KBS WORLD放送の「国楽の世界へ」は、先週水曜日(9/21)に、民謡から一転して、「悠々自適な生活を送っていた、風流を楽しむ学者、ソンビ(선비)たちの音楽、“風流音楽”」を紹介した。
案内役の岸さんは、日本向けに理解しやすく解説されている。感謝。
「ソンビたちは学問の合間合間に、コムンゴ(玄琴)の演奏を楽しんでいた」そうで、今の若者がギターを片手に爪弾く感じだろうか。ただし、「スーパースターK2」のチャン・ジェインのように自由なスタイルで楽しむというわけにはいかなかったようで、「(コムンゴを演奏する際に)守るべき規則、つまり心得のようなものがあった」という。つぎの通り紹介された。
その一、テンポが速く、騒がしい音楽はコムンゴでは弾かない。
その二、教養のない人や、卑しい身分の人の前では弾かない。
その三、市場などの道端では弾かない。
その四、正しい姿勢で座り、弾かなくてはならない。
その五、整った身なりでなければ弾いてはならない。
▼チョン・テソク(コムンゴ)、ファン・ギュイル(テグム)による「トドゥリ (還入:도드리)」を聴く。以前(7/10)に聴いた煌(きら)びやかな演奏と比べると、ずっと地味というか端正である。
ソンビの生活スタイルというか行動律について紹介があった。まさに士大夫といったところか。
▼イ・ドンギュによるナムチャン歌曲「羽調言楽"ピョクサチャンイ(벽사창이)"」(歌詞)を聴く。自分の狼狽振りを(他者に)歌って聞かせるわけだから、その落差にユーモアが漂う気がして・・・。
最後に、「風流」の語釈から、風流音楽の起源が語られた。
▼ホン・ジョンジン(テグム)、ムン・ジェスク(カヤグム)、キム・ジョンス(チャング)によるキム・ジュクパ伝承、民間風流の中から「ケミョン、クルゲヤンチョン」を聴く。なんだか浮き浮きしてくる・・・垣根がとれると何事も楽しくなるものですね。
ところで、ソンビが登場(誕生)した時代、その概念が体系化(成立)した時代、あるいは彼らの日々生活の実態はどんなものだったのだろう。