昨日(2/4)のブログに、童謡「春よ来い」を取り上げた。そういえば、似た曲名の「春よ、来い」(作詞作曲 松任谷由実)がある。歌詞に、前者は幼児語を採用しているのに対して、後者は文語・口語が混合している。ともに、おもしろい試みだ。
松任谷由実の「春よ、来い」は、男性との再会、待ち続ける歌だ。文語・口語混合の使い分けとして、文語は座りのよい遠く経過した事々を表現し、口語は自分の心情を示しているように見える。
「君に預けし 我が心は / 今でも返事を待っています」
わたしたちは、四季のサイクルの中にいて、時間が繰り返される幸運に生きている。春が再び来ることを知っている。
同じく春に、再会を期待して待つ、江戸の「端唄」がある。「江戸端唄集」(倉田喜弘編、岩波文庫)より。
端唄「玉川」
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玉川の 玉川=玉川上水
水にさらせし 雪の肌 さらせし = 晒せし
積る口説の その内に 口説 = くぜつ、男女のつまらぬ諍(いさか)いか?
とけし島だの もつれがみ(髪) とけし島だ = 島田髷(しまだまげ)の髪形がほつれ
おもひださずに わすれずに おもひださずに= 忘れぬから⇒思い出すことはない
またくる春を 待(まつ)ぞへ また来る春を = また春が来るように出会う
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■ Youtube(登録:朝川玲伎)
「端唄 『玉川』 朝川玲伎」
https://www.youtube.com/watch?v=S6Qw1unbJgY
端唄「玉川」の解釈をGoogleの生成AI「Gemini」にたずねた結果を次に記す。(実はChatGPTにも問うてみたが、少々俯瞰的だった)
■ Googleの生成AI「Gemini」
Q.端唄「玉川」の歌詞について、解釈内容を教えてください。「玉川の水に晒せし 雪の肌 積もる口説のその内に とけし島田のもつれ髪 思い出さずに忘れずに また来る春を 待つぞえ」
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A.端唄「玉川」の歌詞の解釈内容ですね、承知いたしました。
この歌詞は、女性の切ない恋心を、玉川という川の流れになぞらえて表現しています。
歌詞の解釈
・「玉川の水に晒せし 雪の肌」: 玉川の清らかな水に晒した白い肌、つまり、恋する女性の美しい姿を表現しています。
・「積もる口説のその内に とけし島田のもつれ髪」: 積もるほどの恋の言葉を交わすうちに、島田髷(女性の髪型)が乱れるほど、二人の関係が深まったことを示しています。
・「思い出さずに忘れずに また来る春を 待つぞえ」: 恋しい人を忘れずに、思い出を胸に抱きながら、また会える春を待ちたいという、切ない心情を表しています。
ポイント
・「玉川」: 美しい川の代名詞として、清らかで美しい女性の姿を象徴しています。
・「雪の肌」: 女性の白い肌を、雪にたとえて美しく表現しています。
・「島田髷」: 女性の髪型の一つで、恋の乱れを表すシンボル*として使われています。
・「また来る春」: 恋しい人とまた会える時を待ち望む気持ちを表しています。
(*)シンボル: なぜか「символом」(ウクライナ語)と表記していた・・・不思議?
全体的な解釈
この歌詞は、美しい女性が、恋しい人との思い出を胸に、再会を待ち望む切ない心情を歌っています。玉川という清らかな川の流れに、女性の美しさや恋心を重ね合わせ、繊細な表現で恋の情景を描いています。
端唄「玉川」は、日本舞踊でもよく踊られる曲で、歌詞に込められた感情が、踊り手の表現を通してより深く伝わります。ぜひ、日本舞踊の видео もご覧になってみてください。
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