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2019年9月29日日曜日

シャボン玉ホリデー

昔、日曜日の夕方といえば、牛乳石鹸提供のテレビ音楽バラエティ番組「シャボン玉ホリデー」を見るのが決まりだった。ジャズ演奏に長けながらも(その後に続くテレビコントの原形ともいえる)ギャグも展開する「ハナ肇(はじめ)とクレージーキャッツ」と、和製(日本語にカバーした)ポップスを歌う双子姉妹の「ザ・ピーナッツ」を中心に進んだ。

クレージーキャッツに「植木等(ひとし)」という人気タレントがいて、(昔は座敷に鎮座した)テレビのブラウン管の前で、彼のギャグに子どもたちは親のそばで笑い転げたものだ。彼らクレージーキャッツの芸は、テレビが普及する新しい時代に合わせて登場した模索の芸だったのかもしれない。

思い起こせば、クレージーキャッツの芸は、当時の視聴者(つまり家族の団欒)を<笑いに包む>といったものだったと思う。その後、テレビの放送時間や局数が増えて互いに競い合う中で、お笑い番組も細分化していくことになる。電化製品が家電から個電に変わっていくようにお笑い芸も変質した。

ところで、シャボン玉ホリデーの番組の終わりに、決まってザ・ピーナッツの二人が「スターダスト」を歌う。すると後ろから、ハナ肇や植木等たちが登場して、ピントのはずれた今でいう<おやじギャグ>風の語り始めるや、ピーナッツの二人に肘鉄を喰らうといった落ちがあった。子どもたちは、それを期待していた。

(Youtube映像の 1:02ごろからエンディングテーマ「スターダスト」が始まる)

(Youtubeに登録のukikusajiromovie12に感謝)

2019年9月28日土曜日

「こうのとり」(8号機)無事ISSに到着

25日午前1時5分に「種子島宇宙センター」から「H-IIBロケット」(8号機)により打ち上げられた、宇宙ステーション補給機こうのとり(HTV*)」(8号機)は、今晩(8時13分)「国際宇宙ステーション(ISS)」に到着し、無事キャプチャー(把持)された。キャプチャー コンプリート!
(*)HTV: H-II Transfer Vehicle

昨年末(2018/12/1)、「JAXA筑波宇宙センター」の一般公開展示の「こうのとり」(実機モデル)を見学して、その余りの大きさに驚嘆した。積載重量(ペイロード)は、最大約6.0tといわれている。なるほど、打ち上げに「H2Bロケット」を要するのも素人ながら・・・感覚的でしかないが納得した。しかも、宇宙で微妙に航行(移動)制御できるという実は凄い能力を持っている。

(本ブログ関連:”こうのとり”)

日本経済新聞(共同通信)の記事「こうのとり 8号機、宇宙ステーションに到着」**(9/28 22:05)によれば、ISS側ロボットアームにより把持されたと次のように報じている。
(**)記事: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO50359790Y9A920C1CZ8000/
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・高度約400キロの「国際宇宙ステーション(ISS)」に物資を運ぶ「宇宙航空研究開発機構(JAXA)」の無人補給機「こうのとり」8号機が28日午後8時13分、ステーションに到着した。滞在中の宇宙飛行士がロボットアームを操作しキャッチした。これまで連続8回の輸送に成功したことになる

[写真](国際宇宙ステーションに到着した「こうのとり」8号機。左下からステーションのロボットアームが伸びている=NASA提供・共同)

・補給機は鹿児島県の種子島宇宙センターから25日に打ち上げられ、JAXA筑波宇宙センターの制御で徐々に高度を上げた。最後にはISSと同じ速度で飛行することで速度差をなくし、約10メートルの距離まで接近。長さ17.6メートルのロボットアームが補給機をつかんだ。

・補給機は食料品やバッテリー、実験装置など約5.3トンの物資を搭載。ステーションに取り付けた後、飛行士が荷物を搬出する。
〔共同〕
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(把持の模様は、Youtube映像の29分ごろ)

(Youtubeに登録のJAXA | 宇宙航空研究開発機構に感謝)


(付記) ラグビーWカップ
日本が、優勝候補のアイルランドを19対12で破った。にわかファンにもなれない素人にとって、凄いと思うし、凄いことなのだろうと推測する。これから、テレビ解説を聞いてその凄さを理解しよう。

2019年9月27日金曜日

飛行機雲

線状の雲を吐きながら高空を飛んでいる飛行機に気付いたとき、ついしばらく見続けるものだ。それを見上げる子どもは、大いにはしゃぐかもしれない。大人ならどうだろうか。

今朝方、ウィークデイの早朝番組「シャキット!」(tvk、テレ玉、チバテレの3局ネット)で、気象予報士(竹下愛実さん)が「飛行機雲」について絵入りで説明された。

a. 空気中に湿気が多いとき、飛行機雲の形がはっきり見える
b. 飛行機のエンジン数にしたがって、飛行機雲の本数が決まる
c. 太陽の位置と近くにある場合、飛行機雲に虹色に輝く「彩雲」が見える

(本ブログ関連:”飛行機雲 ー ”)

飛行機雲は、ひとを引き付け空へ誘うポエチックなようであるが、気象との関係からいえば、雲がくっきり見えるほど後々の空模様はかんばしくないという。

ところで、上記にあげられた「彩雲」には旧海軍の偵察機の名にもあって、機体の美しさから「タロン(T-38)」、「フランカー(Su-27)」と合わせて興味深い航空機だ。

(本ブログ関連:”飛行機”)

飛行機雲の言葉から、荒井由美(松任谷由美)の「ひこうき雲」(1973年)とそれを主題歌として採り入れた宮崎駿の長編アニメ「風たちぬ」(2013年)を忘れることはできない。


(Youtubeに登録のc22mmt7yyに感謝)

2019年9月26日木曜日

(資料)対談「わしらを育てた闇市の流儀」

哲学者木田元氏(きだ げん、1928年~2014年)とジャーナリスト徳岡孝夫氏(とくおか たかお、1930年~)の対談「わしらを育てた闇市の流儀」が雑誌「文芸春秋」(2014年9月号)に掲載されている。

木田元氏は、2014年8月16日に亡くなられている。上記雑誌の実質の発行時期と重なることになる。当然ながら、対談自体はそれ以前に行なわれたのだろうけど。

対談では終戦直後の「闇市」の経験が語られるが、語りはいたって飄々とした体であり、却って気負いのなさに真実が伝わる感がする。なにしろ、当時の若き木田氏の身過ぎ世過ぎときたらピカレスク小説をほうふつさせるのだから驚愕する。

(本ブログ関連:”戦争”)

いきなり余談だが、わたしが若いころ新聞記者だった方から聞いた話に、戦時中の一高出身の東大(旧制第一高等学校・旧制東京帝国大学)の理学系学生は、学徒動員をまぬがれて軽井沢に温存されていたという。まさに記者当人の話であり直接聞いたことだ。
一方、戦時中・終戦後をようやく生き延びた若き木田氏は、超エリートたちのような待遇を望むべくもない厳しい環境に置かれていたわけで、生きるための知恵のかぎり振り絞っていた。

上記対談の最終のテーマ「戦争体験は伝わるか」で語られた、木田、徳岡両氏の発言を次に記載させていただく。(抜粋)
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木田】   戦後、時間が経つにつれ、戦争体験という言葉がしきりに言われますよね。そして「戦争体験が伝わらない」という。
でも、私は、戦争体験を伝えるということ自体が無理なんじゃないかと思うようになっているんです。数年前に「戦争と文学」(集英社)という戦争にかかわる文学作品を集めた全集が刊行されました。これを読むと、どうもそれぞれの世代がそれぞれのやり方で、自分たちの戦争体験みたいなものを作っているように感じたんです。

徳田】   どういうことですか?

木田】   つまり「これが正しい戦争体験だ」なんてあり得ないような気がするんです。全集の中のどの作品が戦争体験を正確に伝えているか、検証できる性質のものではないのです。
「戦争と文学」でいえば、編集委員は戦後五〇年代に生まれた方々ですから、私と感覚が違うのは当然なんです。先の戦争を知っている私たちだって、その前の日清戦争や日露戦争については、今の若い人と似たようなものでしょう。それはしょうがないことで、なにか訂正するといって何を基準に訂正していいのか。
ーーーーー

徳岡】   来年は日本の終戦から七十年かもしれませんが、ベトナムの終戦からも四十年なんです。僕はあのときサイゴン(現・ホーチミン)にいて、日本の終戦に次いで二度目の終戦を見ました。
陥落を見届け、帰国してびっくりしたのは、あれほどベトナム、ベトナムと叫んで、デモだなんだと大騒ぎしていた日本人がまったく無関心になっていたこと。新聞も大型連休をどう過ごすか、なんてネタが紙面の大きなテーマになっている。アホらしくなりましたね。やっぱり、われわれは我が身に近い戦争しか見ていないんですよ。ある意味では、人間としてはそれで健康なのかもしれませんが。

木田】   ですから、さも正解があるように「あの体験」というけれども、口にすると無責任な気がして仕方ないですね。・・・
ーーーーー

徳岡】   歴史から教訓を得るというのは、必ずしも最良の手段ではないらしいですよ。
ーーーーー
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婉曲に語られているようだが、戦争経験のない戦後生まれに戦争体験の意味を勝手に掠め取られていくようなおもい(危惧)がしてならないのではないか・・・と、そんな風に感じるのです。

2019年9月25日水曜日

プロペラカフェで昼食

歯科治療の後、すぐに食事ができないとのことで、快晴の天気に浮かれて「調布飛行場」まで散歩に行ってみることにした。休憩と昼飯は、いつものように飛行場隣接(正確には敷地内)の「プロペラカフェ」に寄るつもりだった。

(本ブログ関連:”調布飛行場”、”プロペラカフェ”)

公道から飛行場敷地に入るときゲートがあって、氏名と電話番号の記入を求められた。昨年からチェックが厳しくなったという。始めてのことで驚く(以前はフリーパスだったのに)・・・来年のオリンピックに向けて、セキュリティが強化されたのだろうか。

プロペラカフェの昼食時に、何を頼んだかうろ覚えだったので、運ばれてきたものに手をつけたところどうやら間違いで、急遽注文をそれに変更してもらう。なにしろ、わたしの気持ちはガラス戸越しの滑走路にあったのだから。

そのとき、ボディーにライトグリーンの横線が走る共立航空撮影の単発ターボプロップ機「セスナ208」 (JA8895) が飛び立つのが見えた。食事にじゅうぶん時間をかけて、他機の離発着の機会を待ったが、時間帯が塩梅よくなかったせいか見ることができなかった。その後、意外にも上記のセスナ208が着陸したのを見届けてカフェを出た。

飛行場敷地の隣りに続く公園を横断しているとき、飛行場南端の滑走路に新中央航空(NCA)の高翼双発機「ドルニエ228」が離陸待機しているのが見えた。合わせて、北側にある東邦航空の格納庫脇にTV朝日のマークのあるヘリコプター「ユーロコプターEC135」が着陸した。すぐさま、ドルニエ機が北へ向けて飛び立った。素早い変化ある場面を見せてもらった。

EC135

2019年9月24日火曜日

知恵泉 - 大久保長安

NHKの番組に、肩のこらぬよう居酒屋風セットで歴史人物評する「知恵泉」*がある。今晩(22:00~22:45)視聴した。徳川創成期に家康の家臣として従った「大久保長安(ながやす/ちょうあん)」について、司会者と3人の話者**が出演した。
(*)https://www4.nhk.or.jp/chieizu/x/2019-09-24/31/32766/1494231/
(**)出演: 小説家真山仁、東京大学史料編纂所教授山本博文、ハードキャッスル エリザベス、司会新井秀和

江戸の歴史と鉱物趣味から、興味深い人物「大久保長安」を以前のブログで触れたことがある。上記番組では有能な人物として焦点をあてられたが、人間らしい別の面も浮かんでくるかもしれない・・・番組の最後にさらりと触れられたが。

(本ブログ関連:”八王子 - 千人同心”、”鉱山 - 山師”)

猿楽師の家に生まれた大久保長安は、いってみれば(武家としての背景がないことにより)裸一貫で、武田信玄から徳川家康の家臣として渡り歩き出世したようだ。この辺りの肝が座った強さもあって、あらたな都市計画や鉱山開発の使命を実現したのだろう。

① 八王子の街づくり
 ・砦の機能を合わせ持った商業都市をつくる
 ・防備に、旧武田の流れを持つ人脈による「八王子千人同心」をあてる
 ・治水に、旧武田の治水技術「信玄堤」を採用する

② 鉱山(金山・銀山)経営
 ・人の采配として、プロジェクトマネジャー「山師」を重用する
   - 労働成果の分配に工夫する
 ・精錬技術として、「灰吹法」から「アマルガム法」を採用する

③ 一族の繁栄とその後の子孫の悲惨な終焉
 ・(もしかしたら、結局は歴史に利用されただけかもしれないが)

2019年9月23日月曜日

秋分の日 2019

きょうは、二十四節気の「秋分」と重なる、昼と夜の長さが同じという「秋分の日」。でも空は鈍く曇りときたま強風が吹き、台風(17号)の余波を感じる。祝日気分には遠いというか薄いようだ。

(本ブログ関連:”秋分の日”)

天体の動きから、実際は昼の時間が少しだけ長いという。ウェザーニュースの記事「二十四節気  / 『秋分』季節は少しずつ冬へ」*(9/23)は、きょうの日の出から日の入りまでの時間が、12時間9分という。つまり、9分だけ夜より長いことになる。
(*)記事: https://weathernews.jp/s/topics/201909/220055/

