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2020年12月29日火曜日

2021年賀状

年賀状の通信面の文やデザインに苦心しているわけではないが、年々作成に手こずっている。結局、師走の慌ただしさに後押ししてもらい、取りかかることになる。これ以上こらえきれない、ぎりぎりのところまで延ばすのだ。

(本ブログ関連:”年賀状”)

別に作業量が多いからでない。ただ、ものぐさだけなのかもしれない。

このところ、郵便局提供のフリーの「はがきデザインキット」*を利用させていただいている。来年版は、シンプルだが色合いのよい牛のイラストを次のように配置してみた。
(*)はがきデザインキット  https://nenga.yu-bin.jp/design_kit/


今年(2020年)発生した新型コロナウィルスの感染がおさまらず、来年の正月をまたぐ「GO TOキャンペーン」は一時中止になった。ひとびとの警戒がますます深まり帰郷もままならない。それにかえて年賀状を送るのが増えているではないかといわれている。

(本ブログ関連:”ウィルス”)

わたしにしてみれば、年賀状作成も一仕事。

2020年12月26日土曜日

野鳥観察(7)

朝まだき、「日の出」(東京 6:49)の前に、野鳥観察に出かける。外気は0℃近くでまことに厳しい。完全な防寒着とマスクに護られているものの、マスクから漏れる息のためメガネが白く曇る。

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

集合場所に近づくころには空は白み、野鳥観察に差しつかえないほどになった。今年最後の観察会のためか、集まりはいつもより若干少なめのよう。とはいえ来年(2021年)の観察会は、年初早々からとのこと、まだまだ寒いだろうが・・・。

ところで、いままで双眼鏡の使い方に難儀していたが、今日驚くほどピタッと野鳥が視界におさまった。まさに怪我の功名とでもいうべきかもしれないが、先日の寝違いで首の動きが固まってしまい、かえって対象をしっかりと正面に見据えることになり、鳥の姿を鮮明に視野に収めることができた。

とはいえ「見える」と、「同定する」とは大違い。会員の方に指差された先にいる野鳥が見えるといった具合でしかなくて、鳥の形態・生態をしっかり見極める余裕はまだない。なにしろ鳥はすぐに飛んで行ってしまうことが多い。見えるようになることから始まるのだが。
そんなとき、来年早々に「はじめてのバードウォッチング」講習があると教えてもらった。ぜひとも参加したい。

さて今日の観察(あくまで初心者の目に入った野鳥)
ヒヨドリ: だんだん大きく(中型に)見えるようになった。見慣れたせいだろうか。
キジバト: 飛ぶ群れが空中で反転するとき、朝陽に腹が薄紅色に一瞬輝いて見えた。
アオジ: 川岸に腹の黄色の姿が見えた。(指されて初めて見る)
カワセミ: 葦の枯れ枝にじっと留まっていた。(指されて気づく)
ハクセキレイ: 近くの地面に降りているのを見る。(人への警戒心少ないとのこと)
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ゴイサギ: 勢いよく低く飛んでいった。私としては初めて見る。(野性味を感じた)
カルガモ: 川べりにたむろしている。(似たカモ仲間がそばにいたら同定に自信ない)
アオサギ: 逆光のため、アオというより灰色に見えた。


身近な公園に、生き物たちがこれほど豊かに生を営んでいるのにようやく気づく。当たり前の風景、鳥とか植物とか虫といったくくりでしか見てこなかった。歳がしみじみ気づかせてくれる。

春が近づいているようだ。公園の木立の中にある「ウメ」の木に花が咲き始めた。光が十分でないところで、小さな花の姿が多々見えた。「コブシ」も花芽が膨らみ毛で覆われている。

2020年12月20日日曜日

自然観察(5)今年最後の観察会

月一開催の自然観察会をタイミングに久しぶりに外出する。目的をもってなら、気温6.7℃でも気にならないのが不思議。天気もよく、早めに集合場所に到着したところ、公園入口にそびえる「ヒマラヤスギ」の高い枝先に、いつもなら小川にいる「ダイサギ」が留まっていた。朝陽を受けてまぶしいほど純白だった。

(本ブログ関連:”自然観察会”)


今年最後の観察会でもあり多数が参加された。早々、霜柱を見に自然観察園へと向かった。というのは、いつも早朝に野鳥観察した結果をメールしてくれる方の、霜柱の写真が話題になったからだ。

子どものころ住んでいた九州では知らなかった霜柱を、東京に来て初めて見たときそりゃあ驚いた。地中から透明の細い氷柱が束になって生えてくるのだから。関東ローム層の特徴と承知してもだ。今回の霜柱の写真は、それとはちょっと様子が違った。
野草「シモバシラ」(シソ科)の枯れ草に白い氷が下からまつわりつきながら(下に太く上に細く)成長している。現場でベテランの方の解説によれば、枯れ草の茎の割れ目・亀裂をたどって地中の水分が吸い上げられ氷になるようだ。
(Wikipedia「霜華形成」参照)


センボンヤリ(ムラサキタンポポ)」のタンポポの穂をこの時期に見る。ベテランの方の解説によると、生存のために自家受粉した「閉鎖花」(秋型)で、他と受粉ができた「解放花」(春型)と区別されるそうだが、奥が深くて正直理解できていない。


園内を進むと「カエデ」の赤い幕を透けて朝陽のさす光景が現れ、いまだに紅葉を楽しめる。ただ写真になると、その豪華なたたずまいをうまく再現できないのが残念。


最後に「ソシンロウバイ」の花を見上げる。「花びらから花芯まですべてが黄色一色」という全体が黄色で見るからに軽やかである。「ロウバイ」よりも先に咲くという。

(本ブログ関連:”ロウバイ”)
 

今回、寝違えた首で上を見上げるのに少々難儀したが、健康のため、健康の続くかぎり来年も参加したく願っている。

2020年12月19日土曜日

(雑談)寝違えて首筋を痛めること

2週間ほど前のこと寝違えて首筋を痛めた。口をあけるのもしんどくなり、先週たまらず整形外科で診てもらった。MRIなど使って診断した結果、歳のせいだろう・・・といわれた(というか納得させられた)。ちかごろ医者に「歳のせい」といわれることが多い。

(運動不足でからだが固まっているせいかもしれない。なにしろ新型コロナウィルスのせいで、外出を控えるようとの案内もあって、家にこもりっぱなしの現状だ。)

(本ブログ関連:”ウィルス”)

鎮痛剤と湿布が処方されて、帰宅後さっそく薬をとんぷくしたところ、効きが良くて痛みがまたたくまに消え去ったのだ。まるで魔法のよう。とはいえ、いまだに首筋に痛みのシンが残っているが、日常に支障をきたすことはなくなった。我慢するより診てもらうにかぎる。

医者に助言されたのは、「枕」を工夫しなさいということだ。何も高級な枕が必要ではない。夏用のタオルケットで枕を作り、程よい高さを調節するというのだ。枕は、頭の重みで沈んでいくのだから、かえって簡単なものの方がよい。そこで、タオルケットをゆるく丸めてバスタオルで包んで枕にした。横長枕のため、いろいろな高さを確かめられる。

ここ数日、だいぶ快方に向かっている。クシャミも我慢できるようになった。

2020年12月16日水曜日

(資料)「はやぶさ2」 想定以上のサンプル採取

昨日(12/15)、JAXA(宇宙航空研究開発機構)は、小惑星探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から採取したガスおよびサンプル砂粒について次のようにプレスリリースした。

(本ブログ関連:”はやぶさ2”)

さらに記者会見で、惑星科学の観点から、化学だけでなくメカニカルの面で物質進化の解明ができることを期待されるとしめくくられた。

ガス
地球の大気成分とは異なることが示唆される、地球圏外からの気体状態の物質(ガス)のサンプルリターンは世界で初めて
ー(記者会見: 揮発性ガスの存在を期待とのこと) ← 有機物の存在の有無!
ー(記者会見: 発見のガスはサンプル融解・太陽風などで発生したと考えられるとのこと)

砂粒
サンプルキャッチャーA室(直径48mm)内部に想定以上の、数ミリサイズの黒色砂粒が見られる。
ー(記者会見: 100mmg以上と考えられる、色から有機物の存在を期待とのこと)
ー(記者会見: 小惑星イトカワと比べて採取量が圧倒的に多く、色が黒いのが特徴(隕石とも違う)とのこと)


① 「小惑星探査機「はやぶさ2」のサンプルコンテナから採取したガスの分析結果について」(2020年(令和2年)12月15日)、抜粋。
https://www.jaxa.jp/press/2020/12/20201215-2_j.html
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 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、小惑星探査機「はやぶさ2」再突入カプセル内のサンプルコンテナから採取したガスが、小惑星Ryugu(リュウグウ)からのガスサンプルであることを確認しましたのでお知らせします。
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② 「小惑星探査機「はやぶさ2」の小惑星Ryugu第1回タッチダウン時採取サンプルの確認について」(2020年(令和2年)12月15日)、抜粋。
https://www.jaxa.jp/press/2020/12/20201215-3_j.html
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 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)は、2020年12月15日小惑星探査機「はやぶさ2」再突入カプセルのサンプルコンテナ内サンプルキャッチャーA室において、第1回タッチダウン時に採取した小惑星Ryugu(リュウグウ)由来のサンプルを確認しましたのでお知らせします。

 2020年12月6日に豪州ウーメラにて回収された「はやぶさ2」再突入カプセルは12月8日にJAXA相模原キャンパスに搬入され、以降、再突入カプセル内のサンプルコンテナの開封作業を行っています。12月15日11時00分にサンプルコンテナ内サンプルキャッチャーA室を開封し、第1回タッチダウン時(2019年2月22日)に採取・格納されたと考えられる小惑星Ryuguサンプルを確認しました。

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「はやぶさ2」カプセル内に小惑星の「砂」 JAXAが会見(2020年12月15日)

(Youtubeに登録のTHE PAGEに感謝)



(追記 12/18サンプル(砂粒)の重量 約5.4グラム
JAXA発表の「小惑星探査機『はやぶさ2』が採取した小惑星Ryugu(リュウグウ)サンプルは約5.4グラム」(2020年12月18日)から抜粋。
https://fanfun.jaxa.jp/topics/detail/17721.html
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小惑星探査機「はやぶさ2」再突入カプセルにより地球帰還した小惑星Ryugu(リュウグウ)サンプルの重量が約5.4グラムであることがわかりました。
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2020年12月6日日曜日

(資料)「はやぶさ2」のカプセル戻る

昨日、埼玉県「見沼たんぼ」で開催の野鳥観察会*へ出かけようとしたが、早朝からの小雨と、天気予報で寒冷の午前中に雨という報もあって断念した。新型コロナウィルスの感染拡大も躊躇した理由だ。そんなわけで、きのうは一日中家にこもってもやもやしていた。

