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2015年4月30日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 鳥に関わる曲

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(4/22)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、鳥に関連する3曲を紹介した。

始めに、春を知らせる「ツバメ(燕、제비)」と陰暦3月3日の「桃の節句(삼짇날)」の関わりについて次のように紹介された。
・3月3日は「ひな祭り」だが、陰暦3月3日の上巳は「桃の節句」という。陰暦9月9日に旅立ち、南で過ごしたツバメが戻る日でもある。韓国では、3の数を重視した。ハングルも、天地人の三才が調和を成したもの。じゃんけんも3回勝負する。
・ツバメは、3のつく日に行き来した。パンソリ、「興甫歌(興夫歌、흥보가)」にもツバメが登場する。真面目なフンボに、財産を運んでくる。その日が陰暦3月3日だった。近頃、農村でもツバメを見かけなくなった。今年はどのくらいのツバメが戻ってきたのだろう。

▼ 京畿地域の雑歌、「十二の雑歌」から「ツバメの歌(제비가)」を聴く。雁、ウグイス、ホトトギス、オウム、ツル、クジャク、数々の鳥が登場する。

・この「ツバメの歌」には、数々の鳥が登場するだけでなく、歌詞も面白い。パンソリ「春香歌(춘향가)」や、「沈清歌(심청가)」、「興甫歌」から様々な歌詞を組み合わせて、色々な内容があるが、結局、別れを切なく思う気持ちを表している。暖かい春、楽しそうに戯れる鳥、そして愛する人との別れの寂しさを表している。桃の節句は、本格的に春がはじまる日だ。

次に、桃の節句の食べ物、花煎(화전)と花麺(화면)を次のように紹介された。
・山野に行き、ヂヂミや麺料理(クッス)を食べて花見を楽しんだ。ヂヂミに、花のヂヂミがある。ヂヂミの粉を練り、焼くときツツジの花弁を載せる。これが花のヂヂミ、花煎だ。また、花麺は、ツツジを入れて粉を練り、蜂蜜入り五味子(オミジャ)の汁と一緒に食べる。美しい桃色が春らしさを足してくれる。

サムルノリと歌で、「鳥打令(새타령)」を聴く。今様にアレンジして、楽しげである。

最後に、桃の節句の時期の酒と、「鳥打令」の鳳凰について次のように紹介された。
・桃の節句に酒も欠かせない。ツツジで醸した「杜鵑酒(두견주)」という。他に、春の酒に焼酎と薬酒を混ぜた「過夏酒(과하주)」、梨と生姜が入った「梨薑酒(이강주)」などある。酒とつまみで春を楽しむ中、歌も出たはず。
・この季節、食糧が底をつき苦しい生活した民もいた。「鳥打令」に鳳凰が登場する。豊作の鳥として、君子の出現を知らせるともいわれた。貧しい民に、食糧問題を解決する王が最高の王であった。「鳥打令」にも鳳凰が豊作の鳥として出てくる。

▼ 鳳凰を象徴する楽器笙簧(생황)の演奏で、「ワルツナンバーワン」を聴く。人形劇、空高くゆたりと浮かぶよう、今様である。

・笙簧、鳳凰の鳴き声に最も似た楽器といわれるが、想像の生き物で、鳴き声を聞いた人はいない・・・。