモダンな感じがする。

・その後、ソウルに再上京し、国立劇場で唱劇伴奏者として活動。元来パンソリを専門としていたので、楽器よりも歌へと、パンソリに再入門し実力を伸ばした。
・金一球の婦人(スグンガの芸能保有者候補)、息子(パンソリ歌い手)とともに国楽一家である。

▼金一球によるパンソリ「赤壁歌」中の「孔明東南風吹くを祈る場面(공명 동남풍 비는 대목)」を聴く。・・・三国志、火攻めの策を計る。ここも物語りがつづく。

2014年11月12日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 改良楽器

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/5)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第79回として、改良された昔の楽器、「改良楽器(개량악기)」にまつわる話を紹介した。

始めに、伽耶琴(カヤグム、가야금)、玄琴(コムンゴ、거문고)、牙筝(アジェン、아쟁)などについて次のよう紹介された。
・時代変化と共に音楽や楽器は変わり、国楽も例外でない。昔の姿を保ちつつ改良が始まったのは、朝鮮後期からと記録される。数多くの楽器中、撥弦楽器の「伽耶琴」から改良が始まった。
・伽耶琴は十二弦、「玄琴」は六弦から成る。当たり前とされたが、最近は変わってきて、伽耶琴は十二弦よりも二十五弦が多く、玄琴も十弦まで増えた。「笛」も元々3種類だったが、今は数えきれないほど増えた。国楽を専攻者でも、その種類を把握しきれないほど改良楽器が多い。中でも、伽耶琴に似た擦弦楽器の「牙筝」は、弦の数、形も大きく変わっている。

▼ 淑明伽耶琴演奏団演奏「キサス・キサス・キサス」(1947年、キューバ)を聴く。懐かしい、蓄音機で聴くよう、今様である。

次に、伽耶琴の由来と曲調「伽椰琴散調(가야금산조)」と、楽器の改良の様々について次のように説明された。
・伽耶琴は、伽耶国の嘉実(가실)王と于勒(우륵)が作ったと記録されている。千年以上楽器の形状は変わらず継承されたが、朝鮮後期に改良され始めた。伽耶琴本体はコンパクトになり、弦の間隔も狭まった。音楽のテンポも速まり、それに合わせて改良されたのだろう。弦も細くなり、音色にも大きな変化が出た。この頃、登場した音楽の形式が「散調」だ。ゆっくり始まり次第に速くなるテンポ、リズムやメロディーの変化が激しいのが散調の特徴だ。
・さらに、金属弦から成る伽耶琴や、弦数を変えた多様な伽耶琴も登場した。最近は、二十五弦の伽耶琴が最も一般的だ。
・玄琴は大きく変わっていない。十本弦の玄琴もあるが、未だ広く演奏されていない。しかし、玄琴だけで演奏するグループ「コムンゴファクトリー」が活動を始め、玄琴の音色を色々な形で演奏を試みている。

▼ コムンゴファクトリー演奏「自由な鳥に(자유로운 새에게)」を聴く。青空に浮かぶか夕陽に漂うか羽音するよう、今様である。

・コムンゴファクトリーは、玄琴の大きさを普通の半分にしたり、チェロのように弓で演奏したりする。さらには、電子玄琴で違う音色を作ったりする。そのほか、「琵琶」やハープに似た「箜篌(くご)」などで演奏する方法も開発している。日本の笙とよく似た楽器「笙簧(センファン、생황)」のも、他の改良楽器と演奏をすることもある。

最後に、主に個人が楽器改良に対して、北朝鮮の改良楽器について次のように解説された。
・1960年代から国策で改良されたようだ。例えば、西洋にバイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバスのように、二弦の擦弦楽器の奚琴(ヘグム、해금)を4種類の楽器に改良して演奏を試みている。また、笛には、フルートやオーボエのようにキーを付けて、オクターブの切り替えなどしたようだ。

