きょう(10/11)の東京は一日どんよりして雲は重く、昼前から夕方まで小雨がつづいた。秋雨前線と、日本の南を進む「台風23号」から流れ込む湿った空気のせいのようだ。まだまだ余韻を残しそう。
この時期、林檎(リンゴ)は「中生種」の季節で、品種で知っているのは「紅玉(こうぎょく)」くらい。スーパーの青果売り場の林檎ときたら小粒ばかりで・・・。
ところで林檎といえば、懐かしいレイ・ブラッドベリの短編集「太陽の黄金の林檎」がある。同書のタイトルについて、アイルランドの詩人イェイツの詩「さまようイーンガスの歌(The Song of Wandering Aengus)」(1899年)にある最終「連(スタンザ)」の最終行からとられたという(Wikipedia)・・・ 同紹介には「尾島庄太郎・金子光晴 訳」が掲載されているが、尾島庄太郎氏ご自身の著書「イェイツ詩集」(北星堂書店)を古書店で見つけたので、次に転載させていただく。(注記は抜粋)
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窪地丘地のさすらいひに
老いはてし身にはあれども、
みいでばや おとめがゆくへ、
かくて その唇に接吻(くちづけ)し
手を取りて 斑(まだら)なす長き草をわけ
時のほろぶまでも 摘みとらん、
月のしろがねの林檎を
陽のこがねの林檎を。
(詩集注1)妖精は姿を変え、海にいたり女の姿を装う。あるいは森の中での出会い。
(詩集注2)イーンガス アイルランド神話の中の美と愛の神(若い青春の神)。
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ちなみに、ブラッドベリの短編集「よろこびの機械」には、アイルランドの<ダブリン市民>の情景を描いたものがある。
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「The Song of Wandering Aengus (2017) - Award Winning Animated Short Film, narrated by Liam Cunningham」
ー https://www.youtube.com/watch?v=cyqC2AMrRZQ