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2016年8月10日水曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 愛の歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/03)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、愛の歌に関連した3曲を紹介した。

始めに、玄宗皇帝が楊貴妃を呼んだ「解語花(해어화)」と、妓生映画の題名「解語花」について次のように紹介された。
・唐の玄宗皇帝は、楊貴妃を深く寵愛し、国を混迷させた。玄宗は夏のある日、池に咲く白蓮に感嘆して、楊貴妃に「蓮の花がどんなに美しくても、解語の花には劣るだろう」と言った。楊貴妃を、言葉を理解できる花として「解語花」に例えた。美しく、物分かりの良さを強調するが、自分の意志で話さぬ控えめな女性を表すようだ。後に、芸者「妓生」を指す言葉にもなる。1940年代、妓生をストーリーにした映画「解語花」が作られ、俳優が一般に知られぬ歌を歌って話題となった。

▼ 愛は嘘だという意の歌、「愛、その嘘(사랑 거즛말이)」を聴く。愛の言葉も、夢のようというのもみんな嘘・・・今様に。


(Youtubeに登録のKMnetに感謝)

・この「愛、その嘘」は、女性歌手アンサンブル「SOULJIGI」が、女唱歌曲を新しく構成した。朝鮮時代の学者(ソンビ)、金尚容(김상용、1561年~1637年)の詩を基にしている。愛は嘘だといいながら、愛する人が戻ってこないことへの恋しさを表す。

次に、朝鮮時代の学者(ソンビ)、金尚容の人となりについて次のように紹介された。
・金尚容は700ほど詩作した。大変感受性に優れ、また人並み以上に積極的な面もあったという。清が朝鮮を侵入した戦いの「丙子の乱(병자호란、丙子胡乱)」では、王家の位牌と長男を連れて江華島に避難したが、陥落すると、火薬に火をつけて殉死した。正しいと思うことには情熱を惜しまないソンビの姿だった。

▼ 「愛、その嘘」を女唱歌曲の原曲で聴く。愛が夢に彷徨うよう、ゆたりと優雅に響く。

最後に、朝鮮時代中期の女流詩人の李玉峰(이옥봉)と、その夫の趙瑗(조원)の関係について次のように紹介された。
・「愛、その嘘」を聴くと、北方地域の民謡「愁心歌(수심가)」が浮かぶ。<夢の中の魂が痕跡を残せるものなら、毎晩愛する人を探して彷徨っただろう>という内容の歌詞で始まる。これは朝鮮時代中期の女流詩人「李玉峰」の詩から引用したもの。彼女は、家柄の良い両班の妾の娘だった。子どもの頃から立派な詩作しては人々を驚かせた。妾の子なので、両班の本妻にはなれず、そこで学識と人柄の良い「趙瑗」の妾になる。幸せな時も束の間、彼女が、悔しい目にあった民のため書いたものが官庁に影響を及ぼすと、趙瑗は、婦女がむやみに行動して世を騒がせたとし、二度と彼女を訪ねなかったという。李玉峰は、無情な夫を待ちながら、悲しい心を込めて詩作した。それを歌にしたのが「愁心歌」だ。

▼ 李玉峰の悲しみを歌った曲「愁心歌(수심가)」を聴く。人生を詠嘆するような、どこか寂しげである。