KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(5/6)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズとして、「父の日・母の日」(5月8日)に関連する3曲を紹介した。
始めに、「父の日・母の日」と親に報いる労働歌「相杵歌(상저가)」について次のように紹介された。
・一生懸命努力したつもりでも、悔いが残ることがある。特に、家族、中でも両親にであれば、その悔いは一生残る。両親のいる内に孝行せよというのもそのためだ。5月8日は「父の日・母の日」だ。父母別々でなく一緒に感謝する。
・高麗時代に、臼で穀物をつく労働歌「相杵歌」(≒朝鮮初期楽譜:韓国民族文化大百科事典)がある。<がたんとうるさい臼でも、穀物をつくことができるから幸いである。まずは両親に食膳を整え、残りのものを自分が食べよう>という内容だ。白米でなくても食べられる幸せという歌詞もある。この曲はリズムは失われ、歌詞だけが伝わっている。
▼ 「相杵歌」にリズムをつけた<創作曲>「新・相杵歌」を聴く。心情に響かせる、今様の国楽である。
・昔は食事のたび、臼で穀物をついて支度した。毎回米を食べたわけでない。庶民は、特別な正月や両親の誕生日などに白米を食べた。普段は麦や粟のような穀物を食べた。白米でなくても、親のために幸せな気持ちで食事の支度をしたという、親を想う歌だ。
次に、母を想う歌「思母曲(사모곡)」について次のように紹介された。
・高麗時代、母を想う歌「思母曲」がある。農作業に使う鎌と鍬(くわ)を親に例えている。鍬も必要だが、鎌にはかなわない。つまり、父の愛も大きいが、母の愛ははるかに大きいという意だ。
▼ 朝鮮初期に記録された歌詞に、昔のリズムを最近<復元>した「思母曲」を聴く。厳かな曲調、今様である。
最後に、「父の日・母の日」成立の背景と、「父の歌(아버지의 노래)」について次のように紹介された。
・(「思母曲」は)母の愛が大きいと歌うが、韓国のしきたりとも関連がある。5月8日の「父の日・母の日」は、1956年に制定され、「母の日」であった。当時。父を上長と特にもてなしたので、母は比較的おろそかになっていた。この日だけでも、母に親孝行する意があり、母の日として始まったが、今では「父の日・母の日」になった。最近、父子の触れ合いが減り、寂しい想いをすることも多いようだ。
・父を想う歌もある。<一生涯、無口だった父>と始まる。悲しいときも嬉しいときも無口であった・・・。
▼ 「父の歌」を聴く。母親の姿は前から見て、父親の姿は後ろから見る・・・そんなためを息をしてしまいそう、今様である。