・昼の時間:12時間9分
・夜の時間:11時間52分

そのうえ大気の屈折で、地平線下の太陽が微妙な時間見えるため、更にもう少し長く感じることになるという・・・けれど、あいにくの曇り空。

ところで、今日を含めて今年も残り100日しかない。これから昼間は短くなるし、日めくりカレンダーも一枚はがすたび揺れが大きくなる。

街に出れば、何処のショーウィンドウも秋物ばかり。お洒落に敏感でないわたしでも、商品の色合いの変化には気付くというもの。そういえば公園の小川のそばで「赤とんぼ」を見かけた。もしかしたら「ウスバキトンボ」だったかも知れないが。

(本ブログ関連:”赤とんぼ”)

というわけで昨日につづき、ちあきなおみの「紅とんぼ」(吉田旺詞、船村徹曲、1988年)を聞こう。

(本ブログ関連:”紅とんぼ”)


(Youtubeに登録の392kidに感謝)

2019年9月22日日曜日

雨に濡れてる 黄昏の街

夜の雨、それもしとしと降りの雨音を聴きながら、ちょっと気分にひたりたいとき、「黄昏のビギン」(作詞:永六輔、作曲:中村八大)はぴったりな曲だ。もともと「水原弘」(1935年~1978年)の1959年の歌だったが、私には「ちあきなおみ」(1947年9月17日~)の歌が好きだ。彼女へのファンは今も根強いという。

(本ブログ関連:”黄昏のビギン”)


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2019年9月21日土曜日

「これは何の花?」への回答いただきました

昨日のブログに「これは何の花?」として、一昨日(9/19)に高架線下で採集した野草の名(ネットの画像検索から「ウラジロフジウツギ」ではないかと素人判断したもの)を、自然観察園にある公園管理センターで確認を願ったところ、本日次のような回答があったので記す。合わせて、昨日のブログに同じ内容を<追記>した。

「フジウツギの仲間で、『フサフジウツギ』、『トウフジウツギ』のどちらかではないかと思われる」とのこと。フジウツギ属であることが分かった。

・フサフジウツギ、トウフジウツギについて、ネットで検索したところ、Wikipediaの「フジウツギ属」の紹介文に(「ウラジロフジウツギ」の説明の後に)次の解説がある。
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数種が園芸用に栽培されており、特によく栽培されるのがフサフジウツギ(ニシキフジウツギ)B. davidii である。これは極端に寒い地域を除いて栽培しやすく、野生化することも多い。フサフジウツギは中国原産とされるが、秩父で野生状態で発見されたため、チチブフジウツギの別名がついている(在来種とみる説もある)。

そのほかオレンジ色のB. globosa や、ライラック色のB. alternifolia、またB. x weyeriana (B. globosa x B. davidii) などの交雑種が栽培される。沖縄県では中国原産のトウフジウツギB. lindleyana がよく栽培されている。
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2019年9月20日金曜日

これは何の花?

鉄道の高架線下にある空き地に入らぬよう金網の囲いがあって、辺りに薄紫の愛らしい小花が群がって咲く野草がある。実は、昨日(9/19)、その場を通り過ぎたとき目に留まった。帰宅後、(簡易版の)野草図鑑を参照したが見つからない。タデ科の植物ではないかと思ったりしたが気になって、今日あらためて現地におもむき、写真に撮り、あわせて採集した。それを教示いただきたく、公園にある管理センターに持参した。

あいにく、植物分野の担当者がいないとのこと、対応いただいた方があらためて写真に撮って専門家へ問い合わせてくれて、そのうえで回答いただけるという。その手間に恐縮しつつお願いした。

自生地で撮影したもの

一方、自分で撮った写真を基に「Google画像検索」で調べたところ、見た目がかなり近い感じのものが見つかった。上記の回答いただく以前のこと、あくまで素人判断だが。サイト「花図鑑」*に掲載の「裏白藤空木(ウラジロフジウツギ)」に似ている気がする。
(*)図鑑: http://hana-zukan.net/334hujiutugi.html

Wikipediaで「フジウツギ属」について参照したところ、「ウラジロフジウツギ」について、「日本にはフジウツギB. japonica と、ウラジロフジウツギB. curviflora が自生する。フジウツギ(藤空木)の名は花序の様子や色が藤に似ていることから。」と記されていた。フジウツギ属の花は美しいので、園芸用に栽培されている・・・というのも分かる気がする。正解は、後日いただく回答で知ることになるのだが。


(追記:9/21)
自然観察園がある公園管理センターの担当者の方から次のような回答をいただいた。
フジウツギの仲間で、『フサフジウツギ』、『トウフジウツギ』のどちらかではないかと思われる」とのこと。フジウツギ属であることが分かった。
・フサフジウツギ、トウフジウツギについて、ネットで検索したところ、Wikipediaの「フジウツギ属」の紹介文に(「ウラジロフジウツギ」の説明の後に)次の解説がある。
----------------------------------------------
数種が園芸用に栽培されており、特によく栽培されるのがフサフジウツギ(ニシキフジウツギ)B. davidii である。これは極端に寒い地域を除いて栽培しやすく、野生化することも多い。フサフジウツギは中国原産とされるが、秩父で野生状態で発見されたため、チチブフジウツギの別名がついている(在来種とみる説もある)。

そのほかオレンジ色のB. globosa や、ライラック色のB. alternifolia、またB. x weyeriana (B. globosa x B. davidii) などの交雑種が栽培される。沖縄県では中国原産のトウフジウツギB. lindleyana がよく栽培されている。
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2019年9月19日木曜日

「身近な雑草の愉快な生き方」

公園にある「自然観察園」で紹介される草花を見ていると、たしかに野の草々に違いないが、この環境で育ったればこそのエリートのような気がしてくる。もちろん、観察園にはこれからも訪れて観察するつもりである。

同時に、道端に咲いている雑草の花にも気になるものだ。今日も、タデ科の植物だろうか、まるで穂先に薄紫の小さな花弁が群集している姿とすれ違ったりすると、一瞬目がとまったりする。雑草とはいえ、微風に優雅に揺れている様は気になるものだ。

先日、書店で楽しい文庫本と出会った。見なれた雑草について、植物学者か(一般読者にとって)裏話のような話題を提供してくれる、ちくま文庫「身近な雑草の愉快な生き方」(稲垣栄洋著、静岡大学教授)の最初の話は「スミレ」だ。花弁の不思議な構造や、実(花粉や種)と昆虫(アリやハナバチ)の関係の不思議さを教えてくれる。子どもたちにも聞かせたい。そして、彼らが関心を持ってくれたらどんなに素晴らしいことだろう。

次のYoutubeで、稲垣栄洋氏が「ヨモギ」の <葉> について記した、上記文庫(「身近な雑草の愉快な生き方」)の話を、NHKの老人向け深夜番組「ラジオ深夜便」で直接聞くことができる。文庫本には、まだまだ他の雑草の生存戦略について、絵入りでたくさん紹介されている。雑草がもっと身近になる。

(登録者の注に「写真はヨモギではありません」とあるのでご注意を)

(Youtubeに登録のroy0135に感謝)

2019年9月18日水曜日

秋の社日 2019

まだ晴れ間があった午前中に外出することにした。天気予報では、昼過ぎから本格的な雨降りになると報じていたからだ。それでも路の途中、小雨に一瞬会った。その後、用を済ませて家に戻る途中、雨がぱらついた。帰宅して玄関ドアを閉めた瞬間、外でザザザという雨音がした。やはり雨かと、戸を開けて確認する気もなかった。

今日の日めくりカレンダーに「社日」とある。このところ歳とともに、暦にある昔のひとびとが感じたであろう季節感を知りたい思いがする。なにしろ、社日の言葉を初めて知った訳で、そんなとき頼りになるWikipediaを見れば、次のよう解説がある。
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社日(しゃにち)は、雑節の一つで、産土神(生まれた土地の守護神)を祀る日。春と秋にあり、春(2019年3月22日)のものを「春社(しゅんしゃ、はるしゃ)」、秋(2019年9月18日=戊午)のものを「秋社(しゅうしゃ、あきしゃ)」ともいう。古代中国に由来し、「社」とは土地の守護神、土の神を意味する。

春分または秋分に最も近い「戊(つちのえ)」の日が社日となる。・・・
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ところで、時事通信の jiji.com は、記事「大嘗祭の『斎田』決まる=栃木と京都 - 宮内庁発表」*(9/18)で、「大嘗祭」の斎田の地を発表した。(抜粋)
(*)記事: https://www.jiji.com/jc/article?k=2019091800879&g=soc
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宮内庁は18日、11月の大嘗祭で使われる新米の産地の「斎田(さいでん)」が、栃木県高根沢町と京都府南丹市の田に決まったと発表した。近く米の収穫儀式「抜穂(ぬきほ)の儀」が行われる。
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今日の「社日」と、大嘗祭の「斎田」の地の発表がたまたま同じ日だったのか、それとも「産土神」を通じて日が合ったのか、知識のないものに分からないけれど・・・興味深い。

秋雨に冷える。自宅でとうとう熱いコーヒーを飲んだ。今までは、冷蔵庫にある冷えた麦茶しか飲まなかったのに。

2019年9月17日火曜日

ちいさい秋

「栗」林のイガグリが膨らんできたというに、農家は切り取る気配がない。傍を通りながら、もう十分だろうと思えるものがあるのだが。ここ数年、栗に病気(伝染?)があったようで、立ち枯れしたものもあった。そのせいか、いまだに林全体の生育は不均衡で、実が痩せたままのものもある。

もうひとつ気付いたことがある。小学校の生垣に、真っ赤な「ヒガンバナ(曼珠沙華)」が咲いていたことがある。誰かが秋の印にと植えたのかもしれない。だが、この花には別に不吉な意味合いもあって、小学校という場に似つかわしくないと抜き取られたようだ。曼珠沙華の茎がひとつもないので気付いた。

そんなわけで、身の廻りに秋を見つけるのはむつかしい。童謡「ちいさい秋みつけた」(サトウハチロー作詞・中田喜直作曲、1955年)で、気持ちだけは秋を見つけられればと思う。

(Youtubeに登録のseesr2に感謝)

2019年9月16日月曜日

敬老の日2019と公園の倒木

先日(9/8~9)の台風15号による、公園の倒木被害についてはブログにすでに記した。今日、先日とは違った公園のエリアを見回ったところ、写真のような激しい光景を目にした。あまりな状況なので、他の来園客と台風被害のすさまじさについて少々雑談したほど。

(本ブログ関連:”2019年 台風15号”)


祝日「敬老の日」になんだが、大樹といえど強風を受ければ弱ったものからいずれ倒れていくしかない。写真の倒木もしかり。ヒトも見かけは元気そうでも、あるいは若々しくきれいに装っても、その内臓は歳相応に等しく老いているという。

(本ブログ関連:”敬老の日”)

命の循環でいえば、草食動物の集団が肉食獣に襲われるとき、狙われるのは病弱や老衰したもの、あるいは誕生して間もないものたちだ。それらは、生態系の最上位者たちから順に喰われ、最終的に草原に腐敗物が残らないよう消化される。一方、公園に人工的に植樹された樹は、台風で根元から折れた場合、公園管理者の手により、チェ-ンソウで細分化して取り除かれる。

自然なものは自然に消えていくが、人工的なものは人工的に始末するしかない。

2019年9月15日日曜日

お肩をたたきましょう タントン タントン タントントン

今日(9/15)から「老人週間」が始まる。それに伴い、9月の第3月曜日(9/16)が「敬老の日」となる。以前は、9月15日を「老人の日」と呼んだ。老人となる境い目はいつか。本人の意志以外に、医療や年金制度の課題から定義が揺れている。

孫が生まれたら、親族名称で「祖父・お爺ちゃん」であり「祖母・お婆ちゃん」になるのを受け入れたがらない人が多いようだ。親族名称を避けた(日本語化した)「シニア」という区分もある。確かに、楽隠居できる歳でもなく、将来が不安でもある。だからこそ、年寄の肩を小さな孫がたたいてくれる光景があれば、本当に微笑ましい。

童謡「肩たたき」(西条八十 作詞、中山晋平 作曲:1923年・大正12年)のようにして、爺さん・婆さんが「お肩をたたきましょう タントン タントン タントントン」といわれたなら羨ましいだろうが、実際は母親を思う子どもの願いだ。
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母さん お肩をたたきましょう
タントン タントン タントントン

母さん 白髪がありますね
タントン タントン タントントン

お縁側には日がいっぱい
タントン タントン タントントン

(以下略)
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歌詞に、母さんの髪に白髪を見つける部分がある。童謡のやさしい響きから、小さな子どもと若い母親の情景を思い浮かべてしまうかもしれないが、母に老いを発見する場面でもある。


(Youtubeに登録のKAZEKOZOU69に感謝)

2019年9月14日土曜日

ビールフェスティバル

中央線の武蔵境駅前で開催中の「ビールフェスティバル」*(9/13(金)~9/16(月))へ出かけてみた。中央線に点在する12のビール醸造所が集い、自慢のクラフトビール(地ビール)を味あわせてくれるという。(2018年に初回開催以来、今回で3回目とのこと)
(*)ビールフェスティバル: https://chuo-beer.com/

(本ブログ関連:”クラフトビール”)

駅に隣接する広場に、ビール醸造所とビールに合った肉料理のフード店がそれぞれテントを張って囲んでいた。その中央には、テーブルがいく列も並び、いろいろな組み合わせの客が楽しそうに飲み食いしながら談笑していた。満席の盛況振りだった。

