きのう、ベテランの方から配信いただいた写真の中に「ウグイス(鶯)」の姿があった。とてもポピュラーな鳥なのに、写真のように眼前で見たことがない・・・樹間の奥で鳴く「ホーホケキョ」の声を耳にするだけだ。
ウグイスについて、「野鳥歳時記」(山谷春潮、冨山房百貨文庫:子息による改訂版)に次のように記されている。① 「杜鵑(ホトトギス)」とともに一番俳人たちに親しまれた鳥。➁ 「駒鳥(コマドリ)」、「大瑠璃(オオルリ)」とともに三鳴鳥と呼ばれている。③ 鶯といえばきまりきったものとなりやすい俳句法から、新しい眼のつけどころを発見することは大切。・・・と記されている。
たしかに、鳴き声からいろいろ詩的にイメージを膨らますことは自由で、それを亡き人への思いと重ねるといった解釈もあるそうだが、そこまでに行きつく想像をしたことはないが。なにしろ、しろうと野鳥趣味者にとっては、その姿をぜひまなこに収めたいだけなのだから。
折々のうた
今度は第三巻、「第三 折々のうた」(大岡信、岩波新書)に、与謝野蕪村(享保元年(1716年)~ 天明3年(1784年))の <鶯> の句がある。大岡信氏は、「古来だれもが見知っているはずの情景である。しかし、古来だれも鶯という鳥を『啼くや小さき口あいて』とは詠まなかった。」とし、「聞くもの」から「見つめるもの」へと、「伝統を新しくした」と解説。なるほど、文人にとって大転換だったのだろう。
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鶯の啼(な)くや小さき口あいて (蕪村)
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もしかして、画人としての視点もあったのだろうか。野鳥趣味のしろうとには及びもせぬ世界観なのだろうけれど。
ともあれ、きのう配信いただいた写真と次句はぴったり合う。
(本ブログ関連:”ウグイス”)