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2021年12月24日金曜日

自然観察園と人影

ここ数日、膝の按配がおもわしくなく、それを口実に家の中にこもっていた。部屋を移動するに不都合を感じずとも、いったん外歩きすれば不自由さに気づく。歩行するうち膝を守るようになり、次第にすり足になる。

動かないことには始まらない。そこで、久しぶりに公園に併設の「自然観察園」へと出かけた。外出は陽の温もりが感じられる時間帯にかぎると、ぎりぎり3時過ぎに到着した。

なんと観察園に誰もいない。師走のこの時期、訪れるのは稀なのだろう。珍しい光景と感心したが・・・いやいや、お前こそと自問する。野草は冬枯れして、まるで刈り取られたように平坦になっていた。おかげで園内の見通しがよくなり、規模感が変わってしまった。いつもは、観察順路の中から選択していたが、今回はがらがら状態で一周することにした。

例によって、観察センターに寄り、配布の資料「12月の自然観察園の花だより No.2」を片手に園内を巡った。

ガマズミ:落葉広葉低木 (本ブログ関連:”ガマズミ”)
花は白いが実(一般に9~10月)は赤い。図鑑(「樹木大図鑑」平野隆久著)によれば、「実は(赤く)熟すと(白い)粉をふき食べることができる」。観察園の資料「レンジャーミニ図鑑」によれば、「熟した実は甘酸(あまず)っぱく、そのまま食べたり、果実酒の材料としても使われます」とのこと。

スイセン: 
手持ちの野草図鑑を探したが載っていない。野草扱いされないのだろうか。スイセンの花は一般的に早春に咲くそうだが、<冬にも咲く>とネットで紹介されている。
牧野富太郎の小冊子「植物知識」(講談社学術文庫)に、「スイセンは水仙を音読した、そのスイセンが今日本の普通名となっているが、昔はわが邦(くに)でこれを雪中花(せっちゅうか)と呼んだこともあった。元来、水仙は昔中国から日本へ渡ったものだが、しかし水仙の本国はけっして中国ではなく、大昔遠く南欧の地中海地方の原産地からついに中国に来たり、そして中国から日本へ来たものだ。中国ではこの草が海辺を好んでよく育つというので、それで水仙と名付けたのである。仙は仙人の仙で、この草を俗を脱している仙人に擬(なぞら)えたものであろうか。」と紹介されている(これに続く植物の詳細は、初心者には???で難しすぎる)

ロウバイ:落葉広葉低木 (本ブログ関連:”ロウバイ”)
黄色の花の周りに香りが漂う、ちょっと年季の入った香りだが。花は冬のゆるい明かりを透き通して輝く。自然観察会で、何度も見る機会があって、葉を触ったり、蕾をなでたり、香りを嗅いだり・・・今回もやってみた。ところで、花の内側の花被片が赤茶色(暗紫色という解説もあるが)であるロウバイに対して、すべて黄色なのが次記の「ソシンロウバイ」だ。ロウバイとソシンロウバイの木が、観察園の両端にあるため、園内を一周することになった。

ソシンロウバイ:落葉広葉低木 (本ブログ関連:”ソシンロウバイ”)

ムサシアブミ:(本ブログ関連:”ムサシアブミ”)
観察会で赤い実を見たことがある。草葉のときの姿は、乗馬の鐙(あぶみ)に似ているというが、蛇が威嚇するような、食虫植物に似て気色悪い(サトイモ科であり、同科の他の植物写真もそのようで・・・)。今回は、赤い実を支える茎がしぼんで地面に横になっている。


<不思議な話>
誰もいなかった観察園の最後、園の東側にあるソシンロウバイの蕾(つぼみ)をカメラにおさめていたとき、モニターの端に青色のヤッケ姿の人影(男性か女性か不明)が見えた。おやっと思いながらシャッターを切った後、被写体先の遠く木立をながめたが誰ひとりいなかった。蕾の写り具合がピンボケで、画像を削除したため記録は残っていない。
その場を立ち去るとき、何度も振り返って見たが人の気配はなかった。観察園の出口に向かっていたとき、私と反対側奥の巡路を、青色のヤッケ姿の人が、私の元いた場所へ向かって来るのが見えた。ということは、あのときはまだいなかったはずでは・・・。