▼ 金剛山歌劇団演奏「フェヤンニルリリ(회양닐리리)」を聴く。なるほど異国西域の乾いた雰囲気のよう。今様である。

・日本で活動する歌劇団の演奏。聞き慣れた音色のようで、どこか異国的な雰囲気もする(とのこと)。

2012年10月1日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 スルギドゥン

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/26)に、人物シリーズ47回目としてフュージョン国楽演奏集団スルギドゥン(슬기둥)を紹介した。
(ところで番組ホームページにあるリンク先音源は「人物シリーズ」#46のもののようだが・・・)

はじめに、スルギドゥン誕生の経緯について次のような紹介があった。
・1980年代 民主化運動盛んな中、大学では民衆運動の一環として、人々の記憶の端に追いやられていた国楽に注目が集まるようになった。
・1978年 初めて登場した<サムルノリ(사물놀이)>が瞬く間に人気を集め、国楽家の間で新しい音楽を作ろうという動きが活発化した。
・1985年 スルギドゥンが結成され、「コップンネヤ(꽃분네야)」、「サンジュモシムギ(상주모심기)」、「サントッケビ(산도깨비)」などふるさとの匂いを感じさせる国楽歌謡で注目を浴びた。以来、国楽の魅力を伝え続ける、まさにフュージョン国楽の歴史と言っても過言ではない。

▼スルギドゥン(カン・ホジュンの歌)による「コップンネヤ(꽃분네야)」を聴く。まさに民謡のゆるやかな素朴な響きそのものである・・・発声、演奏ともにメディアの流れに沿っているようで。

次のようにスルギドゥンのプロフィールが紹介された。
・1985年6月 ある放送局主催の青少年音楽会で、歌を担当した青年カン・ホジュンが歌った「コップンネヤ」が話題となり、これをきっかけに国楽室内楽団スルギドゥンが正式誕生する。
・結成当時のメンバー(8人)は、 KBS国楽管弦楽団員を中心に、テグムとソグムはイ・ジュノ、ピリと歌はカン・ホジュン、カヤグムはミン・イシク、ピリはムン・ジョンイル、カヤグムとヤングムはノ・ブヨン、ヘグムはチョン・スニョン、アジェンはオギョンヒ、そしてシンセサイザーをジョ・グァンジェが担当した。

(参考)ハンギョレニュース「国楽整形術師 "スルギドゥン" 25年の內功(内的進化?)を見て」(2010年2月17日、チョン・サンヨウン記者)

(スルギドゥンのプロフィール続き)
・伝統楽器にシンセサイザーが加わり、現代的な雰囲気を醸し出すと同時に表現の幅を広げた。当時の社会を反映した曲を多数発表し、国楽は昔の音楽ではなく、現代まで続く伝統文化と強調した。

▼スルギドゥン(カン・ホジュンの歌)による「君のために歌う歌(그대를 위해 부르는 노래)」を聴く。のんびりと漂うような旋律は、古い皮袋に入れたまだ新しい葡萄酒のようで・・・。

 (スルギドゥンのプロフィール続き)
・スルギドゥンの曲で、「サントッケビ」や「ケグリソリ」は小学校教科書に載り話題となった。創作国楽が音楽のひとつのジャンルとして受け入れられたのでは・・・。この音楽団体が結成されて、すでに30年近く経ち、初期メンバーは中堅演奏者、指揮者や大学の教授などになりグループを去った。
・現在のメンバーには、KBS国楽管弦楽団の常任指揮者である初期メンバーのイ・ジュノが団長として残り、新しい若い後輩たちと活動を続けている。

▼スルギドゥン演奏による「新船歌(シンペンノリ신뱃놀이)」を聴く。東洋的叙情を西洋的編曲で覆うとこうなるのだろうか・・・。

2013年3月19日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 プルセチュル

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(3/13)に、人物シリーズ71回目として、カヤグム、コムンゴ、テグム、ヘグム、ピリ、アジェン、打楽器、そして作曲を担当する総勢8名の男性のフュージョン国楽グループ「プルセチュル(不世出、불세출)」を紹介した。

はじめに、「プルセチュル」すなわち「不世出」のグループ名前の由来から始まった。
・漢王朝建国の皇帝<劉邦>の臣下<韓信>が、ひとびとに「不世出」と絶賛されたことからとったグループ名。

