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2018年9月30日日曜日

今年も3/4が過ぎる

月の始めは月曜日がよい。今日は9月の終わりで日曜日(9/30)、そして明日から10月が始まり、その初日が月曜日(10/1)となる。いい按配である。

1年の経過を、このブログで、一個のリンゴの食い具合に例えている。とすれば、今日までに3/4食ってしまったことになる。あっという間のことだ。そして残り1/4しかないのにあわてる。リンゴを大方食ってしまい我に返る。若けりゃ先を見るのだが、おじさんには足元しか見ないのだ。

(本ブログ関連:”リンゴ”)

この後、10月にちゃらちゃらした若者が目立つ「ハロウィン」、11月に(縁はないが)ちゃらちゃらした大人の「ボジョレー・ヌーヴォー解禁」、12月に唯一まともな行事になった「クリスマス」(昔は三角帽子の酔っ払いが騒いでいた)と賑やかなことが続く。

でも、現実はせわしい。テレビの番組表を見て驚いた。四国南端から和歌山方面に進入した「台風24号」の日本縦断警戒のため、NHKは今晩の番組を改めて、「ニュース『台風24号』関連」に全て切り替えている。公共放送本来の役割を果たしている。

2018年9月29日土曜日

イ・ソンヒの詩 「片思い」

雨降りに出かけるのも気が重く、しょうもなく過ごしてしまった。10月から秋期コースが始まるというのに、雨をいいわけに予習をサボっている。

テレビで、洞窟好きのNHKらしい「秋芳洞」の鍾乳洞新発見についての話題(再放送か?)や、NHKスペシャルで伊豆諸島の先に浮かぶ「孀婦(そうふ)岩」の岩石(組成)や海底の深海魚調査のドキュメントに見入っていた。NHKの受信料は、科学系番組、および災害情報のためと思っている。

そんなわけですることなく、以前の今日のブログを見ると、イ・ソンヒの詩 「片思い」の朗読があった。なんとも可愛らしい声をした、イ・ソンヒの自作詩朗唱集「去る者だけが愛を夢見ることができる(떠나는 자만이 사랑을 꿈꿀 수 있다)」(1990年)に所収の「片思い(짝사랑)」を、カセットテープの映像を身ながら聞くことができる。(もちろんLP版の音源もある・・・持ってますよ)

(本ブログ関連:”「去る者だけが愛を夢見ることができる」”)

まるで、思えど届かぬ、たどり着かぬ外国語習得のようなものなのであります。


私に あなたがどんな意味なのか
あなたは お分かりにならないでしょう

けれど あなたが分からないといって
悲しがったり しないつもりです

ただ あなたが居るところに 私の
暖かい 祈りが届くように願うだけです

ひとりおぼつかないときは
もっと多くの勇気を振るうつもりです
もっと多くの愛で 立っているつもりです

初めてかなわぬ困難が
私の心にいっぱいだけれど

その心は全てあなたに向かっています

ひとり 愛が折れそうにさまよいます


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2018年9月28日金曜日

宇宙ステーション補給機「こうのとり」、ISSと結合

宇宙ステーション補給機「こうのとり」(HTV7)が、国際宇宙ステーション(ISS)と無事結合したと、時事通信の記事「こうのとり、ISSにドッキング=11月に小型カプセル回収-JAXA」(9/28)は次のように報じた。

(本ブログ関連:”こうのとり”)

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日本の無人補給機「こうのとり」7号機が28日午前3時すぎ、国際宇宙ステーション(ISS)へのドッキングを完了した。同4時40分ごろにはISSとの間のハッチが開かれ、滞在中の宇宙飛行士が中に入った。
・今後、運んできた日本製大型リチウムイオン電池(電力システムのアップグレード)のISSへの取り付けや、貨物の運び込みなどを行い、11月上旬ごろISSから分離する。大気圏再突入の際、実験試料を収めた小型回収カプセル*が「こうのとり」から切り離され、南鳥島近海に着水。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が船で回収する
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(*) 「カプセル」のサイズ: 時事通信(9/23)によれば、「小型回収カプセルは直径約84センチ、高さ66センチの円すいに似た形状。内部にタイガー魔法瓶が開発した真空二重容器(容積30リットル)」とのこと。

宇宙ステーション補給機「こうのとり」は、ISS乗組員のために5トン以上の物資を補給するわけで、その規模から、いろいろ夢想してしまう。「こうのとり」に秘かに乗って、ISSへ密航できないかと空想した子どもも多いことだろう。


(Youtubeに登録のFNN.jpプライムオンラインに感謝)

2018年9月27日木曜日

Beer Cellar Tokyo

狛江市にある「クラフトビール」と「サイダー(シードル)」の店「Beer Cellar Tokyo」にイディッシュ語学習仲間が集った。全員集合前に、教科書内容について熱心な受講者の質問タイムがあり、同席聴講させていただいた。この夏の不勉強を感じて喉が乾いた。

おかげで、皆と乾杯するときには、ビールの味はひとしお。喉にしみた。

いわゆる、缶ビールで知った、大手各社に共通の風味と違って、香りも味もあっさりして飲みやすい。1つ2つと銘柄を変えたものの、そのうちアルコール度数が恋しくなり、濃い物を頼んだ・・・。最後は、サイダー(シードル)でしめたけれど。

(本ブログ関連:”ビール”)

店まで、都下を東西に平行して走る3本電車路線を、南北に通り抜けて行くのに少々手間取った。最適な道順を知らないからだ。ジョルダンの「乗換案内」ツールを参考にしたものの、日頃遠出していないため足元がふらつき、冷えた日にもかかわらず汗が止まない。そんなこともあって、ビールがとても美味かった。

