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2020年1月23日木曜日

2019-nCoV(新型コロナウィルス)

中国の交通の要衝都市である「武漢市」で発生した新型コロナウィルス(Novel Coronavirus : 2019-nCoV)は、中国国内はもとより海外諸都市へ拡大しつつある。

東京でも注意が必要。私は用心して,外出時にマスクを欠かさないようにしている。それに、自宅にアルコール成分のある消毒スプレーも置いている。(さらに、二酸化塩素の据え置き薬も)

日本の国立感染研究所(NIID)は、「中国湖北省武漢市で報告されている新型コロナウイルス関連肺炎に対する対応と院内感染対策」*の情報を次々更新している。
(*)https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov.html
当初の報告に、「2019年12月12日から12月29日までに原因不明の肺炎患者の発が確認されている」と記されている。

ブルームバーグの記事「新型肺炎、WHO『緊急事態』判断保留-武漢市は出発便運航停止」**(1/23)によれば、武漢市の住民の移動が禁止される事態になったと次のように報じている。(抜粋)
(**) https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-23/Q4JJHU6S972901
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世界保健機関(WHO)は22日少なくとも17人の死者を出している新型コロナウイルスの感染拡大について、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当するかどうかの判断を先送りしたことを明らかにした。一方、感染拡大の封じ込めを目指す中国当局は新型ウイルスの発生地湖北省武漢市の住民1100万人が市外に移動するのを原則禁止した
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(追記)ブルームバーグの追加記事
中国の新型コロナウイルス、発熱せず死亡も-水際での阻止困難」⁺(1/23)(抜粋)
(✙)https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-01-23/Q4JV70DWX2PT01
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・中国で広がる新型コロナウイルスに感染し死亡した患者の中には、発熱の症状を示さなかった人がいる発熱検知装置を使って感染者の入国を水際で阻止しようとする各国当局の取り組みが難しくなりそうだ
・中国国家衛生健康委員会の発表によると、死亡した17人のうち5人は呼吸困難や胸の圧迫感、咳など発熱以外の症状だった。
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(雑談)「コロナ」について
このウィルス名にある「コロナ(Corona)」は「冠」を意味しており、ウィルスの膜構造を多数の突起物(コロナ)が覆っていることから付けられたようだ。
Corona」の語源は、wikitionaryに次のように関連付けられている。
    ギリシア語 κορώνη(korōnē)⇒ ラテン語 corōna ⇒ 英語 corona
ところで、太陽の周囲に光るコロナと比べて、太陽表層からコロナを突出して輝く「紅炎(プロミネンス)」は圧倒的な迫力がある。

トヨタの乗用車の「コロナ」も懐かしい。特に、2代目 T20/30型(1960年~1964年)の優美なデザインは抜きんでていた。Wikipediaに次の解説がある。
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ダットサンセダン打倒を目指して開発された本格的な小型乗用車であった。当時のオペル・レコルトを彷彿とさせるデザインは当時の日本車の水準を越えた流麗もので、当時増加傾向にあった女性ドライバーには特に好評であった
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なるほどそうだったのか。しかし「オペル・レコルト」といわれても、当時外車について知るわけもなかった。


(追記 6/9新型コロナウイルス感染が、2019年秋に起きていた可能性
時事通信の記事「武漢のコロナ感染、昨年秋に発生か ハーバード大教授が分析 ― 米TV」(2020年06月09日18時56分)
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020060900803&g=int
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 【ニューヨーク時事】米ABCテレビは8日、ハーバード大の調査報告に基づき、中国湖北省武漢市での新型コロナウイルス感染が、2019年秋(++)に起きていた可能性があると報じた

 調査を主導した同大医学部のジョン・ブラウンスタイン教授によると、武漢の主要病院の衛星写真を分析した結果、19年9月から10月にかけて駐車場の車の数が18年の同時期と比較して大幅に増えていた。さらに、病院を訪れる人が急増した時期には、インターネット検索で、新型コロナ感染の症状でもあるせき下痢について調べる人が増えていたという。
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(++上記「秋」に対して、CNNは「昨夏にすでに感染拡大か」と報じている。
CNNの記事「武漢市の新型コロナ、昨夏にすでに感染拡大か 米研究」(2020.06.09 16:44 JST)
https://www.cnn.co.jp/fringe/35155017.html

2020年1月22日水曜日

(雑談)ISSのキューポラ

ISS(国際宇宙ステーション)に取り付けられた、外部を見る出窓(観測用モジュール)を「キューポラ」という。キューポラの語源は、建物の頂上部にある半球形の構造物だそうで、確かにISSの観測窓の形状はうなづける。

(本ブログ関連:”キューポラ”、”ISS”)

キューポラは、ステーション外での作業状況だけでなく、地球の様子も観察できる。キューポラを通して視察するとき、ロボットアームの動きを見上げるというのか、地上の状況を見下ろすというのか気になる。

ISS環境は無重力状態なわけで、搭乗員にとって上下がない。見上げるのも見下ろすのも関係ないだろうけれど、ステーション内の装置類は一定のルールで配置されており、床と天井にあたる構造になっているように見えるのだが・・・どうだろうか。