▼プルセチュルによる「シルシル(시르실)」を聴く。弦と弦が綾なす・・・さわやかな印象。

次にプロフィールが次のように紹介された。
・2006年 韓国芸術総合学校の伝統芸術院に在学生たちで結成。
・2007年 国楽放送主催の21世紀韓国音楽プロジェクトに参加、アリラン賞受賞。
・2008年 北村チャンウ劇場で開催のコンクールで大賞受賞し、CD発売。
・若手国楽家のフュージョン音楽には、伝統を基本ベースとしながら・・・実際、その音楽を聞いてみると、楽器は国楽器を使用しているけれども、その音色やメロディーは大衆音楽となんら変わりないケースがみられるが、プルセチュルの音楽は、伝統楽器が演奏の中心なのはもちろん、民謡や巫俗音楽など伝統的メロディーをベースに、伝統的音色、チャンダン(リズム)を生かした音楽作りに取り組んでいる。

2015年11月4日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 瞑想の音楽

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/28)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、<瞑想>にふさわしい3曲を紹介した。

始めに、瞑想の効用と風流音楽について次のように紹介された。
・瞑想は、ストレス解消や血液循環が良くなり、肉体疲労や病を回復させる力があるという。集中力が上がり、憂鬱な気分から解放されるともいう。しかし、本当に効果があるか確認する方法はない。直接体験して確かめることになる。瞑想方法は多様だが、共通するのは集中することだ。頭の中で思いを一ヵ所に集中する必要がある。最初は簡単でないが、静かな音楽と、そのリズムに集中するのもひとつの方法だ。

▼ 撥弦楽器の伽耶琴(カヤグム、가야금)演奏の代表的風流音楽「霊山会相(영산회상)」から、「上霊山(상령산)」を聴く。行間を読むように響く。

次に、撥弦楽器の「伽耶琴」や「玄琴(コムンゴ、거문고)」の奏法、仏教音楽「梵唄(범패)」について次のように説明された。
・撥弦楽器の、「伽耶琴」や「玄琴」は、「スルテ(술대)」という絃をはじく竹撥(ばち)、または指で音を出す。西洋楽器のバイオリンと違い、弓で一度音を出すとすぐに消えるため、遠ざかる音を装飾音(꾸밈음、Trill)で飾ると、長く響くように感じる。「上霊山」の場合、ゆっくりした速さと、音階の少ないのが特徴。一曲の演奏に、初めから終わりまで集中が必要、瞑想でもある。
・仏教音楽の「梵唄」も同様である。中でも、歌詞を長く解釈しながら歌う、サンスクリット語からなるもっとも長い歌「ジッソリ(짓소리)」は、五、六文字で一時間歌うこともある。母音を長く伸ばすため間違えると大変で、集中しなければならなかった。

▼ 梵唄「ジッソリ」から「挙霊山(거영산)」を聴く。遍路歌ではないが、聞き入っていることに気付く。

・九文字で構成される歌詞を二度繰り返し、もう一度繰り返すとき一文字だけを長く歌う。大変短い歌詞だが、意味のない母音をリズムに合わせて歌う。長い歌詞のパンソリに匹敵するくらい難しい。僧侶の修行のひとつの方法ともされる。

(ちなみに、イ・ソンヒの父は、梵唄の指導者といわれている)

最後に、(韓国の)伝統音楽と瞑想の親和性について次のように紹介された。
・西洋の音楽は和音が多い反面、伝統音楽はメロディーがシンプルなため、瞑想に役に立つともいう。

▼ 「コル・ニドライ」(Max Bruch作曲)の、牙筝(アジェン、아쟁)とピアノ演奏(2005年、明洞聖堂大聖堂)を聴く。チェロも哲学的といわれる・・・が。

2012年4月22日日曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 尹允錫

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/18)に、牙筝(아쟁:アジェン)という楽器で自らの名前の入った散調(산조:サンジョ)を作り出した尹允錫(ユン・ユンソク:윤윤석、1939年~2006年)を紹介した。

まず、牙筝の復習・解説から始まった。
・韓国の弦楽器は、奏法により、指で弦を弾いて音を出す伽耶琴(カヤグム:가야금)やコムンゴ(거문고、「玄琴」)などと、弦を弓で擦って音を出す奚琴(해금:ヘグム)など2種類あるが、牙筝は後者の擦弦楽器である。