(*)野鳥観察会: それでも、幹事の方以外に数名のみなさんが参加して、雨が降ったりやんだりのなか実施されたとのこと。

今日の日付に変わった深夜、NHKのニュースで、小惑星「リュウグウ」の岩石を採集した探査機「はやぶさ2」から分離されたカプセルが大気圏に突入して光の筋を発するのを確認した。前回の「はやぶさ」の時のような劇的な印象と違い、今回はカプセルのみのためか安定感だけ受けた。
「はやぶさ2」はカプセルを分離した後、2031年7月に小惑星「1998 KY26」でランデヴーして近接観測を行うために新たな旅路についた。

(本ブログ関連:”はやぶさ2”)

ビーコンを発信するカプセルは、オーストラリア南部の「ウーメラ実験場立入禁止区域(WPA : Woomera Prohibited Area)」ですぐに発見されるなど順調な段取りを進めている。小惑星「リュウグウ」の岩石サンプルを持ち帰ったカプセルは、まさに宝石箱(玉手箱)になったといえるだろう、楽しみだ。

小惑星探査機「はやぶさ2」の経過
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・2014年12月3日: JAXAの「H-IIAロケット」26号機により打ち上げられる
・2018年9月21日: 小惑星「リュウグウ」へ到着後、探査ローバーを地表に向けて投下
・2019年2月22日: 小惑星「リュウグウ」へ第1回目のタッチダウンに成功
・2019年11月13日:小惑星「リュウグウ」からの離脱開始
・2020年12月6日: 2時28分(JST)「はやぶさ2」搭載カプセルを大気圏に突入
・2020年12月6日: 4時47分(JST) カプセルをオーストラリア南部の砂漠で発見
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(「はやぶさ2」カプセルをオーストラリア砂漠地帯で回収、2020年12月6日放送「日テレNEWS24」より))


(一筋の光...“カプセル” 回収に成功  小惑星のかけらは? JAXA会見【はやぶさ2関連のニュースまとめ】FNN「プライムオンライン」より)

2020年12月1日火曜日

12月 師走(臘月、極月)

 今日から12月(師走)。この一年を振り返って私事に大きな変化はなかったが、世相は「新型コロナウィルス」の感染拡大で大ごとで、一波、二波、三波の波に今なお揺れている。今年開催予定だった「東京オリンピック」は、来年に延期させられるほどだったのだから。

(本ブログ関連:”ウィルス”)

かような荒波にあがらう勇気も気迫もなく、歳相応に警戒して引きこもっていた。ときたまの外出は、人との接触が少ない地元の散歩くらいで、電車に乗って遠出することはほとんどなかった。

そんなとき公園内を巡る自然観察会(植物・野鳥観察)を知り、8月以降月3回のイベントに参加させてもらっている。以前、公園内の自然観察園で配布される資料(主に野草リスト)をもとにシロウト観察していたが、観察会のベテランの方から深い知見をうかがい、ほんの少しだけだが視野が開けたような・・・気がする。

先日(11/28)の観察会で、グラウンドに降りた野鳥のツグミを観察していたとき、ベテランの方から傍にあった「ロウバイ(蝋梅、臘梅)」の木について解説をいただいた。今のロウバイは緑のままだが、葉の特徴について、ザラザラしているといわれた。触って気づいたのは、私にしてみれば、1月から2月にかけて蝋細工のような黄色の花が咲くときにしか関心がなかったこと、葉っぱを触ったこともなかったことだ。ネット情報によると、葉をサンドペーパー代わりに使うこともあるという。
さらにベテランのロウバイ解説で、陰暦の12月を「臘月(ろうげつ)」と呼ぶことも聞いた。どうやら古い中国の暦祭からのようだ。

(本ブログ関連:”ロウバイ”)

ところで、ロウバイのイメージから浮かぶロウソク「蝋燭」と、陰暦の異称の「臘月」のそれぞれの「ろう」にあたる漢字(蝋・臘)の違いが何か、ネット検索したが確かなことが分らない。

日ごとにテーマを設けた歳時記、「日々の歳時記」(広瀬一朗著)に次のような記述がある(抜粋)。
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極月  十二月一日

(ごくげつ)。十二月の異名。「師走(しわす)」も同じだが、極月には、音の感じから、年の押し詰まったすごさがある。「臘月」ともいうが、これは中国の猟月(猟をして獲物を祖先に供える月)がなまったもの。
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2020年11月28日土曜日

野鳥観察(6)

早めに起きて、きょうの野鳥観察の準備をする。といっても、がっちりした冬服、防寒着に衣替えするだけだが。対策が効いたのか、外に出れば思った以上に寒さを感じない。まだまだ酷寒といえるほどでもない。午前7過ぎの気温は、7℃半ばを超えていた・・・。

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

連日、撮影した野鳥の写真や動画を会員へメール配信してくれるベテランの方がいる。着信のたび、さまざまな画像(野鳥カレンダーにして欲しいほどの出来映え)を拝見するのを楽しみにしている。そして、この時期のフィールドに、実に豊富な野鳥がいることを知る、感謝。
写真を見て、野鳥「ジョウビタキ」のメスが実に愛らしいのに気付いた。鳥の世界では、メスの気を引くためにオスが羽などを美しく着飾っていると教わったが、かえって飾らぬメスの姿に目が留まった。スズメほどの小鳥で、クルリとした目をしている。

ところで、きょうの観察会は珍しく少人数でスタートした(途中から数名が加わったが)。会員のみなさんは寒気を用心したのだろうか、それとも新型コロナウィルスを恐れたためか・・・。おじさんたちは、気にもとめず公園内を巡った。朝の木立の下に落ち葉が積もり、それが醸し出す香りが実に心地よい・・・早朝観察の特典である。

ベテランの解説をうかがいながら、今回の観察成果は次の通り。(私の双眼鏡・視野におさまった範囲だが)
・混群: 冬場、シジュウカラなどを中心に複数種の野鳥が群がる集団、一本の大樹でも見られるとのこと
・「シジュウカラ」: 頬が白い、ジュジュと鳴くのが聞こえた
・「ヒヨドリ」: 独特な波状飛行、国内留鳥で昔は山鳥だったが現在都市部でも見られる
                        また、タカを恐れて海面すれすれを飛翔するとのこと(海峡渡り)
・「ツグミ」: 一本の木に10数羽、グラウンドに多数群がる、数歩跳び歩いて背筋を伸ばして止まる
・「モズ」: 枝につんと立ったようにとまる
・「カワラヒワ」: 遠く群れて飛翔、反転するとき羽(内側)が朝陽に照らされて一斉に白く反射する
・「ハクセキレイ」: セキレイのなかで、普通に繁殖して普通に見られるとのこと
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・「カルガモ」: 15羽近くいた(今年は多数無事に育った)、着水するときの音が勇ましい
                         草食でドングリや水草など食べるそうだ
・「アオサギ」: 朝陽を受けてグェ~と鳴きながら飛んできたのに驚く、野性味を感じた

鳥は動く。双眼鏡におさまっても、ㇲッと飛んで行ってしまう。まして飛翔しているものを追いかけるのは難しい。それでも回数を重ねていけば少しは分かるかもしれないと願っている。

2020年11月19日木曜日

テス兄貴

「トロット(韓国演歌)の皇帝」といわれる歌手羅勲児(나훈아、ナフナ)の歌「テス兄貴」が話題になっている。

(本ブログ関連:”ナフナ”)

「テス兄貴」のテスはソクラテスの意で、朝鮮日報の記事に「ソクラテスに『兄貴』と呼びかけ、人生について問いかけるという歌詞の羅勲児の曲」、中央日報の記事に「テスとはソクラテスの略語。哲学者ソクラテスに生活の困難を吐露する内容の曲」と注釈されている。歌詞にはドラマ性もあるが、なぜソクラテスなのかは正直分らない・・・人生の難解さに例えられているようでもあるが。

庶民の心情を歌っているとして、韓国内の政治談議に使われている。女性外相に(本来の政治的な)自覚を求めることに、あるいは独特な韓国の家賃制度対策に副首相が矢面にたっていることに、この歌がマスコミや国政の中で以下のように語られている。とはいえ、エリートが敵対する相手(エリート)に、庶民の歌を利用することが果たして正解なのかは知らない。

ところで日本では、羅勲児のカタカナ表記を「ナフナ」とするケースが多い。姓名を区別して「ナ・フナ」とする例はわずかだ。一般に外国人のカタカナ表記で、姓名を区分するのに使われる中黒(・)が、彼の場合なぜないのか訳を知りたいところだ。


■朝鮮日報/朝鮮日報日本語版の記事
「康京和、女性であることのせいにするな…ただ本人が無能なだけ」(梁昇植(ヤン・スンシク)記者、2020/11/18 07:18)から抜粋
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/11/18/2020111880001.html
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朴宣映(パク・ソニョン)元議員、康京和(カン・ギョンファ)外相の「女性だから…」発言を批判

朴宣映氏は「自分の能力不足なのに、恥もない」「最近(韓国の有名演歌歌手)羅勲児(ナ・フナ)が、いや全国民が一様に『テス兄貴』(ソクラテスに『兄貴』と呼びかけ、人生について問いかけるという歌詞の羅勲児の曲)を追い求めるのかやっと分かった。あなたは自分自身のことを知るべきだ」・・・
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■中央日報/中央日報日本語版の記事
「【コラム】韓国政府、「むしろ何もするな」」(ムン・ビョンジュ経済EYEチーム長、2020.10.19 14:12)
https://japanese.joins.com/JArticle/271327
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住宅問題で国民が苦しんでいる。韓国鑑定院によると、9月の全国住宅の伝貰(チョンセ、契約時に一定の金額を賃貸人に預け、月々の家賃は発生しない不動産賃貸方式)は0.53%上昇した。5年5カ月ぶりの最大幅だ。国土研究院の調査の結果、9月の全国の伝貰市場消費心理指数は123.9だった。2015年10月(127.8)以降の最高値だ。今月に入ってからも第2週基準でソウルのマンションの伝貰金は67週連続の上昇となった。夏に契約更新請求権と上限制を骨子とする改正賃貸借法が施行されると、上昇の勢いがさらに強まった。

政府・与党はこうした伝貰物件不足を解消するための追加対策を検討し始めた。居住者保護案が議論されている。これについて「洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相救助」という声が出ている。ソウル麻浦(マポ)に伝貰で暮らす洪楠基経済副首相が居住中のマンションの伝貰期間を延長できなくなったうえ、売却契約までしていた義王市のマンションは借家人の契約更新要求で売れなくなったという事実が伝えられた時期と対策が議論された時期が重なっているからだ。