中央線につながる青梅線の終点「奥多摩」駅近く、日原川沿いにあるという醸造所「VERTERE」の屋台で黒ビールを頼んだ。さっぱりした飲み心地で、軽いアルコール飲料といった風情。そしてフードに選んだのは串焼きソーセージ。組み合わせもちょうどよい。・・・他のクラフトビールも味わいたいが、屋台を飲み歩くほどの気力は乏しい。まだ残り2日間もあるではないかと、ひとまず我慢した。

会場近くにある書店で、万葉集の歌と地誌を合わせて紹介す年配者向けの本を見つけた。気負わずのんびりと読んでみたいと思う。だんだんそのように自覚してきている。

2019年9月13日金曜日

十五夜、ヤブラン

曇り空の今晩、月齢13.7の月を見るのはむつかしそう。旧暦8月15日の今夜は、実は「満月」の前夜でもあるが、「中秋の名月」すなわち「十五夜」に当り、みなで「月見」を楽しむ風習がある。

「自然観察園」の帰り道、ススキの穂をしっかりと握った子どもを乗せたママチャリが追い越していった。また、「月見だんご」を求めて寄った和菓子屋で、私の後ろにおさない子連れの家族がつづいた。今晩の空模様では月が見えないかもしれないが、きっと家族団らん「月見」で賑わうことだろう。ちなみに、10月初旬に商店団体による祭り「お月見のつどい」が開催されるという。

話の順序が逆になるが、月見だんごを買う前に自然観察園へ行った。閉園ぎりぎりのため、しかも園内放送で退園をせかされて、「ヤブラン(藪蘭)」の花・実を見るのが精一杯だった。この花について、手持ちの <山野草の図鑑> の写真と随分違うため、自然観察センターで確認した・・・。

(本ブログ関連:”ヤブラン”)

観賞(園芸)用のものと違い、スッと伸びた葉の両サイドが班(ふ)入りのものではない。つやつやした緑色の小さな実が、淡紫色の花弁と並んでいるのが印象的だった。(次のヤブランの写真はピンボケなので残念)

2019年9月12日木曜日

暑さ寒さも彼岸まで

まだまだ暑さが残る。ここ一週間、「東京都心の最高気温」は次表の通りで、30℃以上の「真夏日」と、35℃以上の「猛暑日」が交わっていたが、はたして今日になって 30℃を切った。それでも、25℃以上の「夏日」であることに違いはない。

月/日  最高気温℃
--------------------
9/6(金)   32.9
9/7(土)   33.5
9/8(日)   33.3
9/9(月)   36.2
9/10(火) 35.6
9/11(水) 32.3
9/12(木) 28.7
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東京の気温は、明日以降、急に降下して最低気温が(20±2)℃、最高気温でも(27±1)℃くらいになるようだ。まさに「暑さ寒さも彼岸まで」で、Wikipediaによれば、「概ね『秋分』*までは、夏の季節現象では猛暑日・真夏日・熱帯夜になることもある」と残暑の可能性を示している。
(*)秋分の日: 今年は 9月23日

気象協会のtenki.jpの記事「しばらく残暑、台風に注意 一か月予報」**(9/12、18:44 徳田留美)は、暑さ寒さも彼岸までの通り、次のように記している。(抜粋)
(**)記事: https://tenki.jp/forecaster/r_tokuda/2019/09/12/5926.html
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9/14~20: 関東と東海は湿った空気の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多いですが、湿気が多く、蒸し暑いでしょう
9/21~27: 関東と東海は、引き続き湿った空気の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。気温は平年並みで、涼しい日が増えそうです
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ところで、9/8~9に襲来した「台風15号」の災害が凄まじい。台風一過の先日(9/9)訪れた公園とは別の公園に今日行って見た。大変なことになっていた。公園内の自然再生のゾーンとの境目にある塀(鉄網)が、倒壊した巨木によってペしゃんこに押しつぶされていた。あちこちに、落下した大きな枝が散在していた。(それらは「立入禁止」のポリエチレン・テープで囲われていた)
なにより、千葉県の停電に驚いた。修復の難しさから、電気に依存する社会(水道、都市ガスも同様)の脆弱さをあらためて感じた。こんなことでは、電気がなければ実用しないキャッシュレスの将来なんて信用してよいのか不安だ。(大停電では、現金があっても何の役にも立たないようだが・・・3日も経てば店頭から食料品は消える)

2019年9月11日水曜日

二百二十日 2019

午前中は晴れ、午後から曇り、夕方になって土砂降り。このところ、このパターンが多い気がする。帰り道に夜空を見上げれば、薄雲の先に月がぼんやり浮かんでいる。春の季語に「朧月(おぼろづき)」があるが、秋口の場合なんと呼ぶのだろうか。ネットを検索してみると「薄月(うすづき)」とある。

さて、朧月といえば、映画「絵日傘」(長田幹彦作詞、佐々紅華作曲:昭和5年/1930年)の主題歌「祇園小唄」に歌われる。この歌は祇園の四季を歌っている(実は随分と色っぽいのだが)。始まりの「月はおぼろに東山」は、春の「朧月」明かりをさす。秋については、静けさの中に聞こえる(際立たせる)「瀬音」や「鐘」の音、さらに「秋風」に象徴させている。
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鴨の河原の水やせて
咽(むせ)ぶ瀬音に鐘の声
枯れた柳に秋風が
泣くよ今宵も夜もすがら
祇園恋しや だらりの帯よ
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「祇園小唄」の秋に、台風の気配はないが、今日は雑節の「二百二十日」。Wikipediaによれば、「八朔(旧暦8月1日)・二百十日とともに、天候が悪くなる農家の三大厄日とされてきた。統計的には、台風は二百十日から9月下旬にかけて襲来することが多く、二百十日よりも二百二十日の方を警戒する必要がある。」とのこと。

(本ブログ関連:”二百二十日”)

先日(9/8~9)の台風15号を思えば、確かにこの近傍の方が農家にとって「厄日」ということが分かる。今日にしても、夕方の土砂降りは台風15号が吹き落とした後の木の枝や葉を再び散乱させた。台風の余波はしぶといようだ。

2019年9月10日火曜日

今日も「猛暑日」

昨日に続いて今日も暑かった。東京都心の最高気温は、昨日 36.2℃(13:34)、今日は 35.6℃(12:30)。9月に2日連続して 35℃以上の「猛暑日」になるのは 27年振りとのこと。

気象庁「気温に関する用語
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・夏日: 日最高気温が25℃以上の日
・真夏日: 日最高気温が30℃以上の日
・猛暑日: 日最高気温が35℃以上の日
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おかげで出歩く気にもなれず、一日家にこもっていた。それでも、夜になると秋の気配に変わりはない。どこか落ち着きを取り戻したように感じる。ところで、数日前の夜にあった虫の音が、今夜は聞き耳を立てても聞こえてこない。余りの暑さにげんなりしたのだろうか。

台風一過の昨日、公園で、胴が極めて細い黒色の羽をした「カラストンボ」が草の上にふんわりとまるのを見たことを思い出した。蝶のように舞うのが特徴のようだ。カラストンボという呼び名は子どものころのことで、正式には「ハグロトンボ」という。でも、ハグロトンボと口にしてしまうと心地よくない。子ども仲間(世界)から外れたような気がする。

8月気分がまだ抜けきっていないようだ。ならば冷たいビールを楽しみたい。9/13(金)~9/16(月)まで、中央線のある駅前で「ビールフェスティバル」があるという。行ってみようかと思う。

2019年9月9日月曜日

重陽の節句

今日は、五つの節句の最後にあたる「重陽の節句」。「菊」にちなんだ節句で、その花弁を浮かべた「菊酒」を飲むという。昨日(9/8)のブログに「白露」について、仙人が「風を吸い露を飲む」との言葉を引いたが、「菊酒」も仙人が飲むという。

(本ブログ関連:”重陽の節句”)

五節句
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人日(じんじつ)   (1月7日)
上巳(じょうし)   (3月3日)
端午(たんご)      (5月5日)
七夕(しちせき)   (7月7日)
重陽(ちょうよう)(9月9日)
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菊花は、この日に縁ある花であるが、実際は秋に咲かせるもの。東京の菊花展は、10月から11月頃にかけて開かれることから、旧暦にずらして見ればよいだろう。すなわち、今日は旧暦の8月11日であり、旧暦の9月9日は、新暦の10月7日となり一ヵ月後のことになる。

ところで、台風一過の公園を覗けば、余りの惨状に驚かされた。古木は風圧に耐え切れず根元から折れていた。木立に覆われた散歩道をくぐれば、吹き飛ばされた葉や小枝が一面に落ちて、両側の草地と区別がつかないほど。先へ進むのに一瞬躊躇した。

湿気った公園を巡れば汗をかく。つい売店に寄って、冷たいものを口にふくませる。東京都心の最高気温は 36.2℃(13:34)だったという。どうりで暑いわけだ。(今年最高の「猛暑日」)

2019年9月8日日曜日

白露 2019、台風15号

今日は二十四節気の「白露」。この時期、日中に暑さが残るものの、昼夜に気温差が出て草葉に「露」がつきはじめるころをいう。東京ではまだ目にすることはない。高原の朝なら白露を実感できるだろう。その名がいいので、日本酒に白露を冠するものがあるようだ。果たしてその風味は、「風を吸い露を飲む」仙人だけが知るものかもしれないが。

(本ブログ関連:”白露”)

台風15号が接近している。Tenki.jpの記事「強い台風15号 関東や東海に接近 深夜の上陸か」*(9/8、05:14)によれば、まるで関東南部や伊豆半島付近を蹴りあげるようにして太平洋に逃げて行く感じがする。暴風が予想され、交通機関の運休が計画されている。困り者だ。
(*)記事: https://tenki.jp/forecaster/deskpart/2019/09/08/5860.html
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強い台風15号は、8日夜遅くには関東南部や伊豆半島付近に接近し、上陸する可能性が高くなっています。台風の接近に伴って関東から東海は、急に雨や風が強まりますので、早め早めの備えが必要です。
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せっかくの日曜日、午後には雨が降り始めるという。それじゃぁ露もだいなしだろう。明日の日付に変わった深夜には土砂降りらしい。首都圏直撃になる。

(ウェザーニュース「台風15号 関東は9日早朝、大荒れ」より)

(Youtubeに登録のウェザーニュースに感謝)

2019年9月7日土曜日

夏仕舞い

民謡「会津磐梯山」に登場する小原庄助さんの「朝寝 朝酒 朝湯が大好きで・・・」を真似たところ、パソコンデスクの前でしばらく寝込んでしまい夢心地していた。だらだらと日中を過ごす・・・。

このままじゃ体が鈍ると公園散歩に出かけることにした。まだ西日がさす時刻、公園口から出てくる帰りの客とすれ違う。園内の樹上で「ミンミンゼミ」が、「ミ~ン、ミィ・ミィ・ミィ・ミィ~」と激しく鳴き続けていた。ちなみに、ミンミンゼミの地上での生活は、「7月下旬~9月上旬」とのこと。
(訂正)ミンミンゼミ: 「ツクツクボウシ」と間違えて記していたので訂正します。

ところで、セミが、地上に出て一週間の命しかないというのは誤りらしい・・・「10日以上の生存を確認」されたという。山陽新聞の記事「セミ成虫の寿命1週間は俗説! 笠岡高植松さんが生物系三学会最優秀賞」*(6/19)は、岡山県の高校生の観察研究を次のように報じている。(抜粋)
(*)記事: https://www.sanyonews.jp/article/909869
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植松さんは2016年の7月中旬から9月中旬にかけて、笠岡市内の住宅地や雑木林など4カ所でほぼ毎日、この調査を繰り返し、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミなど計863匹にマーキング。15匹を再捕獲し、4匹を再再捕獲した

植松さんは「なかなか再捕獲できず、調査の効率は非常に悪かった」と笑うが、調査の結果、アブラゼミ、ツクツクボウシ、クマゼミの3種で10日以上の生存を確認最長生存確認記録はアブラゼミが32日間、ツクツクボウシが26日間、クマゼミが15日間だった。
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公園をぐるりと巡れば、太陽は西の果てに没したにもかかわらず、空はまだ明るい。でも確実に、日没の時間が早くなった。南の空に鈍色の雲が浮かび、南南東の風に乗って寄せて来る。

帰宅するころには、すっかり薄暗くなっていた。どこからか、ゴトゴトと物音がする。どうやら近隣の街で行われている「花火大会」のようだ。ネット情報によれば、鉄橋を渡る車窓から見える光景がよいという。来年は、行ってみようかと思う。

2019年9月6日金曜日

ロシア式紅茶

先日(8/26)のブログで、一般公開講座「ロシア・スラヴの言語と文化入門」(最終日)の帰り道に、クラスの仲間と地下鉄「茗荷谷」駅近くにあるロシア料理店「ソーニャ」へ行ったことを記した。食後にロシア式紅茶を頼んだところ、紅茶入りのガラス・カップと一緒に、ジャムを盛った小皿とスプーンが運ばれてきた。

(本ブログ関連:”紅茶”)

そのとき仲間がいうには、スプーンにジャムをすくって口に入れ、合わせて紅茶を飲むというのだ。てっきり、カップの中にジャムを入れ、混ぜて飲むものと思っていたがそうではないらしい。ためしにジャムを口にすると随分と濃く甘いけれど、熱い紅茶をふくませると、口中に蜂蜜と練り混ぜたイチゴジャムの香りが広がった。なるほど、こういう飲み方もあるのかと納得した。

ところで、むかし読んだ「オール読物」(平成18年(2006年)、5月号)に連載「とは知らなんだ」(92)の「ロシア式紅茶はどこから?」(鹿島茂著)に、ロシア式紅茶の飲み方について興味深い話題が載っていた。