ところで、ISSの視察窓がキューポラという名を聞いたとき、昔の映画の舞台になった埼玉県の鋳物工場にある溶銑(ようせん)炉/鍋が浮かんだものの、イメージが結びつかなかった。
溶銑炉/鍋は、底部が半球状になっているようだ。溶銑を外に流し出すとき、炉を逆さまにするわけで、炉の半球形の底部は上部側に転じる。まさにそのとき上部側に半球形の構造物が登場することになる・・・どうだろうか。

2020年1月21日火曜日

(雑談)植物と動物

先日(1/19)の日曜日に、「タネの驚くべき戦略」(柴田規夫氏)という市民向け講演会があった。最初に講師から参加者に <植物と動物の違い> をたずねられた。

同じ生命の起源から出発して、動物は動き廻るようになったが、植物は動かない形で進化した。そんな移動できない植物は、子孫を残すのに不利ではないか・・・という点に着目したのが講演テーマ「タネの驚くべき戦略 - タネをどのとうにして遠くへ運ばせるか」だ。

植物はタネを運ぶのに、さまざまな自然環境(風、水、動物・昆虫への付着など)を利用する。そのため、タネ自身の形態をさまざまに変化させることになる。多数の標本をもとに紹介いただいた。

ところで、昨日(1/20)の月曜日に、市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」に通う途中の書店に寄ったところ、植物関連の面白い書籍を見つけて求めた。「植物はなぜ薬を作るのか」(斉藤和季、文春新書)に植物ならではの話題が盛りだくさんあったからだ。

動物は、食物を摂取して化学的に細分化する過程で、エネルギーを獲得する(異化代謝)。一方、植物は、その逆の形で、H2OやCO2を光エネルギーを利用して光合成することで有機物を作る(同化代謝)。植物は、生命進化の中で圧倒的に長く生き延びている。読みながら、植物に比べて動物は、逆の生き方をしているだけのもろい存在なのかもしれないと思ったりした。

また、植物は生存戦略として、病原菌や植物同士との戦いなどのため、あるいは動物や昆虫を利用・誘惑して花粉やタネを運ばせるなどのため、体内にさまざまな化学物質を作り出しているようだ。

2020年1月20日月曜日

ユダヤの歴史を学ぶ(第2部)-11、 大寒 2020

きょうは、二十四節季の「大寒(だいかん)」。以前のブログ(1/6)に、大寒よりも「小寒」の方が寒さが厳しいといわれると記した。しかし、東京都心の最高気温の「平年値」を見ると、今年の小寒にあたる1/6は 9.9大寒にあたる1/20は 9.3で、大寒にあたる1/20の方が低い(9.9>9.3)ことになる。まったく逆の話だった。
(怪しい情報をブログに記載してしまったこと訂正します)

そこで、今月の都心の最高気温「実測値」を比較してみると、小寒にあたる1/6(13:10、10分目盛観測より)は 11.7℃大寒にあたる1/20は 14.1℃(12:57)となり、大寒のきょうの方が温かい結果になった・・・今月,たまたま以前のブログに書いた通りになっただけのようだ。

(本ブログ関連:”大寒”)

ところで、久しぶりに市民講座「ユダヤの歴史を学ぶ」へ出かけた。昨年末(12/23)の第10回を欠席したため、正月休講を含めて5週間振りの聴講になる。

(本ブログ関連:”ユダヤの歴史を学ぶ”)

この講座の昨年前期と後期を合わせて構想された東京大学名誉教授の市川裕氏より「21世紀の世界でユダヤ人とイスラエル国家はどう生きるのか(総まとめ)」の話があった。関心・興味のあった話題にポイントを絞って次に記す。

・ユダヤ人は、1948年5月にイスラエルを建国したことにより、それ以前の「領土を持たず、宗教的紐帯によってのみ統合がなされ、世界中にその民族が点在しているような社会集団」(A.J.トインビーの「ユダヤ・モデル」)から、近代国民国家としての市民となる。

・ユダヤ人は、イスラエル国家が成立することで、トインビーのユダヤ・モデルとは違った存在、Majorityの立場となる。2018年7月の「基本法ーユダヤ民族国家法」でそれが明確になる。国内のMinorityの存在を認めるが、決定するのはユダヤ人であるという立場をとる。

・その他(省略)

(感想)
国家を持った現代のユダヤ人と持てなかった以前のユダヤ人が果たして同じに連続するのか。ユダヤ民族の過去史だけで正当性を維持できるのか難しい問題だ。そして誰もが、日常でさえ、MajorityとMinorityの立場を繰り返して生きている。
私のもっぱらの関心は、古き良き時代のポーランドあったという「おばか村ヘルム」のひとびとのことだけなのだから。

(本ブログ関連:”ヘルム”)

2020年1月19日日曜日

Int-ballはケロロ軍曹にも似ている

ISS(国際宇宙ステーション)の「きぼう」実験棟内を<電動ファン>による浮遊(自律的な位置制御)している球体ドローン「Int-ball」を見てまず気付くのは,その愛らしさからテレビCMなどでお馴染みのロボット「Robi」だ。

(本ブログ関連:”Int-ball”)

