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2009年11月23日月曜日

レコード盤

少し前の話だが、銀座のとあるビルの1階受付で、「レコード売り場はどこですか?」と尋ねたところ、案内係りはキョトンとしていた。いそいで「CD」と言い直すと了解したようだが、つくづく「レコード」が死語であると実感した。

ところで子ども時代に馴染んだレコード盤は、LP盤(33.1/3回転)とEP盤(45回転)である。洋楽ではSP盤(78回転)は既に退いていた。

・LP盤のサイズは、Ø30cmと25cmの2種類があった。クラシックのピアノ曲を聞いてみたいというだけで、正直いずれのレコード(曲)がよいのかわからぬまま、西荻窪のレコード店に行った。それは小さな薄暗い店だった。

コロンビアレコードのDAIAMOND SERIESにある「JOEL ROSEN PIANO ENCORES」(ZL-110)を入手した。このレコードのサイズはØ25cmで、通常の30cmに比べると値段は抑えられていた。それでも当時の子どもの小遣いとしては、1000円は十分高価だったのだ。レコード店の主人はこちらの音楽知識をそれとなく聞いて、小遣いに見合ったものを選んでくれたと思う。

JOEL ROSEN は音楽教育の立場にいたようで、「Billboard」('60/5/9)によれば、ラテンアメリカの9ヶ国に出向きアーティスト、学生、教育者に会うよう国務省から招請を受けている。また、ブログ「New York Pianist」で、Donald Isler(DI)がインタビューの中で、彼について、外に出てレッスンをするという壁のないピアノの学校を始めたと触れている。

上記レコードジャケットの解説には、ユニークなトピックがあるので紹介する。コロンビアレコードが、このアルバムにバダルチェフスカの「乙女の祈り」を加えて欲しいと希望したところ、彼は承知しなかった。困った顔をして「日本ではたしかに有名な曲かもしれないが、この曲には芸術音楽としての価値が全然ない。この曲を録音するということは、真のピアノ愛好家の耳を穢すだけのことである。私は弾く気がしない・・・・・」と断ったという。

・EP盤は、Ø17cmで専用の回転軸アダプターを使うため中央に大きな穴があいていており、「ドーナツ盤」とも呼ばれていた。今は手元にないが、ビクターヤング(Victor Young)の「黒い牡牛(THE BRAVE ONE)」が最初に買ったEP盤だ。ラジオから流れたこの曲を探し求めたのだ。当時は、インターネットのような情報もないので、曲の終わりにアナウンサーが曲名を繰り返すのを確実に聞き取りメモした。
上記映画は残念ながら見ていない。当時ハリウッドを襲った嵐の中でアカデミー賞を受賞したそうだ。