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2014年10月1日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」済州島

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/24)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第73回として、朝鮮半島南部に位置する火山島、「済州島제주도)」にまつわる話を紹介した。

まず、済州島の地理と伝統的な信仰について、次のように紹介をされた。
・半島の南に韓国最大の島、済州島がある。温暖な美しい自然のリゾートアイランド。中央に位置する漢拏山(標高1,950m、한라산)は10万年前にできた火山、牧場や農園などの地でもある。
・美しい島であるだけでなく、ユネスコ人類無形遺産に登録されたシャーマニズム信仰である巫俗(무속)のお祓い「クッ(굿)」の「済州チルモリ堂燃燈グッ제주칠머리당영등굿)」が、毎年2月に行なわれる。
・漢拏山の他に、10万年前に海底噴火でできた「城山日出峰성산 일출봉)」火山も有名。列を成した溶岩洞窟の「拒文オルム溶岩洞窟거문오름용암동굴)」もユネスコ世界遺産に登録されている。透き通った海、島中央の山とが調和した島には、半島と遠く離れて独特の文化が残っている。外国語のような方言、石積みの壁。半島と異なる風景をあらわした歌「瀛州十景영주십경)」*がある。
(*) 「瀛州十景」は、後述の朝鮮後期の金正喜に師事した李漢雨(이한우、1823年~1881年)の作。

▼ 済州島を代表する風景10ヵ所を歌った「瀛州十景」を聴く。民謡と別の起源を持っている。

次に、済州島の神(神話)について、次のように説明された。
・済州島には、1万8千もの神がいる。今でも祭祀を捧げる場所が400ヵ所も残っていて、土着の信仰を守っている。この世の地形を作った「麻姑婆さん(마고할머니)」や、宇宙を支配するとされる「天地王(천지왕)」などは済州島固有の神だ。
・済州島の歴史(「高麗史古記」)では、「三姓穴(삼성혈)」に古代の耽羅(탐라)国を建国した良乙那(양을나)、高乙那(고을나)、夫乙那(부을나)の3人の誕生から始まる。3人は碧浪国(벽랑국)から3人の姫を迎え、この時、牛馬と五穀の種が済州島に伝わった。4、5世紀頃のことで、その時農耕生活が始まったという。

▼ 「済州の海(제주바다)」という歌を聴く。イメージとしては都会人のあこがれのような・・・今様である。

最後に、流刑地としての側面について、次のように解説された。
・観光地の島だが、昔は罪を犯した臣下の島流しの場所とされた。険しい海を渡ると、いつ戻れるか分からない所だ。秋史・金正喜(추사 김정희、1786年~1856年)先生の絵「歳寒図(세한도)」は、その寂しい暮らしを表した作品だ。済州島の文化が今に至るのも、地理的に海があったからだ。済州島では、今も最も寒い大寒から立春の時期に引越しする。神が天に昇り、新しい任務を受ける過渡期で、引越しに無難な時期と信じられている。実際、済州島で唯一気温が5度以下になる時期で、慣れぬ地引越ししても病になりにくいという。

▼ 済州島女性民謡「シンアウェ(신아외기)」を聴く。次第に合いの手につられて口ずさんでいる・・・今様に歌う。

金寶愛(キム・ボエ)さんの言葉、「文化というものは暮らしの中で身につけた知恵の集まりだと思います」。本当にそうですね、生活に根ざしたものこそが、子孫に受け継がれるというものですね。