仏文学者の鹿島氏がソ連時代のモスクワ空港で、フルーツ・ジュースを飲みたくて、バー・マンにフランス語でフルーツ・ジュースを頼んだところ、甘いドロドロの果汁が渡されたという。それは一体何か。沼野充義夫妻の著「世界の食文化 ロシア」の中に、次のような記載があると紹介している。孫引きになるが、「そもそもロシア式のジャムは『ヴァレーニエ』と呼ばれる果物の砂糖煮で、日本でいうジャムほど煮込まない、つまり別ものである」という。鹿島氏がモスクワの空港で口にしたのは「ヴァレーニエ」だったことになる。

その「ヴァレーニエ」と紅茶の関係について、沼野夫妻の著は、紅茶を飲む際に「お茶うけ」にするという。「ヴァレーニエをスプーンで一口食べて(舐めて?)お茶を飲み、またヴァレーニエを口に入れてお茶をすする、という飲み方だ」としている。

連載にある「ロシア式紅茶はどこから?」の後半に、日本では紅茶にジャムを溶かして飲むという習慣について、沼野夫妻の著と合わせて鹿島氏ともども由来を推測されている。ロシア革命後に亡命して来日した白系ロシア人の風習を見間違えたとか、戦後のシベリア抑留体験の中で見たソ連人の風習を日本風に解釈し直したとか、昭和三十年代の歌声喫茶でロシア式紅茶の飲み方に新解釈があったとか・・・。いずれにしても正解はなさそう。

2019年9月5日木曜日

パソコンで気分転換

パソコン作業の途中、気分転換する。仕事場じゃできないだろうが、自宅なら可能なこと。ひとつに、Youtubeにある自然の音などをバックグラウンドにして仕事するのもいい。実はもうひとつ、仕事を中断して(短時間だけ)ゲームに切り替えるのもある。それもオールドスタイルなものの方がよい。

ネットに、フリーの「スペースインベーダー ゲーム」がある。タイトルに「昔懐かしのレトロなインベーダーゲーム スペースインベーダー【無料】」*とある。機能は簡易版のようで、コメントにいくつか要望があるが、ちょくちょく遊ばせていただいている。
(*)http://game-ac.com/flashgame/shooting/space-invaders/

「スペースインベーダー ゲーム」といえば、むかしの喫茶店のイメージが浮かぶ。喫茶店といっても、スターバックスのような洒落た喫茶店ではない。どちらかといえば、脂(やに)臭くて湿気た雰囲気の店に置かれたテーブル筐体型のゲーム機だ。
Wikipediaを見ると、最も早い時期のものが「1978年(昭和53年)に発売したアーケードゲーム」とある。熱中したのは、社会人だったということになる。もっと以前に出会っていたような、錯覚というか記憶違いしていた。

次のYoutubeのゲームの敗れ方にアッパレ!


(Youtubeに登録のGame Archiveに感謝)

2019年9月4日水曜日

百日紅(さるすべり)

今が旬か、いつまでも咲きつづける「サルスベリ(百日紅)」の花をあちこちで目にする。白色から薄紅を経て紅色までさまざまな色合いを持つ。枝先に小さな花弁が群集して風に重く揺れる。その様はいかにも東洋的で古風な趣がする。あえていえば、辺りに抹香が漂う感すらするのは思い過ごしか。

(本ブログ関連:”百日紅”)

この季節、公園の木々には色数が少ない。そんな今日、昼下がり紅色の花を見た。おやこんな所にと、若い百日紅が植えられていたりする。その幹は、花と違って、樹の名の通りサルが手を滑らせるようにツルリとしている。その対比ぶりにいまだに馴染めない。

育てばかなり大きくなる。造園業者の庭先に高木となってあふれていたのを見たことがある。その様子から、民家の塀越しに覗かれる百日紅が将来どうなるか気をもんでしまう。

公園の百日紅の若木

2019年9月3日火曜日

秋の夜

天気予報の通り、午前は晴れ、午後に曇って、そして夕方から夜にかけて驟雨。夜半にいたって辺りは静まりかえる。一日せわしい空模様だった。

深夜の静けさに、唱歌「埴生の宿」の歌詞を思い出す。雨後のため、窓から見る庭には月明かりに冴え渡る青い明るさはないが、気持ちだけは古い詞の思いにひたりたい。
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清らなりや 秋の夜半(よは) 月はあるじ 虫は友
おゝ 我が窓よ たのしとも たのもしや
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この曲は、中学時代の思い出の合唱曲でとても懐かしい。いってみれば、合唱入門曲として最適だったのだろう。声変わりした男子のパートが、女子の声部とうまく調和して、混声合唱の楽しさを味合わせてくれた。そう、歌垣ではないが、男女で歌うことになんとなく感じていたのだろう。

今夜の秋の夜は音もない。せめて虫の音でも聞こえてくればよいものを。静すぎるのもやるせない気がする。

2019年9月2日月曜日

秋の日のヴィオロンの

秋となれば、少しメランコリックな気分になって、詩的な雰囲気にひたってみたくなるものだ。まさに気分だけ秋を味わう。上田敏の訳詩集「海潮音」にある「落葉」(仏詩人ポール・ヴェルレーヌの「秋の歌」)が浮かんでくる。

映画館で、モノクローム*画面の「史上最大の作戦(The Longest Day)」(1962年)を見たのはいつの日だったか。仏レジスタンスへの作戦開始の暗号に、ヴェルレーヌの「秋の歌」の詩が語られていた。今も印象強く覚えている。これから始まる戦いに、なんという詩的な言葉が選ばれたのだろうと思った。しかし、ノルマンディーの海岸は、すぐさま血の海に変わった。
(*)モノクローム: 戦争経験者が多数存命した時代の作品。ぼくらは世代が重なりながら時を経ることを忘れがちだ。

海岸を制圧展開する場面では、戦場の「非情」さが描かれていた。それに戦慄した。後に制作された映画「プライベートライアン」(1998年)で表現された「悲惨」さとは別種のものだ。

Youtubeに、D-dayのために送信された、ヴェルレーヌの「秋の歌」の音声(フランス語)を英語字幕したものがある。(上田敏訳「秋の日のヴィオロンのためいきの 身にしみてひたぶるにうら悲し」)


(Youtubeに登録のNickyJIlanに感謝)

2019年9月1日日曜日

二百十日 2019

今日は(今年の)「立春」(2/4)から数えて210日目。雑節の「二百十日」である。日本気象協会のTnenki.jpの記事「『知って得する季語』 ── 謎の季語『二百十日』『不知火』とは?」(8/29)*に、「二百十日」について次のように解説している。(抜粋)
(*)記事: https://tenki.jp/suppl/m_yoshino/2019/08/29/29374.html

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「二百十日」と台風
「二百十日」とは、立春から数えて二百十日目をいい、今年は9月1日がその日にあたります。なぜあえて「二百十日」というのか。それは、日本では稲の花が咲く大事な頃でありながら、台風襲来の時季でもあり、この日を無事に過ぎてほしいという農家の願いから「厄日」ともいわれているのです。
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(本ブログ関連:”二百十日”)

台風の経験についていえば、子ども時代に育った九州の台風では、父親が台風襲来前に木の雨戸に釘を打ちつけて固定していたこと。小学時代の東京の教室で、転校生の女の子から「伊勢湾台風」の災害を聞いたこと。今も台風被害はあるが、天気予報や土木工事の充実(警報や精度の向上)で、年々被災が小さくなった気がするが・・・。もちろん、天災は忘れたころにやって来るのを肝に銘じたいのは承知のうえ。

昨日のブログに「今年も 2/3 が過ぎた」と記したが、今日からは、1/3 しか残っていない。あっという間に過ぎていくだろう。大事にしたいと案じるが、さて如何に過ごすべきか、まとまっていない。二百十日に新風でも起こればいいのだが・・・何事もなく終わりそう。

2019年8月31日土曜日

夏の終わり、今年も2/3が過ぎた

気象庁の「時に関する用語」にある「季節を表わす用語」*の通り、<夏>は今日で終わりになる。いつまで続くのかと思った熱暑の夏が、カレンダーとともに過ぎて行くのを惜しむ気がする。私は寒いのが苦手なので、暑い夏の方がまだましと思っていただけに・・・。
(*) 季節: http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/toki.html#A95
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・春:3月から5月までの期間
・夏:6月から8月までの期間
・秋:9月から11月までの期間
・冬:12月から2月までの期間
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この時期、小学生のいる親にとっては、子どもたちの世話から解放されてホッとしているかもしれない。一方、夏休みを楽しんだ子どもたちにすれば、明後日の月曜日から2学期が始まるわけで、クラスの友だちと再会してどんな遊びをしようかと思い巡らしていることだろう。

「夏の終わり」なんていうと、賑やかさから静謐へといった季節の変わり目を意識しておセンチになるようで、急に暖かみを求め始めるのかもしれない。

ネットに熱烈なファンが多くいる、カントリーフォーク シンガーソングライターの「ジョン・プライン(John Prine)」の「夏の終わり(Summer's End)」を、オフィシャルビデオと合わせて聴けば、世界が静まり返る秋を前にして、胸に迫るものがあるようです。(映像の最後にある呼びかけとは違った世界にいても・・・)


(Youtubeに登録のJohn Prineに感謝)

2019年8月30日金曜日

無頼

内村剛介著「ロシア無頼」の中で、古い感覚での無頼を「ブラトノイ」と呼んでいた。少しでもその言葉をネットに探したところ、次の資料に触れられていた。

「ロシアにおける地下経済とマフィア ー 社会学的考察」*(青山学院大学 寺谷弘壬)に、ロシアの闇経済について紹介されている。(1993年に発表されたもののようだ)
(*)資料: https://www.jstage.jst.go.jp/article/jarees1993/1993/22/1993_22_27/_pdf
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「マフィア」や「レケヅト」が日常的に使われる以前は、「ブラトノイ(Блатной=やくざ=泥棒仲間)」や「ブラターリ(блатрь=泥棒)」が使われ、「ウォール(вор=悪党)」と「スゥカ(сука=雌犬=うらぎりやくざ)」の二派に分けられていた。
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(本ブログ関連:”ブラトノイ”、”エセーニン”、”内村剛介”)

2019年8月29日木曜日

ユダヤ教の現代がわかる 2019-3

3日連続の一般公開講座「ユダヤ教の現代がわかる - 宗教と言語の観点から -」の第3回目の最終日に出かけた。街中は真夏に戻ったように陽差しが照りかえり・・・まさに汗だらけになった。途中、涼を求めて喫茶店に飛び込んだほど。

(本ブログ関連:”ユダヤ教の現代がわかる 2019”)

今日の東京都心の最高気温は、34.6℃(12:38)だった。久し振りに高温だったことが分かる。ちなみに、先週土曜日から今日までの都心の最高気温は次の通り。
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24日(土) 31.4℃
25日(日) 31.1℃
26日(月) 28.5℃
27日(火) 29.4℃
28日(水) 28.1℃
29日(木) 34.6℃
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最終回は、日本学術振興会特別研究員(東京大学)鴨志田聡子氏から、「現代ユダヤ人とユダヤの言語」というタイトルで、ユダヤ人の母語としての「イディッシュ語」と「ラディノ語」、および各種の「ユダヤ諸語」の存在について紹介された。

・ユダヤ人の母語と母国語
  - 母語: 母親が内輪で話す言語(例.イディッシュ語の場合、「マメ・ロシュン」)
  - 母国語: 母国(国家)の言語(例.イスラエルの公用語としての「ヘブライ語」)

・「イディッシュ語」と「ラディノ語」
  - イディッシュ語: 1000年前にドイツのフランクフルトを起点に東欧へ展開した言語
  - ラディノ語: 1492年に「スペイン追放」された後、トルコなどへ移動した言語
  - 当然ながら、イディッシュ語はドイツ語を、ラディノ語はスペイン語を基底にする

・ユダヤ人の気質を知る
  - 絵入りイディッシュ語のジョーク・サイト(YiddishWit.com)*の紹介
    (*)サイト: https://www.yiddishwit.com/index.html
      例:「大きな河で大物が釣れる」(でかいことをしたければ大舞台でやれ)
「Yiddish Wit」に掲載より
・イディッシュ語(ヘブライ文字:右から左へ読む).אין אַ גרויסן טײַך כאַפּט מען גרויסע פֿיש
・イディッシュ語(ラテン文字転記:左から右へ読む)In a groysn taykh khapt men groyse fish.
・英語訳  In a big river you(men) catch big fish.

