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2013年1月29日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 李世焕

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/23)に、人物シリーズ64回目として弦楽器コムンゴ*(玄琴거문고)の演奏者、李世焕(イ・セファン、이세환、1952年6月4日~)を紹介した。

(*)コムンゴは(日本の琴に似た)伽耶琴と同サイズだが、「伽耶琴の弦が12本で、直接、指で演奏するのに対し、コムンゴの弦は6本。それにスルテと呼ばれる、細くて短いばちを使って演奏するため、伽耶琴よりも荒々しい音を出す」。

(本ブログ関連:"コムンゴ")

まず、コムンゴ演奏の復活の解説から始まった。
・コムンゴ演奏の紹介曲「チュルガン(出鋼、출강)」は、力強くて何処か叙情的な音色があるが、チュルガンに、製錬所で純粋な金属を取り出す作業の意がある。1964年、北側の曲が始まりで、1995年に韓国に初めて伝えられた。当時、韓国国楽人たちは、北側でコムンゴ演奏はなくなったと考えられていたため、コムンゴの創作音楽は大きな話題となった。

李世焕と琴律楽会による「チュルガン(출강)を聴く。描写的な要素が強いのだろう・・・大味な感じがする。

・北側では1965年、伝統楽器の改良政策が進められたが、コムンゴは改良が難しく除外された。当時の韓国でもコムンゴの音色は国楽の現代化の波から取り残されつつあった。李世焕が「チュルガン」を発表したことで、仰々しい楽器というイメージをコムンゴから払拭し、躍動的で叙情的な音楽も演奏できるという認識を与えることになる。

▼李世焕他による「霊山会相(ヨンサンフェサン、영산회상)」中の「下絃還入(ハヒョンドドゥリ、하현도드리)」を聴く。風流なんでしょうか・・・でも少し賑やかな。

次のように李世焕プロフィールが紹介された。
・1960年代 国楽士養成所に入学。コムンゴ正音楽を学ぶ。
・その後、国立国楽院の正楽団で、コムンゴ演奏者として活動。アジェンとチョルヒョングムの演奏にも長けた。さらに、宮中音楽やソンビたちの音楽である正楽だけでなく、サンジョやシナウィ、舞踊音楽など、民俗音楽にも才能を発揮した。国楽家中で、正楽と民俗音楽の両分野に渡り活動する演奏家は稀。
・1980年代 李世焕を後援するする日本コムンゴ会が結成される。

▼李世焕他による申快童流(シン・クェドン流、신쾌동류)の「玄琴散調(サンジョ、산조)」を聴く。・・・ゆるりと聞き入る。