洪副首相はインターネット上で笑いの対象となっている。伝貰物件を見るために並ぶ人に洪副首相の顔を合成したパロディ写真が登場した。「一国の副首相として清吏の象徴のようだ」「麻浦区(マポグ)の家主の皆さん…伝貰契約をしに来れば事情を配慮してほしい」などのコメントが不動産コミュニティーに書き込まれている。各種不動産規制を管轄する官僚がむしろその規制で「伝貰難民」になった状況を皮肉っているのだ。

洪副首相は「伝貰金の上昇の要因について関係部処間で綿密に点検・議論していく」と明らかにした状態だ。与党と歩調を合わせて文在寅(ムン・ジェイン)政権の24回目の不動産対策を用意するという意味と考えられる。しかし不安だ。対策がまた副作用を招かないか心配する声が出ている。テス兄さん(韓国有名トロット歌手ナフナの最新曲。テスとはソクラテスの略語。哲学者ソクラテスに生活の困難を吐露する内容の曲)に尋ねればこう答えるかもしれない。「むしろ何もするな」。
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■ハンギョレ新聞の記事
「『テス兄貴』響いた国政監査場、『麻浦区ホン・ナムギさん』が召喚された」(チム・ミョンソン記者、10-16 18:26初)
http://www.hani.co.kr/arti/economy/property/966109.html
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16日に開かれ、国土交通省、国政監査では、歌手ナ・フナさんの新曲「テス兄貴」が鳴り響いて、「麻浦区に住むホン・ナムギさん」*が伝貰難民事例として登場するなど、最近不安様相を見せている伝貰市場をはじめとする政府の不動産政策に野党議員の批判があふれた。

(*)「麻浦区に住むホン・ナムギさん」とは、まさに副首相のことで・・・

 この日、ソン・ソクジュン「国民の力(党)」**議員は、政府世宗庁舎で開かれた国土部国政監査でキム・ヒョンミ長官の質疑に先立ち「テス兄貴、世の中はなぜこうなんだよ、なんでこんなに辛どいんだ」というナ・フナさんの新曲「テス兄貴」の部分を流した。続いて「大衆歌謡には、国民の心、時代精神が込められている」とし、「数回続く住宅政策で、国民の生活は苦しくなった」と述べた。

(**)「国民の力(党)」は最大野党
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テス兄貴!(테스형!)」 ナフナ(羅勲児、나훈아:作詞・作曲とも)

어쩌다가 한바탕 턱 빠지게 웃는다
たまに、ひとしきり笑いこける
그리고는 아픔을 그 웃음에 묻는다
そして、痛みをその笑いにそっとしまう
그저 와준 오늘이 고맙기는 하여도
ただ、来てくれた今日はありがたいけど
죽어도 오고 마는 또 내일이 두렵다
死んでもやって来るまた明日が怖い

아 테스형 세상이 왜 이래 왜 이렇게 힘들어
あぁ、テス兄貴、世の中はなぜこうなんだよ、なんでこんなに辛どいんだ
아 테스형 소크라테스형 사랑은 또 왜 이래
あぁ、テス兄貴、ソクラテス兄貴、愛はまたなぜこうなんだよ
너 자신을 알라며 툭 내뱉고 간 말을
汝自身を知れと ぽんと吐き捨てて行った言葉を
내가 어찌 알겠소 모르겠소 테스형
俺が分かるはずがないよ、テス兄貴

울 아버지 산소에 제비꽃이 피었다
うちの親父の墓にスミレの花が咲いた
들국화도 수줍어 샛노랗게 웃는다
野菊もはにかんで真っ黄色に咲きほころぶ
그저 피는 꽃들이 예쁘기는 하여도
ただ、咲く花が美しいことはあっても
자주 오지 못하는 날 꾸짖는 것만 같다
よく来られない俺を叱っているようだ
아 테스형 아프다 세상이 눈물 많은 나에게
あぁ、テス兄貴、痛い世間が涙もろい俺に
아 테스형 소크라테스형 세월은 또 왜 저래
あぁ、テス兄貴、ソクラテス兄貴、歳月はまたどうしてああなのか
먼저가본 저세상 어떤 가요 테스형
先に行ってみたあの世はどうですか、テス兄貴
가보니까 천국은 있던 가요 테스형
行ってみたら天国はあったんですか、テス兄貴

아 테스형 아 테스형 아 테스형 아 테스형
あぁテス兄貴、あぁテス兄貴、あぁテス兄貴、あぁテス兄貴
아 테스형 아 테스형 아 테스형 아 테스형
あぁテス兄貴、あぁテス兄貴、あぁテス兄貴、あぁテス兄貴

( ナフナの「テス兄貴!」ミュージックビデオ)
(Youtubeに登録のDanalEntertainmentに感謝)


■聯合ニュースの記事(日本語版)
「[韓流]BTSよりナフナ MVがユーチューブで1位」(hjc@yna.co.kr、10.23 11:10)
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20201023001500882?section=search
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【ソウル聯合ニュース】韓国のベテラン歌手、羅勲児(ナフナ)の新曲「テス兄さん!」(原題)のミュージックビデオ(MV)が動画投稿サイト「ユーチューブ」の韓国人気MVチャート(集計期間:10月9~15日)で1位を記録した。BTS(防弾少年団)やBLACKPINK(ブラックピンク)など世界的な人気を誇るアイドルグループのMVを抑えての首位獲得となった。

 同曲は8月にリリースしたアルバムの収録曲で、哲学者ソクラテスを「テス兄さん」と呼びながら世知辛い世の中を嘆く歌詞が特徴。KBS第2テレビが秋夕(中秋節、今年は10月1日)に合わせて特別公演として企画し、先月30日に放送した羅勲児の単独コンサートで披露されてから中年層だけでなく若年層からも爆発的な関心を集めた。韓国の音楽配信サイト、ジニーミュージックではストリーミング数が前週に比べ3733%増加した。
 MVの再生回数は22日現在、745万回を超えた。
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2020年11月17日火曜日

野口宇宙飛行士 ISS到着

昔、日本人ノーベル賞受賞者は、元旦の新聞紙面第一面に囲み記事のかたちで日本のあるべき姿を語った。専門分野が物理学であっても、ノーベル賞の権威は高く重く受けとめられていたし、読者は彼の発言から指針を感じとっていた。それほど貴重な存在だった。

日本で受賞者が増えると、週刊誌記事もふくめて、研究業績だけでなく個人のプライバシーにまで話題がおよんだりした。受賞者を高踏な言葉を語る存在から、庶民の側に引っ張り込んだ。もちろん誰も彼ら受賞者を近所のおじさんと同じだと思ってはいないが。それでもだいぶ近くなった。

JAXA所属の宇宙飛行士たちの場合もどうやらそのようだ。宇宙飛行の回数が重なるたび、アストロノーツ(宇宙飛行士)といったSF的な響きから、身近に見える宇宙飛行士としてとらえるようになった。今も子どもたちにとって、あこがれの存在であることに変わりはないが。

(本ブログ関連:”JAXA”)

今回の野口聡一宇宙飛行士の、宇宙飛行の場合もどうやらそうらしい。あたり前のようにリフトオフしてドッキングした。マスコミは大騒ぎしなくなった。(3回目の宇宙飛行であり、2度目のISS長期滞在になる - 今回は半年間予定、前回は161日間滞在)

(本ブログ関連:”野口聡一宇宙飛行士”)

でも、スペースX社の大型ロケット「ファルコン9」とともに打ち上げられた宇宙船「クルードラゴン」で、国際宇宙ステーション(ISS)へ飛び立った光景はどこか違う。ロケットも宇宙服も宇宙船もみんなSF映画のセットのようにスマートなのだ。ロケットの一段目は、切り離した後に逆噴射して地上に舞い戻った。宇宙服にいたっては、もしかすると戦闘機パイロットの耐Gスーツよりも軽快に見えてしまう。大きく変わったというのに・・・。


(資料)

JAXA(国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構)の記事(2020年・令和2年11月16日)
https://www.jaxa.jp/press/2020/11/20201116-1_j.html
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国際宇宙ステーション長期滞在クルー 野口聡一宇宙飛行士搭乗のクルードラゴン宇宙船(Crew-1)の打上げについて

米国スペースX社は、野口聡一宇宙飛行士が搭乗するクルードラゴン宇宙船(Crew-1)を、以下のとおり打ち上げ、所定の軌道に投入しましたのでお知らせします。
1.打上げ日時: 2020年(令和2年)11月16日(月)9時27分(日本時間)
                                    11月15日(日)19時27分(米国東部時間)
2.打上げ場所: 米国フロリダ州ケネディ宇宙センター 39A射点
3.国際宇宙ステーションとのドッキング予定日時:
                        2020年(令和2年)11月17日(火)13時00分(日本時間)
        11月17日(火)4時00分(世界標準時)
4.搭乗員: Crew-1コマンダー マイケル・ホプキンス(NASA)
                Crew-1パイロット ビクター・グローバー(NASA)
                ミッションスペシャリスト 野口聡一(JAXA)
                ミッションスペシャリスト シャノン・ウォーカー(NASA)
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クルードラゴン宇宙船「レジリエンス」(船名)は、17日午後1時ごろ(日本時間)、ISSにドッキングした。

NASAの記事(米:2020年11月17日)
https://www.nasa.gov/press-release/nasa-s-spacex-crew-1-astronauts-arrive-at-space-station-nasa-leaders-and-crew-to
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SpaceXクルードラゴン・レジリエンスは、(米国東部標準時)月曜日(11/16)の午後11時1分に国際宇宙ステーションにドッキングに成功し、NASAの宇宙飛行士マイケル・ホプキンス、ビクター・グローバー、シャノン・ウォーカー、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の野口聡一宇宙飛行士を輸送しました。
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2020年11月15日日曜日

自然観察(4)樹木も水鳥も花も

今日の都心の最高気温は、昨日の22.2°Cに比べて、18.6°Cと低く冷えた。朝方ひんやりして、自然観察会へ出かけるのに身構えたが、会のみなさんの後を付いて歩くうちにじんわり汗ばんできた。寒気はさほどでなく、日向を歩けば結構温かい。

(本ブログ関連:”自然観察会”)

いつもの観察順路なのに、公園の広場がこんなに広々していたかとあらためて気づかされた。普段、見ているようで見ていない・・・樹木も水鳥も花も、そして広場の景観も!

