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2021年4月17日土曜日

(参考)難解な言葉

以前深夜に、NHKのシリーズ番組「100分de名著」が再放送されて、フランス社会学者ブルデューの「ディスタンクシオン」を紹介する回があった。岸政彦氏(立命館大学教授)を中心に女性アナウンサーと芸人の伊集院光氏との対談形式で進行した。軽快な日常会話風に語り合うので、夜の眠気に落ちることなく視聴できた。

番組では「趣味」や「文化」について4回に分けて放送するため、全回見通すのが大変と思い、別途番組用テキストを購入して、第1回の放送以外はテキストだけで理解することにした。テキストはできるだけ平易に読みやすく工夫されている。
ひとの関心は突然湧くものでなく、その人の社会的(文化的・経済的)な背景に依存するという。社会学的に統計上そんな解釈になるのだろうけど、学問的業績の証となるキーワードが難しい。(ブルデューの原著書は文体も難解で晦渋だそうだ)

ブルデューの業績の理解とは別にして、番組用テキストに面白い話題が載っていた。なぜ「フランス現代思想の本は読みにくい」のかということを次のように紹介している。
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おもしろい話が残っています。アメリカの哲学者ジョン・サールが、きみはどうしてあんなに難解な書き方をするのかとフーコーに聞いたところ、フランスで認められるためには理解不可能な部分が10%はなければならないと答えたというのです。驚いたサールがのちにブルデューにこの話をしたところ、『10%ではだめで、少なくともその二倍、20%は、理解不可能な部分がなければ』と語ったそうです(加藤晴久『ブルデュー 闘う知識人』講談社選書メチエ)。
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若いころ、欧米の現代思想を紹介する雑誌「パイデイア」とか「エピステーメー」があった。哲学に未熟なものにとって、知的好奇心をくすぐるだけで、読んでいくうちに理解不可能に陥ってしまうのが常で、文章に傍線を引いたり、蛍光ペンを塗ったりしたものの結局何も残らなかった。他方、こういった内容を読み通しこなせる人が大勢いたから雑誌形式で売れたのだろうけれど・・・。