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2025年3月21日金曜日

桜見よとて

桜(染井吉野)の開花は、あしたとか来週月曜日とか。そして、今年も満開の桜をぜひ見たい。

「江戸端唄集」(倉田喜弘編、岩波文庫)に「桜見よとて」がある。
こんな情景かな。一日の花見を口実に出かけた若旦那が、昼に、廓の遊女に逢いたいと問えば、仕事終わりの深夜ならという返答。結局どっぷりつかる・・・。
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桜見よとて  名を付(つけ)て  まづ朝桜夕桜  よひ夜桜は  間夫(まぶ)の昼桜  ヱゝどふなと首尾して  あわしゃんせ  何時(なんどき)じゃ  ひけ*すぎじゃ  たそや行灯**  ちらりほらりと  鉄棒(かなぼう)引(ひく)
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(注)上記文庫以外のネットで:
    ・「よひ夜桜」は、「よひ夜桜」となっている。
    ・間夫(まぶ)」は、「間夫(まぶ)(ひるざと)」となっている。(間夫=遊女の情夫⇒若旦那)
(*)上記文庫の補注より: ひけ(引け)、深夜の十二時頃。
(**)上記文庫の補注より: たそや(誰哉)行灯、妓楼の門口にある屋根付きの行灯。


■ 生成AI Geminiによる、端唄「桜見よとて」(上記文庫)の解釈。
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端唄「桜見よとて」の歌詞解説ですね。この唄は、桜の季節の遊郭を舞台に、遊女と客の恋模様を粋に描いたものです。以下に、歌詞の内容と背景を解説します。

歌詞の内容と解説
「桜見よとて 名を付て まづ朝桜夕桜 よひ夜桜は 間夫の昼桜」
    ・「桜見よとて」とは、桜を見ようと誘う口実で、遊女に会いに来たことを意味します。
    ・「朝桜」「夕桜」「夜桜」と、時間帯ごとの桜を挙げることで、一日中桜を楽しむ様子を表しています。
    ・「間夫の昼桜」とは、恋人(間夫)が昼間に会いに来ることを、桜に例えた表現です。
    ・つまり、桜を見に来たと言いつつ、本当は恋人に会いに来た、という心情を歌っています。
「ヱゝどふなと首尾して あわしゃんせ」
    ・「首尾して」とは、都合をつけて、という意味です。
    ・「なんとか都合をつけて会いましょう」と、遊女が答える場面です。
「何時じゃ」
    ・「いつ会えるのか」と恋人が尋ねています。
「ひけすぎじゃ」
    ・「引けすぎ」とは、夜、客との時間が終わり、遊女が自分の部屋へ引き下がる時間のことです。
    ・「夜、客との時間が終わってからなら会える」と、遊女が答えています。
「誰哉行燈 ちらりほらりと 鉄棒引」
    ・「誰哉行燈」とは、夜道を照らす行燈のことです。
    ・「鉄棒引く」とは、夜回りの警護の者が金棒を打ち鳴らしながら歩く様子です。
    ・夜も更け、ひっそりとした遊郭の情景が目に浮かびます。

唄の背景
・この唄は、江戸時代の遊郭を舞台にしています。
・昼間は他の客もいるため、遊女は恋人とゆっくり会うことができません。
そ・こで、夜、他の客が帰った後に会おうと約束する様子が唄われています。
・この唄は、男女の駆け引きを粋に表現した端唄の代表的な一曲です。
・この唄は、文政四年(1821)に三世坂東三津五郎が作詞作曲した上方小唄が元になっており、端唄、歌沢にも広まり、幾つも替唄が出来たとされています。

この解説が、唄の理解を深める一助となれば幸いです。
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■ Youtube(登録: 日本伝統芸能)
「さくら見よとて 田村葉留寿【小唄 レコード】」
    ー https://www.youtube.com/watch?v=JZLgFP2Zxms



(参考)
■ 瓢(ひさご)小唄教室(小唄解説~木村菊太郎著より~)
「桜見よとて」(2021年8月17日)
    ー https://hisago-kouta.com/115/