実際に浮遊している Int-Ballの大きな黒い瞳や動作から、テレビアニメの「ケロロ軍曹」までも思い出してしまう。

本来、侵略を目的にやってきた宇宙人ケロロ軍曹は、やることなすこと全てピント外れで(本人の意思と違って)思わぬ展開になる。悪だくみは成就せず、結果的に地球の子どもたちと妙な友好関係になってしまうのだから。

Jaxa(宇宙航空研究開発機構)は、「Int-Ballだより」*をVol7まで発行している。
(*) http://iss.jaxa.jp/kiboexp/news/171214_int_ball.html



(Youtubeに登録のJaxaに感謝)

Int-ballは、実際は「超小型三軸姿勢制御」**の機構を持っている。<小型かつ軽量の人工衛星の実現>につながる技術だそうだが、素人目には表面的な擬人化されたデザイン(表情)に行ってしまいがちだ。
(**) http://www.kenkai.jaxa.jp/research/innovation/triaxial.html

2020年1月18日土曜日

2020年最初の庚申

「陰陽五行」の5種と「干支(えと)」の12種の組み合わせは60通りとなり、一年の中でそれぞれ6回巡ってくる。今年の「庚」と「申」の組み合わせ「庚申」の日は次の通りで、きょうが最初の日になる。

(本ブログ関連:”庚申”)

1月18日(土)
3月18日(水)
5月17日(日)
7月16日(木)
9月14日(月)
11月13日(金)

今晩、寝ている間に、人の体に棲む「三尸(さんし)の虫」が、「天帝」または「閻魔大王」に、日頃の行ないを報告する「庚申信仰」がある。昔のひとは、三尸の告げ口を防ぐため、一晩中酔い明かす宴を催したという。

人は体の中に虫を飼っているようで、「腹の虫がおさまらない」、「虫が好かない」、「虫がよすぎる」といった拒絶的な心を代弁させるようだ。そんな虫なので、たちが悪そう。

「聊斎志異」(浦松齢作、立間祥介編訳、岩波文庫)の「五五 酒の精 - 酒虫(しゅちゅう)」にも、赤い虫が登場する。長山県(山東省鄒平(すうへい))の劉なにがしが経験した次のような話だ。(抜粋)
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多くの田畑を持った素封家で大酒飲みの劉は、たまたま異人の僧と出会い、何かおかしなところはないかとたずねられる。
いくら飲んでも酔わないと応えたところ、それは「酒虫」のせいと指摘される。
僧は虫を吐き出さすため、劉を俯(うつぶ)せに寝かせて手足を縛りつけ、顔の先三尺ばかりにうまい酒を入れた椀を置いた。喉が渇いて苦しむ劉の口から、ついに長さ三寸ばかりの赤い「酒虫」が飛び出した。
劉は、感謝とともに礼金を出そうとしたが、僧はむしろ「酒虫」を貰い受けるだけだった。
僧は「これは酒の精で、これを水を入れた甕(かめ)に入れてかき回せば、うまい酒になるのです」といった。試してみると、その通りだった。
以来、劉は酒を敵のように憎むようになったが、そのうち次第に痩せ細り、家も日毎に貧しくなって、三度の飯にも事欠くようになった。
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芥川龍之介の短編にこれを題材にした「酒虫」(青空文庫*)がある。物語の終わりに、「酒虫」が主人公の劉にとって一体何だったのか自問する。福だったのか、病だったのか、それとも劉そのものだったのではないかと。
(*) https://www.aozora.gr.jp/cards/000879/files/161_15133.html

虫が、否定的な存在としての「病」だけでなく、素封家につながる「福」という考え方を示しているが、さらに近代風に自分自身というとらえ方もしている。

私は、原典の聊斎志異の世界に棲む異形(いぎょう)なものといった感しか思いおよばないのだが。

2020年1月17日金曜日

地質時代「チバニアン」正式決定

おめでとうございます。地質時代名の中期更新世に、日本発の「チバニアン(Chibanian、千葉時代)」が国際標準地として国際地質科学連合で正式に決定された。チバニアンの名称の申請・審査を初めて聞いたのが、2017年11月のこと。以来正式決定するまでに随分と時間がかかった。中期更新世の名称決定にイタリアとの競争があったそうだが、日本の研究者による高い精度の研究により決まったようだ。

(本ブログ関連:”チバニアン”)

国立極地研究所などによる、研究成果報の「地層『千葉セクション』のIUGS(国際地質科学連合)における審査結果について」*(1/17)は、チバニアンの名称決定について次のように伝えている(分かりやすい年代表がある)。(抜粋)
(*)研究成果: https://www.nipr.ac.jp/info/notice/20200117.html
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・千葉県市原市の地層「千葉セクション」を、国際境界模式層断面とポイント(GSSP)とする申請が、最終ステップであるIUGS(国際地質科学連合)の審査を通過した。
・結果、千葉セクションはGSSPとなり、約77万4千年前〜約12万9千年前の地質時代の名称が「チバニアン」と名付けられることとなった。
・千葉セクションは、日本の研究チームが2017年6月に地質時代の前期‐中期更新世境界のGSSPに申請し、同年11月に第1ステップの審査、続いて2018年11月に第2ステップの審査、2019年11月に第3ステップの審査を通過していたものである。

