春の七草、七草粥
1月7日(人日の節句*)のきょう、「春の七草」を粥に入れて食べる風習がある。例年、伝統を思いながらもずるずると「七草粥」を食せず、いつのまにか終わっている。
昨夜来の雨のため、スーパーの野菜売り場に出向いて、春の七草のパックがあるか確かめるのも億劫な気がする。(天気予報では午前中に晴れるというので、行かぬでもないけれど)
(*) 節句(五節句)
漢名 日付け 和名 風習
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人日(じんじつ) (1/7) 七草の節句 七草粥
上巳(じょうし) (3/3) 桃の節句・雛祭 雛飾り
端午(たんご) (5/5) 菖蒲の節句 こいのぼり
七夕(たなばた) (7/7) 七夕(たなばた) 笹飾り
重陽(ちょうよう) (9/9) 菊の節句」 菊の花
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(本ブログ関連:”春の七草”)
■ ウェザーニュース
「1月7日に七草粥を食べるのはなぜ? 歴史と由来、効能は」(2025/01/07)より抜粋
ー 歳時記×食文化研究所代表の 北野智子さんの話をもとに掲載
https://weathernews.jp/s/topics/202501/060085/
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七草粥の始まりは平安時代?
・中国の『荊楚(けいそ)歳時記』に、『正月七日を人日と為す。七種の菜をもって羹(あつもの=汁もの)をつくる』とあり、七種類の菜の吸い物を食して無病を祈る風習があったそうです。
・(日本の)七草粥の始まりとしては、平安前期に宇多天皇が、初めて七種の若菜を入れた粥を神に供えて、無病息災を祈念したのが始まりとされているようです。
・江戸時代には、正月七日に将軍が七草粥を食べる祝儀が定着し、庶民にも浸透していったといいます」(北野さん)
七草粥の効能
・「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな(かぶ)、すずしろ(だいこん)」の春の七草を入れて作る七草粥は、・・・お正月のご馳走疲れや食べ過ぎの胃に優しいもの・・・、これは後世のこじつけで・・・。
・もともと七草は新しい年を迎えるにあたって、自然の芽吹きをいただき、活力を得ようという信仰に始まったとされています。・・・ 七草それぞれに効能があるとされてきたからです。
・ちょうど旧暦の七十二候で、1月5日から9日頃(初候)は、『芹乃栄(せり すなわち さかう)』の時節。冷たい沢の水辺で、芹が群れ生えてくる頃を迎えます。みずみずしい芹の姿や香りに生気が感じられ、その生命力をいただきたいと思ったのでしょう」(北野さん)
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cf. 秋の七草
七草に「秋の七草」もあるけれど、その草々を並べた言い回しに面白みがちょっと足りない気がする。春の七草から新春の精気を養うのに対して、秋の七草はもっぱら鑑賞に供される。不満は、その辺の距離感(食べられないということ)から来るのかもしれない。
ー おみなえし、すすき(おばな)、ききょう、なでしこ、ふじばかま、くず、はぎ
ちなみに「秋の七草」は、山上憶良が詠んだ歌が由来とされているようだ。(Wikipedia)
「秋の野に 咲きたる花を 指折り(およびをり) かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」(万葉集・巻八 1537)