これまで参加した回(わずか4回だが)の中で、今回は最多のメンバーが集った。そのためいくつかのグループに分かれて観察することになるわけだが、中でも初心者に居心地よさそうなグループに加わった。ベテランリーダーの丁寧な解説に感謝。

ところで、月1回の観察会とはいえ、4回目ともなると知ることが増えて正直オーバーヒート気味。どうやら知恵熱でも発症したようだ。観察中に、リーダーの解説を手帳に書き留めていなかったら何も残らないことになる。記録は大切だ・・・ただ、それが一過性(書いただけ)に終わってはならないと自戒する。

以下、手帳に記したものから関心あるものを書きうつす。(聞き間違えなどはご容赦を)

ナラの木類の虫害ナラ枯れ) ・・・ 樹木・虫
カシノナガキクイムシによる虫害の掲示があって、公園のナラの木も例外でない。
・一般の森林では対処法がなく放置のため、問題が大きくなっているようだ。

ダイサギ(白色)・・・ 水鳥
・ダイサギ:くちばしが冬に黄色→夏に黒色、足は黒色、国内で繁殖(公園で観察できる)
・チュウサギ:夏場に見られる
・コサギ:くちばし黒色(公園で観察できる)

ヒマラヤスギのまつかさ ・・・ 樹木
・まつかさはバラバラに砕けるが、上部未成熟部分は残り装飾材(シダーローズ)になる
・まつかさを振って花粉をルーペで観察すると、ミッキーマウス型が見られる(未見)

冬咲きの十月サクラ ・・・ 樹木
・日本の野生種は10種くらい(11種の説あり)
・野生種を掛け合わせて園芸種が作られた
  - ソメイヨシノ
      エドヒガンザクラ + オオシマザクラ (この同じ親から複数園芸種が生まれている)
・冬に咲くサクラ(花:十月サクラは一重に近い、他は八重)
  - 十月サクラ: エドヒガンザクラ + マメザクラ
  - コブクザクラ:(エドヒガン + シナミザクラ などの説)
  - 冬サクラ: オオシマザクラ(純白)+ マメザクラ 
  - 四季ザクラ: エドヒガンザクラ + マメザクラ

クリの木のいが(毬)・・・ 樹木・害虫
・いがの棘は枝分かれしている
・害虫のクリタマバチに対抗して品種改良したが、クリの味が落ちるという
・クリの穂の穂先大部分は雄花、穂の元に雌花があって実になる(雄花だけの穂もある)

ムクの木 ・・・ 樹木
・干しブドウのような黒い実を食べる(甘いという感想があるが)

クヌギの実 ・・・ 樹木・害虫
・クヌギのドングリから、クヌギシギゾウムシの幼虫が外に出るために開けた穴が見える

クスノキ ・・・ 樹木
・常緑であるが茶褐色に黄葉して冬場は残り、春に新葉が出るのに合わせて落葉する


その後、自然観察園内で植物を主に観察した。この時点で頭が飽和してしまい、写真の記録にとどめたが鮮明な写真が撮れていないのが残念。

リンドウ
ムサシアブミ(花)

2020年11月7日土曜日

野鳥観察(5)

朝の野鳥観察会に参加するため早目に家を出た。途中、民家の庭木をかすめる鳥が「チッ・チッ、チッチーチッチーチッチー」と鳴くのを聞いたが、姿かたちの記憶はおぼろでしかない。

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

天気がよく、いつも通りの観察コースを巡った。樹間をくぐれば森林浴、小川の岸辺をたどれば川風の通り道を感じる・・・とはいえ、本当はみなに追いつくのが精いっぱい。

今回の観察成果は次の通り。(あくまで、私の双眼鏡・視野におさまったもの)
・「ヤマガラ」: ベテランに指さされた枝先にいた。双眼鏡で見たが、逆光でおぼろ・・・。
・「カワラバト(ドバト)」: 遠くの上空を群れて飛んでいた。(伝書鳩が野生化したものとのこと)
・「アオサギ」: 堤の下でじっと留まり・・・皆が土手から見おろしてもたじろぐことはなかった。
・「カルガモ」: 図鑑の写真よりも羽模様がくっきりしている。(この仲間はくちばしの先が黄色とのこと)

水鳥は水辺にたむろし、水の流れに似てせわしくないので、ゆっくり観察できるが、飛ぶ鳥は(飛んで当たり前だが)追跡するに眼力が足りず、ベテランに尋ねるばかり。そんなとき、初心者にとって大切な観察ポイントを次のようにアドバイス受けた。
① 体の大きさ(次のいずれかを目安に観察する)
    スズメ < ヒヨドリ < ハト < カラス
② 飛び方(次のいずれかを目安に観察する)
    - 小さく羽ばたき続ける
    - 小さく羽ばたきながら、途中で羽ばたきを止め下降した後、羽ばたきを再開して上昇するを繰り返す
    - ゆっくり羽ばたきしながら進む
    - ほとんど羽ばたきがなく滑空中心
③ 体の特徴(羽の色や模様、くちばし・足の色などを目安に観察する)

(注) 鳴き声による判定は初心者に難しい・・・まず上記①~③から始めるとよいとのこと。

「スズメ」の話題(ベテランの方からうかがった話)
私たちの子ども時代には「スズメ」は珍しいものではなかったが、最近姿が減っているという。藁葺(わらぶき)屋根の農家が減り、スズメの巣の材料となる藁が乏しくなったこと。近ごろの民家には、スズメが巣を作る隙間がない・・・などのためだそうだ。スズメを見たことがない小学生が増えているという。時代はどんどん変わっているようだ。

2020年10月30日金曜日

ニシキギとサンシュユ

公園に出かける。雲間から青空が覗くものの、地表の空気はひんやりして重い。きのうと比べて、気温の落差に驚かされる。おもわず上着のボタンをすべてとめてしまった。予想外のことのように戸惑ってしまう。

公園内の自然観察園に沿って流れる小川に、「アオサギ」が一羽だけ岸に立っていた。下流に少し距離を置いてもう一羽いた。彼らは群れないのだろうか。さらに進むと、「カルガモ」が3羽一列に浮かんで、流れに逆らうようにゆるりと上って行った。

観察園で、「ニシキギ」と「サンシュユ」の樹木になっている赤い実を見た。

同じニシキギ科の「マユミ」の隣りに、「ニシキギ」が並んで赤い実を風に揺らしている。ふっくらしたマユミと比べて、ニシキギの実は小さく赤みが鮮明。図鑑に、ニシキギは紅葉が美しいことから、<錦木>の名がついたという。

(本ブログ関連:”マユミ”)

ニシキギ
ミズキ科の「サンシュユ」(山茱萸)も赤い実がなるということで、観察路を巡ったが見つからない。ようやく風で揺れる枝葉の隙間から実を覗かせた。観察園入口の掲示板にある写真と比べて実の数が少ない。時期を逃したからだろうか・・・それとも他にもっとよいものがあるのだろうか?

サンシュユ
(余談)
サンシュユを、「サンシュウ」と勘違いして、宮崎県民謡「稗搗(ひえつき)節」の始まりの「庭のさんしゅう(山椒)の木 鳴る鈴かけて ヨーホイ」を思い出す。けれど、耳に残った「さんしゅう」が、山椒(さんしょう)だったとは・・・。


2020年10月27日火曜日

絵本「ちいさなタグボートのバラード」

現代ロシアの裏社会を代表するマXxXの起源は「ブラトノイ」と呼ばれ、その中にいわゆる「無頼派」として、今なおロシア人のこころを揺する詩人「セルゲイ・エセーニン」(1895年10月3日~1925年12月27日)がいた。ロシア文学について全く不案内にもかかわらず、このブログに感想を記した。

(本ブログ関連:”ブラトノイ”、”エセーニン”)

詩人が生まれた国で現在出版される詩集の装丁を見ると、読者の心性が浮かんでくることがある。とりわけ若い女性の読者は詩人に純粋さを夢見るようで、それを感じた編集者はくすぐるような挿絵を詩集に刷り込んだりする。それは洋の東西をとわない。

時代においては、詩人は言葉だけでなく生き方まで象徴的になる。しかし時代が固着してしまうと、詩人の中には派手に立ち回ることもせず、社会に寄生するだけの存在としてあしらわれ、胡散臭い「徒食者」の烙印を押される。
1960年代以降のソ連社会はいろいろなものが見え始めたようで、目障りな者への風当たりが強くなってきたのだろう。ユダヤ系の詩人「ヨシフ・ブロツキー」(Ио́сиф Бро́дский、Joseph Brodsky、1940年5月24日 ~1996年1月28日)も若いころ徒食者扱いされたという。

彼が初めて(1962年)書いた詩が、いまでは絵本「ちいさなタグボートのバラード」(ヨシフ・ブロツキー詩、イーゴリ・オレイニコフ絵、沼野恭子訳)となって手にすることができる。まことに美しい絵本に仕上がっている。
大型の絵本サイズに描かれた表現は穏やかで読者を安定させる。そして詩は、タグボートの「ぼく」を通して語られる。港にいるだけの「ぼく」にとって、海は遠くにあって、大型船もあこがれの存在でしかない、それらはいつかは去っていくのだから。そんな「ぼく」はタグボートの役目をしっかり果たすだけ。そして・・・。

(参考)原詩露・英対訳 Andrey Kneller氏による。 ← ロシア語はわかりません。
https://sites.google.com/site/poetryandtranslations/joseph-brodsky/a-ballad-about-a-small-tugboat

ところで時代は違うけど、機関車を黒い馬に例えたり(エセーニン)、クレーンの光景をレース模様に例えたり(ブロツキー)するのを見て、ソ連だなあとつくづく思ったりして。

ブロツキーは、アメリカに移って活躍した詩人で、作品は難解といわれる・・・未読。

(参考)北海道大学スラブ・ユーラシア研究センターデータベース: ブロツキーの解説
http://src-h.slav.hokudai.ac.jp/literature/brodskii.html

昨日(10/26)、この「ちいさなタグボートのバラード」の絵本を購入した。

(追記)
Youtubeに、上記とは別グループ*による、360°フォーマット展開(画面上、マウスを使ってタグボートを追ったり/フルスクリーンにすると拡大・縮小することが)できる、アニメ「ちいさなタグボートのバラード(Баллада о маленьком буксир)」が登録されているので次に埋め込む。
(*)Youtubeに戻って、画面下の解説に、サンクトペテルブルグの制作陣が記されている。

(Youtubeに登録のWHALETALESに感謝)

2020年10月24日土曜日

野鳥観察(4)

今朝の野鳥観察会は、今までで(といっても過去3回の経験でしかないけれど)、参加者がいちばん多かった。一つに天気が良く晴れ渡ったせいもあるが、これからの時期、飛来する野鳥の種類が増えて観察を楽しめるからということもあるようだ。

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

公園内の観察順路には、木立あり、原っぱあり、さらには小川ありといった具合で、それぞれの場所に適した野鳥を見ることができる。ちなみにマーケティングで、商品テストの地域に静岡県が選ばれたりするが、海や山があり、都市や工業地帯があるといった日本の縮図だからと聞いている。もっと雑談すれば、米国大統領選挙の動向を見極めるのに、オハイオ州の結果が判断になるというが、この場合はどうだろうか。

ところで、鳥は植物と違って動く(飛翔する)。ベテランは、姿が見えなくても鳴き声だけからでも判定する。一方入門者は、あそこにいると遠くを指さされてもすぐに見つけられず、探すうちに鳥は飛んで行ってしまう。今の力量では、鳥の雌雄の違いとか、状況に応じて鳴き分けているのを判別できるには、いたってほど遠い。