2019年8月28日水曜日

ユダヤ教の現代がわかる 2019-2

玄関ドアを開けて、雨が降っているのに気付いた。そんな中を外出するのは久し振り。今まではいいタイミングで雨に会わず済んでいたのに・・・。そんなわけで、のんびり傘差して一般公開講座「ユダヤ教の現代がわかる - 宗教と言語の観点から -」の2日目へ出かけた。

(本ブログ関連:”ユダヤ教の現代がわかる 2019”)

今回も初回に続き、早稲田大学の研究員志田雅宏氏からお話があった。「現代社会とユダヤ教 ~ 宗教学の視点から ~」というタイトルで、フランス革命の影響を受けた「ユダヤ啓蒙主義」(19C初頭)とその後の展開について紹介された。

ユダヤ啓蒙主義
・近代的価値観にユダヤ教も合わせるよう活動がおこる
・ユダヤ教は、ユダヤ人の自治的位置付けから、国家の中で選択される一宗教となる

ユダヤ教の宗派(ユダヤ啓蒙主義の影響を受けての位置づけ:前回(8/27)の補足)
  ⇒ (ドイツ)「改革派」の登場 ⇔ 「正統派」の反発
                                             ⇔(東欧)「超正統派」の反発
  ⇒ (米国)「保守派」の登場(改革派と保守派の中間に位置づけられる)
  ⇒ (欧州)「世俗派」の登場(信仰が失われ/教会離れの時代に登場・・・多数派となる)
      (イスラエル)「シオニズム」が登場(世俗的運動を宗教的に解釈しなおしたもの)

世俗化とゆり戻し
・ますます世俗化が進むものと思われたが、宗教が復権しつつある
  - 「カラバー」(世界が創りだされる前の神の世界を聖書から探し出す研究)の見直し
  - イスラエルで、世俗的な若者が超正統派へ戻る運動がある(その逆もあるが・・・)

この後、「人間中心」の宗教観について語られたが力不足で理解が難しかった。

2019年8月27日火曜日

ユダヤ教の現代がわかる 2019-1、ロシア無頼

素人の横好きというか歳相応の冷や水というか、夏の終わりを好奇心で満たしてみたく、一般公開講座の第2弾に出かけた。今日から3日間、「ユダヤ教の現代がわかる - 宗教と言語の観点から -」を聴講する。

(本ブログ関連:”ユダヤ教の現代がわかる 2019”)

第1回目の今日は、早稲田大学産業経営研究所研究員の志田雅宏(まさひろ)氏による、「ユダヤ教文化の歴史性と多様性」について、ユダヤ教の理解(解釈)の仕方の歴史性や、ユダヤ教の宗派の多様性について紹介があった。
以前、他所の一般公開講座「ユダヤの歴史を学ぶ」*で、志田雅宏氏の回を聴講したことがある。

(本ブログ関連:”志田雅宏氏の「ユダヤの歴史を学ぶ」”)

ユダヤ教
・ユダヤ聖書の理解に2つのトーラー(律法)がある。
  - 成文トーラー: モーセが文書(文字化)したとされるものに従う
  - 口伝トーラー: モーセの口伝したとされるものに従う、ラビによる解釈の集大成にタルムードがある
・神の信仰の仕方に、人間の自由意志が認められる面がある

ユダヤ教の宗派
・ユダヤ教の伝統をどのように守るかによっていろいろな宗派が存在
  - 超正統派: 東欧のアシュケナームの伝統を持つ
                      イスラエル(メアシュリーム)と米(NY ブルックリン)に居住       
  - 正統派: 西欧(ドイツ)起源で、イスラエルで最大勢力
  - 保守派: 米最大の宗派、女性ラビが存在し礼拝時に男女同席もする
  - 改革派: さらに現代的価値観に合わせ、米西海岸に多い
  - 他にパレスチナで入植活動する宗教シオニズムがある


(付記)
昨日(8/26)のブログで、ロシアの詩人「エセーニン」について触れたつながりで次に記す。「エセーニン詩集」の訳者内村剛介氏が著した書籍がAmazonから、今日の講座に出かける直前にタイミングよく届いた。さっそく電車の中で読んだところ、気になった部分があった。

(本ブログ関連:”エセーニン”、”内村剛介”)

書名は「ロシア無頼」(内村剛介著。高木書房)、1980年に発行されたもので、ソ連崩壊の10年ほど前のこと。ここでいう「ロシア」はその意味で、ソ連時代の根の深いところにある原初的意味合いである。なお、内村氏は戦後にシベリア抑留を経験している。
書名にある「無頼」の徒について、旧いロシアに誕生した(農奴や奴隷から導き出された)彼ら「ブラトノイ」の語源を紹介している。
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ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。
ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイディシ(ユダヤ人のことば)が起こりである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終わりまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イディシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然の成りゆきであろう。
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2019年8月26日月曜日

ロシア・スラヴの言語と文化入門 2019- 3

夏の一般公開講座「ロシア・スラヴの言語と文化入門」の最終日(第3回目)に出かけた。家を出るのに少し遅れたので、いつもと違うコースを選んで向かうことにした。途中、ネットで知った、講座会場近くにある、或る書店に寄った。

其処で(語学力を全無視して、記念のつもりで)「詩と散文【ロシア古典叢書】」シリーズの中から「セルゲイ・エセーニン  楓(かえで)の落葉...」を求めた。ハードカバーの表紙は、若い女性たちに愛される詩人であることを示すように、赤い服を着たエセーニンが片手に楓の枯れ葉を持っている絵で飾られている。

(本ブログ関連:”エセーニン”)

表紙に詩の書き出しがあって、詩集の中を見ると1925年11月28日と記されている・・・彼が自死したのはたしか27日だったはず? (素人にはよく分かりません)

楓の落葉の詩を歌った、Youtube映像を見てみよう。歌手Igor Mirkurbanovについて存じないが、渋い歌い方は独特である。


(Youtubeに登録のmedpupに感謝)

ところで、今日の「ロシア・スラヴの言語と文化入門」は、東京外国語大学非常勤講師 阿出川 修嘉(のぶよし)による「現代ロシア語成立の歴史の概説  - 言語と文字の発展 -」という、門外漢には難易度が高いものだった。
・「スラブ祖語」: スラブ民族に共通して使われだしたのが、6~7、8世紀ごろという。意外と古くない。
・「キリル文字」: ギリシャ字をベースに、現代のキリル文字に落ち着くのにいろいろと変遷している。

(本ブログ関連:”ロシア・スラヴの言語と文化入門”)

講座の帰り道、クラス仲間と、地下鉄「茗荷谷」駅近くにあるロシア料理店「ソーニャ」へ行ってみた。美味かった、同時に苦しいくらいに満腹した。

2019年8月25日日曜日

里ごころ

今日は(小学生にとって)夏休み最後の日曜日。街に出てみれば、親子連れの姿が思ったほどでもない。家族サービスに疲れ果てた親は、子どもたちの夏休みの宿題の手伝いに追われているのかもしれない。やがて9月になれば、普段の生活に戻れることを期待しながら。

2学期になれば夏の終わりを実感するだろうけれど、久し振りに顔を合わせた子どもたちはそれでも楽しい。でも、やがて秋の気配がしんしんと深まってくる。

昨日(8/24)、北原白秋の童謡「おむすびころりん」の詞について記したが、実のところ、その歌(曲)を聴いた覚えはない。詞だけが古い本に残されていた。

そこで、北原白秋の作詞で、実際に童謡として歌われたものを探したところ、Youtubeに登録された「里ごころ」(作詞北原白秋、作曲中山晋平など)があった。なんだか、「雛祭り」の歌のような始まりだが、賑やかさはない。夏祭りというより、秋祭りだろうか、ぽつんと取り残されたような、寂しさがやがてつのる。(ちなみに、歌詞はYoutubeの登録者の解説にある)


(Youtubeに登録の四日市 童謡愛好会に感謝)

2019年8月24日土曜日

おむすびころりん

探査機「はやぶさ2」が、小惑星「リュウグウ」に2回目のタッチダウンした際に作った<穴ぼこ>が、「おむすびころりんクレーター」と命名されたと、時事通信の記事「『おむすびころりん』と命名=りゅうぐうの人工クレーター - JAXA」(8/22)は次のように伝えている。(抜粋)
(*)記事: https://www.jiji.com/jc/article?k=2019082200920&g=soc
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宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」が小惑星「りゅうぐう」表面につくった人工クレーターに「おむすびころりんクレーター」と愛称を付けたことを明らかにした。
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(本ブログ関連:”はやぶさ2”)

なお、8/22にJAXAで開催された記者説明会資料***に、「はやぶさ2」ミッションの概要が紹介されていて分かりやすい。人工クレータの命名の他に、小惑星探査に関わった半ばに逝去された技術者たちの名を冠した<岩>についても紹介されている。
(***)資料: https://fanfun.jaxa.jp/countdown/hayabusa2/press/files/20190822_hayabusa2.pdf

ところで、転がり落ちるイメージから「どんぐりころころ」の童謡を思い出すが、「おむすびころりん」の童謡は聴いた記憶がない。童話については、話を聞かされたことがあるけれど。そこで、童謡はないかと探せば、国立国会図書館デジタルコレクション**に、北原白秋の作品があった。
(**)デジタルコレクション: http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1720371

(本ブログ関連:”国立国会図書館デジタルコレクション”)

北原白秋の童謡集「国引」(帝国教育会出版部、昭和18年7月25日)の中に、「おむすびころりん」(p.66)が収録されている。以下転記する。なお、岩波書店のサイト****にも、この童謡集が転記されているので参考にした。
(****)国引: http://www.j-texts.com/hakushu/kunibikiah.html


おむすびころりん



おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、小山をころげてく。

おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、砂山、砂に穴。

おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころころ、穴のなか。

おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。



おむすびころりん、
ころころりん、
爺さん、おむすび投げまする。

おむすびころりん、
ころころりん、
まいにち、お山で日が暮れる。

おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、こんどは重箱だ。

重箱ころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。

爺さんころりん、
ころころりん、
ころりん、爺さん、ころげてく。



おむすびころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。

重箱ころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。

爺さんころりん、
ころころりん、
ころりん、ころりん、すつとんとん。

鼠の餅つき、
ころころりん、
ころりん、小山の穴のなか。

爺さんお禮よ、
ころころりん、
ころりん、黄金(こがね)も的(臼)のなか。

すつとん、すつとん、
ころころりん、
ころりん、小槌も添へてあぎよ。



おむすびころりん、
ころころりん、
おかげで爺さん、ほいこらさ。

婆さん、これ見な、
この小槌、
どつさり、お(たから)うち出そか。

爺さん婆さん、
若くなれ、
ついでに赤んぼ、飛んで出ろ。

お家も出ろ出ろ、
よいお家、
よいことづくしで、すつとんとん。

おむすびころりん、
ころころりん、
今でも、どつかで、すつとんとん。

2019年8月23日金曜日

処暑 2019、コニー・フランシス「ヴァケイション」

夏の終わりを気付かせるマイルストーン、二十四節気の「処暑」。昼間と朝夕の気温差も、このごろ当り前に受け入れるようになった。今日の午後には、外出途中、ヒンヤリした小雨がぱらついて傘の世話になったばかり。テレビのキャスターは子どもたちに、そろそろ夏休みも残りわずかといいながら、宿題はどうかと問いかける。
でも余韻はまだある。夏のゆるい気分にピッタリな「サルスベリ(百日紅)」が、民家の塀越しに気ままに花を咲かせている。

(本ブログ関連:”処暑”)

そういえば、若いころ、夏の休みにはきっといいことがあるに違いないと・・・そんなことを考えていた。コニー・フランシス(Connie Francis、1938年~)の歌「ヴァケイション(Vacation)」(日本語版)をYoutubeで聞きながら懐かしんでみよう。彼女を最初に知ったのはラジオから。甘えた歌声にいろいろ想像したものだ。

(本ブログ関連:”コニー・フランシス”)


(Youtubeに登録のtengokuemakiに感謝)

2019年8月22日木曜日

ヤブランとアカメヤナギ

「自然観察園」の入り口には、いくつかに間仕切りしたボックスがあり、それぞれに、園内の季節の樹木や草花情報を印刷したリーフレットが入っている。特に「花だより」は、毎月、前半(No.1)・後半(No.2)の2回に分けて発行される。花の開花期間を考えてのことだろう。

(本ブログ関連:”自然観察園”)

このところ季節の変化をしっかり感じる。日向と日影で気温の差がはっきりしてきたことだ。そんな薄曇りの今日、8月度版のNo.2「花だより」を片手に、すれ違うひともない静かな自然観察園を巡った。

ヤブランの花とアカメヤナギの幹
以前、8月初(8/2)に訪れたとき以上に「ヤブラン(藪蘭)」の淡紫色の花が咲き乱れていた。華やかさを主張しない花だが、左の写真のように、「アカメヤナギ」(マルバヤナギの別名)の樹下に群集するのを見ていると、その場がまるで「ジブリ」アニメの世界のような錯覚すら覚える。幻想的なしっとりとした色合いが美しい。

(本ブログ関連:”ヤブラン(藪蘭)”)

アカメヤナギの幹の太さとうねり具合に驚く。ヤナギ科ヤナギ属の樹木ながら、一般的な「」の持つ、なよとした女性的なイメージとは真反対で、力強く立つこの樹に寄り添うようにヤブランが咲いていた。

その他に観察した草花は次の通り。名前にこだわりたくなる白色の「センニンソウ」は仙界や貴種というより、身近な感じすらする地味な「つる」植物だ。目をもっと近づけると華奢で可憐。また、小さな花が茎に淡紫色の花がかたまって、数珠繋ぎするように咲く「ハッカ」は、園内を巡る板橋から覗くにはこじんまりしていた。




キツリフネの葉表
ところで先月(7/3)、「ハンゲショウ(半夏生)」の草の葉に、白い斑(ふ)がまだらに付いているのを見た。よい例えではないかもしれないが、まるで緑色の葉の上に、飛ぶ鳥がフンを落として白色に乾いた跡のようというのは言い過ぎだろうか。昔の人は、もっと洒落て、女人の白化粧なかばのイメージから「半化粧」の名を与えたものだ。

(本ブログ関連:”ハンゲショウ”)

さて今回、同じように葉の表面が変化する様を楽しんだ。やがて黄色の花を咲かす前の「キツリフネ」の葉表が、左の写真のように、葉の茎側が薄緑色して葉先に向かって緑色を増すグラディエーションが目に留まった。開花前の、キツリフネの葉の色合いの違いを見て、おもわず木漏れ日による光の魔術かと錯覚してしまうほどだった。