今回のビール会は、もう一つ大きな理由がある。クラスメイトであるミュージシャンが、この夏にポーランドで開催されたクレツマー音楽祭に日本(アジア)を代表して参加された。野外ステージやコンサート会場で、イディッシュ語で歌ったことから、現地のイディッシュのひとびとが大きな感動を覚えたようだ。そのときの様子を、プロジェクターで投影して紹介された。

先生のご家族、これから秋期コースに参加される方、夏期コースに参加された方々が集った。アルコールの力も手伝って和気藹々。勢い、イディッシュ語への取り組みを再確認した次第。秋期コースが楽しみだ。

2018年9月26日水曜日

久米仙人

仙人は山奥に棲み神通力を示すもの。空を飛ぶなんてたやすい。久米仙人もそうだった。ところが、飛翔の途中、眼下の川辺で洗濯する女性の足を見てしまい、空から落っこちてしまう・・・余りにも知られた話だ。久米仙人の中に、生身の人間が登場する滑稽さは可笑しく楽しい。男ならみな同感する。

(本ブログ関連:”久米仙人”、”仙人”)

奈良の橿原神宮(かしはらじんぐう)の南東に久米寺があり、久米仙人の伝説と縁があるという。神仙と仏教が合体したのだろうか。そのあたりに事情を知りたいものだ。橿原市の久米寺の紹介に、「聖徳太子の弟だった来目皇子(くめのおうじ)の創建」とある。久米=来目につながるような話題が紹介されている。また、久米仙人が神通力を発揮したのは、東大寺大仏殿の建立の際だったと記されている。仏教が国家宗教の時代の物語で、次に引用する児童書と違う場所なのが興味深い。

児童向け読み物「日本国民伝説」(高木敏雄, 小笠原省三著、敬文館、大正6年(1917年))に、「久米仙人(くめのせんにん)」の話が紹介されている。(抜粋)
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昔、大和の国に久米仙人と呼ばれてゐた男があった。仙術を得て自由に空を翔けまわってゐたが、ある時吉野川の上の空を飛んでゐると、その河に一人の少女(をとめ)が衣服(きもの)の裾を高くかかげて洗濯をしてゐた。久米仙人はこの少女の白い脛(すね)を空の上から見て、忽ち子心が迷ひ其処に落ちてしまった。そして少女と夫婦となって其の村に住んでゐたので、後そこを久米邑(むら)と呼ぶやうになった。

(結果、久米仙人は神通力を失いこの国のひととなった)
(天皇が宮殿(みや)を作るとき、其処に住む民を召した)

ある時官人(やくにん)は久米仙人に戯れて、
「おまへはもと人だったそうだが、今でも此の木を祈って飛ばすことが出来るか」
と云った。久米は聞いて
「出来るか如何(どう)か試して見ませう」

(家に籠(こ)もって一心不乱に祈って南の山にあった木を宮殿を作る所へ飛ばした)

これから後里人は、畏(おそ)れ敬(うやま)ふやうになったと云ふ。
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2018年9月25日火曜日

秋の歌

青空文庫」に、この時期に合ったタイトルで、寺田寅彦(1878年~1935年)のスケッチのような小文「秋の歌」が載っている。彼の説き明かす談義は、明治・大正の物理学者らしい視点で世の中に風を吹き込んだ、そんな人だけに、この文章には面食らった。書き出しにあるように、まさに「独り静かにこの曲の呼び出す幻想の世界にわけ入る」のだが、一体どうしたというのでしょう。

寺田寅彦が夢見た世界へ誘うのは、E.ジンバリストがヴァイオリン演奏した、チャイコフスキーのピアノ曲集「四季」から「秋の歌」という小曲のレコードだそうだ。10月にあたる歌という、これから迎える月に何ともセンチメンタルな・・・、でもちょっとそんな気分になるような。(Youtubeに本来のピアノ演奏もあって、枯葉が、そ~っと舞い散るように聞くこともできる)


(Youtubeに登録のuchukyoku1に感謝)

2018年9月24日月曜日

十五夜 2018

旧暦8月15日の今日、残念ながら夜になって小雨が降りあいにくの空模様。「十五夜」の「中秋の名月」はお預けになったが、「満月」となる明晩に「月見」できることを期待したい。(「国立天文台」のホームページの「中秋の名月(2018年9月)」に「中秋の名月と満月の日付がずれること」について解説リンクがある)

(本ブログ関連:”十五夜”)

連休が続いてすっかり忘れていた。近くの公園で、「お月見のつどい」が一昨日、昨日と催されていたのだ。いつもは、祭りに並んだ屋台(地元のボランティア団体が多い)から「月見団子」を購入していた・・・。

実は今日、町の菓子屋で(彼岸明けに至ってないから問題ないが)、目の前に置かれた「おはぎ」を買ってしまった。その横に、小さな山型に積まれた「月見団子」が売られていた。「十五夜」だから十五個だそうだ。明日は必ず、「月見団子」を食べながら月見しようかと思う。(ちなみに「月見団子」は、餡をくるんでいるわけではない、団子の素の味のままだ)

十五夜だからと軽い気持ちで、童謡「十五夜お月さん」(作詞:野口雨情、作曲:本居長世、大正9年(1920年))を何気なく聴いた。なんだかねえ、こんなにも悲しい気分にさせる歌だったとは・・・。もし、この歌の時代の人が現代を見てどう思うか聞いてみたい。何が変わって、何が変わらないのかと。


