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2013年8月13日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 立秋

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/7)に、文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第18回として、「立秋입추)」について紹介された。

(本ブログ関連:”2012立秋”、”2013立秋”)

まず暦としての立秋について次のように説明された。
・8月7日は暦上、二十四節気の立秋にあたる。その名の通り、秋の運気が立ち上がる意を持つ。今の時期、秋の気配すら見えぬが、やがて暑さも下り、稲穂が出て短い時間だが花も咲く。草取り(김매기)など、農作業がある程度終わると、穀物の生育を見守る時間が必要になる。
この時期、通り過ぎる風が多く、大切に育てた農作物が、強風に倒れる様を見つめるしかない農民の心情は計り知れない。そのため昔、五日間以上雨が続くと、官庁が祈晴祭(기청제)を行い、雨がやむよう儀式を行った。

▼「野原で(들판에서)」を聴く。田園を描いた叙情的な風景曲とでも・・・今様の演奏曲である。

立秋にちなむ詩について次のような紹介があった。
・立秋は、陽暦の8月初めにあたり、陰暦の7月になる。朝鮮時代(19世紀前半)、農村の季節ごとの風景を詠んだ農書「農家月令歌(농가월령가)」(丁学游:정학유、1816年)があって、立秋の頃を歌った内容がある。

ハングルで書かれた「農家月令歌」は、7月について、次のように記している。
(参考)http://www.seelotus.com/gojeon/gojeon/ga-sa/nong-ga-07.htm  感謝。

「7月の真夏になると、二十四節気上、立秋となる。
残暑が残るといっても、季節は騙せないもののようだ。
雨も細く降り、風も変わってくる。
七夕に織姫と彦星が流した涙が雨となり、その涙の混ざった雨が過ぎていき、
桐の葉が落ちるようになる頃、
眉毛のような形の三日月が西の空にかかった。
悲しいかな、農夫たちよ。われわれはほとんどが仕事である。
安心してはいけない。まだ遠い道のりだ。
きれいに草取りをし、稲の選定、鎌を研いで、あぜを刈り、ご先祖様のお墓の草取り、堆肥となる草を刈り取り、まとめて積み上げ、田んぼと畑には案山子を、畑の脇の道もきれいにし、覆った土も取り除いて整理する。
よく肥えた柔らかい畑に肥料をやってさらに成熟させ、キムチを漬けるキムジャンのための大根や白菜は他人より先に植え、棘のある木で作った囲いで踏まれないようにしておく。
キリギリスの鳴く声、君のための声。あの声を聞いて心を落ち着けよう。」

▼「秋が来れば(가을이 오면)」を聴く。自然に親しみ躍動するよう・・・清しい旋律、今様である。



(Youtubeに登録のpops8090に感謝)

最後に黄真伊(황진이)の「想思夢(상사몽)」の詩が朗読された。
・・・岸さんの言葉、「秋は、心の底にひそめておいた昔のひとがふと思い出される季節でもあります」

相思相見只憑夢   あなたに会えるのは夢の中だけ 
儂訪歡時歡訪儂   おなじ道をたどり、ふたたび会うことができた
願使遙遙他夜夢   願えばいつも夢の中で
一時同作路中逢   いつもあの道で会える

▼黄真伊の詩をテーマとした演奏曲「想思夢」を聴く。昔のひとにとって、夜の闇と明かりの対比はいかばかりだったでしょうか。

(本ブログ関連:”黄真伊”)