今回も多くの種類が観察されたけど、わが視覚・聴覚は追いつかない。(場所を教えてもらったうち)手持ちの双眼鏡で確実に見えた野鳥だけ次に記してみる。
・「ヤマガラ」: 樹上でしきりにエサをついばんでいた。逆光で、黒色の頭頂・茶褐色の腹をしっかり識別できなかったが。
・「アオサギ」: 公園近くの民家のベランダの手すりにじっととまっている青灰色の姿が見えた。
・「カルガモ」: 小川の水に身を任せるように、4羽が一列になって呑気?に流れていた。
・「バン」: 小川の葦の茂みに黒色の姿がいた。2羽というが1羽しか見つけられない。

以上は、ヤマガラを除きやや大きめの鳥なので、指さされて何とか見つけられた。しかし、「シジュウカラ」のようにサッと飛んで行ってしまう小鳥は、鳴き声を知らなければ見当もつかない。とはいえ、少しずつ身近に感じていければよいかなと思っている・・・双眼鏡で確実に見えるというのが、初めの一歩のような気がする。

2020年10月23日金曜日

(雑談)ちらりと聞いて早とちり

とりとめもなく、ちらりと聞いてネットを上滑りした与太話。

ラジオから、センセーショナルというかショッキングな場面が展開するという映画「異端の鳥」の映画評が聞こえてきた。遠くの国の人間が語るにはおぞましい、第二次大戦下の悲惨な経験を経たユダヤ人少年がいかに生き延びたかを描いた映画についてだ。映像化に賛否両論があったという。

1965年出版の「異端の鳥(ペインティッド・バード)」(西成彦訳、2011年)の原著者イェジー・コシンスキはとても個性的な人物で、ネットでは盗作などいわくつきの背景があるように紹介されている。この小説を自伝的といったり、架空の話といったり変転するくらいだそうだ。(未読のため深入りできないが)

ところで、この物語と大筋が似た児童書「走れ、走って逃げろ」(U. オルレヴ、母袋夏生訳、岩波少年文庫)がある。こちらの場合、作家オルレブ自身の経験ではなく、体験者というべきモデルが存在すると巻末に訳者解説がある。

(本ブログ関連:”走れ、走って逃げろ”)

「走れ、走って逃げろ」の原著「Run, Boy, Run(רוץ、ילד、רוץ)」が発表されたのは、なんと2001年とのこと。コシンスキとオルレブがほぼ同年代のため、コシンスキのよからぬ噂からあらぬ疑いを想ってしまったが・・・しかし発表時期から、それはとんでもない濡れ衣だった・・・早とちりにもほどがある。

(参考)
イェジー・コシンスキ:ポーランド系ユダヤ人、יז'י קושינסקי、Jerzy Nikodem Kosiński、1933年6月18日~1991年5月3日
ウーリー・オルレブ:ポーランド系ユダヤ人、אורי אורלב、Uri Orlev、1931年2月24日~


雑談
「走れ、走って逃げろ」の原題「Run, Boy, Run」をYoutubeで検索したところ、おもしろいミュージックビデオ(MV)と出会った。映像作家でミュージシャンであるヨアン・ルモワンヌ(プロジェクトWOODKID)の作品のようだが・・・初めて知るわけで。WOODKIDのMVを次の①、②の順に見ると、いろいろ思いを巡らすことができそう。これらに共通して登場する塔を持つ白い建造物に、どこか純正芸術的な臭いがする、それを狙ってのことだろうか?

(本ブログ関連:”純正芸術”)

① Iron:
・ https://www.youtube.com/watch?v=vSkb0kDacjs&list=RDvSkb0kDacjs&start_radio=1
・ https://www.youtube.com/watch?v=lmc21V-zBq0&list=RDvSkb0kDacjs&index=2
・(和訳) https://www.youtube.com/watch?v=HWx-PV5ptTs (Stay Aliveに感謝)

2020年10月18日日曜日

自然観察(3) ニガキは苦い

公園は朝から晴れて、草原(くさはら)はひんやりするものの夜露に濡れた風もなく乾いていた。幸いな天気のせいか、きょうの自然観察会は多数の参加者がつどった。(3回しか参加経験がないので、いうはおこがましいが、こんなに大勢そろったのに驚く)

観察会の植物分野のベテラン(リーダーの一人というべき方)からレクチャーを受けてメモしたものから以下に記す。聞き間違いがあるかもしれないがご容赦願いたい。(手帳11ページに及ぶ豊富な情報であり、その中から少しだけ・・・)

まず、経験の浅い入会者の務めというか洗礼というか、樹木「ニガキ(苦木)」の(次の写真の枝の分かれ目、矢印の先にある)<新芽>を味見をするよういわれ噛んだところ、次第に舌の奥あたりが苦くなった、しかも強烈に。会員からいただいた飴でしのいだのだが、苦味がしばらくのあいだ続いた。
・ニガキは、漢方薬「苦木(くぼく)」として苦味健胃剤の材料に使われるそうだ。ニガキの苦味は枝、葉にもあるが、漢方薬には樹皮などが使われるという。
(ちなみに、マグネシウム(Mg)は「苦土」と表現されて苦味を持つが、苦木の苦味は有機物「クアシン(C22H28O6)」によるもので、当然ながらMg元素を持たない。苦土と苦木の苦味の程度はどちらが大きいのか、ネットで検索したがよく分らない)

ニガキ
公園の原っぱ中ほどに木立があり、その中に「イイギリ(飯桐)」の木が赤い実をならしていた。実の様から「ナンテンギリ」ともいわれるが、次の写真のように赤い実を下に垂らしていて、「ナンテン」木の実のように上向きのものはないとのこと。また、イイギリの実は野鳥の「ヒヨドリ」に食べられるそうだ。
・飯桐(イイギリ)の飯は、葉を皿代わりにした意という。
・葉の広がるもとに小さな黒いつぶが2つほどあり(どうやら葉柄の途中にもあるとネットに記載がある)、それを「花外蜜腺」と呼ぶとのこと。アリを使って他の生物からの食害を防御しているようだ・・・。
・ところで、昔の金属金庫の内側に「キリ(桐)」の棚が作られていたが、桐の断熱性(燃えるのではなく、炭化するすることで防火)を利用したという。

イイギリ
観察会の最後に見たのは、「クサギ(臭木)」の木の赤い花だ。中心が黒い実で、周りの赤いのは花弁でなくて顎(がく)である。葉をつぶして臭いを嗅いでみるが、いわゆる青臭い臭いでしかなかった・・・。むしろ、つややかな赤い花の独特な姿、形に関心がいった次第。

クサギ

この他、いろいろ興味深い話題や感想を聞かせていただいた。
・「イヌタデ」:植物の名称に「イヌ~」が付く場合、劣った意を含むことがあるようだ。
・「ドングリ(団栗)」:「ドン」は「団」よりも「鈍」が似つかわしいかもしれないと感想を述べられた。

上記は樹木についてだが、野草についても解説がいっぱいあって・・・書ききれない。

(追記)
先日(10/16)の観察園外側で見たキク科の花は、現場で「ユウガギク」と同定していただいた。

2020年10月16日金曜日

ミゾソバ

ここ四五日、週の始めは日が照ったりしたものの、他日は概して曇り空。きょうは晴れ空が見えて、立川市にある「国営昭和記念公園」のコスモス畑に行ってみようかと、昼前、外に出たものの、ひんやりとする風に躊躇して行き先を変更した。日向と日陰の寒暖差が激しい。

いつものごとく公園併設の自然観察園を巡る。紅紫色の「ツリフネソウ」の花の群落にかぶさるように、淡紅色の「ミゾソバ」(タデ科)の花が群がっていた。湿地に設けられた板橋の上から眺めだが、小さく膨らんだ花が印象的である。その花は花弁でなくて、顎(がく)が色づいたもの。(ミゾソバの和名は、生え方がタデ科の代表穀物である「蕎麦」と見た目が似ていることに由来しているとWikipediaに解説がある)

自然観察センターのレンジャーの方に、観察場所を伝えてカメラ写真を見て検討していただいた。現物を観察してではないので、正式な同定ではないが、他に似たものとして「アキノウナギツカミ」(タデ科)を紹介いただいた。(こちらを観察園で見つけられなかったが・・・)
ミゾソバ、アキノウナギツカミは共にタデ科であり、茎に棘がある。ただし、葉の形態に違いがあって、ミゾソバは「先は鋭くとがり、茎部は耳状にはりだす(牛の顔のイメージ)」に対して、アキノウナギツカミは「卵状披針形 - 長披針形、茎を抱くようにはりだしている」と絵解きいただいた。

ミゾソバ

同じくタデ科の植物で茎に棘のある、上部が赤く下部が白い花の「ママコノシリヌグイ」(タデ科)の紹介を受けて、観察園に戻り、指定の場所で見つけた。つる草にからまれて息苦しそう(写真はつるをほどいたもの)。この花も花弁ではなくて、上記同様に顎片からできている。(ママコノシリヌグイの和名の由来は残酷。洋の東西を問わず、継子に対する継親の心理は複雑)

ママコノシリヌグイ
キク科の花
観察園の柵の外側にキク科の花が咲いていた。写真をレンジャーの方に見てもらったが、「コウガギク」、「カントウヨメナ」などあって同定が難しいといわれた。初心者が先走るのを、慎重に説かれ戒められたような気がした。

2020年10月12日月曜日

ハナミズキの実

夜型の生活をしていて朝寝坊を決め込んでいたのに早起きするようになったのは、自然観察の会へ参加するようになってのこと。健康にもよいと生活リズムを再構築しているのだが、少々調整に苦心している。

よく昼寝は正午から午後3時までの間でした方が良いといわれる。それ以降は生活のリズムを狂わせる。ところが、私ときたら午後5時ころになると眠くなるようになった。

奇妙な進路をとった台風(14号)も過ぎて台風一過、きょうは晴天に恵まれたので、これを機会に外出しようと、3時過ぎに公園へ出かけた。太陽の低い光線がまぶしい。木立は幹の影を地面に長く這わせている。路肩の雑草「チカラシバ」は、ブラシのような穂に西日を受けてキラキラ輝き揺れている。すっかり秋の気配だ。

公園を横切る小川の土手に、更に一段盛った小路があり、その両側に「ツツジ」や「ハナミズキ」が植えられている。この時期のハナミズキは、葉をまだ残しているもの、写真のように枯らして落としているものさまざまあるが、一様に赤い実をつける。赤い実といえば「ナンテン」の木の実を思い出すが、こちらは冬になってのこと。

正直、ハナミズキと赤い実のイメージがつながらない。というのも、通りすがりに気付いたくらいだから。(普段自然をぼんやりとしか見ていない証左である・・・)