(Youtubeに登録のキッズボンボン TVに感謝)

2018年9月23日日曜日

秋分の日 2018

スーパーの食料品売り場に、パック入りのおはぎ、串団子などがずらりと並び積まれていた。今日は祝日、昼と夜の長さが(ほぼ)同じになる「秋分の日」だ。彼岸の中日であり、この時期おはぎが供物となり食べられる。祝日にふさわしく、朝から晴れて温暖、過ごしやすい一日だった。

(本ブログ関連:”秋分の日”)

ところで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、宇宙ステーション補給機(H-II Transfer Vehicle: HTV)「こうのとり」について、今日の日付に変わった「2時52分27秒、種子島宇宙センターから宇宙ステーション補給機『こうのとり』7号機を搭載したH-IIBロケット7号機を打ち上げました。ロケットは正常に飛行し、打ち上げから約14分59秒後(高度約290km)に『こうのとり』7号機を正常に分離した事を確認しました。」と発表された。

(本ブログ関連:”こうのとり”)

・朝日新聞の記事「H2Bロケット打ち上げ成功 兄弟機とあわせ40回連続」(9/23)は、「H2Bは、全長56.6メートル、重さ531トンで、国産最大のロケット。2009年の1号機以降、今回を含めて7回全ての打ち上げに成功している。兄弟機のH2Aと合わせると、2005年から40回連続の成功となる。」と報じている。(抜粋)

・毎日新聞の記事「JAXA 『こうのとり』打ち上げ成功 ISS(国際宇宙ステーション)に物資輸送」(9/23)は、「こうのとりはISSに滞在する宇宙飛行士の生活物資や実験装置を運ぶ。約6トンの輸送量は現役では世界最大今回は初めて実験試料を地球に持ち帰るための小型カプセル真空断熱容器(容量約30リットル))を搭載しており、ISSに物資を届けた後、カプセルに試料を入れて大気圏に突入させる実験を予定している。」と報じている。(抜粋)

(凄い映像、H2Bロケット第一段に付いた固体ロケットブースター (SRB-A) の分離も見えるよ!)

(Youtubeに登録のTane Solaたねそらに感謝)

付記
テレビ番組「情熱大陸」に、ボランティアの尾畠春夫さんが紹介された。尾畠さんの生き方、言葉に感銘し、けじめのつけ方に庶民として共感する。

2018年9月22日土曜日

「MINERVA-Ⅱ」1Aと1B、小惑星「リュウグウ」着陸

小惑星探査機「はやぶさ2」が、小惑星の「リュウグウ」にタッチダウンする前に、2つの探査機ローバー「MINERVA-Ⅱ」の1Aと1Bを投下し、「リュウグウ」に無事着陸させたと、日経新聞の記事「はやぶさ2の探査ロボ、小惑星『りゅうぐう』に着陸」(9/22)は、次のように報じている。(抜粋)

(本ブログ関連:”MINERVA-Ⅱ”)

宇宙航空研究開発機構(JAXA)発表の写真から、「リュウグウ」表面を移動中(ホップ中)の「MINERVA-Ⅱ」のダイナミックな動きを感じとることができる。

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・宇宙航空研究開発機構(JAXA)は22日、探査機「はやぶさ2」の投下した探査ロボット(「MINERVA-Ⅱ」の1Aと1B)2台が小惑星「りゅうぐう」に着陸したと発表した。・・・

地球から3億キロメートル離れた直径900メートルの小惑星に、直径18センチメートル、高さ7センチメートルの小型ロボット2台が降り立った。

・津田雄一PMは「小惑星の表面を移動しての探査は世界で初めてでうれしい・・・」とのコメントを発表した。

小惑星は赤道での重力が地球の8万分の1程度と小さい。車輪で走ると空回りするため、探査ロボットはバッタのように跳びはねて進む。内蔵のモーターで勢いをつけ、15メートル先まで跳ぶ。滞空時間は最長15分に達する。

「はやぶさ2」は10月下旬から3度の着陸で、生命の起源を解明する手がかりとなる有機物などを含む岩石を採取する。19年末に「りゅうぐう」を離れ、20年末に地球へ持ち帰る予定だ。
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イ・ソンヒの「愛しただけなのに」

イ・ソンヒは、シンガーソングライターとして以前から発表の機会うかがっていたが、アルバム10集(1996年)のときに実現することができた(・・・時代がようやく変わった)。その中に、彼女が作詞・作曲した「愛しただけなのに(사랑했을 뿐인데)」がある。

しっとりとした余情を残しながらも、イ・ソンヒらしい声の強さと曲調から、過去を引くでもない離すでもない芯の強さが見え隠れしてきて、やっぱり彼女らしさを感じる。

(本ブログ関連:”愛しただけなのに”)


手にできぬ、あなただから
この夜もっと、さびしい Uu... Uu...

お互いが、なぜ遠ざかるの
お互いは、こんなものだったの

その明かりのもとで、私にくれながら
私のすべて、みな持ってしまって UuuUu...

笑いもなく、終わりにしようって
私の弱い心に、メスを入れるのね

愛しただけなのに

一日も欠かさず、会いたいと
あなた一人だけ、信じて待って欲しいと

その明かりのもとで、私にくれながら
私のすべて、みな持ってしまって UuuUu...

