▼▼ 青字下線付語句のリンク先は、マウス右クリック+<新しいタブ>で進んでください。(本ブログ関連)の最下段に「次の投稿ホーム」があるとき次ページがあります。▼▼

2025年9月1日月曜日

今年も残り3分の1になる、秋声賦

きょうから9月が始まる。気象庁のカレンダーでは「秋」(9月~11月)だが、夏の熱署の収まる気配はない。ここ数日、35℃以上の「猛暑日」は続くもよう。以降、11日ごろまで「真夏日」とのこと・・・。秋の涼しい風を感じるには、もうしばらく日数がいるようだ。

夏がまつわりつき、季節の節目がはっきりしない。午後4時ごろ街に出たが、熱気も日射も容赦なかった。きょうも最高気温が 36.7℃(13:45)で、きのう(8/31)につづき「猛暑日」(日最高気温が35℃以上)だった。

きのう見た「エノキ」も秋に変化する。Googleの生成AIは、次のように解説した。(抜粋)
----------------------------------------------------
エノキの「葉」が黄葉する時期
・「黄葉」の時期は、10月〜11月頃に見られ、実が熟す時期と黄葉の時期が重なる。
・秋の深まりを感じさせる風景として、葉と実の両方同時を楽しむことができる。

エノキの「実」が色づき熟す時期
・「実」は、春から初夏に緑色の実をつけ、8月頃から色づき、9月〜10月頃に熟す。
・黄葉が進むにつれて、小さな実は、赤や橙色に変化し、黒紫色に成熟する。
----------------------------------------------------

ところで、秋の変化に気付く和歌がある。教科書でお馴染みの、平安時代の歌人「藤原敏行」(ふじわら の としゆき、没年:昌泰4年[901年]または延喜7年[907年])の歌(「古今和歌集」秋歌上169)だ。
----------------------------------------------------
秋来ぬと目にはさやかに見えねども 風の音にぞおどろかれぬる
----------------------------------------------------

北宋の詩人「欧陽 修(おうよう しゅう)」(1007年~1072年)に、秋の風について書いた「賦」(漢詩~散文の中間)がある。欧陽は、藤原敏行より後年だが、秋の風に激しさを感じたようだ。彼ら共通して、季節(自然)の変化にとどまらず、内的変化(人生)を感じ取っているようだ。

■  立命館大学
「欧陽修 - Open 」
    ー https://www.arc.ritsumei.ac.jp/opengadaiwiki/index.php/欧陽修
----------------------------------------------------
「秋声賦」
欧陽子方夜読書、聞有声自西南来者、悚然而聴之曰異哉、初析瀝以蕭颯忽奔騰而砕湃、如波涛夜驚風雨驟至、其触於物也、鏦鏦錚錚金鉄皆鳴、又如赴敵之兵御枚疾走、不聞号令、但聞人馬之行声、予謂童子此何声也、汝出視之、童子曰、星月皎潔明河在天、四無人声声在樹間、予曰、噫嘻悲哉、此秋之声也、胡為乎来哉、蓋夫秋之為状也、其色惨淡煙霏雲斂其容情明天高日晶、其気慓冽、砭人肌骨、其意蕭条山川寂寥、故其為声也、凄々切々、呼号奮発、豊草緑縟而争茂、佳木葱籠而可悦、草払之而色変、木遭之而葉脱、其所以摧敗零落者、乃一気之余烈、夫秋刑官也、於時為陰、又兵象也、於行為金、是謂天地之義気、常以粛殺而為心、天之於物春生秋実、故其在楽也、啇声主西方之音、夷則為七月之律商傷也、物既老而悲傷、夷戮也、物過盛而当殺、嗟夫、草木無情有時飄零、百憂感其心万事労其形、有動乎中必揺其情而以思其力之所不及憂其智之所不能宜其渥然丹者為槁木黟然黒者為星星、奈何非金石之質欲与草木而争栄、念誰為之戕賊、亦何恨乎秋声童子莫対、垂頭而睡、但聞四壁虫声喞々、如助予之歎息。
----------------------------------------------------

■ DeepL.com の<翻訳ツール>による
    ー 残念ながら、漢詩文理解の素養がないので、翻訳ツールからたどるしかないが・・・。
    ー https://www.deepl.com/ja/translator
----------------------------------------------------
欧陽子方、夜に読書する。西南より声ありと聞いて、悚然として聴く。異なりや、と。初めは析瀝として蕭颯、忽ち奔騰して砕湃、波濤の如く夜に驚風雨驟至る。物に触れるところ、 鏦鏦錚錚と金鉄が鳴り響き、また敵に赴く兵が鎧を鳴らして疾走するようで、号令は聞こえず、ただ人馬の足音のみが聞こえた。私は童子(召使い)に「これは何の音か、お前が出て見てこい」と言った。童子は「星月夜は皎潔で、天には天の川が輝いています。周囲に人の声はなく、音は木々の間にあります」と言った。私は「ああ、悲しいことだ、 これ秋の声なり。何故して来るのか。蓋し秋の様相とは、その色は惨淡、煙は霏え雲は斂ず、その情は天明にして日晶、その気は慪冽にして人肌を刺し、その意は蕭条として山川寂寥なり。故にその声は、凄々切々として呼号奮発、 豊かに茂る草は緑濃く競い、美しい木々は青々と茂って悦ばしい。草は刈られれば色を変え、木は風にあえげば葉を落とす。これらが摧け敗れ零落する所以は、一気の余烈による。秋は刑罰の官であり、時に陰に当たり、また兵の象である。その行いは金に当たり、これを天地の義気と謂う。常に粛殺を心とし、天が万物に春に生じ秋に実らせるゆえ、楽においては、啸声は西方の音を主とし、夷則は七月の律商傷なり。物は老いて悲しむ、夷戮なり。物は盛んに過ぎ殺すべき時、 ああ、草木は無情ながら時に散りゆく。百の憂いが心を刺し、万事が形を労す。心に動けば必ず情が揺れ、力の及ばぬことを思え、知の及ばぬことを憂え。赤々と燃える者は枯れ木となり、黒々と染まる者は星屑となる。どうして金石の質でなく、草木と栄えを争おうか。誰がこれを傷つけ奪うのか、また何を恨むのか。秋声の童子よ、答えるな。うつむいて眠る。ただ四方の壁に虫の声がひそひそと聞こえ、あたかも私の嘆息を助けているようだ。
----------------------------------------------------