2020年10月6日火曜日

キンモクセイ

この時期、民家のつづく路地を歩いて「キンモクセイ(金木犀)」の香りに気づくことがある。どんなに小ぶりの枝でも、橙色の花を身に着けると辺りにあの独特な甘い匂いを漂わせる。寒くない秋晴れの日によく似合う。それが大木となって見上げるほどになれば、圧倒されることになる。

公園に併設の「たてもの園」入り口の両側に、大きなキンモクセイの木が並んでいる。足元を柵で囲われており、公園内の他の木立と比べれば驚くほどでないかもしれないが、それでも高さ10m、枝幅8mあるという。大きな樹影と香りに、傍を通る誰もが思わず立ち止ってしまう。

(本ブログ関連:”キンモクセイ”)

ただ、わたしら世代には、キンモクセイの香りに人工的なものを感じることがある。その理由を、Wikipediaに、芳香剤の香り付けに利用した時代があったと解説している。思えばそうだったと合点する、田幸和歌子氏の出典*が明記されている。
(* 出典: https://www.excite.co.jp/news/article/00091161497065/ )


ところで公園内を巡ると、空気圧をクッションにしたような大きな遊具があって、その上で何人もの幼児たちが歓声をあげながら飛び跳ねている。通りかかりに管理員の方に聞いたところ「ふわふわドーム」という。なんとも可愛らしいネーミングだ。小さな体が宙に舞い、ゆっくりと上下する視点の動きがたまらないのだろう。
そんな遊び場の隣に「コスモス」畑がある。きょうは目いっぱい、コスモスの花を楽しんでみようと寄ってみた。


昨日見た、小川の堤に続く柵のかたわらに寄せ植えしたコスモスと違って広がりがある。こうなると欲が出るもの、もっともっと広大なモスモス畑を見たくなる。

2020年10月5日月曜日

コスモス

秋の気配が濃厚になった先週の金曜日(10/2)、自然観察園で「ヒガンバナ」の群生を見てきた。きょう、もう一度眺めてみようと思い出かけたが、月曜日が休園であることをとんと忘れていた。

そこで、せっかく来たのだからと、公園近くで「コスモス」を探してみることにした。二つの公園にまたがる橋のそば、堤に沿ってこじんまりとコスモスの花が連なっているのを見つけた。

(本ブログ関連:”コスモス”)

コスモスの花は愛らしい気がする。パステルカラーの薄桃色の花弁が身を任せるように風に揺れているさまは、幼子のようにあどけない。いつまでも見入ることができる花だ。

コスモスは秋桜とも記す。しっとりとした情感をさそう、山口百恵の「秋桜」が聞こえてくる。明治近代に渡来した外来種だが、日本人の感性に合っていたのだろう、まさに秋の桜だ。

以前、埼玉県の日高市にある巾着田でヒガンバナ(曼殊沙華)を見た帰り、巾着田の内側一面にコスモスの花で埋まっていたのを思い出す。正直、月並みかもしれないが天国の光景が浮かんだ。わたしにも、そんな想いがしたのだ。

今年は新型ウィルスのせいで、残念ながら遠出を控えている。できるなら都内で大規模なコスモス畑を訪れてみたい。立川市にある「国営昭和記念公園」で「コスモスまつり 2020」*を今月下旬まで開催しているとのこと、しっかり目に焼き付け、胸いっぱいに畑の空気を吸ってみたい。
(コスモスまつり: https://www.showakinen-koen.jp/event/cosmos2020/ )

日本画の掛け軸風に、コスモスの写真を縦長にトリミングしてみた。

2020年10月3日土曜日

野鳥観察(3)

公園の野鳥探鳥会に初めて参加したのは8/22(土)のこと。以前、早朝の公園で「カワセミ」を観察中のベテランと偶然出会い、探鳥のイベントを教えていただいた。そんなわけで初回に、雰囲気だけでもとうかがった次第。実際、会員の後ろに付いて回っただけだったが。(そのときのことを本ブログに記すにはあまりに知識・経験不足。語彙もない。右も左も分らぬ超初心者には書くことも覚束ない。)

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

第2回目(9/26)はブログに記した通り。野鳥は、植物と違って動き廻る。遠くにいても双眼鏡を使って視認するしかない、一方、声だけでも判別することができる・・・という。そんなわけで、会員の足手まといにならぬようひたすら追いかける。

そして今日、3回目の参加となった。何が変化しただろうか、成長しただろうかなんてとんでもないが、会員の方々から野鳥にまつわるいろいろな話をうかがう。耳学問であるが、門前の小僧にならい少しづつ蓄積していこう。

今回まさに野鳥らしい野鳥の「ヤマガラ」を双眼鏡で見た。エゴノキのむくろに留まっているのを自分の双眼鏡で観察できたのは幸いだ。視野いっぱいに見た第一号となる。(「野鳥」図鑑に、秋にスダジイやエゴノキの実をよく食べ、貯食行動もおこなうとある)

飛翔がユニークだ。「波状飛行」といい、羽ばたいて上昇しては、羽を休めて下降する。エネルギーの消費効率がいいからだろうとのこと。(降下するさまに、義経の「鵯越え」の奇襲が想い浮かばれる)

カルガモ
夏の小川にいるのはカルガモ。冬になるとマガモが北たから飛んでくるので、見間違えないように注意とのこと。

その他、遠くの木立で「コゲラ」が数羽飛び交うのが見えたり、「アオゲラ」が大きな声で鳴いているのを間近で聞いたりした(つまり声だけ)。

とはいえ、以上は教えていただいてのこと。

2020年10月2日金曜日

ヒガンバナ

早起きして公園の自然観察園に「ヒガンバナ(彼岸花・曼珠沙華)」の群生を見に行く。観察園の扉が開くのに少々早く着いたようだ。観察センターに立ち寄って、(新型ウィルスの余波もあって昨年版だが)今月の「花だより」の野草リストをいただく。裏面には観察順路が図示されていてありがたい。

(本ブログ関連:”ヒガンバナ”)

実は、今年の観察園のヒガンバナの開花が遅いと話題になっていたが、昨年同様、観察園の西側の一画を赤く敷き詰めた。葉を見せず、細身の茎の上に真っ赤に燃えるような花弁を揺らせ、細い雄しべと雌しべで飾っている。それが妖しいとか妖艶とか、毒性もあって死のイメージにまで広がる不思議な花だ。

来園のひとびとは、そんなイメージと関係なく、赤く広がるヒガンバナの群生に見入り、シャッターを切ったりした。今年も会えたという喜びの方が勝っているかもしれない。



ヒガンバナは、上掲のような群生でないが公園のあちこちにも咲いている。日本のヒガンバナは遺伝情報の持ち方から、有性でなく球根を分けることで、つまり人手を介して人為的に増える。チューリップ畑を見て感動するようなものかもしれない。でも、それでもひきつける。

2020年9月26日土曜日

野鳥観察(2)

自然観察会に野鳥探索(探鳥)のイベントがあり参加した。今回で2回目、全くの初心者である。
今朝早く霧雨模様で、そのまま曇り空になるのか小雨になるか分らぬまま、かような天気なら本来中止となるところを、リーダーの厚意で実施の運びとなった。参加者が極めて少数だったにもかかわらず。感謝。

(本ブログ関連:”野鳥観察会”)

実は、先日購入に手間取った双眼鏡をようやく手にできたので、試してみたいこともあって参加した次第。6×30の視野の広さと明るさの効用を体験したかった。

ベテランリーダーの後ろについて探鳥する。鳥の姿だけでなく、鳴き声も聞き分けるという。植物観察の場合、足元の野辺の野草に目が注がれるのに対して、野鳥観察の場合、鳥たちが樹上に留まったり頭上を飛翔するため視点が上がる。観察リストの作成に当たって、観察場所を巡るとき前方で見つけた鳥だけをカウントし、後方の野鳥は対象外になるそうだ。

超初心者の視野に入った野鳥は次の通り。
・カラス: ハシボソカラス(高圧線上に十数羽並ぶ)、ハシブトカラス
・アオサギ: 野川に足を浸かり、岸辺の草の中に頭を突っ込んでエサを探していた。
・カルガモ: 野川の流れに身を任せるように2羽が浮かんでいた。
カワセミ: 野川の岸の小枝に静かにたたずんでいた。(「コバルト色の背、緑色の翼」が美しい)

その他、アオゲラの影を探したり、オオヨシキリの声を聞いたりした。初心者には、それ以上の観察はむつかしい。一方、ベテランはカワセミやコサギをしっかり写真に収めて、つぎつぎ鳥をカウントしていく。

次回、もっと天気がよければ、多くの種類を見つけられるだろうとのこと。ぜひ参加してみよう。

2020年9月21日月曜日

自然観察(2)(追記)

昨日(9/20)の自然観察会で撮った写真と、そのとき聞き書きしたメモと一致する花をネット上で見つけることができないでいた。放って置くのも気分がよくないので、近くの街にある書店へ出かけ、雑草図鑑を購入して、ぴったり当てはまるものを探した。

先日のラジオ番組*に出演されたのを聴いて知った、植物生態学の研究者でもある多田多恵子氏の「もっと 美しき小さな雑草の花図鑑」(山と渓谷社)の中に、「ツリフネソウ」の紹介があった。まったくもって観察会での写真と同じだ。どうやら<ツリガネソウ>と聞き間違えてメモしたようだ・・・しっかり聞き直すべきだったと反省。

ツリフネソウ(ツリフネソウ科)

(*)ラジオ番組:
・Youtube: 2020.9.2 NHK ラジオ深夜便「野に咲く花/雑草に 魅せられて」
 ( https://www.youtube.com/watch?v=wtxrcVv6wMI )
・NHKらじる★らじる:2020.9.19 石丸謙二郎の山カフェ「憧れの紅葉の山」(9時台
 ( https://www.nhk.or.jp/radio/ondemand/detail.html?p=4750_01 )

ドクダミについて
ところで、わが家の庭を悩ますドクダミについて、多田氏の上記の図鑑にこんな記述があった。ドクダミは、被子植物の「単子葉類」と「双子葉類」とは別に、それ以前に存在した原始的被子植物「基部被子植物」にあたるという。1990年代のDNA研究で系統樹が書き換えられたという。ドクダミは古いやつなのだ。
上記Youtubeの同氏の解説によれば、今でこそ嫌われもののドクダミだが、家庭の庭先に多いが山の中に見なれないのは、昔常備薬として庭に植えていたからという。それじゃしょうがないか。

(本ブログ関連:”ドクダミ”)

2020年9月20日日曜日

自然観察(2)