公園は静まり返っていて、小川で水遊びする家族連れもまれ、日を受けながら沼に掉さす釣り人もまれ。上空を飛び交う飛行機のエンジン音だけが響いていた。

2019年8月21日水曜日

清瀬ひまわりフェスティバル

念願の「清瀬ひまわりフェスティバル」*へ行ってきた。例年、清瀬市の農家や関係者によって開催されるもので、今年で12回目という。ブログ情報などで知ってはいたが、訪れたのは今回初めてのこと。現地には、JR武蔵野線の新座駅前からバスに乗って行く。バス停からさほど距離もなく会場に着いた。
(*)http://www.city.kiyose.lg.jp/s029/050/010/010/010/20190628172128.html

(本ブログ関連:”ひまわりフェスティバル”、”ひまわり”)

本当は、昨日(8/20)行こうとしたが、午前中に雑用のため出かけるタイミングを失い、あれよあれよというまに午後には曇り空と雨。今週の天気は余談を許さない。そんなわけで、今日は早めに出かけた。一瞬、お天気雨もあったが、「ひまわり」の花の海を十分堪能できた。

ひまわり畑中央の見晴台より
会場はとにかく広く、農地いっぱいにひまわりの花が咲き、所狭しと群集している。しかも大人の丈ほど成長していて、間近で見ると花が視界に入りにくく、実感が湧かないほど。小さな子どもたちに、どう見えただろうか。そこで、花畑全体を俯瞰するには、フィールド中央にある見晴台から臨むしかない。見渡す限りひまわりだらけなのがよく分かる。

ここは、住宅街の狭間にあるような畑地と違い、本格的農地ということに気付かせられることがあった。密集したひまわり畑は、意外と空気の流れがなくて、堆肥の臭いがこもっていたのだ。そんなとき、ソフィアローレンが、映画「ひまわり」の中で、ひまわり畑(ウクライナで撮影)の中をくぐり抜けたとき、どんな香りがしたのだろうかと思ったりした。

ところで、会場の休憩広場の木陰で、「猿まわし」*が演じられていた。まだまだ一歳という幼い小猿が、一生懸命「輪くぐり」や「走り高跳び」を頑張って見せてくれた。私は最近、よその家族の子どもも可愛いだけでなく、小猿のような小動物まで愛しくてしょうがない。そんな思いができる歳になった。
(*)戦豆のさるまわし: https://sen-zu.com/

2019年8月20日火曜日

子どもの好きなもの

以前(夏休み直前のころ)、帰宅する私の前を小学低学年の男の子たち3人が歩いていた。小学時代のこどもは真っ直ぐ歩けない。じゃれあって、横に広がったり、留まったりで、見ていてハラハラする。やがて、その中のひとりの男の子が、みんなと分かれて、私と同じ横道を曲がってどんどん先を進んだ。

そのとき、遠くで、ご近所のお婆ちゃんが路地に出て孫の帰宅を待っているのが見えた。
「お孫さんですか」とたずねた。たしか、3世代同居を始めたと聞いていたからだ。
「そうなんですよ、ちょっと帰りが心配で」と、孫を見つめながら応えた。
大人の会話の雰囲気を察したらしく、坊やは気安く話をできる相手と判断したのだろう、私にいきなり訊ねてきたのだ。
「おしり探偵知ってる」といって、なにやら「おしり探偵」の歌らしきものを歌いだした。実は良く知らないので、ネットで調べてみるからと返事するのが精一杯だった。突然、腕白目線の世界へ引き込まれてしまった。

子ども、とりわけ男の子は、お尻とか、ウンチ(うんこ)といった根源的下ネタが大好きだ。天真爛漫さは持ち上げすぎかもしれないが、かのモーツァルトも手紙にしたためたという。それが公認されたからという訳ではないだろうが、最近、書店で小学生向けの学習ドリルを見て驚いたというか、ニンマリしたことがある。素材(用語)に「うんこ」を多用する「うんこドリル」といったシリーズで、小学全学年に対応しているというのだ。

あの坊やは、見たところ一年生ぐらいだったか、「お尻」や「うんこ」への関心が絶頂期のころ。まして、できたばかりの友だちと話せば、これ以上愉快なものはないだろう。

2019年8月19日月曜日

ロシア・スラヴの言語と文化入門 2019- 2

先週の月曜日(8/12)は、その前日(日曜日、8/11)が祝日「山の日」だったため、お盆休みの最終日ともいえる「振替休日」となり、月曜日開催の一般公開講座「ロシア・スラヴの言語と文化入門」が休講となった。そのため、今日、一週空けて久し振りの同講座、第2回目に出かけた。

(本ブログ関連:”ロシア・スラヴの言語と文化入門”)

今回は「芸術・文化に親しむ」のタイトルで、ロシアの(クラシック)音楽状況やコンサートホール(& ネットによるチケット申込方法)などについてピアニストの日高志野(しの)さんから紹介があった。声楽家(メゾソプラノ)の小野綾香(あやか)さんとの共演もあり、知って得する機会に恵まれた。合わせて、東京外国語大学非常勤講師の小川暁道(あきみち)さんから語学的補足などあった。

ロシア・スラヴの世界に門外漢の私にとっては、十分すぎる内容と時間だった。その中で、面白い話題がいくつかあった。
・ ロシアに西欧の音楽が導入されたのは、バッハ(1685年~1750年)の時代に遅れること100年を過ぎた1800年代だった。そのため、ピアノは当然ながら100年後に進化した(差を持った)構造や奏法から始まった。
・ モスクワの音楽会場について詳細に紹介された。ところで、ネット申し込みの際、最終的に(ロシア内での)「電話番号認証」が要求されるので、日本からの申し込みは不可となる。
・ 贈り物(プレゼント)についての注意点: ① 花束は奇数本であること、黄色は不可。② ハンカチーフは涙に通じるため不可。

最後に、小野綾香さんの歌、日高志野さんのピアノ伴奏によるミニコンサートを聞くことができた。あたりまえのことだが、どこからそんな声がでるのかと驚いた。曲目のひとつにある、チャイコフスキーの「昼の光が満ちようと...(День ли царит)」は、情感あふれる旋律がして、耳にとても心地よくとどいた。

ネット上のブログ「梅丘歌曲会館」の「使途音楽」コーナーに、この曲について訳詞と解説がある*。素人はこちらに頼るしかなく鑑賞させていただいた。(藤井宏行氏に感謝)
(*) http://www7b.biglobe.ne.jp/~lyricssongs/TEXT/S442.htm

そこで、「День ли царит(Denj li tsarit)」をYoutubeで検索して、次にエンベッドさせていただく。

А. Нетребко、 Д. Мацуев、 "День ли царит")

(Youtubeに登録のЕлена Рудневаに感謝)

2019年8月18日日曜日

ひまわり

例年、小学校近くの畑地に観賞用だろうか丈の低い「ヒマワリ」(キク科の一年草)が栽培されていたが、昨年につづき今年もその様子が見られない。農家の都合なのでなにもいえないが、夏の日を浴びた黄金色の花を畑いっぱいに見渡すことができないのは惜しまれる。

(本ブログ関連:”ひまわり”)

その代わりに、去年訪れてみようとして果たせなかった「西武線清瀬駅近くの農園で、8/17~24の間、10万本の『ひまわり』を楽しむことができるという」清瀬市の「ひまわりフェスティバル」*に、明後日の火曜日(8/20)にでも行ってみたい気がする。盆休みと重なった今日(8/18)の日曜日は一番賑わったかも知れない。
(*)http://www.city.kiyose.lg.jp/s029/050/010/010/010/20190628172128.html

合わせてこの時期になると、1970年にマルチェロ・マストロヤンニとソフィア・ローレンが主演した映画「ひまわり( I Girasoli )」のことが思い出される。今となっては、WWⅡは70数年前に終わったことだろうが、この映画が公開された時期、終戦から35年ほどしか経過していなかった。大戦と関わったひとびとが50代という中年期にかかり、人生を振り返るころでもあったと思う。その中で、イタリア人夫婦の別れと再会そして別離という運命に、映画を見た当時のひとびとは十分に共感できる体験を持っていたはず。

(本ブログ関連:”映画「ひまわり」”)


(Youtubeに登録のlemikeylesに感謝)

さて、明日は夏期一般公開講座の「ロシア・スラヴの言語と文化入門」の2回目を聴講する。久し振りに都心に出かけることになる。曇りの昼間より、雨が降るかもしれない夕方の方が暑いという変わった天候のようだ。

2019年8月17日土曜日

エストレリータ

遠く輝く「小さな星」に願をかけるような恋の歌「エストレリータ(Estrellita)」(マヌエル・ポンセ作詞作曲、1912年)がある。ポンセはメキシコのクラシック作曲家だそうだが、正直この曲についてネットで調べるまで知らなかった。「彼の愛なしには生きていけないのだから」と星に訴える女性の想いは、今の時代感覚からすれば随分かけ離れて古風に聞こえる。

そこで、できるだけ昔の音源をたどったところ、米女優で歌手でもあった「ディアナ・ダービン(Deanna Durbin)」(1921年~2013年)が歌ったものがYoutubeにあった。なんだかモノクロームの映画の雰囲気がしてよい。いつごろ歌ったのだろうか、音源はSPレコードだったのか、それともLPレコードだったのか・・・。

バラードは、時間や空間を遠く隔てて想いを歌ったのだろうけど、今の時代になっては、表現の新しさを追い求め、せっかくの美しい羽をつぎつぎ自らむしりとってきたのではないかと思ったりする。残ったのは、大量生産の丸裸になったブロイラーだけだったではつまらない。

ちなみに、次のYoutubeの登録者による解説の「もっと見る」を開くと、スペイン語の歌詞の後に、英語訳も添えてくれている(もっぱらこちらで知るのだが)。


(Youtubeに登録のviolinthiefに感謝)

(付記)
昨日(8/16)、隣町にあるスーパーで、(主婦に人気の菓子メーカーといわれる)ブルボン社製の「バナナのオムレット」を見つけた。バナナ味する(洋酒アルコール分1.2%を添加した)クリーム(ピューレ)を、黄色の四角いスポンジでくるんだもの。さて、どこかで食った記憶があるとブログを見直すと、2012年9月18日に味見していた。アルコールが効いて、ちょっと刺激的な大人の菓子だ。

(本ブログ関連:”バナナ味”)

2019年8月16日金曜日

計画運休

台風10号は、昨日(8/15)、四国の愛媛県から中国の広島県、鳥取県を縦断して、今日(8/16)、日本海へ抜けた。明日(8/17)にも熱帯低気圧になる見込み。関東地方には、わすかだが一部風雨の影響を与えたが、大過なく終わった。昨夕、鈍色の低層雲が南から北へ次々と走り抜ける様に、ある意味勇壮感すら覚えた。そして今夕、真っ白な高層雲の下、西空の果ての雲が紅く染まっていくのが印象的だった。まことに美しかった。

事前の予測で、ゆっくりと北上しながらも強風圏が大きいため十分な注意をテレビの天気予報で繰り返し喚起された。一方、交通網に混乱が起らないように、事前に新幹線や飛行機の運休が計画されたりした。

信毎Web(日新聞信濃毎日新聞)の記事「計画運休の実施 周知の改善を図りつつ」(8/16)*は、国土交通省が示した「計画運休」の指針とモデルケースを次のように紹介した。(抜粋)
(*)記事: https://www.shinmai.co.jp/news/nagano/20190816/KT190815ETI090008000.php
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国土交通省**は7月に計画運休の指針とモデルケースを示した。48時間前に計画運休の可能性を公表し、24時間前に詳細な情報を提供するよう求めている。
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(**)「計画運休・運転再開時における情報提供タイムラインのモデルケース」
         https://www.mlit.go.jp/common/001296917.pdf

台風10号の被害は思いのほか少なかったものの、今回の早めの措置(計画運休)の実施について、テレビのニュース番組で一般客による感想が紹介された。カメラを向けられると何かを言いたくなる人もいるだろうけれど、抑制の効いた報道に徹したようだ。

たまたま運が良かっただけで、台風の気分次第では何が起るか分からないのだから。事前の措置は有効だと思う。

2019年8月15日木曜日

異界百名山

山歩きにとって「日本百名山」踏破は夢だろう。私にしてみれば、根っからきついことに触手がおよばない。登山であれトレッキングであれ、関心はあっても登山靴の紐を結ぶ(ブートする)ことはできなかった。

そんなぐうたら気分でも、登山気分や山の風景を味合わせてくれる番組が、深夜に再放送を重ねている。NHKの「にっぽん百名山」(関連の番組)だ。その番外ともいえる、山を異界に見立てて不思議な体験を伝える番組があった。「異界百名山~体験者が語る不思議な話~」(初2018年8月15日、再2018年9月9日、再2019年8月15日)は、山中やその周辺で体験したいくつかの奇妙なエピソード紹介と同時に、(人選に多少疑問があるが)四人の人物による体験(経験)を踏まえたスタジオトークが展開された。

NHKのサイトにある同番組「異界百名山」の紹介に、スタッフから「異界百名山との出会い」のタイトルで番組成立の背景(動機)について次のように語られている。(抜粋)
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・・・今回の番組のディレクターが「面白い本があるんですよ!」と嬉々として見せてくれたのが「山怪〜山人が語る不思議な話」という「山と渓谷社」から出版されている本でした。著者の田中康弘さんはマタギの暮らしなどを撮影している写真家で、日本各地の山で聞いた不思議な体験を地道な取材によってまとめたルポルタージュでした。まさに自分がこれまで山で聞いて来たような不思議な話が、鬼気迫るリアリティと共に、かなりのボリュームでまとめられていたのです。この本で紹介されている不思議体験者の中には、昔からの知り合いもいて、本で紹介された話をベースに映像化したら相当面白いドキュメンタリー番組が出来るのではないかとディレクターとうなずき合ったのでした。

