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2019年11月11日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)-5

毎週月曜日開催の市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)」へ出かけた。天気予報の通り、昼は晴れ・夕方は雨となって、帰宅時にしっかり濡れた。この時期の雨は冷える。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

先週日曜日は「文化の日」の祝日だったため、月曜日が振替休日となり、市民講座は<休講>となった。したがって2週間振りの聴講になる。今回も重い内容で、WWⅡ後にホロコーストがコミュニティの中でどのように語られたかを、特に<犠牲者>側の語りについて、「ホロコーストを巡る戦後の言論と記憶 -想起のかたち-」のタイトルで、先週に引き続き学習院女子大学教授の武井彩佳氏から説明された。ホロコースト理解を多面的に切り分けて見せてくれた。

歴史の語りは、時代(世代)・政治体制・メディア(芸術表現)によって違いが出る
・時代経過のごとに、語りの主題や内容が変わってくる
  - 個人の記憶 ⇒ 政治利用 ⇒ 被害者の子ども世代が関心を持つ ⇒ 集合(文化)的記憶
・小説:「ホロコースト小説」といったジャンルがある
  - ホルヘ・センプルン(スペイン人)、エリ・ヴィーゼル(ハンガリー出身ユダヤ人)
  - ホロコースト小説は、イスラエル以外の世界から発表されることが多い
・映画: ホロコーストを象徴化・アイコン化(ビジュアル化)しやすい多様な表現
  - 刺青(囚人番号)、星マーク、列車(収容所へ搬送)、ガス室、被害者の人格崩壊

犠牲者のユダヤ人内部での語り
・ナチスドイツとの関係
  - シオニスト: 武装抵抗した意識
  - ユダヤ人評議会(Judenrat): 対独強力した富裕層(「裏切り者」と呼ばれる)
・性的役割(語られないこと)
  - 男性: 守るべきものを守るという男的役割・存在を果たせなかった矛盾
  - 女性: 生き延びるため身を手段にする(あるいは嬰児の処置)
・仲間割れの話については当然忌避される(語られないこと)

シオニスト(イスラエル在住)から見たホロコーストの解釈
・イスラエル以外のユダヤ人(ディアスポラ)に対して
  - イスラエルに移動しなかったこと、現地での共生化を試みたことの失敗など批判

宗教(ユダヤ教)的立場から見たホロコーストの解釈
・神学テーマ
  - 正統派: 神の罰(神に見捨てられた)
  - 神の不在:「あなた(神)はその時どこにいたのか」
  - 生存者(Sh'erit ha-Pletahשארית הפליטה)を神は見捨てたのではない解釈もある
・世俗派は、西欧世界での<共生>という幻想が破綻したことを知る

共産主義体制から見たホロコーストの解釈
・社会主義では、民族よりもファシストと闘った民衆に力点が置かれた
  - ファシストと闘った共産主義者 > 苦しんだ一般民衆 > 抵抗せず殺されたユダヤ人
・ホロコースト記念碑も、ファシズムへの抵抗を誇示するようデザインされる

アメリカに移住したユダヤ人から見たホロコーストの解釈
・アメリカ移住で生き残ったという理解
  - アメリカンドリーム: 困難からのがれる ⇒ 一生懸命働く ⇒ 裕福になる
・(ホロコーストのなかった)アメリカに多数のホロコースト博物館・記念碑がある
  - 体験者でないため、当初は逆にリアルな表現を求めたが、現在は抽象的になっている
  - 犠牲者の「無名性」を乗り越える作業として、生き残ったひとびとの体験を聞く


(感想)
<体験>は、生き残ったひとの言葉でしか伝わらない。死者の言葉ではない。<歴史>が体験をくるむとき、言葉は整理される(第3者の手で整理されてしまう)。時間が遠くなるほど、距離が遠くなるほど、言葉は純化される。メディア(あるいは思想)というプリズムをかけると、容易に角度を変えてしまう危険性がある。

(資料)天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」、「祝賀御列の儀」

一昨日の11月9日に皇居前広場で行なわれた「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」での天皇陛下のお言葉、および昨日の11月10日に行なわれた「祝賀御列の儀」について次に記す。

民間主催による「天皇陛下御即位をお祝いする国民祭典」での天皇陛下のお言葉*
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さきに、「即位礼正殿の儀」を行い、即位を内外に宣明しました。そして、今日ここに集まられた皆さんからお祝いいただくことに感謝します。

即位から約半年、多くの方々から寄せられる気持ちを嬉しく思いながら過ごしています。また、この間、様々な機会に、国民の皆さんと直接接し、皆さんの幸せを願う思いを私たち二人であらたにしてきました。

その中にあって、先月の台風19号をはじめ、最近の大雨などによる大きな被害に深く心を痛めています。亡くなられた方々に哀悼の意を表しますとともに、ご遺族、被災された方々にお見舞いを申し上げます。 

寒さがつのる中、避難を余儀なくされ、生活再建が容易でない方が数多くおられることを案じています。 

復旧が進み、被災された方々が安心できる生活が、1日も早く戻ることを心から願っています。 

ここに、改めて、国民の幸せを祈るとともに、我が国の一層の発展と世界の平和を願います。

今日は寒い中にも関わらず、このように大勢の皆さんが集まり、即位をお祝いいただくことに、深く感謝いたします。
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(*)ハフィントンポストの記事「国民祭典、天皇陛下がお言葉『みなさんの幸せを願う思いを、私たち二人で新たにしてきました』(おことば全文)」(11/9)より。


国事行為の「祝賀御列の儀」について、産経新聞の記事「『祝賀御列の儀』沿道は11万9千人 皇位継承式典事務局が発表」(11/10 18:46)は、次のように報じている。
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 政府の皇位継承式典事務局は10日、同日行われた天皇陛下のご即位に伴うパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」の沿道の奉祝者数が約11万9千人だったと発表した。平成2年11月の前回パレードは約11万7千人だった。
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