これまで、日本にGSSPはありませんでした。本日、千葉セクションが日本初のGSSPとして認定されたことにより、日本の地名に由来した地質時代の名称が誕生しました。これは、地質学だけでなく、日本の科学史においても大きな出来事になります。また、地質学の一般への普及や小・中・高校生などへの教育においても大きな波及効果が期待されます
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今回の新聞報道などで忘れられているが、当時老いの一徹のような日本人研究者が口をはさんだりした(いつの時代も或る信条の持ち主が現れる)が・・・混乱もなく無事決定されてよかった。

また、日本経済新聞の記事「地球史の地質時代名に『チバニアン』 国際学会が決定」**(1/17)に、追加情報として次のような解説がある。(抜粋)
(**)記事: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54509170X10C20A1I00000/
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これまで77万4000年前から12万9000年前の地質時代は、暫定的に「中期更新世」と呼んでいた。今後、国際学会である国際地質科学連合が世界に周知し、「千葉時代」を意味する「チバニアン」が教科書や研究論文で使う正式名称になる

・地球の歴史は、隕石(いんせき)の衝突や寒冷化などの節目ごとに117の時代に分けている。これらを地質時代と呼び、名前がついていないのは10程度を残すだけとされていた。

チバニアンの時代は、現代人と同じ人類「ホモ・サピエンス」が生まれた時期とも重なる。国内外の多くの研究者が千葉に注目すれば、千葉を舞台とした気候学や地質学などの研究が盛んになる。国内における研究も発展し、次世代の研究者の育成にもつながると期待される。
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2020年1月16日木曜日

藪入り

きのう(1/15)まで伝統的な意味で「松の内」だった。その翌日(1/16)を「奉公していた丁稚や女中など奉公人が実家へと帰ることのできた休日」(Wikipedia)の「藪入り(やぶいり)」と呼んだ。

今の時代、住み込みの「奉公人」という考え方は消えて、「丁稚」や「女中」といった名称も死語である。ただし、物語の世界には登場して知られており、「藪入り」といったタイトルの落語もある(人情噺として寄席で聞く分には浸れるかもしれない)。

以前、テレビのドキュメンタリーで知ったのだが、義務教育を終えたばかりの若者たちを住み込みで採用する老舗の料理屋があった。まさに徒弟制度のなかで料理人としての技を磨いていくのだ。とはいえ子ども気分が抜けぬ気弱いものから一人抜け、二人抜けしていく。結局、何のために働いているかを自覚した者だけが残ることになる。そんな彼らの特徴は、目線がしっかりして言葉が慎重である。決して愛想笑いすることはない(同年代だったころの自分とくらべて、彼らの賢さに感嘆するばかりだ)。

一緒に奉公人となった友が体を病んで田舎に帰ったことを気にしながら働き、ようやく念願の藪入りの前夜に(回想を含めて)散髪する場面を描いた小編、牧野信一(1896年:明治29年~1936年:昭和11年)の「やぶ入の前夜」(青空文庫*)がある。
(*) https://www.aozora.gr.jp/cards/000183/files/52878_42541.html
時代の断片を描いた優しい目線といってよいかもしれない。あるいは自然主義的な善意の観察といった感も否めない。けれど、そんな物語の世界を多くの庶民がたどったに違いない。自分たちの家系をさかのぼれば、いずれかの時代、いずれかの場所で経験していたかもしれない。そう思うと、読みながら原体験を知ったような温かい感情が湧いてくるものだ。

2020年1月15日水曜日

小正月 2020

きょうは、本来なら「成人の日」だった。ハッピーマンデー制度によって、今年は1/13の月曜日に前倒しになった。連休作りに使われて、けじめが薄くなった気がしてならない。

先日(1/7)のブログに「春の七草」を記したとき、合わせて「松の内」についても触れた。伝統的に、おもに関西方面では,いまもきょう(1/15)までだそうだ。東京はせわしくて、1月中旬までは長すぎるよう。ぴんとこない現状だ。

さらに忘れかけているのが「小正月」。成人の日と松の内と重なるわけだが、都内で結びつく行事が行なわれているかどうかよく知らない。すっかり日常が優先する時代だ。

(本ブログ関連:”小正月”)

平常稼働になってしまって、小正月といった余韻すらないのが正直なところ。

2020年1月14日火曜日

さよなら Windows7

きのう記した通り、本日、マイクロソフトのWindows7のサポートサービスが終了する。そんなわけで、昨日になって、Windows7からWindows10へ急遽移行した。

Windows7の使い勝手が忘れられず、Windows10の「スタート」を右クリックして、以前風に使っている。

もともとネット上のサービスを利用していただけ。ネット上の作業に入れば何の問題もない。OSに些細な不都合があれば、ネット検索して対応策を教えてもらう・・・そんなわけで問題なし。

Twitterのユーザー登録をしたが利用したことはない。Facebookはもちろん登録していない。それに、Amazonなどで、クレジットカード利用して商品の購入なんて絶対にやらない(コンビニで現金支払いだけ)。
わたしは、ネットワークを基本的に信用していない。昔、ヘキサの世界が見渡せるLANアナライザー(プロトコルアナライザー)を使ってデータ送受信を解析したことがる。(もちろん仕事に不必要な閲覧はしなかったが・・・技術的なやばさを十分感じたものだ)

