KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(10/26)に、「身分の高い人々の手で伝えられた、整えられて洗練された音楽である正楽(정악)グループの声楽曲、正歌(정가)」について紹介された。
「詩として書かれたものを歌として歌う形式」の声楽曲の「正歌」には、次の3つがあるということから始まった。
・「歌曲(가곡)」
・「時調(시조)」
・「歌辞(가사)」
<歌曲>
▼イ・ドンギュ(重要無形文化財第30号)による、歌曲羽調(우조)、「初數大葉(초삭대엽)」の「東窓(동창)이 )」を聴く。漂うような緩やかさのなのに、ちょっと重々しく・・・始まる。
歌曲のテンポについて次の通り説明があった。
・昔の音楽「大葉(대엽)」に、テンポについて速い順に、「慢大葉」<「中大葉」<「數大葉(삭대엽)」があったが、現在は數大葉が主流。
・男女が交互に歌う。
・最初の歌は「初」の字が付いて「初數大葉」、二番目の歌は「2」を当て「二數大葉」といい、以降数字と関係なく多様なメロディーの歌が続く。
歌曲の音階について次の通り説明があった。
・西洋音楽の長調と短調のように、国楽にも「羽調(우조)」と「界面調(계면조)」があり、歌曲を歌う時どちらの調かを曲名に表示する。
・歌曲は歌う形式が複雑で楽器も多用なため、簡略化させ比較的簡単な伴奏にのせて詩を歌う、「時調(시조)」という形式の音楽がよく歌われるようになった。
<時調>
▼イ・ジュナによる羽時調(우시조)の「月正明(월정명)」を聴く。以前(7/10)、時調の解説で聞かせていただいた美しい歌だ。月の光りの音が届くようだ。
◆ソリとノレの違い
ちょうど知りたかった、ことがわかりましたよ!感謝。ソリとノレの違いを次のように説明された。
・昔の人々は、庶民が歌う民謡などは、音という意味合いの「ソリ(소리)」を使い、歌曲や時調のような音楽のみを「ノレ(노래 )」、つまり歌(唄)と呼んでいた。ノレと呼ばれるこれらの音楽が、正しい歌、正歌だというわけ。
・歌曲は、重要無形文化財、第30号に指定され、去年ユネスコ人類の無形遺産に登録された。
(付記)
パンソリのパン(판)は、多くの人々が集まる<場所>を意味し、ソリ(소리)は<音>を意味する。(Wikipediaより)
<歌辞>
歌辞について次の通り説明があった。
・時調よりももう少し長い詩を歌うのがこの歌辞で、時調と同様に簡単な伴奏を添える。
・現在まで、全12曲が伝えられていて、「十二歌辞(십이가사)」とも言われる。
▼イ・ヤンギョによる歌辞「梅花歌(매화가)」 を聴く。繰り返しがのどかな感じがするが・・・物語はいかに。