笑いもなく、終わりにしようって
私の弱い心に、メスを入れるのね

愛しただけなのに


(Youtubeに登録のhirekatu3に感謝)

2018年9月21日金曜日

(雑談)元気な中高年登山でも

高齢者が、勘違い・不注意で起す自動車事故が社会問題になっていて、運転免許証更新時に認知症検査の必要性がいわれる。指摘されてはじめて免許証を返納するよりは、早めに自覚して、手放したらと思うのだが。自動車が生活手段になっている人には難しいのかもしれない。

かくいう私は、随分前に運転免許証を返納した。代わりに「運転経歴証明証」が発行され、公的な身分証になる。長年ペーパードライバーだったので何の不自由もない。(私の場合、Youtubeで海外の自動車事故映像を何度も見ているうち決断した)

ところで、先日の「敬老の日」(9/17)のブログに、「朝方の駅に、トレッキング姿の山爺・山婆たちがたむろするのが日常」と記した。そんな元気な中高年登山者が多い分、山岳事故・遭難が気掛かりになる。歳相応に体力・判断力が鈍ってきたのを認められず、無理をしてないか心配する。

高い山登りの経験は全くないが、山岳事故の場所といえば、子どものころから耳にした「谷川岳」が浮かぶ。この山の底を、小説「雪国」の「国境の長いトンネルを抜けると雪国であつた」と語られる「清水トンネル」が通っていて、その頭上で山岳事故というのも不思議な気がする。
谷川岳の「一ノ倉沢」(通称「衝立岩(ついたていわ)」)の遭難を何度も聞いてきた。ショッキングな事件も記憶に残っている。他の山地と比べて、遭難者の数がずば抜けて多いという。

今はどうなのだろうか。昔の「山登り」には、ロマンを気取った風があった。だから、山岳事故に、どことなくそんな気配を感じた。自称クライマーたちは自身を「山男」と呼び、「娘さんよく聞けよ 山男にゃ惚れるなよ 山で吹かれりゃよ 若後家さんだよ」(「山男の歌」)と歌っていた。

年寄りが、今も「山男の歌」の気分のままだとしたら、無理しない方がよいのだが。

(資料)
・「年齢層別山岳遭難者の割合(過去10年)」グラフ(「初めてのハイキング」)
・「中高年の登山者とメディカルチェック」(大森薫雄)

2018年9月20日木曜日

彼岸の入り 2018秋

暦の「雑節」に、昼と夜の長さが(ほぼ)同じになる「春分」(今年3/21)と「秋分」(今年9/23)があって、それぞれを中心(「中日」)にして、前・後に3日間の幅を設けて「彼岸」と呼ぶ。例えば、今月9/23の「秋分の日」の3日前に当る今日(9/20)を「彼岸の入り」、「秋分の日」の3日後の9/26を「彼岸明け」という。

(本ブログ関連:”彼岸”)

彼岸の行事は、本来仏教に由来するといわれるが、Wikipediaによれば「祖先供養の行事へと趣旨が変わって定着した・・・日本独自のものでインドや中国の仏教にはない」という。ついでにいえば、祖先供養という考え方はキリスト教にもイスラム教にないといわれる。祖先供養が在るか無いかについて、農業など土着文化との関わりについて知りたい。

ところで、先日ブログに記した「ヒガンバナ(彼岸花、曼珠沙華)」の花が、なぜ仏教的な名前を付けられたのか知りたい。蓮の花ならば極楽浄土のイメージにつながるが、ヒガンバナを描いた仏画があるのだろうか。

さらに、Wikipediaによれば、ヒガンバナは中国起源で、稲作と同時に持ち込まれたとか、日本国内に咲くヒガンバナの遺伝子はずべて同一とか面白い話題がある。ヒガンバナの歴史ルートをたどると、何かが見えてくるかもしれない。

2018年9月19日水曜日

回礼者から年賀郵便へ

先日、若者向け文具店を覗いたら、来年の手帳がずらりと並んでいた。気の早いもので、少し秋の風を受けて、これから先を考える気分になったのに合わせて売り出したのだろう。若者は、もう来年のスケジュールが気になっているのだろうか。

そんなことに感心しながら、別フロアにある「100円ショップ」を巡ると、店頭に来年のカレンダーが置かれていて、数がはけているように見えた。こちらは安価なので面白半分に買っているのかもしれない。

来年といえば、気が早いが、正月の年始回りの風習が思い浮かぶ。そんな、回者として伺う当り前だった行為が、やがて年賀状の郵送に変わった。岡本綺堂の掌文「年賀郵便」(青空文庫)にそのいきさつが記されているので抜書きする。
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江戸時代のことは、故老の話に聴くだけであるが、自分の眼で視(み)た明治の東京――その新年の賑(にぎわ)いを今から振返ってみると、文字通りに隔世の感がある。三ヶ日は勿論であるが、七草を過ぎ、十日を過ぎる頃までの東京は、回礼者の往来で実に賑やかなものであった。
 明治の中頃までは、年賀郵便を発送するものはなかった。恭賀新年の郵便を送る先は、主に地方の親戚知人で、府下でもよほど辺鄙な不便な所に住んでいない限りは、郵便で回礼の義理を済ませるということはなかったまして市内に住んでいる人々に対して、郵便で年頭の礼を述べるなどは、あるまじき事になっていたのであるから、総ての回礼者は下町から山の手、あるいは郡部にかけて、知人の戸別訪問をしなければならない。