さっそく、著者の田中さんや出版社の方に連絡し映像化について相談したところ快諾を頂き、本には登場しない新たな取材先も加えつつ番組制作が始まりました。どうせなら、体験者の人物像や山での暮らしぶりなども深掘りしつつ、不思議体験を安易な再現映像にはせずに、山の風景のイメージ描写とインタビューのみで表現しようと考えました。撮影には情景描写に優れる一眼レフカメラを多用。結果、山の“異界感”の表現に成功したと思います。

日本の山は、太古の昔から、この世とあの世をつなぐ異界の入口だったというテーマのもと、日本人の死生観や自然との付き合い方、また、神話や物語の生まれる原点などについてスタジオトークも盛り上がりました。私たち日本人は、山にひかれ、山を仰ぎ見て、ご来光に手を合わせます。現代人が無意識のうちに求めている「異界の物語」の魅力とは何なのか?
都会でなくしてしまった「山」の中でしか得られない「何か」に気づく番組となりました。
※取材協力 田中康弘 「山怪」より

(クリエイティブネクサス プロデューサー 佐藤知樹)
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なるほど、元ネタは、ブログでも関心を持った本「山怪」(田中康弘著、山と渓谷社)だった。「山怪」シリーズが(秘かな)ブームになっていることを先日(8/11)の祝日「山の日」に記した。今回の上記番組について率直な感想をいえば、活字と映像ではイマジネーションの入り込む余地に違いがありそう。まして「神話や物語の生まれる原点」について語り合うのなら、人選にも注意を払っていただきたかった。

(本ブログ関連:”山怪”)

2019年8月14日水曜日

Mr. サマータイム

夏の定番の曲といえば、コーラスグループ「サーカス」の「Mr. サマータイム」(1978年)だろう。軽やかで洋風な心地よい響きは、湿気の多い日本の夏と違った洒落た空気を感じさせたものだ。この曲がフランスの(シンガーソングライター)ミシェル・フュガンの「Une Belle Histoire(美しい物語)」(ミシェル・フュガン作曲、ピエール・ドラノエ作詞、1972年)のカバー曲だったとは、その当時まったく知らなかった。

(本ブログ関連:”Mr.サマータイム”)

サーカスの「Mr. サマータイム」は、ふとした気の迷いを女性の側で歌うのに対して、ミシェル・フュガンの「美しい物語」は、次のYoutubeによれば、男女の一日の出会いと別れを歌う(訳詞者に感謝)。


(Youtubeに登録のKei's Echoに感謝)

2019年8月13日火曜日

チョコバナナ

最近、アイスクリームは、帰り道の途中にあるコンビニでときどき買うくらい。スーパーに行っても、アイスクリーム・コーナーに立ち寄ることはなくなっていた。そんな今日、スーパーのアイスクリームのケースに箱入りの「チョコバナナ」アイスを見つけた。

黄色のパッケージに、「Dole」のマークの下にチョコレートでコーティングされた<棒アイス>が6本描かれている。てっきりDole社製のものと思って購入。帰宅してパッケージの説明書きを見たところ、ロッテ社の商品だった。Doleとの関係はどこにも触れていない。

アイスの「種類別」を見ると、「ラクトアイス バナナ果汁・果肉 10%」と記されている。棒アイスにチョコレートコーディングしているものの、屋台のそれのような曲がり具合がなく棒状である。味は、チョコのコーティングが薄い割りに濃い、少し細めのアイス(薄黄色)もバナナ風味がしっかりしている。ただし、一本当りの分量が少なめで・・・子ども向けといった方がよいかもしれない。

というわけで、久し振りに人工風味のバナナ味(菓子・飲料)を楽しんだ。バナナ信仰ともいうべき、バナナ味の巡礼はまだまだ続くよ。

(本ブログ関連:"バナナ"、”バナナ2”)

2019年8月12日月曜日

昼夜の気温差

普段使わない二階部屋に熱気が夕方までこもることが少なくなった。それも、ここ一週間ほどの変化の気がする。季節を感じるのは、意外と身近な処からかもしれない。

秋の気配を、鋭い観察眼をもって、風がかすめる具合や木の葉の揺れ具合といった振る舞いから気付くのが、少々高尚のような気がしないでもない。でも、日常生活の中でとっくに気付いていることがある。水道水に温みを感じなくなったとか、冷蔵庫の麦茶の消費量が減ってきたとか。

詩情というのは、個人的な生活感よりも、自然のなかで気付く日の陰りなどといった共通体験で語る方がよいのかもしれない。

でも、実感は日常の中にありそうだ。

2019年8月11日日曜日

山の日 2019

今日は、2016年以来施行されている祝日「山の日」だ。山にちなんだイベントもあるようだが、趣味の鉱物採集から遠ざかって以来、山に近寄ることもなくなった。いくつかの公園の中に、山の名を冠した標高50m~70m台の山がある。山というには余りにも低山。いつの間にか通り過ぎている。

(本ブログ関連:山の日”2016”、”2017”、”2018”)

「山の日」にちなんで、山にかかわる歌を思い浮かべた。その出しに「山には山の うれいあり」から始まる「あざみの歌」(作詞横井弘、作曲八洲秀章、1949年)がある。何と、昨年の今日もそれをブログに記していた。それじゃあ「山男の歌」ってか・・・、よほど山への想像力が足りないようだ。もともと、近場の高尾山が限界だったせいもある。

山といえば、おじさん好みの、山の怪異集「山怪」(山と渓谷社)シリーズがある。聞けばなんと累計17万部を突破したという。書店を巡ると書棚に真っ黒なカバーをした「山怪」シリーズが並んでいる・・・書店の規模に関わらず目にすることができる。どうやら秘かなブームのようだ。

(本ブログ関連:”山怪”)

「山怪」の発行元「山と渓谷社」のニュースリリース「累計17万部突破のベストセラー『山怪』第三弾! 現代版遠野物語『山怪 参 山人が語る不思議な話』刊行」*(2018/09/10)は次のように紹介している。(抜粋)
(*) https://www.yamakei.co.jp/news/release/20180910_02.html
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 インプレスグループで山岳・自然分野のメディア事業を手掛ける株式会社山と溪谷社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:川崎深雪)は、9月10日に『山怪 参  山人が語る不思議な話』を刊行しました。

 2015年6月に刊行されてベストセラーとなった『山怪 山人が語る不思議な話』、2016年1月に刊行された続編『山怪 弐 山人が語る不思議な話』(共に田中康弘・著)に続く第3弾に当たります。

 本書は、長年、マタギや狩猟など山に入り取材を続けてきた著者が、山に暮らす人や働く人をはじめ、多くの山人の元を訪ね、山の不可思議な体験談を取材しまとめた一冊です。本シリーズは「現代版遠野物語」として、新聞・雑誌等数多くのメディアで絶賛され、今作も同様に、すべて改めて取材した「現在形のフィールドワーク」であり、その集大成。シリーズ初となる北海道の取材を決行しています。

 また、前作『山怪』『山怪 弐』は、2018年8月15日放送のNHK BSプレミアム「異界百名山」の原案にもなりました。
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真っ黒な装丁をした本といえば、埴谷雄高の全集なんて思い出す・・・。

2019年8月10日土曜日

ツクツクボウシの鳴き声が聞こえた

8月10日の今日も暑かった。東京都心の最高気温は、「真夏日」(最高気温が30℃以上の日)の34.4℃(13:11)で、「猛暑日」(最高気温が35℃以上の日)までに至らなかった。とはいえ今月に入って、東京都心の最高気温を見ると、すべて35℃以上で、「真夏日」は4日間、「猛暑日」は6日間だった。昨日までの4日間は「猛暑日」が連続した。

8月  最高気温
01日  35.0℃
02日  35.1℃
03日  33.7℃
04日  34.3℃
05日  34.9℃
06日  35.0℃
07日  35.6℃
08日  35.5℃
09日  35.6℃
10日  34.4℃

このところ、最高気温の時間帯と比べて、午後3時以降に日が傾き始めると、暑苦しさを逃れ、落ち着きを感じるようになった。微風から秋が遠くないことを知る。

昨日、街路樹の下で、色々なセミの鳴き声に混じって「ツクツクボウシ」の声を聞いた。本来、夏休みの終りごろ、宿題作業に駆け込む時期に聞こえてくるはずのもの。こんなに早く鳴き声がすることについて、ネットの情報では、梅雨の期間が長かったせいとか、夏が早仕舞いするのではといった見解がある・・・果たしてどうなのだろう。

(本ブログ関連:”ツクツクボウシ”)

ところで、テレビのニュース番組で、台風情報が盛んに流されるが、一説に番組制作の都合ではないかという。天気予報コーナーの制作費がかなりリーズナブルだからというのだ。テレビ苦難な時代だからこそか。

2019年8月9日金曜日

晩鐘

先日(8/5)、公開講座(「ロシア・スラヴの言語と文化入門」)を聴講した際、アンケート用紙が配られ、今後の要望などあれば記入するようにとあった。門外漢の素人が気ままに、勝手なことを記入した。ロシアンPOPとかエセーニンの詩を元にした歌があれば紹介して欲しいと。

(本ブログ関連:”ロシア・スラヴの言語と文化入門”)

そのとき、名前を失念して記入できなかったロシアンPOPの女性歌手がいる。神田にあった今はないソ連(ロシア)専門のレコード店で、店内に流れていた「マリーナ・カプーロ(Марина Капуро)」の澄みきった歌声を聞いて、あまりの美しさに直ぐにCD(1997年版)を求めた。

(本ブログ関連:”マリーナ・カプーロ”)

Youtubeを検索すると、彼女が歌う(ロシアで人気の・・・という)「晩鐘(Вечерний звон)」(作詞:イワン・コズロフ、作曲:アレクサンドル・アリャービエフ、1827年)があったので、次にエンベッドする。


(Youtubeに登録のMarina Kapuroに感謝)

2019年8月8日木曜日

立秋 2019

今日は二十四節気の「立秋」。名の通りまさに秋が立つころ。立秋の前が「大暑」だったことを思い返すと、季節の大きな変わり目に気付く。あれほど暑さを気遣ったのに、今から秋の心構えが必要のようだ。今朝の寝起きに感じたのは、昨日までの汗ばんだ気だるさではなかったことだ。

(本ブログ関連:”立秋”、”大暑”)

秋の気配を、まずは風の変化で知ることになる。和歌の理解というより、季節の変わり目に一般に語られる例えに、平安時代の歌人「藤原敏行」の歌「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる」(「古今和歌集」秋歌上169)がある。立秋の日に詠んだ歌だそうだが、もしかして、この風に、台風の予兆まで思い巡ったのだろうか。

これから本格的な台風シーズンを迎える。気象庁の統計資料「台風の平年値」の「地方ごとの台風接近数の平年値」によると、<関東地方・甲信地方>の場合、来月(9月)をピークにつぎつぎ押し寄せてくるようだ。
0.2/6月 ⇒ 0.4/7月 ⇒ 0.9/8月 ⇒ 1.1/9月 ⇒ 0.6/10月 (その他の月は 0)

ちなみに、藤原敏行が詠んだであろう<近畿地方>の場合、8月、9月にピーク差はない。もちろん温暖化といわれる現代と平安時代の気象状況に差はあるだろうけれど。
0.3/6月 ⇒ 0.5/7月 ⇒ 1.0/8月 ⇒ 1.0/9月 ⇒ 0.5/10月

今晩の月は月齢7、上弦の月。夜空に浮かぶ姿を見れば、玄の張り加減が弛めに感じたが。

2019年8月7日水曜日

旧暦 七夕

今日は旧暦の7月7日。東京では、新暦の7月7日に「七夕」の風習があるが、地域によって月遅れのこの日に行うこともあるようだ。その理由について、マイナビニュースの記事「七夕祭りに月遅れが多い理由とは?」*(8/7)は、次のように紹介している。(抜粋)
(*)記事: https://news.mynavi.jp/article/20190807-ogiboy2/

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七夕は7月7日に織姫と彦星が一年に一度だけ天の川で会う日で、それをお祝いするイベントが七夕祭りです。七夕祭りも7月7日開催が当然かと思いきや、地域によって一ヶ月後に開催されることも多くあります。

これは旧暦と新暦(明治時代に導入された現在の暦)とが関係しているからです。織姫と彦星が合う七夕の話は7月7日で間違いないのですが、この7月7日は旧暦で、現在の暦では8月20日ごろになります。さらに、七夕は夏に行われるお祭りという「夏」のイメージがあったので、季節感と7日という日付を調整して8月7日に開催する地域もあるといわれています。

日本(東北)三大祭りに数えられる「仙台七夕」祭りも 8月7日をメインに開催しており、今年は6(火)・7(水)・8(木)になります。・・・
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(本ブログ関連:”七夕”)


(Youtubeに登録のハグクモーションに感謝)

2019年8月6日火曜日

ロードクロサイト

今日のテレビ東京の番組「なんでも鑑定団」を途中から視聴したところ、いきなり、赤い透明で四角面の立体をした結晶群が映った。それは美しい結晶で宝石にもなりそう。画面に「ロードクロサイト(rhodochrosite、菱マンガン鉱)」の名が表示された。

ところで、持ち込まれた物品は、ピンクの乳白色したものが粒(房)状に群集した鉱物で、いかにもマンガン系の鉱物にありがちな色合をしていた。
(なんでも、祖父の家にあったものを貰い受けたらしいのだが、周りに不人気で放置していたようだ。)*
(*) https://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/kaiun_db/otakara/20190806/02.html

事例紹介された赤色透明の結晶は、<半貴石として宝飾や収集> 対象になるだろうけど、番組で鑑定されたものはもう少し地味なものだった。

マンガン系の鉱物は、一般に酸化すると黒くなるので、保管がむつかしいといわれる。採集地のズリ跡などにある「バラ輝石(rhodonite)」は、周りに黒い粉がある石塊で、ハンマーで叩くと石英並みに固いものの、割れた断面はピンク色している。

鑑定品も菱マンガン鉱だったが、随分長く家の中に置かれていたそうだが色褪(黒色化)していない。酸化に強いのだろうか。
- 一般に、菱マンガン鉱の方が、バラ輝石よりも酸化しやすいというのに?