曇り空の午前中、公園(および自然観察園)を巡っての自然観察の会に参加する。草花から昆虫・野鳥まで多様な対象をカバーして解説いただくわけだが、手帳にメモしているうち、それぞれの名前が飽和・沸騰して蒸発・揮発してしまう。何とかカメラに収めたりしたが、帰宅して確認してみると、メモの記録と写真が結びつかない・・・混乱するばかり。

次に、分かる範囲の野草や樹の花の写真を並べてみる。他にも多数撮ってみたたが、手帳の記述とネット情報を照合しても不明が多い。(かように記憶がおぼつかず定まらない)
タマスダレ(ヒガンバナ科)
ヤマザクラ(薄桃色が数輪、他に白色が数輪)
カリガネソウ(シソ科)
白色のヒガンバナ(ヒガンバナ科)

野草について、「メ(雌)ヒシバ(日芝)」、「オ(雄)ヒシバ」は互いに属が異なること。「イボクサ」はイボ(疣)取りの薬用として使われたこと。「キツネノマゴ」は<ガク>がキツネの尻尾に似ていることなど、大ベテランの方から様々教示いただいた。

鳥に詳しい方からは、遠く高圧線鉄塔上に留まっている「モズ」や樹上で鳴く「クサヒバリ」を、昆虫に詳しい方からは、「ショウリョウバッタ」や「エンマコオロギ」の雌雄の違い(体形・羽)について教示いただいた。

観察会の終わり、小雨のぱらつく帰り道、公園をおおう草木の豊富なことにあらためて感じいった。今まで見ていたはずの緑の光景が実に多様なことを思い知らされた。

2020年8月30日日曜日

(資料)2015年4月「米国連邦議会上下両院合同会議における安倍総理大臣演説」

米国連邦議会上下両院合同会議における 安倍総理大臣の演説
「希望の同盟へ」(2015年4月29日(米国東部時間))
(外務省: https://www.mofa.go.jp/mofaj/na/na1/us/page4_001149.html )
(英語版: https://www.mofa.go.jp/na/na1/us/page4e_000241.html )

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はじめに

 議長、副大統領、上院議員、下院議員の皆様、ゲストと、すべての皆様、
 1957年6月、日本の総理大臣としてこの演台に立った私の祖父、岸信介は、次のように述べて演説を始めました。
 「日本が、世界の自由主義国と提携しているのも、民主主義の原則と理想を確信しているからであります」。
 以来58年、このたびは上下両院合同会議に日本国総理として初めてお話する機会を与えられましたことを、光栄に存じます。お招きに、感謝申し上げます。
 申し上げたいことはたくさんあります。でも、「フィリバスター」をする意図、能力ともに、ありません。
 皆様を前にして胸中を去来しますのは、日本が大使としてお迎えした偉大な議会人のお名前です。
 マイク・マンスフィールド、ウォルター・モンデール、トム・フォーリー、そしてハワード・ベイカー。
 民主主義の輝くチャンピオンを大使として送って下さいましたことを、日本国民を代表して、感謝申し上げます。
 キャロライン・ケネディ大使も、米国民主主義の伝統を体現する方です。大使の活躍に、感謝申し上げます。
 私ども、残念に思いますのは、ダニエル・イノウエ上院議員がこの場においでにならないことです。日系アメリカ人の栄誉とその達成を、一身に象徴された方でした。

アメリカと私

 私個人とアメリカとの出会いは、カリフォルニアで過ごした学生時代にさかのぼります。
 家に住まわせてくれたのは、キャサリン・デル-フランシア夫人。寡婦でした。亡くした夫のことを、いつもこう言いました、「ゲイリー・クーパーより男前だったのよ」と。心から信じていたようです。
 ギャラリーに、私の妻、昭恵がいます。彼女が日頃、私のことをどう言っているのかはあえて聞かないことにします。
 デル-フランシア夫人のイタリア料理は、世界一。彼女の明るさと親切は、たくさんの人をひきつけました。その人たちがなんと多様なこと。「アメリカは、すごい国だ」。驚いたものです。
 のち、鉄鋼メーカーに就職した私は、ニューヨーク勤務の機会を与えられました。
 上下関係にとらわれない実力主義。地位や長幼の差に関わりなく意見を戦わせ、正しい見方なら躊躇なく採用する。
 ――この文化に毒されたのか、やがて政治家になったら、先輩大物議員たちに、アベは生意気だと随分言われました。

アメリカ民主主義と日本

 私の苗字ですが、「エイブ」ではありません。アメリカの方に時たまそう呼ばれると、悪い気はしません。民主政治の基礎を、日本人は、近代化を始めてこのかた、ゲティスバーグ演説*の有名な一節に求めてきたからです。

(*演説: 「人民の人民による人民のための政治」 )

 農民大工の息子が大統領になれる――、そういう国があることは、19世紀後半の日本を、民主主義に開眼させました。
 日本にとって、アメリカとの出会いとは、すなわち民主主義との遭遇でした。出会いは150年以上前にさかのぼり、年季を経ています。

第二次大戦メモリアル

 先刻私は、第二次大戦メモリアルを訪れました。神殿を思わせる、静謐な場所でした。耳朶を打つのは、噴水の、水の砕ける音ばかり。
 一角にフリーダム・ウォールというものがあって、壁面には金色の、4000個を超す星が埋め込まれている。
 その星一つ、ひとつが、斃れた兵士100人分の命を表すと聞いたとき、私を戦慄が襲いました。
 金色(こんじき)の星は、自由を守った代償として、誇りのシンボルに違いありません。しかしそこには、さもなければ幸福な人生を送っただろうアメリカの若者の、痛み、悲しみが宿っている。家族への愛も。
 真珠湾、バターン・コレヒドール、珊瑚海…、メモリアルに刻まれた戦場の名が心をよぎり、私はアメリカの若者の、失われた夢、未来を思いました。
 歴史とは実に取り返しのつかない、苛烈なものです。私は深い悔悟を胸に、しばしその場に立って、黙祷を捧げました。
 親愛なる、友人の皆さん、日本国と、日本国民を代表し、先の戦争に斃れた米国の人々の魂に、深い一礼を捧げます。とこしえの、哀悼を捧げます。

かつての敵、今日の友

 みなさま、いまギャラリーに、ローレンス・スノーデン海兵隊中将がお座りです。70年前の2月、23歳の海兵隊大尉として中隊を率い、硫黄島に上陸した方です。
 近年、中将は、硫黄島で開く日米合同の慰霊祭にしばしば参加してこられました。こう、仰っています。
 「硫黄島には、勝利を祝うため行ったのではない、行っているのでもない。その厳かなる目的は、双方の戦死者を追悼し、栄誉を称えることだ」。
 もうおひとかた、中将の隣にいるのは、新藤義孝国会議員。かつて私の内閣で閣僚を務めた方ですが、この方のお祖父さんこそ、勇猛がいまに伝わる栗林忠道大将・硫黄島守備隊司令官でした。
 これを歴史の奇跡と呼ばずして、何をそう呼ぶべきでしょう。
 熾烈に戦い合った敵は、心の紐帯が結ぶ友になりました。スノーデン中将、和解の努力を尊く思います。ほんとうに、ありがとうございました。

アメリカと戦後日本

 戦後の日本は、先の大戦に対する痛切な反省を胸に、歩みを刻みました。自らの行いが、アジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない。これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではありません。
 アジアの発展にどこまでも寄与し、地域の平和と、繁栄のため、力を惜しんではならない。自らに言い聞かせ、歩んできました。この歩みを、私は、誇りに思います。
 焦土と化した日本に、子ども達の飲むミルク、身につけるセーターが、毎月毎月、米国の市民から届きました。山羊も、2,036頭、やってきました。
 米国が自らの市場を開け放ち、世界経済に自由を求めて育てた戦後経済システムによって、最も早くから、最大の便益を得たのは、日本です。
 下って1980年代以降、韓国が、台湾が、ASEAN諸国が、やがて中国が勃興します。今度は日本も、資本と、技術を献身的に注ぎ、彼らの成長を支えました。一方米国で、日本は外国勢として2位、英国に次ぐ数の雇用を作り出しました。

TPP

 こうして米国が、次いで日本が育てたものは、繁栄です。そして繁栄こそは、平和の苗床です。
 日本と米国がリードし、生い立ちの異なるアジア太平洋諸国に、いかなる国の恣意的な思惑にも左右されない、フェアで、ダイナミックで、持続可能な市場をつくりあげなければなりません。
 太平洋の市場では、知的財産がフリーライドされてはなりません。過酷な労働や、環境への負荷も見逃すわけにはいかない。
 許さずしてこそ、自由民主主義法の支配、私たちが奉じる共通の価値を、世界に広め、根づかせていくことができます。
 その営為こそが、TPPにほかなりません。
 しかもTPPには、単なる経済的利益を超えた、長期的な、安全保障上の大きな意義があることを、忘れてはなりません。
 経済規模で、世界の4割、貿易量で、世界の3分の1を占める一円に、私達の子や、孫のために、永続的な「平和と繁栄の地域」をつくりあげていかなければなりません。
 日米間の交渉は、出口がすぐそこに見えています。米国と、日本のリーダーシップで、TPPを一緒に成し遂げましょう。

強い日本へ、改革あるのみ

 実は…、いまだから言えることがあります。
 20年以上前、GATT農業分野交渉の頃です。血気盛んな若手議員だった私は、農業の開放に反対の立場をとり、農家の代表と一緒に、国会前で抗議活動をしました。
 ところがこの20年、日本の農業は衰えました。農民の平均年齢は10歳上がり、いまや66歳を超えました。
 日本の農業は、岐路にある。生き残るには、いま、変わらなければなりません。
 私たちは、長年続いた農業政策の大改革に立ち向かっています。60年も変わらずにきた農業協同組合の仕組みを、抜本的に改めます。
 世界標準に則って、コーポレート・ガバナンスを強めました。医療・エネルギーなどの分野で、岩盤のように固い規制を、私自身が槍の穂先となりこじあけてきました。
 人口減少を反転させるには、何でもやるつもりです。女性に力をつけ、もっと活躍してもらうため、古くからの慣習を改めようとしています。
 日本はいま、「クォンタム・リープ(量子的飛躍)」のさなかにあります。
 親愛なる、上院、下院議員の皆様、どうぞ、日本へ来て、改革の精神と速度を取り戻した新しい日本を見てください。
 日本は、どんな改革からも逃げません。ただ前だけを見て構造改革を進める。この道のほか、道なし。確信しています。

戦後世界の平和と、日本の選択

 親愛なる、同僚の皆様、戦後世界の平和と安全は、アメリカのリーダーシップなくして、ありえませんでした。
 省みて私が心から良かったと思うのは、かつての日本が、明確な道を選んだことです。その道こそは、冒頭、祖父の言葉にあったとおり、米国と組み、西側世界の一員となる選択にほかなりませんでした。
 日本は、米国、そして志を共にする民主主義諸国とともに、最後には冷戦に勝利しました。
 この道が、日本を成長させ、繁栄させました。そして今も、この道しかありません。