 日清戦争は明治二十七、八年であるが、二十八年の正月は戦時という遠慮から、回礼を年賀ハガキに換える者があった。それらが例になって、年賀ハガキがだんだんに行われて来た。明治三十三年十月から私製絵ハガキが許されて、年賀ハガキに種々の意匠を加えることが出来るようになったのも、年賀郵便の流行を助けることになって、年賀を郵便に換えるのを怪まなくなった。それがまた、明治三十七、八年の日露戦争以来いよいよ激増して、松の内の各郵便局は年賀郵便の整理に忙殺され、他の郵便事務は殆ど抛擲(ほうてき)されてしまうような始末を招来したので、その混雑を防ぐために、明治三十九年の年末から年賀郵便特別扱いということを始めたのである。
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年賀状は郵便制度のおかげでできたもの。それ以前は、回者となって新年の挨拶するのが当り前で、直接顔を合わさぬなど「あるまじき事」だった。わたしの子供時代は、社宅だったせいもあって、正月に父の部下が次々年始周りに来ては、酒を飲んで酔いつぶれた。数日後、父は母から小言をいわれていた。

ところで、戦後、年賀状の枚数を誇った景気のいい時代も過ぎ、新年を家庭で祝うものになってきたころから、年賀状の手書きが億劫になったようだ。次の世代から、手作り印刷の時代に変わった。「プリントゴッコ」(80~90年代)が登場したのだ。年賀状の挨拶部分(イラストや住所)の印刷でだいぶお世話になったが、宛先を書く手間だけは残った。

そこへ新たな機器が加わった。ワープロ専用機やパソコン(マイコン、PC)のおかげで、年賀状の挨拶部分だけでなく、宛先まで印刷してくれる手間の解消(省力化)が実現したのだ。それもつかのま、インターネットが急速に普及して、今度は電子メール(パソコン通信)で挨拶を済ませる、紙に痕跡すら残らぬ時代になってしまった。時代とともに挨拶の仕方まで変わる。

そういえば、こんな話をどこかで聞いたことがある(史実は未確認だが)。ドイツのプロテスタント運動の一翼を担ったのが印刷版の聖書だったが、(多分少し時代を経過してのことだろうが)「街には一軒の印刷屋があった」という・・・まるで鍛冶屋のように。

2018年9月18日火曜日

セプテンバー・イン・ザ・レイン

9月の今夜、雨が降るからフランク・シナトラによる「September in the Rain」(1937年)でも聴いてみよう。9月の雨に流れてしまった恋を、思い出かたりしているのだろうけれど、女性歌手が歌えば少々重くなるものを、シナトラがすれば軽快である。遊び慣れたやさ男、軽く受け流しているように(本心は別にして)見せかけているではないか。

(本ブログ関連:”フランク・シナトラ”)


(Youtubeに登録のAndrei Ionicaに感謝)

2018年9月17日月曜日

敬老の日 2018

(今月第三月曜日の)今日は祝日「敬老の日」だ。先週末(9/15)は、「老人の日(老人週間)」だったばかり。われながら適齢期?なのに、いい出すほどでもないと、ともにブログに記してこなかったが、カレンダーはカレンダー、素直に受け入れることにしよう。

(本ブログ関連:”敬老の日”)

今は、古いものが支配して幅をきかす時代ではない。むしろ、新しいものにこそ価値があるといった風潮だ。日本の老人は、長寿(健康)と社会保障(生活)のおかげで案外住みやすい。公的年金受給を70歳超からにしたらという話が出るほど。(日経新聞、1/16

ところで、日経新聞の記事「70歳以上、初の2割超え 働く高齢者も最多」(9/16)によれば、超高齢化社会に突入して、70歳以上が総人口の2割を超えたそうだ。朝方の駅に、トレッキング姿の山爺・山婆たちがたむろするのが日常。第2の人生の生き方探しをしているようだ。
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・「敬老の日」を前に総務省が16日に発表した推計人口(15日時点)によると、70歳以上の人口は前年比100万人増の2618万人だった総人口に占める割合は20.7%で、初めて2割を超えた65歳以上の高齢者も44万人増の3557万人で、全体の28.1%と過去最多だった。超高齢化社会への早急な対応が迫られる現状が改めて鮮明となった。
・70歳以上の人口の増加は、1947~49年生まれの「団塊の世代」が2017年から70歳を迎え始めたことが背景にある。65歳以上の人口を男女別にみると、女性は24万人多い2012万人で、初めて2千万人を超えた。男性は20万人増の1545万人だった。
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公園の遊歩道の脇に、真っ赤な「曼珠沙華(彼岸花、ヒガンバナ)」の花が咲き連なっているのを見た。昨年まで、見かけなかっただけに、赤い帯が目に焼きつく

(本ブログ関連:”曼珠沙華”)

公園に付属する小公園があって、その奥の木立の下に、白い曼珠沙華が咲いているのが目に入った。赤色と比べて、白色の姿から、この花の因縁をますます知る気がした。(半袖姿だったため、このとき思いっきり薮蚊に両手を食われた)

2018年9月16日日曜日

BANANA LATTE 3

バナナを忘れがたく、これまでバナナ味するものを見つけてはブログに記してきた。菓子(含アイス)もあれば、飲料も、微かにバナナ風味すれば何でも口にしてきた。久し振りに、コンビニの棚でバナナ味の乳飲料を見つけた。

(本ブログ関連:"バナナ")

500mlの「BANANA LATTE」(生乳30%、果汁1%、製造:森永乳業)だ。生乳の割合から「乳飲料」と類別されている。この「BANANA LATTE」、実は同じものを過去2回ブログに記している。パッケージが変わると何となく見間違えて手に取り買ってしまう。
乳飲料のマイルドのせいか、バナナ味が強調されず、しかもバナナ特有の喉にイガイガ感も感じさせない。マイルドでとても飲みやすい。(同じ商品の3回目の記述になってしまった)