・牙筝はとても大きく、また国楽の楽器の中で最も低い音を出す。

▼尹允錫の演奏による「牙筝シナウイ(아쟁시나위)」を聴く。低音の独特の深い響きにひかれる。やがて高音まで演奏を展開する・・・。独奏楽器として成立したのはいつ頃のことだろうか。
(「シナウイ」について本ブログ関連:"韓国の風景")

次のように尹允錫のプロフィールが紹介された。
・1939年 全羅北道益山の礪山に生まれる。
・1960年代 牙筝散調を学び始める。
・1980年代 自らの名を付した牙筝散調を発表。
および楽器牙筝の改良につとめる。
・2005年 没する。

▼尹允錫の演奏による「鉄牙筝散調」を聴く。牙筝の絹糸弦を鉄弦に変えて手で弾くと、確かに別の楽器の音色がする。では・・・打弦では、どんな風に聞こえるのだろうか。

▼尹允錫の演奏による「尹允錫流牙筝散調」を聴く。尹允錫「流」の意味するところを理解できる余裕もないのが残念だ。

2018年3月7日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 牙筝

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(2/28)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、擦弦楽器の「牙筝(アジェン、아쟁)」にまつわる話を紹介した。(前回にあたる 2/21放送については未聴です)

最初に、牙筝の名手「金雲鸞(または金雲蘭、김운란)」について次のように紹介された。
・「金雲鸞」は、朝鮮時代最高の教育機関「成均館」に学んだ優秀な人材だったが視力を失い、牙筝を習い名人になった。朝鮮中期の儒学者「李珥(이이)」は、その音に惚れて、<楼閣から牙筝の音が聞こえると、あまりにも驚いて声も出なくなった> と、牙筝を深い悲しみの音と表した。ある日、金雲鸞が古い位牌堂の傍で牙筝を奏でると、堂中から泣き声がした。死者の霊にも響いたのだ。彼は恐怖に牙筝を持って逃げだしたという。

▼ Bruch作曲の「Kol Nidrei(신의 날)」という曲を、牙筝とピアノ演奏で聴く。

(参考)

(Youtubeに登録のCPR Classicalに感謝)

次に、「牙筝」、「奚琴(ヘグム、해금)」、「伽耶琴(カヤグム、가야금)」や「玄琴(コムンゴ、거문고)」の弦楽器の違いについて次のように紹介された。
・牙筝は、伝統楽器中、最も低い音を出して心の深いところに届く。時に牙筝と、二弦擦弦楽器「奚琴」を混乱することがある。牙筝と奚琴は、両方とも擦弦楽器だが形状が異なり、奚琴は牙筝と比べて小さく、弦も細いため高音が出る。
牙筝は、<桐>の胴にいくつかの弦をのせた楽器で、撥弦楽器の「伽耶琴」や「玄琴」と似た形だが、奚琴は、小さい筒に竹を刺して弦を繋げたハンマーに似ている。伽耶琴と玄琴は弦を弾くのに対し、牙筝と奚琴は弦を擦って音を出す。

▲ 奚琴の演奏で「記憶の中のワルツ(기억 속의 왈츠)」を聴く。セピア色に今様に。

最後に、牙筝の奏法、改良について次のように紹介された。
・牙筝は、高麗時代に中国伝来の楽器で、<桐>の胴体で、人の身より大きく、弦も太いのが特徴。伽耶琴や玄琴は膝の上で演奏するが、牙筝は大きく重たい楽器のため、台上で演奏する。レンギョウの木製の棒を擦って音を出す。鈍音なので、変化の激しい演奏に相応しくないが、20世紀初頭、半分に縮小したものが作られた。弦も細く、弦と弦の間の距離も短くなり、馬の尻尾製の棒で、よりなめらかな音色で演奏するようになった。伝統的な牙筝は、主に宮中音楽を演奏し、新しい牙筝は舞踊の伴奏音楽や祭祀音楽の演奏に使う。