2020年1月13日月曜日

成人の日 2020

きょうは、年度内に二十歳を迎える若者が成人になったことを祝すため、「成人の日」の祝日になる。古くは、十五歳を目安に「元服」の儀式があった。成人の意味は時代によって変化してきたが、当人が自覚するかどうかによっても大いに違う。

(本ブログ関連:”成人式”)

偉そうことをいったが、自身が二十歳のころどうだったかといえば、赤面するほど気恥ずかしいものだ。口にしないけど、みなそうに違いない。そんな,ほろ苦い思い出を懐かしく語れるほどに過ごすことができた、実は幸運な国にいることを思い知る。

ところで、明日(1/14)で、マイクロソフトのWindows7のサポートサービスが終了する。そこで、きょうは新しいPCへの移行作業をした。
Windows7対応のPCを購入したのはちょうど10年前。せいぜいネットニュースやYoutubeの閲覧とか、ブログの作成に使う程度*で、酷使したことはない。ほどほどの性能でよかった。ずいぶん長持ちしたものだ。
(*)Office系はフリーソフト(オープンソースオフィススイート)の「OpenOffice」を使用。

遅まきながら、やっとWindows10の仲間入りすることになった。

2020年1月12日日曜日

(雑談)吉野家のねぎだく牛丼

ネットで話題になった、ファストフードの牛丼屋「吉野家」の新商品「ねぎだく牛丼」を食ってみた。いわゆる牛丼の食材のタマネギを別皿に多く盛って提供するもの。吉野家の創業時のメニューにあったという。

煮込まれたタマネギは、牛丼が牛肉だけなら単調になるのを救ってくれる。食の間合いを入れる役割をする。さらに気分転換にこだわるなら、赤い生姜(ショウガ)の方がぴったりかもしれない。牛丼は、煮汁を背景にして、肉とタマネギとショウガの三者のバランスが合うと、いい按配に食が進むことになる。

ところで、昨年の夏、吉野家の「ライザップ牛丼」を何度か食べたことがある。暑い時期にひんやりしたサラダ食感がよかった。けれど、秋口に涼しくなると暖かいものを探し始めた。

昔の雰囲気がする、ねぎだく牛丼を試しに食った訳で、今後も魅かれるかどうか自信がない。客は気移りしやすいもので、能動的に選択しているわけではない・・・。新商品が好きなのだ。

2020年1月11日土曜日

コブシの冬芽

公園併設の「自然観察園」へ出かけた。先日(1/5)の「ロゼット」観察会順路を再度たどって、野草をひとつひとつながめた。冬場に地表に若葉(幼苗)を放射状に広げて、太陽光を受けて光合成することで地下茎や塊根に栄養を蓄える仕組みだ。

(本ブログ関連:”ロゼット”)

自然観察園が配布のリーフレットによれば、面白いことに、この「根生葉(こんせいよう)」の一種であるロゼットのスタイルをそのまま続けていくものと、冬場だけのものとがある。一時だけロゼット スタイルのものは、花が咲く頃に茎が伸びて、根生葉が枯れてしまうという。「オオマツヨイグサ」もそのひとつ。
野草はしろうとの勝手な推測で生きているわけではない。自在に変じて生きる野草は実に多様でたくましい。

観察園を出て、公園の遊歩道を巡っていたとき、ふっくらした冬芽と出会った。まるで「ネコヤナギ」の冬芽を思い出す。もちろん樹形が異なる。それは「コブシ」のものだった。

(本ブログ関連:”コブシ”)

コブシについては、早春に咲く白い花を記憶しているが、花芽を意識したことがない。枝を見上げると、その先に長い白毛に覆われてふっくらした花芽が、夕陽に照らされて微風に揺れているのが印象的だった。

2020年1月10日金曜日

(資料)おおかみと きつねの さいばん

大岡裁きに、赤ん坊をわが子と主張し合う訴えに対し、実の母ならばこそ示すであろう愛情を証左に、人情味ある政談をくだす話しがある。

しかし、誰もが正直とは限らない。両者の日ごろの諍(いさか)いを見極める必要がある。真実がどこにもないかもしれないからだ。

「かえるの王様 : ラフォンテーヌ童話集」(ラ・フォンテーヌ著、山川篤訳、創芸社、昭和23年:1948年)に所収の「おおかみと きつねの さいばん」*は、皮肉な目を養う結果につながるだけかもしれない・・・。(抜粋)
(*)https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1168482/35