(本ブログ関連:"BANANA LATTE")

(付記)
秋口にふさわしい軽装なジャケットを、ユニクロで探した。若者向けが中心の店らしく、おじさんに合うものはないようだ。それにしても、若者はどうして「フード」付きスタイルが好きなのだろう。

2018年9月15日土曜日

老人の日(老人週間)2018

カレンダーを見て驚いた。ニュースなどで、「今日から『敬老の日』で3連休が云々」といった話題があって、てっきり来週月曜日の「敬老の日」までのことと見過ごしていた。ところが、日めくりカレンダーの今日に「老人の日(老人週間)」と書いてあるではないか。「老人の日」と「敬老の日」の違いって一体何なのだろう。

◇「老人の日(老人週間)」
全国老人クラブ連合」という組織があり、そのホームページに、今年の「老人の日(9/15)」、「老人週間(9/15~21)」について、次のような紹介がある。
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「老人福祉法第1章第5条」には、①国民の間に老人の福祉への関心と理解を深める、②老人が自らの生活の向上に努める意欲を促す、という二つの目的があります。
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つまり、老人が「自らの生活の向上に努める意欲を促す」といった自律的目的があるようだ。

(参考)
「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律の公布について」(平成13年6月25日)(老発第242号
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老人福祉法(昭和38年法律第133号)第5条の改正が行われ、9月15日を「老人の日」とし、同日から9月21日までを「老人週間」とすることとされた。
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◇「敬老の日
「敬老の日」について記したWikipediaには、次のような記載がある。
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国民の祝日に関する法律(祝日法、昭和23年7月20日法律第178号)第2条によれば、「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを趣旨としている。
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こちらは、老人に対して社会が「敬愛し、長寿を祝う」といった祝いごとの側面がある。


ところで、「老人」とは一体何歳からだろうか。
日本では、本格的に定年年齢が65歳として行き渡ろうとしている現在、実質的に66歳以上が老人の第一歩といったところだろうが、国連は 65歳(以上)人口比率によって、社会を次のように分類している。
-「高齢化社会」:   7%超え
-「高齢社会」:    14%超え
-「超高齢社会」: 21%超え
そもそも、定年時期や年金支給時期など国によってさまざま違いがあるわけで、老人の起点となるともっと判別しにくい。

それに(若い人が言えないだろうから、私が言おう)、長生きしたからといって正しいわけでなく、頑迷固陋な者もいれば、ときに有終の美を飾ろうとして嘘をつく者もいる。

2018年9月14日金曜日

イ・ソンヒの「離別小曲」

秋といえば、紅葉と菊の花が想い浮かぶもの、もう少し先のことだが。公園に秋の風情を探したが、この時期はまだ、海水と川水が混じる汽水域のようで、風の向きで夏にもなり秋にもなる。

それでも今日は一日中、長袖で過ごした。秋の涼しさを、どうやら受けとめ始めたようだ。秋らしい風景を周りに探せば、栗林で大きく実った毬栗くらいだろうか。(先年、病気にやられた栗園の木々がすっかり回復したようだ)

夏を惜しみつつ、いつのまにか秋を受け入れている。秋が深まれば、夏は忘れがたい。わたしは、寒いのが苦手と何度もブログに記した。だから、これから涼しく、寒くなるのは気掛かりだ。(とはいえ、今年の夏の暑さには相当閉口した)

イ・ソンヒの別れの歌、12集所収の「離別小曲(이별 소곡)」(2001年、作詞クォン・ジンヨン、作曲イ・ソンヒ)を聴いてみよう。こちらは、もっと切実のようだ・・・Youtubeの映像はミュージックビデオのよう。(映像の最後に登場する、ある詩人の詩とどのような関わりがあるのか不明)

(本ブログ関連:”離別小曲”)


生きていくことが、とても辛いです
そばにはあなたが  いたのに
あなたなしに生きるなんて、一人になるなんて
思ってみたことないのに

残った人はそれでも  生きられるという
その言葉が、さらに苦しめます
こんなに会いたいのに  忘れることができないのに
残った私には  苦しい重荷なだけです

私に待てといわれるなら  ただこう生きろといわれるなら
それはとても残酷じゃないの
あまりにも会いたいのに こんな私を置いて行かれたのですか
愛してる 待てと いっておいて

生きていくことが  つらいのです
私に残ったあなたの  名残りだけで・・・
              ______     

一生いきていっても、遂げられぬ恋なのに
なぜ私には時間をくれなかったのですか
残ったものはもうありません
戻せるのなら、以前のように一緒にできるのなら

生きていくことが  つらいのです
私に残ったあなたの  名残りだけで・・・

生きていく痛ましさ  もういいわ
わたしも 今 あなたのそばに 行きます


(Youtubeに登録の무민に感謝)

2018年9月13日木曜日

「イディッシュ語初中級Ⅱ」、本年(2018)秋期講座開講決定

東京外国語大学(TUFS)公開講座(オープンアカデミー)は、本年の秋期間講座「イディッシュ語初中級Ⅱ:本気で学ぶユダヤのことば 」の開講を決定しました。

同講座ご担当の鴨志田先生の昨日付け <ブログ> に、開講の旨が記されていましたが、オープンアカデミーの本日付け <Twitter>に「秋講座、開講決定状況(最終)」が発表されていて確認できます。

