野鳥観察(探鳥会)のベテランの方が、会員へ毎日観察した結果を複数の写真を添えてメール配信されている。先日の写真に、「オナガ」(カラス科、雌雄同色、留鳥)の群れがあった。ちょうどそのころ、近所の電柱のいただきに、オナガが1羽とまっているのを見た。何で1羽だけといぶかしんだ。
(本ブログ関連:”オナガ”)
九州から、父の転勤で東京に来たとき、杉並の社宅にオナガの群れがしょっちゅうやって来て、庭木にぶら下がるようにして小休止しては、せわしく飛び去った。今まで見たことのない鳥だった。それは、黒い頭と対称に腹は白く、グレイの背につづく尾は美しい淡青色をしていた。しばらく、調和のとれた色彩に関心を持っていたが、やがて「カラス」の仲間であることに気付いた。実に喧しいのだ。
鳴き声について、どの野鳥図鑑や歳時記を見ても好意的とはいえない。
・「ゲー」、「ギィーイ」、「ゲッ」、「キュキュキュ・・・」
ー 「くらべてわかる野鳥」(叶内拓哉著、山と渓谷社)
・「グェーイ」、「グェーイグェーイグェーイ」、「ビリビリビリ」
ー 「野鳥」(正木広造監修・写真、永岡書店)
・「ゲーイゲイゲイ」
ー 「庭や街で愛でる 野鳥の本」(大橋弘一著、山と渓谷社)
・「ギェーエ」、「ギューエ」
ー 「野鳥歳時記」(山谷春満著、冨山房百科文庫)
オナガの分布
現在、関東から北日本に棲息するという。かつて九州にもいたという話がある。
・「1970年代までは本州全土および九州の一部で観察されたが、1980年代以降西日本で繁殖は確認されておらず、留鳥として姿を見ることはなくなった。」(Wikipedia)
・上記の写真図鑑「野鳥」でも「かつては九州にも分布していた」とある。
これには驚いた。九州(北九州)にいたころ小学生だったとはいえ、これほどの大きさなら覚えていそうなものだが・・・。
・上記の(原寸大図鑑)「庭や街で愛でる 野鳥の本」に、世界で見たとき、(ユーラシア大陸の両端の)東アジアとイベリア半島のスペイン・ポルトガルに棲息しているという。東洋との香辛料貿易で連れられてヨーロッパに渡ったと考えられたが、イベリア半島に4万年以前のオナガの化石が発見されたそうだ。