念願の自作曲について彼女が語った経緯を、本ブログに以前紹介した「イ・ソンヒの分かりたいこと」から抜粋する。
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実は、私は最初のアルバムから、いつも曲を書いていたけれど、当時、シンガーソングライターという概念がそれほど良く考えられないし、女性が曲を書くといえば、評価がそんなに豊かでない時期で、「私も曲を書いたが、入れてみたい」というと、いろいろな理由で反対されて。
私の曲をのせてもよくなったのは、「ライラックが散るとき」(10集、1996年)の時からです。私が作った曲をやってもよいだろうと思ったし、少しずつ比重を増やしました。
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イ・ソンヒには、自作曲が歌謡界に受け入れられない頃に作った、アルバム「自作詩朗誦集 去る者だけが愛を夢見ることができる」(1990年6月)がある。ある意味、シンガーソングライターの決意の始点であり突破口だったのかもしれない。
同アルバムに所収の詩に「あなたは去りながら、私に泣かないでくれというけど(너는 떠나면서 나에게 울지 말라고 하지만)」がある。なぜかテンポのよい演奏を背景に、強い意志が浮かぶ情景を詩誦する。
(本ブログ関連:”「去る者だけが愛を夢見ることができる(떠나는 자만이 사랑을 꿈꿀 수 있다)」”)
あなたは去りながら、私に泣かないでくれというけど
私は、そんなに感傷的ではなくて
むしろ座って
コーヒーを一杯飲むでしょう
はじめ温かいけど、次第に冷めてしまう
まるで愛と同じ、このコーヒー
みしみし音をたてて
十回も二十回も上がり下りするでしょう
この理由ない行動は まるで
あなたが私に話した別れと同じこと
私たち、ふたたび苦しい愛をしないと
一度はじめた苦しみは 終わりが ないから
(Youtubeに登録のA lazy afternoonに感謝)