なお、募集は昨日でいったん終了しましたが、「開講が決定した講座については、9月20日(木)まで延長して受講者を受け付けます。」とのこと。まだまだ間に合います。

社会人向けに、他に例を見ないほど多数の言語について、語学(を通じて他文化の)習得の機会を開放する東京外国語大学公開講座(オープンアカデミー)に敬服します。

素人のおじさんにも素晴らしい機会をいただき感謝しています。

2018年9月12日水曜日

涼しいというより冷える

これまで暑い暑いと大騒ぎしたのが嘘のよう。夕方の冷え込みに驚く。半袖は間違えだったかと見回せば、行き交う大方のひとも同様に半袖姿。みな内心、涼しいとか、冷えると思っていることだろう。

気象庁の観測データによると、今月都心の最低気温が 20℃より下がったのは、昨日からで19.3℃、今日は18.1℃(04:28)と順調に推移している。とはいえ、秋は心がわりする季節。しばらく変動するらしい。

旅行社からパンフレットが届く。人びとを集めてのことゆえ、一足早い催事案内で、もっぱら紅葉鑑賞が中心。まだ辺りはその兆しはないものの、イメージだけ浮かぶ。

(本ブログ関連:”紅葉”)

Youtubeに、長野県茅野市にある「御射鹿池(みしゃかいけ)」の畔が紅葉した映像がある。まるで彩色されたように紅く染まった映像を、「G線上のアリア」の音楽と一緒に楽しむことができる。

同池は、ドイツで絵画修行した東山魁夷の作品「緑響く」のモチーフとなった場所だそうで、緑濃い頃の姿は、他のネット情報(ブログ「Shiho and ...」に感謝)でも紹介されている通り、絵画のような味わいがある。東山魁夷は、「緑響く」の絵の中に白馬が過ぎる様を空想して、「モーツァルトピアノ協奏曲第二楽章の旋律が響いているのを感じた」との記述がある。[長野県信濃美術館 東山魁夷館


(Youtubeに登録のYatsugatake21_4K_Japanに感謝)

2018年9月11日火曜日

(資料) 韓国の高齢化 (2017年)

将来予測はむつかしい。人口統計をもとに(特別な社会・自然変動がない限り)、将来の人口動態の推計は相当可能なようだ。韓国は、高齢化と少子化が、日本以上に進展している。ニュース記事をもとに、継続して韓国の状況をブログに記している。

(本ブログ関連:”韓国の高齢化”、”韓国の少子化”)

Ⅰ.中央日報の記事(9/6)に、韓国統計庁が発表した「2017人口住宅総調査」の結果が次のように紹介されている。
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・(2018年)8月27日に韓国統計庁が発表した「2017人口住宅総調査」によると、昨年11月1日基準で65歳以上の韓国人は712万人で、2016年に比べて34万人増えた。全体人口のうち14.2%を占め、これにより韓国は全体人口のうち高齢者の比率が14%以上の「高齢社会」に入った高齢社会進入速度は世界で最もはやい水準で、日本は高齢化社会から高齢社会になるまでに24年かかったのに対し、韓国は17年しかかからなかった
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Ⅱ.日本総研の「Research Focus」に、韓国の60歳以上のシニア層の経済的・社会的位置について、次のレポートがある。

《レポート》
《 韓国経済の今後を展望するシリーズ⑮ 》 2018年8月30日、 No.2018-027
冷え込む韓国のシニア消費  ― 高齢社会を迎え消費全体の大きな足枷に ―」(調査部 副主任研究員 成瀬道紀)

韓国のシニア層拡大が、社会の成長のおもしとなっている現状・将来について、日本および諸外国との対比しつつ解説されている。本文(pdf)のグラフなど合わせて関心深く読むことができる。レポートの「《要点》」と「4.おわりに」の部分を抜粋させていただいた。

《要 点》
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◆ 韓国のシニア層(60歳~)の消費不振が深刻である。日本と比較すると、韓国では勤労シニア世帯の消費支出が大きく落ち込んでいる。この背景には、所得水準は全年代にわたって日本に遜色ないものの、高齢になるほど消費性向が低下することがある。

◆ 韓国の勤労シニア世帯の消費性向が低いのは、公的年金の給付水準が著しく低いため、退職後の収入に対する不安が大きいことが主因である。韓国の公的老齢年金支給額の対GDP比率は、OECDで最下位である。1人あたり平均月額も日本円換算で数万円程度に過ぎない。さらに、所得代替率の引き下げと支給開始年齢の引き上げが行われているほか、子どもからの支援も期待しにくくなっている。このため、退職後の収入不安は一層高まり、勤労シニア世帯の消費性向は低下傾向にある。

◆ 勤労シニア世帯の消費不振は、韓国経済に深刻な影響を与えている。消費性向が仮に日本並みの高さであった場合、2016 年の個人消費は 3.3%上振れる計算となる。さらに、今後の高齢化により、個人消費の押し下げ圧力は一層高まる見込みである。韓国では、内需主導型経済への転換が課題となっているが、消費を抑制するシニア層の急増により、実現は一段と困難になっている。財政支出の拡大による社会保障の充実も1つの選択肢となろう。
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4.おわりに
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勤労シニア世帯の消費不振は際立っており、それだけで韓国経済に無視できないインパクトを与えている。仮に韓国の勤労シニア世帯の消費性向が日本並みに高かったと想定すると(韓国 62.0%に対して日本は 89.7%)、2016 年時点のマクロの個人消費は 3.3%上振れる計算になる。

