KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(6/10)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、朝鮮半島の南に位置する島、<済州島(제주도)>の歌に関する3曲を紹介した。
(本ブログ関連:”済州島”)
始めに、済州島の景観と李漢雨(이한우、1823年~1881年)作「瀛州十景歌(영주십경가)」について次のように紹介された。
・済州島といえば、透き通ったきれいな海、島の中心にそびえ立つ漢拏山(한라산)。柑橘類の「ハンラボン(漢拏峰、デコポン)」や「天恵香」。独特な方言、ウォーキングコース(제주올레)も思い浮かぶ。特有の景色と文化を誇る一方で、陸地と離れた島として、生活は大変な面も多かったが、反面、固有の文化が守られている。
・昔、瀛州といった済州島の十の景色を歌う「瀛州十景歌」がある。海底噴火でできた「城山日出峰(성산 일출봉)」など、済州島の景勝地を歌う。
▼ 水瓶(허벅)を棒で叩きながら歌う「瀛州十景歌」を聴く。民謡に聞こえるが、詩作時期を考えると成立はいつか。
次に、竹編みの「竹籠(クドク、구덕)」と、それを元にした「赤ん坊竹籠(애기 구덕)」について次のように紹介された。
・水瓶は、女性が頭に載せて水汲みに行くが、済州島では「竹籠」に入れ、紐を付けてかついだ。水がこぼれぬよう、こぶし大の小さな口が特徴。竹籠は、水瓶を運ぶ以外、洗濯物や魚や餅を入れたり、祭祀の供え物を入れる竹籠もあった。
・竹籠に、「赤ん坊(エギ、애기)竹籠」という揺り篭がある。面白い仕掛けがあって、籠の中間の高さに、縦横に紐を編み合わせ、その上に麦わらを敷き、赤ん坊を寝かせる。赤ん坊が大小便をしても麦わらに吸い取らせる。また、底が丸いため、手や足で揺らすと赤ん坊がすぐに眠る。風が強いこの島では、置いておけば自然に揺れるという。
▼ 赤ん坊の揺り籠歌「赤ん坊竹籠を揺らす音(애기 구덕 흥그는 소리)」を聴く。(お婆さんの歌声に心穏やかになり、自然と眠たくなりそう、という)・・・なるほど、リフレインは単調でも、安定感があるなあ。
・済州島独特の文化、「赤ん坊竹籠」は、今では子供用品として販売され、竹の代わりに丈夫な鉄のものも出ている。伝統を受け継ぐ姿が素晴らしい。
最後に、海女が船で海に出るとき歌う民謡「離於島サナ(이어도사나)」について次のように紹介された。
・済州島民謡に、海女が船で海に出るとき歌う民謡「離於島サナ」がある。単純で元気の良いリズムが特徴。
▼ 民謡「離於島サナ」を編曲した「離於島の歌(이어도의 노래)」を聴く。陽射しに照らされて陽気に歌う編曲。
・離於島は、済州島から約150キロメートル離れた場所にある水中の暗礁で、幻の島としての象徴的な場所でもある。小説や映画、歌でも広く知られる。