地域における同盟のミッション

 私たちは、アジア太平洋地域の平和と安全のため、米国の「リバランス」を支持します。徹頭徹尾支持するということを、ここに明言します。
 日本は豪州、インドと、戦略的な関係を深めました。ASEANの国々や韓国と、多面にわたる協力を深めていきます。
 日米同盟を基軸とし、これらの仲間が加わると、私たちの地域は格段に安定します。
 日本は、将来における戦略的拠点の一つとして期待されるグアム基地整備事業に、28億ドルまで資金協力を実施します。
 アジアの海について、私がいう3つの原則をここで強調させてください。
 第一に、国家が何か主張をするときは、国際法にもとづいてなすこと。第二に、武力や威嚇は、自己の主張のため用いないこと。そして第三に、紛争の解決は、あくまで平和的手段によること。
 太平洋から、インド洋にかけての広い海を、自由で、法の支配が貫徹する平和の海にしなければなりません。
 そのためにこそ、日米同盟を強くしなくてはなりません。私達には、その責任があります。
 日本はいま、安保法制の充実に取り組んでいます。実現のあかつき、日本は、危機の程度に応じ、切れ目のない対応が、はるかによくできるようになります。
 この法整備によって、自衛隊と米軍の協力関係は強化され、日米同盟は、より一層堅固になります。それは地域の平和のため、確かな抑止力をもたらすでしょう。
 戦後、初めての大改革です。この夏までに、成就させます。
 ここで皆様にご報告したいことがあります。一昨日、ケリー国務長官、カーター国防長官は、私たちの岸田外相、中谷防衛相と会って、協議をしました。
 いま申し上げた法整備を前提として、日米がそのもてる力をよく合わせられるようにする仕組みができました。一層確実な平和を築くのに必要な枠組みです。
 それこそが、日米防衛協力の新しいガイドラインにほかなりません。昨日、オバマ大統領と私は、その意義について、互いに認め合いました。皆様、私たちは、真に歴史的な文書に、合意をしたのです。

日本が掲げる新しい旗

 1990年代初め、日本の自衛隊は、ペルシャ湾で機雷の掃海に当たりました。後、インド洋では、テロリストや武器の流れを断つ洋上作戦を、10年にわたって支援しました。
 その間、5万人にのぼる自衛隊員が、人道支援や平和維持活動に従事しました。カンボジア、ゴラン高原、イラク、ハイチや南スーダンといった国や、地域においてです。
 これら実績をもとに、日本は、世界の平和と安定のため、これまで以上に責任を果たしていく。そう決意しています。そのために必要な法案の成立を、この夏までに、必ず実現します。
 国家安全保障に加え、人間の安全保障を確かにしなくてはならないというのが、日本の不動の信念です。
 人間一人ひとりに、教育の機会を保障し、医療を提供し、自立する機会を与えなければなりません。紛争下、常に傷ついたのは、女性でした。わたしたちの時代にこそ、女性の人権が侵されない世の中を実現しなくてはいけません。
 自衛隊員が積み重ねてきた実績と、援助関係者たちがたゆまず続けた努力と、その両方の蓄積は、いまやわたしたちに、新しい自己像を与えてくれました。
 いまや私たちが掲げるバナーは、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」という旗です。
 繰り返しましょう、「国際協調主義にもとづく、積極的平和主義」こそは、日本の将来を導く旗印となります。
 テロリズム、感染症、自然災害や、気候変動――。日米同盟は、これら新たな問題に対し、ともに立ち向かう時代を迎えました。
 日米同盟は、米国史全体の、4分の1以上に及ぶ期間続いた堅牢さを備え、深い信頼と、友情に結ばれた同盟です。
 自由世界第一、第二の民主主義大国を結ぶ同盟に、この先とも、新たな理由付けは全く無用です。それは常に、法の支配人権、そして自由を尊ぶ、価値観を共にする結びつきです。

未来への希望

 まだ高校生だったとき、ラジオから流れてきたキャロル・キングの曲に、私は心を揺さぶられました。
 「落ち込んだ時、困った時、...目を閉じて、私を思って。私は行く。あなたのもとに。たとえそれが、あなたにとっていちばん暗い、そんな夜でも、明るくするために」。
 2011年3月11日、日本に、いちばん暗い夜がきました。日本の東北地方を、地震と津波、原発の事故が襲ったのです。
 そして、そのときでした。米軍は、未曾有の規模で救難作戦を展開してくれました。本当にたくさんの米国人の皆さんが、東北の子供たちに、支援の手を差し伸べてくれました。
 私たちには、トモダチがいました。
 被災した人々と、一緒に涙を流してくれた。そしてなにものにもかえられない、大切なものを与えてくれた。
 ――希望、です。
 米国が世界に与える最良の資産、それは、昔も、今も、将来も、希望であった、希望である、希望でなくてはなりません。
 米国国民を代表する皆様。私たちの同盟を、「希望の同盟」と呼びましょう。アメリカと日本、力を合わせ、世界をもっとはるかに良い場所にしていこうではありませんか。
 希望の同盟――。一緒でなら、きっとできます。
 ありがとうございました。
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キャロル・キング:君の友達(You've Got a Friend)【訳詞付】

(Youtubeに登録のfreepasportに感謝)

2020年8月20日木曜日

イヌキクイモとプロペラカフェ

午前中、日射が厳しくなる前に、公園併設の自然観察園へ行く。家を出るときも、公園に入るときにもしっかりと水分補給した。自然観察園内では緑陰を探しながら巡ったが、やはり汗がにじむ。

イヌキクイモ
林の奥に、ぽつんと「かがみ池」がある。以前訪れたとき濁っていたが、きょうは名前の通り澄んで輝き、池の底までくっきりと見えた。木立に囲まれ、木漏れ日に水面が揺れているさまは、童話に出てきそうな光景だ。

かがみ池は、園内に設置された板橋の上から臨むことができる。板橋のわきに、大きな「イヌキクイモ」がぬっと生えている。ざっくばらんに黄色の花弁を見せる。全体に大ぶりな感じがする。(どうやら「キクイモ」も似ているのかもしれない)

イヌキクイモは、キクイモと同じヒマワリ属に属している。先日の観察会で、両者の違いについて、塊茎(かいけい:地下茎)の大きな方がキクイモと解説を受けた。キクイモから果糖をとったと図鑑に解説がある。とはいえ、キクイモを直接観察したわけでないけれど、類似のものの対比は意外と記憶に残りやすい。

プロペラカフェ
久しぶりに足を延ばして、「調布飛行場」わきにある「プロペラカフェ」で昼食をとることにした。大通りからカフェ施設へ向かう道の入り口で、氏名や用途をチェックされる。毎度のことながら空港管理が厳しくなった。

(本ブログ関連:”調布飛行場 プロペラカフェ”)

プロペラカフェに隣接(ガラス窓の仕切り越しに見ることができる)格納庫に、グライダーL-13 Blaník(JA2146)が置かれていた。NCA(新中央航空)の双発ドルニエ228旅客機が頻繁に離着陸を繰り返すこの空港で、グライダーを飛ばしたりはしないだろうにと考えた。
(ネット情報では、本グライダーは登録抹消済みのよう)

その他に面白い小型ヘリがあった。ロビンソン R44(JA7985)で、1990年代に開発されたものだそうだが、いかにも1950年代にありそうな何とも古めかしいデザインを思い出した。

2020年8月18日火曜日

フジカンゾウとマメコガネ

始めに余談。
ネット販売A社が掲載の商品を発注・入金したところ、キャンセルとのメールが届き驚く・・・なにしろこんなことは初めての経験で少々戸惑った。とりあえず、同社の商品カード(≒商品券)に切り替えることで一件落着。夜分だがスムーズに電話対応(国内)され安心した。
その商品というのは双眼鏡で、以前購入したものが倍率10倍だったところ、野鳥観察には倍率6倍程度のものがよいと経験者から助言があった。高倍率は遠くが見えてよさげだが、対象物が視野におさまりきらずブルブル震えてしまう欠点があることをフィールドで確認した。あらためて倍率6倍の双眼鏡を購入しようとしたところ・・・。


新型コロナウィルスを警戒して家にこもる日が続いた。そこで、先日の自然観察会に参加して以来、少しずつ外出を復活するようにしている。このところ熱射の連日だが。

フジカンゾウとマメコガネ
きょう、公園併設の自然観察園の入り口そばに茂るマメ科の野草「フジカンゾウ」の茎や花先に甲虫の「マメコガネ」が大勢たむろしているのを見た。

フジカンゾウとマメコガネ
フジカンゾウ
細い茎が伸びてその先に淡紅色の小さな花がいくつも咲いている(フジの花に似ている)。葉は複葉で、7枚でセットであるのを先日教えてもらった。合わせて、カンゾウは「甘草」と表記され、字義通り甘みがあって漢方薬に使われているという・・・フジカンゾウが漢方薬に使われているかどうかは分からないけれど。

マメコガネ
小さな甲虫で緑色に光沢する。写真では一匹だが、ほかに交尾中のものやセミの抜け殻と一緒だったりと、カンゾウの上でこの虫のさまざまな場面を見ることができる。マメ科のフジカンゾウを餌食とする害虫のようで、調べてみれば、な~んだといった感想がする。でもせっせと生きていることに違いない。

2020年8月17日月曜日

キバナコスモス

入門者向けに、文庫サイズの野草図鑑「日本の山野草」がある。ショルダーバッグに入れてフィールドで手軽に参照できる。ただ、似た花の写真を見つけられないと、皆目見当がつかなくなるのが初心者の定めだ。

きょう月曜日の大型公園で「キバナコスモス」の花が咲いているのを見た。人影が少ないせいもあってか、キバナコスモスの橙色の花弁が地味に感じてしまう。

(本ブログ関連:”キバナコスモス”)

キバナコスモスに、いわゆる「コスモス」のイメージとちょっと違った野暮ったさを感じるのはなぜなのだろう。コスモスのように誘う気配がないのだ。

以前、埼玉県日高市にある「巾着田」の外延に咲く真っ赤な「曼殊沙華」の鑑賞に行ったとき、巾着田の中央一面を埋めるコスモスの花と出会った。そのパステルカラーの軽やかな色彩は、私にどこか天国へ繋がるような高揚感を与えてくれた。

実は、上記の「日本の山野草」図鑑に、コスモスもキバナコスモスも掲載されていない。外来/園芸植物といった区分で制限されているのかもしれない。それも妙な感じがする。

ところで公園では、コスモス専用の畑が準備されているようだが、キバナコスモスが先んじて別の場所で咲いたことになる。キバナコスモスとコスモス(=オオハルシャギク)は、Wikipediaによれば「同属別種にあたり互いを交配する事は出来ない」とのこと。お互い縁が薄いようだ。