(登場の動物をカタカナ書きに変更)
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一ぴきのオオカミが どろぼうに入られましたと言って さいばん官のサルのところに うったえ出ました。
オオカミは となりにすんでいる キツネが 大へんびんぼうだったので このキツネがとったのではないかと うたがって そのことを さいばん官に うったえました。
サルのさいばん官は そのあらそいを じっと聞いているうちに 両方とも心のよくないことが わかりました。
しずかにしなさい。お前たち二人とも 昔から よく知っているどっちに ひいきする と言うこともできぬだから 二人とも ばっきんを はらわねばならぬ
オオカミよ お前は 何もとられなかったのに とられたと うそをついたばつだ
キツネよ お前は オオカミのものをぬすんだばつだ
心のよこしまな者は たとえ悪いことをしなっくても 悪いことをしたと思われるものです。いまのキツネのようにです。さいばん官のサルから 両方がばっせられたのも しかたが ありません」
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オオカミは嘘をいったので罰金、キツネは日ごろの行ないから罰金。読者をキツネに寄せて、日常に身をただしておくことを諭しているのかもしれない。

でも、オオカミが痴呆で勘違いしたかもしれない。そうなるとキツネはとんだとばっちりを受けたことになり、裁判官のサルの裁定は最低!となってしまう。

2020年1月9日木曜日

フクロオオカミ

生態学というよりエコロジーといった方が、ファッション感覚として通りがよい。エコロジカルといえば、自然をあるがまま賞賛するといった、お洒落な形容詞のように使われたりする。けれどエコロジーは、自然の<生産>と<消費>をシステム的に論じるもので、動物の世界でいえば喰うか喰われるかの関係性でもある。

そんなシステムの中に生命が散らばっているのを「多様性」というが、互いに共存共栄しているわけではない。生きていくすみかを見つけて広がって(生き残って)いるだけのこと。自然は偶然の産物に過ぎない。

哺乳類は自然に適応して、いろいろなエコロジカルな階層(喰うか食われるかの関係)に分散する。哺乳類がいない世界で、哺乳類と同じように自然に適応して分散した有袋類がいる。それぞれ似たスタイルで分散することを「適応放散」という。

ところが、(人類の移動などで)上記の哺乳類と有袋類の世界が重なってしまうと、いずれか絶滅の問題に直面する。人間に忠実なイヌは、有袋類の「フクロオオカミ(Thylacine)」と同じ水準(似たもの同士)で競合する。それだけでない、フクロオオカミは、家畜の羊を喰うといって人間に駆逐されてしまう。

(本ブログ関連:”オオカミ”)

フクロオオカミ(Last Tasmanian Tiger, Thylacine, 1933)

(Youtubeに登録のFreddieに感謝)

2020年1月8日水曜日

地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果

きょうの都心の最高気温を天気予報では15℃としていたが、実際は7.6℃(15:08)だった。予報の半分でしかない。10℃以下だったので寒いはず・・・なのに予報を信じて、穏やかな感じすらしていた。予報が外れただけでない、体感も大外れした。「心頭を滅却すれば火もまた涼し」ではないが、信じ込んでしまうと平気で勘違いしてしまう。

今年最初の健康体操に出かけて、正月で鈍った体を解きほぐす。首筋を回転すれば軋むよう・・・体のどの部分も同じこと。するとインストラクターから、リンパの流れが良くなりますといわれて、その気になって頑張る。まるで潤滑油が浸透するよう。

いい気分で帰宅して、暖かいストーブの前に座るとますます心地よい。毎度のことだが運動疲れを癒してか転寝してしまう。

きのう(1/7)のブログに「春の七草」について触れたが、JAXA(宇宙航空研究開発機構)の「ファン!ファン!JAXA!」のweb版「JAXA’s」79号の記事「宇宙の視座でものを見る / 宇宙食編  日本の味が、宇宙開発を支える」は、「こうのとり」7号がISS(国際宇宙ステーション)へ生鮮食品を運んだときの関係者(須永、佐野両氏)の座談を次の通り紹介している。「地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果は、宇宙飛行士の活力につながります」という語りに、きっとそうだろうなと思わず納得してしまう。
以前、ISS乗務員にとって、新鮮な野菜や果物がどんなに感動ものか、本ブログ(2018年10月5日)に記したことがある。

(本ブログ関連:”こうのとり”)
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須永: 地球の土の感覚や匂いを感じさせる青果は、宇宙飛行士の活力につながります。日本からも、種子島宇宙センターから打ち上げる宇宙ステーション補給船「こうのとり」が、これまでりんごみかんなどの柑橘類ぶどうマスカットたまねぎパプリカなど、様々な生鮮食品を届けています。生鮮食品は各国の補給船が打ち上げられるタイミングで搭載されます。搭載の条件は、生で食べられるもの、ISSに到着するまでを模擬した環境下で4週間以上保存がきくものなどがあります。

佐野: なかでもたまねぎは、宇宙飛行士に人気ですね。ごみを減らす為に表面の茶色い皮は剥いた状態でISSに届けるのですが、調味料も使わず生のままかじりつく宇宙飛行士も多いです。地上ではあまりない光景ですけど、宇宙では滅多に食べることができない生鮮食品ですから、かじりたくなるようなんです(笑)。
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2020年1月7日火曜日

春の七草

陰陽五行の説に一年を次の五つに分ける「節句」がある。1月だけは7日があたるが、他月は月・日の数が同じになる。全ての奇数月があてはまるかといえば、11月は除外される。元来の節句が五つではなく六つになってしまうからだろうか・・・よく分からない。
・人日(じんじつ) 1月7日  七草粥
・上巳(じょうし) 3月3日  雛祭り
・端午(たんご) 5月5日  子どもの日
・七夕(しちせき) 7月7日  七夕(たなばた)
・重陽(ちょうよう9月9日  菊の節句

