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2015年7月30日木曜日

通り雨

近隣の街に出て、通り道で強雨に会う。いきなりの土砂降り、大粒の雨滴が道面に叩きつけられた。一粒一粒、跳ね返って水の棘を作る。開店前の軒先を借りて遣り過ごそうとしたが、いっこうに衰える気配がない。ひとブロック先に喫茶店があるというに、そこまで駆け込むのに躊躇する。小一時間して、ようやく普通の雨に変わった。

雨が上がってしまえばいつもの空。さっきの豪雨が嘘のよう。そ知らぬ顔して空は晴れ渡った。

どんなに降っても、雨が永遠に続くわけではない。しばらく待てば必ず止む。しかし、日頃の時間間隔と大違い。恐ろしく待ち続けた気がした。

KBS WORLD「国楽の世界へ」 赤壁歌

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(7/22)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「三国志」を題材にしたパンソリ(판소리)「赤壁歌(적벽가)」にかかわる3曲を紹介した。

(本ブログ関連:”三国志”、”パンソリ”)

始めに、パンソリの概要と、作品のひとつである「赤壁火戦(적벽화전)」を次のように紹介された。
・戦争は、人々に大きな被害を与え、いったん始まると勝たぬ限り被害はふくらむ。対岸の火事として、争いを見ることもあるが、当事者となれば話は変わる。
・パンソリは、歌い手が太鼓の拍子に合わせて、物語りを歌う伝統芸能だ。本来、十二のパンソリがあったといわれるが、今は五つだけ伝わる。その一つに、三国志の一部をパンソリにした「赤壁歌」がある。中でも、「赤壁火戦」はよく知られている。戦いに、訳も分からず連れてこられた兵卒。名も知られぬ彼らと大将の姿をユーモアに表現する。

▼ 「赤壁歌」から「赤壁火戦」を聴く。テンポよく、畳み掛けるようにコスとの掛け合いよく歌い展開する。

次に、赤壁の戦いで焼き払われて敗北した曹操と部下兵士の関係を次のように紹介された。
・パンソリ「赤壁歌」は、208年冬、中国の赤壁の戦いを素材にしている。この戦いは、後に小説「三国志演義」でさらに有名になる。小説が英雄中心としたら、パンソリの「赤壁歌」は庶民に注目している。犠牲を強いられた人々の話だ。無理やり戦わされる兵卒の悔しさを歌う場面もある。この戦いが、ただの戦いではなく、犠牲になった一人一人がいることを悟らせる。自信満々に戦争を始めて敗北した武将「曹操」が、部下を率いて逃げる。つまらぬプライドで兵士の数を数えたり、怪我をした兵士と口喧嘩したりする場面もある。平然とした大将をいじめる姿も面白い。

▼ 「赤壁歌」からコムンゴ、太鼓演奏と歌による「鳥打令(새타령)」を聴く。静かに雪降る中、黙々と敗走の列が続くよう。

最後に、「赤壁歌」の別名に「華容道(화용도)」があることについて次のように紹介された。
・戦いに敗れた曹操は良心の呵責があったのだろう。森で鳥の鳴き声を聞き、死んだ兵士を申し訳なく思う場面がある。赤壁歌は、別名「華容道」ともいう。曹操が兵士を率いて、やっと命を拾ったのが華容道の渓谷だ。そこで将軍関羽と出会い、助けを求めて逃れられる。歌の華容道の意味にも通じる。赤壁歌は、パンソリ以外に、多様な形で歌われた。

▼ 「京畿十二雑歌(십이 잡가)から赤壁歌」の歌を聴く。<淡々として>歌う、窮状を見せぬ曹操の矜持だろうか。