素人の横好きというか歳相応の冷や水というか、夏の終わりを好奇心で満たしてみたく、一般公開講座の第2弾に出かけた。今日から3日間、「ユダヤ教の現代がわかる - 宗教と言語の観点から -」を聴講する。
(本ブログ関連:”ユダヤ教の現代がわかる 2019”)
第1回目の今日は、早稲田大学産業経営研究所研究員の志田雅宏(まさひろ)氏による、「ユダヤ教文化の歴史性と多様性」について、ユダヤ教の理解(解釈)の仕方の歴史性や、ユダヤ教の宗派の多様性について紹介があった。
以前、他所の一般公開講座「ユダヤの歴史を学ぶ」*で、志田雅宏氏の回を聴講したことがある。
(本ブログ関連:”志田雅宏氏の「ユダヤの歴史を学ぶ」”)
ユダヤ教
・ユダヤ聖書の理解に2つのトーラー(律法)がある。
- 成文トーラー: モーセが文書(文字化)したとされるものに従う
- 口伝トーラー: モーセの口伝したとされるものに従う、ラビによる解釈の集大成にタルムードがある
・神の信仰の仕方に、人間の自由意志が認められる面がある
ユダヤ教の宗派
・ユダヤ教の伝統をどのように守るかによっていろいろな宗派が存在
- 超正統派: 東欧のアシュケナームの伝統を持つ
イスラエル(メアシュリーム)と米(NY ブルックリン)に居住
- 正統派: 西欧(ドイツ)起源で、イスラエルで最大勢力
- 保守派: 米最大の宗派、女性ラビが存在し礼拝時に男女同席もする
- 改革派: さらに現代的価値観に合わせ、米西海岸に多い
- 他にパレスチナで入植活動する宗教シオニズムがある
(付記)
昨日(8/26)のブログで、ロシアの詩人「エセーニン」について触れたつながりで次に記す。「エセーニン詩集」の訳者内村剛介氏が著した書籍がAmazonから、今日の講座に出かける直前にタイミングよく届いた。さっそく電車の中で読んだところ、気になった部分があった。
(本ブログ関連:”エセーニン”、”内村剛介”)
書名は「ロシア無頼」(内村剛介著。高木書房)、1980年に発行されたもので、ソ連崩壊の10年ほど前のこと。ここでいう「ロシア」はその意味で、ソ連時代の根の深いところにある原初的意味合いである。なお、内村氏は戦後にシベリア抑留を経験している。
書名にある「無頼」の徒について、旧いロシアに誕生した(農奴や奴隷から導き出された)彼ら「ブラトノイ」の語源を紹介している。
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「ブラトノイ」=またの名を「ヴォール」ともいう。この語は「ブラートの人」「結び合った人」「血盟の人」を意味する。
「ブラート」=コネ。有用な結びつき。おそらくイディシ(ユダヤ人のことば)が起こりである。十九世紀からオデッサで用いられはじめたが、その後「一般」のロシア語にも用いられるようになる。オデッサは古来ロシア犯罪人たちの故郷、犯罪人たちの首都でこの状態は二十世紀三〇年代の終わりまでつづいた。この犯罪者たちの頭目に伝統的英雄が多々あり、それはしばしばユダヤ人であった。イディシの「ブラート」が採りあげられるようになるのは自然の成りゆきであろう。
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