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2015年10月7日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 風流音楽

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/30)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、ソンビ선비)が「風流(풍류)」を楽しむときに聞いた音楽にかかわる3曲を紹介した。

始めに、自ら「看書痴(간서치)」と称した、李徳懋이덕무、1741年~1793年) の詩について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむとき聞く音楽を、風流音楽という。朝鮮後期のソンビ李徳懋の詩に、「秋の風は心を元気にし、森を通り過ぎる風は、まるでコムンゴのように聞こえる。水鳥はひっそりと、陶淵明の詩を聞いている。彼の詩は心の中を清くし、平和で古めかしい」という内容がある。李徳懋は本を読むことが好きで、自ら「看書痴」(読書に没頭し、世事に興味ない人)と表現したほどだ。秋風を感じながら詩を謳うソンビの趣に、一度は真似てみたい、それにぴったりの音楽がある。

▼ 朝鮮後期、風流音楽の「霊山会相(영산회상)」の一曲目、大笒(テグム)演奏「上霊山(상령산)」を聴く。ゆたりと響く。

次に、洪吉周(홍길주、1786年~1841年)の「読書の5つのレベル」について次のように紹介された。
・李徳懋と同時代のソンビの洪吉周は、読書を5つのレベルに分けて記録した。① 最も高いレベルは、体を清くすること。② 古いものから学び、今直面した問題にうまく適用させること。③ 文章を磨き上げて、世の中に名を知らせること。④ 記憶力を生かし、他の人に誇示すること。⑤ 最も低いレベルでは、暇つぶしに読書をして時間を無駄にすること。昔、ソンビにとって読書は、生活そのものであり義務でもあった。早朝、読書で一日を始め、昼寝するときも本をそばに置いた。時には、友人と自然の中で、詩を作ったり、絵や音楽を楽しんだ。これを風流と言いう。

▼ 風流音楽「霊山会相」の6曲目、下絃の楽曲の意、「下絃還入(하현도드리)」演奏を聴く。風流と素朴の一体のよう。

最後に、ソンビの風流とは別の「民間風流(민간풍류)」について次のように紹介された。
・ソンビが風流を楽しむときに聞く風流音楽(または風流)という。九曲で構成される霊山会相などが代表的だ。また、庶民のパンソリが宮廷でも親しまれ、風流音楽は、地方から貴族に、そして庶民へと伝わった。このように変化した風流を、「民間風流」という。わずか数十年前まで、各地に律房(율방)という風流の室内演奏空間があった。人々が定期的に集まり、聞かせるためでなく、自分たちが好きな音楽を演奏していた。

▼ 民間風流から「クルゲヤンチョンとウチョ(글게양청, 우조)」を聴く。舞いを誘う趣がある。なるほど民間だ。

・「クルゲヤンチョン」は、ソウルの風流「ヤンチョントドゥリ」と同じ曲だが、ソウルでなく全羅道地域の律房で歌われたもの。