▼▼ 青字下線付語句のリンク先は、マウス右クリック+<新しいタブ>で進んでください。(本ブログ関連)の最下段に「次の投稿ホーム」があるとき次ページがあります。▼▼

2012年7月9日月曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 成昌順

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/4)に、人物シリーズ35回目としてパンソリの名人の成昌順(ソン・チャンスン、 성창순)(1934年~)を紹介した。

まずパンソリ판소리)の復習から始まった。
・パンソリは、ひとつの物語をメロディーと身振り手振りを交えて歌うソリックン(소리꾼)と、太鼓(プク)を使ってリズム(長短(장단))を与える鼓手(コス、고수)の二人で構成される。
・昔、貴族は親しんだ音楽を歌(唄、ノレ(노래))といい、庶民が楽しんだ音楽を音の意のソリ(소리)と呼んだ。貴族階級(両班)は、庶民音楽を取るに足らぬ「雑歌」とも呼んだ。また庶民発祥のパンソリが、その正式名称で呼ばれ、音楽ジャンルを確立(300年~400年ほど前)してからそれほど経っていない。
・完成度が高まると貴族階級にも広まり、遂に王までもが鑑賞するようになったという。

(付記)
・パンソリの語源に、パン:場、ソリ:自然の音+声、という解説がある。(「パンソリ」申在孝、東洋文庫)
Wikipediaによれば、「パンソリの父」申在孝(신재효、1812年~1884年)は、「広大(芸人)」から口承を聞き取り定本にし、両班階級にも通用する文学として体系化したとのこと。

(本ブログ関連:"パンソリ"、"長短")

▼成昌順の歌による「春香歌(춘향가)」の中から「恋歌(사랑가)」を聴く。伸びやかで抑揚のある。「高く澄んだ歌声」で自在に歌う。確かに、今まで聞いたパンソリの歌い手たちと声質が違う。
(この歌は、解説者の岸さんが大学の教養の授業でパンソリを学んだ際に、実技試験の課題曲だったそうだ)

(本ブログ関連:、"恋歌")

次のように成昌順のプロフィールが紹介された。
・1934年、光州で生まれる。
・16歳の時、唱劇団に参加して、カヤグム、コムンゴ、鉄ヒョングムなどの楽器を学んだ後、当代の実者、キム・ソヒ、チョン・ウンミン、パク・ロクジュといった師匠について本格的にパンソリを学ぶ。覚えの早い才能に、師匠たちから「歌泥棒」と呼ばれた逸話がある。
・1991年 重要無形文化財第5号、パンソリの芸能保有者として指定される。

▼成昌順の歌による「沈清歌(심청가)」の中から「泛(汎)彼中流(범피중류)」を聴く。平板な中で。鼓手(고수)とのかねあいが見えてくるようだ・・・。

(本ブログ関連:、"泛(汎)彼中流")

▼成昌順。全貞珉(전정민)の歌による「南島民謡」の「南原山城(남원산성)」を聴く。何だかトロットにつながるような・・・楽しそうに聞こえてくる。