きょう(1/7)の「人日」の日に健康を願って、次の七種の植物(「春の七草」)が入った「七草粥」を食べる風習がある。これらをセットにしたパッケージがスーパーなどで売られているけれど、今年も食することはなかった。
・せり(芹)
・なずな(薺)
・ごぎょう(御形)
・はこべら(繁縷)
・ほとけのざ(仏の座)
・すずな(菘): かぶ(蕪)
・すずしろ(蘿蔔): 大根

(本ブログ関連:”春の七草”)

上記の七草は、一般に覚えられている順に並んでいる。それと順序が異なるが、姿を紹介しているYoutube映像がある。


(Youtubeに登録の0727yuchanに感謝)

きょうは、一般に正月飾りする「松の内」の最終日で、「門松」などを早朝までに片付ける。新年の締めといってよい。門前に門松を飾ったことはないけれど。ちなみに、門松の飾りにある<竹>の先端の切り方について、テレビで聞いた解説(Wikipediaとは別説)によれば、斜めに切る(客商売で福を受ける)場合と、先端を水平に切る(企業などが福を貯める)場合とがあるそうだ。

2020年1月6日月曜日

小寒 2020

きょう(1/6、月曜日)から、カレンダーの好都合で、世間は「仕事始め」になる。どこの職場でも「あけましておめでとうございます、今年もよろしく願います」を連呼することだろう。そして、いつものように仕事が始まる。

また、きょうから「立春」の前日までを一年で最も寒い「寒(かん)」と呼び、「寒の入り」の初日にあたるきょうを「小寒(しょうかん)」という。小寒の次に「大寒(だいかん)」が来るわけだが、小寒の方が大寒より寒さが厳しい。そこで「小寒の氷、大寒に解く」というそうだ。
ちなみに「寒の明け」は、寒が終わった翌日の立春がそれにあたる。

(本ブログ関連:”小寒”)

小寒のきょう、外は思いのほか温い。この加減のよさからか、遠くの公園に家族連れがけっこう来ていて驚く。

やっぱり寒の入りには、ほっこりしたいもの。
以前見たことがある「赤ちゃん寝返りに成功」*の映像が、Youtubeの最初の画面にお勧めとして表示された。<寝返り>は、誰もが越えるステップだが、この赤ちゃんにとっては初めてのこと・・・思わす声を出して応援したくなる。成功したときの赤ちゃんの笑顔がたまらない。歳をとると、全ての赤ちゃんが愛しくなる。全人類愛の境地に至る。
(*) https://www.youtube.com/watch?v=RODFiuImAak (登録者goto satomiに感謝)

2020年1月5日日曜日

ロゼット (都心で初雪)

冬になると、公園併設の「自然観察園」に咲く野草の花を余り見かけない。同園配布の1月の「自然観察便り」のリーフレットに、<冬越し> の植物の姿から特に「若葉(幼苗)」を多数紹介している。

リーフレットによると、秋から冬に芽を出して、地表に張りつくように放射状に若葉を並べて、そのまま冬を越す姿を「ロゼット(Rosette)」と呼ぶ。バラの花(ラテン語でRose)の形を想起することから名付けられたそうだ。

同園ではボランティアによる毎月定例の「植物観察会」があって、きょうが今年最初にあたる。今回、初めて参加した次第。多数の参加者をグループ分けして、園内をガイドしていただき回った。
・植物の葉が順に放射状に出るのに法則がある。最初の葉が出ると、次の葉は137.5度回転して出るという。これを「黄金角」と呼び、つづく葉も同様にこの角度を守って出るそうだ。
・冬に葉だけを広げるのは、太陽光を浴びて光合成により根茎に養分を蓄えるためという。「ヒガンバナ」のつややかな葉だけが残って群集している場所で教えてもらった。

二十数種のロゼット形の野草を紹介いただいた。考えてみれば、ロゼットはまことに地味な姿である。タンポポやアザミのようなものしか判別できないレベルのため、実際に見聞きするうちに次第にみな同じに見えて、記憶がオーバーフローしてくる。そんな中で聞いた、「ギシギシ」(スイバ属)の別名が「スカンポ」という話にぐっと身近に感じたりした・・・。

ところで、1月になれば、「ロウバイ(蝋梅)」の木が黄色の花を咲かせ、よく見れば花の中心が濃茶色であるが、「ソシンロウバイ(素心蝋梅)」は、次の写真のように、花の中心まで黄色のため眩しく軽やかである。

(本ブログ関連:”ロウバイ”)


これを機会に、毎月1回ある植物観察会に出かけてみようかと思っている。


(追記)1/4、東京都心で今季初雪を観測
NHK NEWS WEBの記事「『東京の都心で初雪を観測』と発表 気象庁」*(1/5)より抜粋
(*) https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200105/k10012235631000.html
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関東地方は気圧の谷と寒気の影響で雨や雪となり、東京の都心でも4日夜遅く、みぞれが降って気象庁は「東京の都心で初雪を観測した」と発表しました。平年より1日遅く昨シーズンより8日早い初雪です
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ちなみに「初雪」の定義について、気象庁の「用語解説」は次のように記している。
(**) https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/faq/faq1.html#20
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初雪とは何ですか?
気象庁における初雪とは、寒候年(前年8月から当年7月まで)初めて降る雪みぞれを含む)です。
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2020年1月4日土曜日

