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2022年3月10日木曜日

昼下がりの観察園

昼下がり、公園に併設の自然観察園へ行った。入園ゲート脇にある駐輪場に幾台もの自転車が並んでいたが、園内は実に閑散としたものだった。昼下がりとはいえ、春の感が深まるこの時期に陽射しが明るい。おまけに最高気温となる13.9℃のころ。

午前中のリハビリ(残すところ来週のあと1回)の復習をかねて、園内を散策した。今回は園の西側奥。観察が遅くなってしまった「スイセン」の群生を見る。残念ながら、見ごろを遠に過ぎたようだ。

(本ブログ関連:”スイセン”)


リハビリ効果を期待して歩いたつもりだが少々疲れる。スイセンの群れはまばらで、衰えて最後の一花を咲き誇ろうとしているように見えた。心意気を感じるものの、弱々しく風に揺れる姿をあからさまにする西陽がまぶしい。歳をとるとつい感情移入したくなる。

(余聞)何処やらに鶴の声聞く霞かな

先日(3/7)、テレビ東京の番組「Youは何しに日本へ」*は、以前カナダから訪日した老夫婦の参加したバードウォッチングツアーに一部同行取材したものを再放送した。夫婦は野鳥観察のベテランのようで、北海道で「オオワシ」と踊るツル(丹頂鶴、「タンチョウ」)を見たいという。幸い、タンチョウの求愛ダンス**を観察できたようだ。
(*)価格コム: https://kakaku.com/tv/channel=12/programID=33235/page=171/
(**)ばんび: https://mobile.twitter.com/bmb1202/status/1500773799553540097

たしかに、タンチョウが互いを確かめ合いながら、からだ全体を使って舞う姿は美しい。一度その光景を目にしたいが、武蔵野のこの地で、短い探鳥会の経験では、サギ(主にダイサギやアオサギ)を見ることができるくらい。タンチョウは見たことはない。昔、江戸時代には三河島村あたりでタンチョウを見られたという。

ところで、俳人井上井月(いのうえ せいげつ)***がボロをまとって行き倒れたのが、きょうと同じ3月10日(1887年、明治20年)だった。村人は、扱いが厄介なことになると、彼を戸板に載せて一山越えた遠地に運んだ。結局、井月はたらいまわしされて息をひきとることになる。辞世の句に次のものがあるという*。
  「何処(どこ)やらに鶴(たず、寉)の声聞く霞かな」

(***)「井月という俳人について」(一ノ瀬武志氏、一般社団法人 井上井月顕彰会)
    http://www5d.biglobe.ne.jp/~sak/seigetsu/index.htm

美しいツルの舞いもあれば、もの悲しいツルの声もある。