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2012年8月21日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 安翡翠

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(8/15)に、人物シリーズ41回目として京畿民謡の芸能保有者、安翡翠(アン・ビチィ、안비취、1926年~1997年)を紹介した。

古来ひとびとは歌と踊りを好んできた。今も宴会の席に欠かせない曲の紹介から始まった。

▼安翡翠の歌による「倡夫打令(チャンブタリョン、창부타령)」を聴く。掛け合いでなく独唱で聞かせ、地味ながら次第に踊りを誘う雰囲気がする。

この「倡夫打令」について次のように解説された。
・ソウル、京畿道地域で、占い師の巫堂(ムーダン、무당)がお祓い(クッ、굿)のときの歌が元になり、歌や踊りの神である倡夫(チャンブ、창부)を慰める際に歌われたという。日頃生活は厳しくとも、神と共に歌い踊り楽しもうという、庶民の切実な心情が伝わる一曲・・・とのこと。

次のように安翡翠のプロフィールが紹介された。
・1926年 ソウルで雑貨店を営む裕福な家に生まれる。
・13歳のとき、家出を決行し、正楽教習所に入る。
・1975年 李銀珠(イ・ウンジュ、이은주)、黙桂月(ムク・ケウォル、묵계월)と共に、重要無形文化財第57号、京畿民謡の芸能保有者に指定され、主にこの3人で音楽活動を行って、<安翡翠、黙桂月、李銀珠>の名で呼ばれる。
・1997年1月 没す。弟子のイ・チュンヒ(이춘희)が師匠の歌を引継ぎ発展している。

さらに安翡翠の名について次のような紹介がされた。
・安翡翠の本名は安福植(アン・ポクシク、안복식)である。福植は、韓国で男子の名だが、安翡翠のすぐ上の姉が幼いころ亡くなったため、次の娘は健康で長く生きて欲しいという両親の願いから授けられたという。
・翡翠の名は、16歳で初めてテレビ出演した際、師匠がつけた芸名である。翡翠*は、鳥の名前で、鳥のように美しい声で歌って欲しいという思いが込められている。
(*補注)ちなみに宝石のヒスイも、「翡翠」の字があてられ、原義は中国で元々鳥の「カワセミ」を指す言葉とのこと。

▼安翡翠、黙桂月、李銀珠の歌による「小春香歌(ソチュニャンガ、소춘향가)」を聴く。ゆったりと歌うホモフォニーの調べ・・・恋の歌なのかなあ。

この「小春香歌」について次のように解説された。
・「京畿雑歌」といわれる歌のひとつで、重要無形文化財に指定された。京畿民謡は、よく耳にするアリランやトラジタリョンなどではなく、京畿雑歌に属する曲を指す。京畿雑歌はこれまでに12曲が伝承されて「京畿12雑歌」とも呼ばれ、また舞台に座って歌うため、座唱(좌창)と言われることもある・・・とのこと。

▼安翡翠の歌による「悔心曲(フェシムゴク、회심곡)」(回心曲)を聴く。以前、松庵和尚の紹介のときに聴いたとき民謡風な感じがしたが、今回は宗教的な響きがしてくるのも不思議。
・・・イ・ソンヒと縁のある、宗教曲"梵唄"をいつかしっかりと聴いてみたいし・・・そんな機会が欲しい。