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2013年1月22日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 孫範柱

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/16)に、人物シリーズ63回目として日本のとよく似た楽器センファン(笙簧、생황)の演奏者、孫範柱(ソン・ボムジュ、손범주、1962年7月6日~)を紹介した。

まず、センファンの復習と解説から始まった。
・センファンは、丸い共鳴箱に17本の長さの違う竹の管を挿した独特な形をしている。
① 共鳴箱は、瓢箪の実を乾かして使ったが、自然素材のため割れやすく、音程の維持が難しいため、最近は丈夫な木や金属で作られている。② 共鳴箱に挿した竹の管は、音程を出すために長さが異なり、見た目には山に木々が突き出たような形をしている。③ 共鳴箱の中央にやかんの口のような吹き口があり、息を吹き入れたり、吸ったりして音を出す。伝統楽器中で唯一、複数音を同時に出す和音楽器である。

▼孫範柱のセンファン他(短箫)による「水龍吟(수룡음)」の演奏を聴く。随分と透明感溢れ、音色が新しい。

・センファンは、中国から伝来の楽器である。
三国時代(新羅、高句麗、百済)から存在していたようで、江原道平昌郡の上院寺(상원사)にある、新羅聖德王時代(725年)に作られた銅鐘の表面に、雲上でセンファンを吹く飛天像が描かれている。
(文献的に、楽器の形と名前の意味は「世宗実録」に記載。編纂1452年~1454年)

・わずかに伝承されたセンファンを、元々(日本の篳篥[ヒチリキ]に似た)ピリ(觱篥、피리)の演奏家だった孫範柱が復興させるために、1990年代初め頃から中国を訪れて演奏方法、楽器を作り方について学び、作曲や演奏をした

▼孫範柱のセンファン他(シタール、コントラバス)による「飛天像(비천상)」の演奏を聴く。インド音楽風そのもので・・・これって、フュージョンというのかなあ。

次のように孫範柱のプロフィールが紹介された。
・国立国楽高等学校でピリを専攻し、その後、KBS国楽管弦楽団、国立国楽院・正楽演奏団を歴任。韓国センファン研究会を結成。最近は、創作活動する若い演奏家たちにもセンファンが広がっている。

▼孫範柱のセンファン他(鐵玄琴、短箫)による「細靈山(セリョンサン、세령산)」の演奏を聴く。結局、新しい皮袋に入れたなら発酵までに時間がかかるだろう。