テレビに幼い子どもたちが出てくると、つい孫と重ね合わせてしまう。役者が「子どもと動物には勝てない」という通り、無垢で幼いものの姿やしぐさに、知らず知らず目がいく。
テレビでコマーシャルが流れるたび、孫を当てはめて見てしまうものがある。某ハウスメーカーのCM映像だ。
それは、小さな男の子が支えるように、歩くことがうれしくてしょうがないもっと小さな女の子の手を持って行く後姿だ。幼い兄妹の、その足取りを見守らずにおられない。やがて振り返る子どもたちの顔は、まるでわたしの孫たちに見えてくる。
このコマーシャル映像から、ユージン・スミス(William Eugene Smith)の写真「楽園へのあゆみ(The Walk to Paradise Garden)」(1946年)を思い出す。これも幼い兄と妹と思われる後姿だ。タイトルの通り、小さきものは未来しかない。過去と無縁だからこそ、楽園の未来へ希望を託すことができるように思える。
ところで、コマーシャルに流れる、村上ゆきの歌声もよい。