(雑談)年始の翌日が土曜日

正月にあたって、官庁は「御用納め(仕事納め)」の12/28から翌年1/3までを正月休みとし、1/4を「御用始め(仕事始め)」としたことから、一般企業も1/4に仕事を再開している。今年は、きょう(1/4)が土曜日なので正月休みにつながって、来週月曜日(1/6)から本格始動することになる。

ところで、海外は正月休みをどうしているのだろう。太陽暦の1/1を新年行事とする日本と違い、キリスト教、イスラム教、ユダヤ教などの国々では宗教的な新年が個別にある。カレンダー上の1/1は、単なる区切りでしかないようだ。
宗教的新年を持つ、日本在住の外国人(観光客ではない)にとって、日本の正月行事はどのように見えているのだろうか。感想を知りたいものだ。

わたしたちは、年末に家族団らんの「クリスマス(イブ)」を楽しみ ⇒ 大晦日の夜に寺院の「除夜の鐘」を聞き ⇒ 年始に神社へ「初詣」するといった行事がつづく。日常、宗教的な区別なんて意識していない。

子どものころ、田舎から訪れた祖母が、毎朝、東の空に輝く太陽に向かって両手を合わせて祈っていたのを覚えている。お天道様への祈りこそ、日本人の信仰の原点かもしれないと思う。

2020年1月3日金曜日

初巳

今晩、上弦の月(月齢7.9)が西の空に煌々と輝いた。夜空は澄んでいるように思ったが、月以外に星明りが見られない。辺りは不思議と寒さが厳しくない。

きょうは、五行の「火」で、かつ十二支の「巳」となり、今年最初の「初巳(はつみ)」の日にあたる。巳が蛇の意から、蛇を使者にした「七福神」の「弁財天」(財宝神)の金運につながるという。

新年最初の初巳に、鎌倉の「銭洗弁財天」*では「初巳祭」が行なわれる。同神社の水で籠(かご)に入れた現金を洗うと増えるというが・・・・金運と縁遠いわたしには、鎌倉の地も遠い。なにしろ宝くじが当たったことがないのだから。冷酷な金銭に神頼みはちょっと。
(*)鎌倉の銭洗弁財天宇賀福神社に、学生時代に詣でたことがある。ごく当たり前な雰囲気に拍子抜けするかもしれない。

今年は、さまざまな暦について今まで以上に覗き、分かりやすい日を選んで記してみたいと思う。

2020年1月2日木曜日

ねずみさんの失敗

今年の干支が「」なので、ネズミの登場する話をネットに探したら、青空文庫に村山籌子(むらやまかずこ)の「ねずみさんの失敗」があった。童話の一口ばなしというべきものだが、「油揚げ(あぶらあげ)」の臭いに誘われて、ネズミ夫婦が出かけてみたものの、結局口にできなかったという内容だ。

正月早々になんだが、稲荷信仰の「キツネ」はネズミを油で揚げをたものを食べるという。稲荷は米作に通じ、ネズミは米を盗み喰う害獣にあたる。そんなネズミから米作を守るキツネは「稲荷神」の使いとなる。キツネがどうしてネズミの油揚げを好むのかよくわからない。油っぽいものがキツネの嗜好に合っているのだろうか。

(本ブログ関連;”お稲荷さんと油揚げ”)

稲荷ずし」は、油揚げを醤油で甘辛く煮て、すし飯を詰めたもの。稲荷と油揚げはつながりが深い。(「キツネうどん」は、温かい「かけうどん」に稲荷ずしの包みをそのまま載せたようなものだし)

上記童話のネズミ夫婦が油揚げに相伴できなかったのは、もしかしたら幸いだったかもしれない。

2020年1月1日水曜日

令和二年(2020年) 元旦

あけましておめでとうございます。

令和二年(平静32年、昭和95年相当)の元旦は、正月らしい晴れ晴れとした天気だった。初詣に神社めぐりして今年も平安であるよう祈り、お守りをいただいてきた。

部屋のカレンダーを一新する。大型カレンダーを壁に掛け、日めくりカレンダーをPCデスクの脇につるし、スケジュール記入用の小さな手作りカレンダーをデスクに貼る。おまけに、PC横には月日・曜日表示のデジタル時計を置いている。(そうそう、携帯のカレンダーにもこまめにTo-doを登録している)

老化の診断で、当日の和暦西暦年・月・日と曜日などが問われるとテレビで知って、身の周りにがっちり認識できるようにしている。それでも、外出先で思い出せないときに備えてデジタル腕時計(西暦年・月・日、曜日表示)を使用している。気にし過ぎだろうか。

といって、最近、予定を失念して困ったりすることはない。日々、たいそうなことがそんなにあるわけでないからだ。今年も無理せず、のんびりやっていこう。