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2016年11月2日水曜日

妻帯僧(帯妻僧)

韓国の仏教新聞の書評記事、「仏教の生活方式・文化を訪れる歴史旅行」(10/31、アン・ジクス記者)は、同紙記者チャン・ヨンソプ(ペンネーム、チャン・ウンヨン)が著した、「仏教に関する些細だが、決定的な問い49」(ダムエンブックス)を紹介している。

同書は、仏教について一般的な49の質問、「尋ねるには曖昧な、些細だが気になる問い」に回答するという。僧侶がなぜ菜食(精進料理)なのか、仏教から見た「神」とは、「高僧」とはどういう僧侶なのかなど、いってみれば素朴な疑問に解説回答している。

そのなかで、イ・ソンヒの父親に関連して、僧侶の妻帯(韓国では”帯妻”)の解説があり、次のような説明(⇒引用)がある。余りにさらりと書き流しているが、韓国の仏教界の独特な内情について、戦後史も含めて特有な性格の理解が必要と思われるのだが・・・。

(本ブログ関連:”妻帯僧”、”韓国仏教”)

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「歌手イ・ソンヒ氏が、ある放送で、父が帯妻僧(대처승)であったという事実を告白した。父のために幼い頃いじめを受けたというイ・ソンヒ氏のやるせない話しのように、帯妻僧は現代史のシミとして残っている。一時は、帯妻僧が韓国仏教の主流だった時代があった。僧侶の帯妻は日本から渡ってきた風習だ。12世紀以前まで、日本の仏教は修行者に結婚生活を許諾しなかった。明治維新以前の日本では女性と同衾した僧侶を刑事処罰できたが、1872年3月、(キリスト教)プロテスタント牧師を意識して、政権は僧侶にも帯妻を許諾した。」
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韓国仏教には、妻帯を認める「太古宗」(韓国仏教界最大宗派で妻帯を認めない「曹渓宗」に次ぐ第2位の宗派)などがある。イ・ソンヒの父親は、仏教音楽「梵唄(ぼんばい:범패)」の指導者であったという。所属宗派は、イ・ソンヒの言葉によれば「一乗宗」、ネット情報では「太古宗」というものもある。

(参考)
・浄土真宗、親鸞の夢(1201年)
・明治5年(1872年)4月25日、太政官布告第133号 「僧侶肉食妻帯蓄髪並ニ法用ノ外ハ一般ノ服着用随意タラシム」