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2012年3月22日木曜日

シェルブールの雨傘

今日から旧暦の弥生3月が始まる。昼と朝夜の気温の差が激しくて、穏やかな春を感じるに至っていない。幸い天気は良いようだ。

親類から借りていた「シェルブールの雨傘Les Parapluies de Cherbourg)」(1964年)を観賞する。デジタルリマスター版の綺麗な画質だ。フランス版ミュージカル(音楽:ミシェル・ルグラン)で、流れるような歌い方に耳が自然になじむ。そして、とても女性的な映画である。

ちなみに、この映画が公開された1964年は、イ・ソンヒの誕生した年でもある。

場面を見ながら ト書き風に以下に記してみた。無粋な感想はひかえるが、堅実に生きてきたマドレーヌのギイに対する想いが好きだな。そして、最後のギイの振る舞いはよかった。守るべき家族があるのは幸せなことだ。

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(出発)
1957年11月
母親の傘店を手伝う娘ジュヌヴィエーブ16歳
自動車修理工場で働く青年ギイ20歳
黒服の若い宝石商カサールは、傘店の経営の苦境を知り支援を申し出る
2年間という兵役の召集令状を受けたギイ、戸惑うジュヌヴィエーブ
[ここで二人は、この映画を代表する歌を歌う]
そしてシェルブール駅でのギイとの別れ

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(不在)
1958年1月
ギイの子を妊娠したと母に告げる
宝石商カサールを自宅に招く
カサールは母親に、ジュヌヴィエーブとの結婚の意志を告げる

1958年2月
戦地から愛を確かめるギイの手紙が届く
カサールへ手紙を書くジュヌヴィエーブ・・・

1958年3月
カーニバル
お腹が大きくなるジュヌヴィエーブ、孫を想像する母親
カサールから絵葉書が届いたと伝える母親

1958年4月
カサールから贈られた指輪を渡す母親
ジュヌヴィエーブと港を散策して、子どもを僕らの子にしようと申し出るカサール

そして、カサールとジュヌヴィエーブの結婚式

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(帰還)
1959年3月
雨のシェルルブール駅を降りたギイは、持ち主のかわってしまった傘店を覗く
ギイは、育てのおばから、ジュヌヴィエーブは結婚式の晩に出発したと事情を聞く
寝たきりのおばを看病してくれているマドレーヌとギイは再会する

1959年4月
荒んだギイは、復職した自動車修理工場をケンカしてやめて街をさまよう
その晩に、おばが亡くなったことを、翌日マドレーヌから知らされる
一人残されたギイは、去ろうとするマドレーヌの存在の大きさに気づく
マドレーヌは、ジュヌヴィエーブへの想いを引きずり労働の意欲を失ったギイをたしなめる
ギイは、マドレーヌの出立を引き止める

1959年6月
現実に戻ったギイは、おばの遺産を元手に、念願のガソリンスタンドを手に入れる
そして、ギイは正式にマドレーヌに求婚する
それでも、ギイの心にジュヌヴィエーブの姿がないか不安がるマドレーヌ

1963年12月
ガソリンスタンドにクリスマスの飾り付けをするギイとマドレーヌ
そのそばに、太鼓を打って遊ぶ小さな男の子フランソワ
クリスマスのおもちゃをせがんだフランソワと、マドレーヌは一緒に雪の中を出かける

直後、一台の車がガソリンスタンドに給油に寄る
車には、ジュヌヴィエーブと娘フランソワーズが乗っている
ギイは、給油中、ジュヌヴィエーブをオフィスに招き入れる
母を亡くし、シェルブールに結婚以来初めて戻ったというジュヌヴィエーブ
車中に待つ娘に会うかと問われたギイは、それを断り、早く立ち去るよう促す
別れに、「あなた 幸せ?」と問うジュヌヴィエーブに、ギイは「ああ、幸せだよ」と応える
車が去った後に、戻ってきた母子を迎えるギイ、じゃれて雪の上で戯れるフランソワ
夜のガソリンスタンドの上に雪が静かに降りつづく


(Youtubeに登録のRicardo Leitnerに感謝)