2019年8月5日月曜日

ロシア・スラヴの言語と文化入門 2019- 1

今日から始まった <TUFS(東京外国語大学)オープンアカデミー>の夏期間公開講座「ロシア・スラヴの言語と文化入門」(全3回)の初回は、中澤英彦 東京外国語大学名誉教授による「小さなグミの木(Тонкая рябина)ー グミは川を越えられるか」で、興味深く聴講させていただいた。

(本ブログ関連:”ロシア・スラヴの言語と文化入門”)

実は、夏期間公開講座に予定されていた別講座を申し込んだものの、事務局から成立できなくなったとの連絡があり、関心と近い関係のあるクラスに急遽振り替えていただいた。当然ながらキリル文字を苦労してたどっても、文法も単語も知らず出かけたのだから、我ながら相当な心臓だ。

今回のタイトルにある小さなグミの木をもとに、ロシアの独学の詩人「スーリコフ・イワン・ザハーロヴィチ(Суриков, Иван Захарович)」(1841年~1880年) の詩について解説された。付いていくのが精一杯だったが、話題は多岐にわたり、素人でも楽しく拝聴することができた。

「小さなグミの木」の詩は、日本でも1960年代の歌声運動で盛んに歌われたという*。しかしながら、もともとの詩は、スーリコフが23歳ころの1864年に詩作されたもの。この詩を元にした歌が、彼の死後の1920年ころから歌われだしたという。

(*)日本語歌詞: http://www.utagoekissa.com/gumi.html
        露語歌詞: Что шумишь, качаясь (どうして揺れながら立っているの)


(Youtubeに登録のaaasssdd100に感謝)

川をまたいで立つ2つの木、薄幸な乙女を指すナナカマド(≒グミ)の木と、たくましい若者を指すオーク(≒樫)の木はついに合間見えることはない。このことから、旧帝制ロシアの過酷な労働下の女子工員と男子工員の関係とか、あるいはWWⅡ後の戦争未亡人の想いとか、いろいろな解釈があると紹介された。

ところで、スーリコフがロシア革命前の農民を愛した「農民派」の詩人なら、一方、ロシア革命をまたいで激しく生きた「無頼派」の詩人セルゲイ・エセーニン(Есенин、1895年~1925年)についても気になる・・・。

(本ブログ関連:”エセーニン”)

2019年8月4日日曜日

タレント年表

先日のテレビ番組で、タレント年表が語られた。芸能界で活躍した若い女性ポップ歌手を指していた。その(年表の)一番にあげられたのが、沖縄復帰の前年にあたる1971年に「17才」でデビューした南沙織(みなみ さおり、1954年7月2日生まれ)だ。キラキラと輝いた目鼻立ちが印象的な少女だった。

むかしのタレント(歌手)はみなひとりで歌っていた。それも、演歌とは違う大衆歌謡を。一体いつ頃から、タレントという言葉が使われるようになったのだろう。若手演歌歌手を今ではタレント扱いするのだろうか。よく分からないのが現実だ。

ところで、南沙織が写真家の篠山紀信と結婚して生まれた息子の篠山輝信が、テレビで活躍しているのを見ると、よい意味で南沙織の姿が浮かんでくる。合わせて思い出すのが、渡辺徹と榊原郁恵の息子の渡辺裕太もそうだ。遠目でしかないけれど、二人の若者たちの頑張りを、それぞれ家族を通して見てしまう。

今もタレントがつぎつぎ登場しているが、おじさんには最早ついて行くことができない。深夜のテレビに、若いタレントだけで構成される番組があるが、誰が誰やら見当つかない。まるで、見知らぬタレントばかりなのだ。若者を熱気させるのは、若者だけでしかないということだろう。

2019年8月3日土曜日

鰻の蒲焼

先週の「土の丑の日」(7/27)に果たせなかった鰻の蒲焼を食しに近隣の街へ出かけた。昔から(江戸以来?)の夏バテ防止の習慣。これで猛暑の夏場を乗り越えられるだろう。

今日の東京都心の最高気温は、33.7℃(13:50)で、一昨日、昨日の「猛暑日」とはならず、「真夏日」に終わった。たしかに、家を出たとき、真綿でくるまれたような逃げ場のない暑さほどではなかった。この後、(明日の予報を別にして)これから先は真夏日が続くという。一段落か。

ところで、今日利用した鰻の蒲焼屋は、この時期でない限り寄りがたい店だが、昼には客であふれていた。「土曜の丑」の日近傍ならではのことか。庶民にとっては通過儀礼(儀式)のようなもの。そう思えば、確かに美味かった。

先日の台風6号は本土上陸して、岐阜あたりで熱帯低気圧になった。その後の7号は、今ごろベトナムにあるという。そして、台風8号が南の海に発生し、8/5過ぎには九州横断との予報がある。鰻のように、にょろにょろ動くことなく、北西に直進するという。スパコンの神託や如何に。

2019年8月2日金曜日

ヤブラン(藪蘭)

分かっていても暑い。昼過ぎ街に出れば、熱射でじりじり焼かれる気がする。家にいて、クーラーで涼んでいた方がよっぽどましだったのにと躊躇する。今日の東京都心の最高気温は、35.1℃(13:26)だった。ここ数日を見ると次の通り。

7/24 31.6℃
7/25 32.4℃
7/26 33.1℃
7/27 31.4℃
7/28 32.3℃
7/29 33.7℃
7/30 33.6℃
7/31 34.6℃
8/01 35.0℃
8/02 35.1℃

東京都心の最高気温は、「夏日」(最高気温が25℃以上の日)は別にして、7/24から「真夏日」(最高気温が30℃以上の日)が連続し、ついに昨日、今日は「猛暑日」(最高気温が35℃以上の日)となった。すこしも緩まる気配がない。

その足で、久し振りに「自然観察園」を訪れて、8月初の草花を観察した。こちらも人影はまばらで、セミの鳴き声だけが聞こえてくる。それにしても、いずれの公園もセミの鳴く場所が限定的なのが気になる。子どものころは、セミは処かまわずあちこちで鳴いていたものだ。

(本ブログ関連:”自然観察園”)


自然観察園の扉を開けて入れば、すぐに淡紫色の「ヤブラン(藪蘭)」の花(写真)を目にする。意外と場所をかまわず咲いているようだ。公園発行のリーフレット「初夏~夏の草花」に次のような解説がある。
「葉は長く、幅は約1cm、花の大きさは約0.6cm、8~10月にうすむらさき色の花がさきます。花は棒のような形に集まって、葉よりも上にのびます。日かげでもよく育ち、林の中で多く見られます」

このヤブランと同じキジカクシ科に属し、花弁も同じ淡紫色ながら、花の大きさが全然違う「コバギボウシ(小葉擬宝珠)」も咲いていた。落ち着いた姿形は、どちらかいえば野趣に富んでいる気がする。

このほか、中華の色感が濃い淡紅色の「シュウカイドウ秋海棠)」、野に置いてこそ可憐といえそうな白色で小粒の「ユウガギク(柚香菊)」など観察した。

2019年8月1日木曜日

日時計

予想はしたが、昼過ぎに外出するとうだるような暑さだった。まるで、湯船に浸かったような熱さ・暑さにくるまれたよう。さすがに街は人影がまばら。みな暑さを嫌って外出を控えたのだろうか。

その足で公園を訪ねてみると、やはり人っ子ひとりいない・・・は大袈裟にしても、太陽ががんがんに照りつける原っぱで日光浴している若者がちらりほらり。いつもの、幼児連れの家族の姿がとんとないのだから。こんな日に来ればたちまちに日射病(熱中症)になりかねない。

いつもなら、いろいろな遊具のある遊び場に子どもたちが集まってくるのだが。歓声もない静まり返った遊び場の近くに、白いコンクリート製の「日時計」が置かれている。もちろんここも静まり返っている。いわゆる「赤道式日時計」のようだ。

(本ブログ関連:”日時計”)

昨年のブログに、この日時計について記したことがある。5月の末頃のことだった。日時計は16時ごろを指していた。今回は、写真のように、白い矢印の先に右下に落ちる薄い影が見える。15時ちょうど指していることになる。実際、携帯電話で正確な時刻を確認すると、14:59だった。日時計が意外なほど正確なのに驚かされる。

2019年7月31日水曜日

かくて7月も終わる

7月が今日で終わる。半年をとっくに過ぎ、一年を通じて 12分の7というのも中途半端だが。

昨日(7/30)、「模写」をテーマにした美術展を見て、何かを表現したい気がしてきた。

模写とは、画材や技法を通じて、原画(現作者)に遡ることだろう。

其処までいかなくとも、原画の息遣いに少しでも触れればと思う。

2019年7月30日火曜日

美術展「模写 ー 西洋絵画の輝き」

野川に沿った国分寺崖線の「はけ(崖)」のもとに小さな美術館がある。ここは、今回もそうだが、地方の美術館と連携して、個性的な美術展を開催(巡回)することがあるようだ。以前、イギリス絵画展「風景への視線」を鑑賞したことがある。

(本ブログ関連:”野川”)

今回は「模写ー西洋絵画の輝き」というタイトルで、イタリアおよび北方ルネッサンスやロシアのイコン画を中心に、模写した作品が展示された。しかも、原画が作成された当時の画材・技法を踏襲することにある。

(本ブログ関連:”北方ルネッサンス”)

1階の展示室で目に飛び込んできたのは、ヤン・ファン・エイクの「アルノルフィーニ夫妻の肖像」の新婦図像部分だ。どこまで目を凝らしても精緻である。修復を踏まえた、原画の画材や技法にそった模写の技術の凄さを知る。まさに、模写とは原画を「材質」から忠実に再現することにあるようだ。
油絵具を開発したヤン・ファン・エイクの時代は、「テンペラ技法」から油絵の過渡期であった。今回の美術展は、テンペラの技法を中心に据えており、彼の他作品および同時代の画家たちのテンペラ技法による絵画の模写も展示されている。

こちらも油絵による模写だが、ピーター・ブリューゲル(父)の「鳥罠のある冬景色」も、目を皿にして細部(筆致)を眺めた。模写の取り組みが感じられてくる。そして絵画の見方が一層深まったような気がした。

(本ブログ関連:”ピーター・ブリューゲル”)

2019年7月29日月曜日

梅雨明け 2019

一昨日になって、中部地方に上陸した台風6号は熱帯低気圧に変わった。それでも、今日の東京に雨などの影響を心配したが、昼間はからりと夏晴れだった。日経新聞の記事*「関東梅雨明け、昨年より30日遅く 岩手など猛暑日に」(7/29 8:21、11:04更新)は、遅めの「梅雨明け」を次のように報じた。(抜粋)
(*)記事: https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47897040Z20C19A7MM0000/

(本ブログ関連:”梅雨明け”、”梅雨入り”)

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・気象庁は29日、関東甲信地方梅雨明けしたとみられると発表した。統計開始以降最も早かった昨年より30日遅く平年より8日遅かった

東京都心も33度**まで気温が上がった。湿った空気が入り込む影響で大気が不安定になり、日中は局地的に雷を伴った激しい雷雨となるところもありそうだ。
(**)東京都心の最高気温: 33.7℃(12:23)

・今年の梅雨は東日本や北日本の太平洋側を中心に日照時間が短く、記録的な「梅雨寒」となっていたが、気象庁は一転して東、西日本で8月2日ごろにかけて、北日本で30日から8月3日ごろにかけて気温が高くなると予想猛暑日の地点も出てくるとして、熱中症などの健康管理や農作物の管理に注意を呼びかけている。
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今年の梅雨は、長雨、梅雨寒といった雨模様にもてあそばれた感がある。それに加えて、テレビの気象解説で、スパコンを使った雨雲の予報アニメを見て、わたしら素人は情報以上の先読みをしてしまいがち。確度の高い場合を除いて、一般向け早々情報を提供するのはどうだろうか・・・まさに素人のわたしがそういうのだから。(素人は、専門家の小出しの知識を針小棒大に振りまわす傾向がある)

ところで、夜半になって雨が降りだした。上記の気象庁の解説通りになったようだ。打ち水効果とでもいうべきか、エアコンが急に効きだした。

2019年7月28日日曜日

台風6号 熱帯低気圧に

昨夜来の今朝方、夢うつつの中で雨音がしたような気がした。しかも今日は、台風6号*の影響があって雨降りが予想されていた・・・はずだったが。
(*)台風:「7月27日午後3時、台風6号は熱帯低気圧に変わった」(tenki.jp、7/27

それがどうだ、昼間、公園に出かけてみればカラカラに乾いて、陽射しは強い。東京の天気予報で報じられた台風がもたらすだろう雨の気配はまったくない。
(ここ3連日、東京の最高気温は28℃台だったが、今日は32.3℃[12:37]を記録した)

今日の公園の上空には、高層雲が渦巻いていた。高層雲が見られるとき、これから天気に変化をもたらす兆しともいうが。

台風は、熱帯低気圧にかわったという。現在、関西地域を覆っている熱帯低気圧の雨雲は、次第に東に移動して関東地域に影響を与えるだろうというけれど・・・素人判断では、明日は晴れに違いないと思いたい。