KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(12/7)に、人物シリーズ5回目として歌曲(가곡)の名人、洪元基(ホン・ウォンギ、홍원기:1922年2月10日~1997年1月26日)が紹介された。
まず、以前紹介(10/26)された、「正楽(정악)」のなかで歌の入る「正歌(정가)」の復習から始まった。
・正歌には、「歌曲(가곡)」、「時調(시조)」、「歌詞(가사)」の3種類があること。
・洪元基は、管弦楽の伴奏に合わせて詩をメロディーにのせて歌う音楽である「歌曲」を最も得意とした。
▼洪元基の歌による正歌の中から辞説時調(사설시조)「夢は故郷へ行っても(꿈은 고향 가건마는)」を聴く。朗々として、余韻を響かせながら歌う・・・遠い故郷も、夢では近くしのばれる。
国楽について、次の説明があった。(復習であるが)
・庶民たちが親しんだもの(=民俗(音)楽(민속 음악)のことか)は、その喜怒哀楽を音楽を通して発散させることが多かったため、いわゆる歌詞も直接的だったり、多少誇張された表現が多く見られる。
・両班たちなどは、正歌(<正楽)に親しみ、自らの感情を表現するよりも、それを抑え込むことを美徳としていたため、いわゆる歌詞も控えめなものが多いようだ。
次のように洪元基のプロフィールが紹介された。
・1922年、ソウルに生まれる。
・小学校卒業後、李朝(王)職雅楽部員養成所に入所。
・1981年、「男女唱歌曲譜(남녀창가곡보)」の学術書を出版。
・1989年、文化勲章受章。
▼洪元基の伽耶琴(가야금)による柳初新之曲(유초신지곡)の中から「細霊山(세령산)」(<霊山会相)を聴く。伽耶琴の独奏は、奥ゆかしく幽玄な響きがする。
▼洪元基の歌による男唱歌曲「言楽(언락)」を聴く。ゆるりとして・・・風流なのかな。