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2011年2月26日土曜日

イ・ソンヒとファン

1984年の「江辺歌謡祭」に登場した、イ・ソンヒは仁川専門大学在学中の学生であり、大賞を受賞することで世に知られた。アマチュアからデビューした歌手である。同歌謡祭での彼女の舞台姿は、あくまでも個人的な事情で揃えた衣装でありファッションである。彼女は、プロの手を借りずに、このとき歌謡界に船出した。

翌1985年以降アルバムをリリースして、「国民歌手」を冠せられるまでになる。彼女のヒットは、ファンと共にあった。ファンの目に見えたのは、最初から完成した歌手ではなく、そこに新しく登場した小柄な、しかし力強い歌唱力を持った少女だった。ファンは彼女を見守った。
そして、今も彼女の清潔感と、少女のような容貌は変わらない。

イ・ソンヒの登場と呼応した、ファンの彼女への支持は息が長い。ファンは、自分の人生と照らし合わせながら、彼女を見つづけることができるのだから。初期の彼女のファンは、女性ファンが主といわれていたが、現在、ファンの男女比率に大差はないようだ。まさに「国民歌手」といわれるゆえんである。

ファンは、コンサート会場に集う人であり、居間でテレビに映る彼女の歌を視聴している人であり、仕事場のラジオから流れる曲を聴いている人であり、バスの中で携帯デジタル音楽プレイヤーで聴いている人である。

イ・ソンヒは、誰からも愛されリスペクトされる、時代と合わせ鏡のような存在であり、ファンにとっても共に人生を喜ぶことのできる美しい存在である。彼女の活動を長く支えているのは、ファンの存在である。

彼女と共にいる向こうのファンには及びもつかない。