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2011年6月30日木曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 太鼓(プク)、杖鼓(チャング)

昨日(6/29)放送の、KBS WORLD「国楽の世界へ」に、いよいよ打楽器が登場した。
まず、「鼓手」(太鼓のたたき手)のリズムと、「名唱」(うまい歌い手)のメロディーによって音楽が成立するという、「一鼓手二名唱」の言葉について説明された。リズム(「長短(장단)」)を代表する楽器から紹介された。

【太鼓:プク(북)】
パンソリ(ひとつの物語[例:春香歌]を語りと歌で表現する音楽)の伴奏打楽器に使われる。
▼チェ・スンヒ(歌)、キム・ミョンファン(太鼓)によるパンソリ「春香歌」(⇒小説は「春香伝」)から「愛の歌(사랑가)」を聴く。太鼓は、唱者の語りに合わせてリズムをとると共に次の展開に導いていく。

(補記)
「パンソリ」(東洋文庫)巻末の解説にある、「三、音楽としてのパンソリ」の「1 パンソリの構成」に鼓手の位置づけを次のように説明している。
・鼓手は長短(リズム)をとり、チュイムセ(囃子)とポピウィ(調子合わせ)をし、相手役を勤める(唱者は、人に語りかける場面で、しばしば鼓手を相手に擬して話しかけ、鼓手は短い応答をする)。さらには、聴衆を代弁して、唱者を督励する評者の役割も兼ねるのである。

楽器は、座して太鼓の両面を、片手にバチを持ちたたく。パンソリでは直径40cm程のサイズの太鼓を使用する。

【杖鼓:チャング장구)】
パンソリ以外の民謡や器楽演奏に使われリズムを刻む。日本のに似ているが、サイズと両手にバチを使うところが違う。
▼ミン・ミラン(伽倻琴)、キム・チョンマン(杖鼓)による「キム・ジュクパ流カヤグム散調」から「チュンジュンモリ」を聴く。伽倻琴の弦の響きと不思議に調和している。こちらの場合、展開を導くよりは、旋律を補強する。

その他に、真鍮製の銅鑼に似た打楽器の鉦(チン)と小金(クェンガリ)が紹介された。

【鉦:チン)】
直径40cmほどで、低音の響きをする。

【小金:クェンガリ꽹과리)】
直径は鉦の半分程度で、高音の響きをする。

上記の4つの楽器を用いた、30年ほど前に初めて構成された楽曲で、農楽풍물놀이)をベースにしたサムルノリ사물놀이)が紹介された。

(補記)
韓国Wikipediaより: 1978年2月28日、ソウル鍾路区仁寺洞のコンガン・サランで金徳洙(김덕수を中心に設立された「サムルノリ」一座で演奏したのがサムルノリの始まりだ。

「音が大きく激しい印象の小金(クェンガリ)は雷、抱擁力のある音色の鉦(チン)は風、空に鳴り響く力強い太鼓(プク)は雲、そして杖鼓(チャング)は雨を象徴している」とのこと。
▼国立国楽院サムルノリ団による「サムルノリ」を聴く。激しい演奏は、韓国の楽器演奏のひとつのスタイルとして一般的にイメージができあがっている。

(Youtubeに登録のorangetiに感謝)