▼ <雨や雪が降る日に似合う、哀切な音色が楽しめる曲>という「牙筝の散調中のチンヤンジョ(=リズム)」を聴く。緩く現代風に。

2013年1月29日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 李世焕

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/23)に、人物シリーズ64回目として弦楽器コムンゴ*(玄琴、거문고)の演奏者、李世焕(イ・セファン、이세환、1952年6月4日~)を紹介した。

(*)コムンゴは(日本の琴に似た)伽耶琴と同サイズだが、「伽耶琴の弦が12本で、直接、指で演奏するのに対し、コムンゴの弦は6本。それにスルテと呼ばれる、細くて短いばちを使って演奏するため、伽耶琴よりも荒々しい音を出す」。

(本ブログ関連:"コムンゴ")

まず、コムンゴ演奏の復活の解説から始まった。
・コムンゴ演奏の紹介曲「チュルガン(出鋼、출강)」は、力強くて何処か叙情的な音色があるが、チュルガンに、製錬所で純粋な金属を取り出す作業の意がある。1964年、北側の曲が始まりで、1995年に韓国に初めて伝えられた。当時、韓国国楽人たちは、北側でコムンゴ演奏はなくなったと考えられていたため、コムンゴの創作音楽は大きな話題となった。

▼李世焕と琴律楽会による「チュルガン(출강)」を聴く。描写的な要素が強いのだろう・・・大味な感じがする。

・北側では1965年、伝統楽器の改良政策が進められたが、コムンゴは改良が難しく除外された。当時の韓国でもコムンゴの音色は国楽の現代化の波から取り残されつつあった。李世焕が「チュルガン」を発表したことで、仰々しい楽器というイメージをコムンゴから払拭し、躍動的で叙情的な音楽も演奏できるという認識を与えることになる。

▼李世焕他による「霊山会相(ヨンサンフェサン、영산회상)」中の「下絃還入(ハヒョンドドゥリ、하현도드리)」を聴く。風流なんでしょうか・・・でも少し賑やかな。

次のように李世焕のプロフィールが紹介された。
・1960年代 国楽士養成所に入学。コムンゴ正音楽を学ぶ。
・その後、国立国楽院の正楽団で、コムンゴ演奏者として活動。アジェンとチョルヒョングムの演奏にも長けた。さらに、宮中音楽やソンビたちの音楽である正楽だけでなく、サンジョやシナウィ、舞踊音楽など、民俗音楽にも才能を発揮した。国楽家中で、正楽と民俗音楽の両分野に渡り活動する演奏家は稀。
・1980年代 李世焕を後援するする日本コムンゴ会が結成される。

▼李世焕他による申快童流(シン・クェドン流、신쾌동류)の「玄琴散調(サンジョ、산조)」を聴く。・・・ゆるりと聞き入る。

2012年1月10日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 徐龍錫

KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は新年最初の放送を、先週水曜日(1/4)に、人物シリーズ9回目として大笒(テグム)散調(サンジョ)の名人、徐龍錫(ソ・ヨンソク서용석、1940年2月7日~)を紹介した。

まず楽器の大笒(テグム、대금)の復習から始まった。
・竹で作られた横笛で、長さはおそよ1メートルほど。
・音色も、荒々しく、震えるような音を出すところが特徴。

▼徐龍錫による徐龍錫流*大笒散調の中から「チュンジュンモリ」を聴く。高音で軽やかに吹いているが、やっぱリズムの取り方が難しい。
(*)リズムを最初に設定した人の名前を付けて、「OOO流大笒散調」などと区分する、とのこと。

次のように徐龍錫のプロフィールが紹介された。
・1940年2月7日、全羅南道谷城(곡성)の国楽人の多い一家に生まれる。
・20代に演奏家として、女性国楽団、国劇団(金素姫김소희が中心に立ち上げ)などで活動。
・三人の息子達も演奏家として活動中。

▼徐ヨンホによる徐龍錫流牙筝(アジェン:아쟁)散調の中から「チニャンジョ」を聴く。どこかチェロに似た響きのする楽器で、深みがある。

▼徐龍錫のテピョンソの演奏でサムルとテピョンソ「シナウィ」を聴く。やっぱりアジア的な響きがして、辰年にちなんでいえば中国の龍踊りの賑やかさを思い出すけれど・・・。