・さらに、人口動態の変化による消費押し下げ圧力が強まっていく。足元でベビーブーム世代(1955~1963年生)が 60歳代に入りつつあり、60 歳以上の世帯数が急速に増加している状況にある。このため、勤労シニア世帯の消費性向の低下に歯止めがかかると想定しても、こうした高齢化要因だけで、2030 年の個人消費は現在よりも▲1.1%押し下げられる計算になる。60 歳以上のシニア層の消費不振を改善できなければ、マクロの個人消費に対する押し下げ圧力は一層強まることになる

・韓国では近年、財閥企業を中心とした輸出主導型成長から、家計の所得増加を起点とした内需主導型成長への軌道修正を目指す動きが進んでいる。もっとも、退職後の収入に不安を持つシニア層が急増していく限り、内需主導型成長の実現はますます困難になっていくと予想される

・現状、国民年金に税金を投入していないこともあり、わが国と違って財政収支は黒字基調で推移している。政府債務残高の対GDP比率も4割弱と健全である。高齢社会を迎え、内需主導型成長を目指すには、財政支出の拡大による社会保障の充実も1つの選択肢となろう
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2018年9月10日月曜日

秋の夜

9月に入り、次第に「秋」の気配が漂い始めた気がする。今日は、旧暦の8月1日とはいえ、気象庁の「時に関する用語」によれば、「秋」は新暦9月~11月までの期間ということになる。安心して、秋の気分にひたりたい。

先日、ブログに「江戸端唄集」(倉田喜弘編、岩波文庫)所収の「端唄百番」にある、六七「本郷二丁目」について、イディッシュ語教室の所在とからめて記したが、今日は、残暑の昼とくらぶれば、夜に涼しさが身に沁みることで、三三「秋の夜」をYoutubeで聞いてみよう。

(本ブログ関連:”端唄”)

次のYoutubeの「秋の夜」に(「もっと見る」をクリックすると)、この歌の解説があって、同じ「月」でも、恋人を待つ女性の気持と違って、(岩波文庫に注釈はないけれど)佐渡金山で月を見上げる罪人の作との記述がある。それが証拠に、岩波文庫版の「月見ぬ人」を、「月見る人」に替えて、金山工の心情を込めて歌っているらしい。

岩波文庫版:
「秋の夜は、長いものとは まん丸な 月見ぬ人の 心かも ふけてまてども こぬ人の 音ずるものは かねばかり かぞうるゆびも 寝つ起つ わしゃ てらされてゐるわいな」

桃山晴衣(ももやま はるえ、1939年~2008年)氏についてよく存じませぬが、端唄の気分を味わいたく聞かせていただきました。

(Youtubeに登録のototatchinuru18に感謝)

2018年9月9日日曜日

全米オープン女子シングルスで大坂なおみ選手優勝

テニスの「全米オープン」女子シングルスで「大坂なおみ」(20歳)選手が優勝した。

テニスについて、本当に何も知らないけど、日本人初の業績ということで、にわかファンは喜ぶばかり。(悪乗りといわれてもブログに記したい)

サッカーといい、野球といい、女子選手の活躍が目立つ。そして、大坂なおみもそうだが、野球の「大谷翔平」(24歳)といい、若い選手の活躍が目立つ。いずれも楽しみだ。

重陽 2018

今日は「重陽」の節句。「節句」とは季節の節目となる次の五つを指し、最初の「人日」を除いて、奇数月の日が同じく重なるときをいうようだ。どちらかといえば、節句の名称より、祭事の名称に親しみがある。
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「人日(じんじつ)」(1/7):「七草の節句」・・・ 七草粥
「上巳(じょうし)」(3/3):「桃の節句・雛祭」・・・ 雛飾り
「端午(たんご)」(5/5):「菖蒲の節句」・・・ こいのぼり
「七夕(たなばた)」(7/7):「七夕(たなばた)」・・・ 笹飾り
「重陽(ちょうよう)」(9/9):「菊の節句」・・・ 菊の花
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「重陽」の名にいたっては、このブログでも記載が乏しく、いつのまにか気づかぬうちに過ぎてしまっている。むしろ、旧暦の9月9日(今年の新暦10月17日)の方が、菊の花もあって、「菊の節句」に相応しいかもしれない。

(本ブログ関連:”重陽の節句”)

ところで、菊につながるイ・ソンヒの歌に、9集に収録の「一輪菊(한송이 국화)」(作詞チェ・ユジョン、作曲ヤン・ムンソン、1994年)があるが、とても力強い歌だ。漢詩に出てくる、酒盃に菊の花を浮かべて飲む風情はない、やたら元気がいいのだ。

一輪の野菊見やれば、貴方の姿を見るよう
一輪の野菊見やれば、貴方の姿を見るよう
華やかな姿なくとも  素朴な香りに染まるように
小さな花瓶の中で一輪の菊  この世の憂いを洗ってくれる
黄色い花びら差し出した顔  ささやくように愛を語るよ
一輪の野菊見やれば、貴方の姿を見るよう
華やかな姿なくとも  素朴な香りに染まるように
あ~

(本ブログ関連:”一輪菊”)


(Youtubeに登録の526apolloに感謝)

2018年9月8日土曜日

白露 2018

二十四節気の「白露」の今日、放射冷却であちこちに露ができるころといわれるが、そんな気にはならない。台風、地震が続いてそれどころでなかったし、ふたたび夏が戻ったようで蒸し暑い。とはいえ、露ができるのは、この蒸し蒸しさのせいかと勝手に想像する。

(本ブログ関連:”白露”)

自然の推移は、幅を持ってぎくしゃく動く。それを近似曲線に丸めて理解してしまうのが常だ。二十四節気とは、近似値曲線上に成り立っているようなもの。実際とずれがあるたび、あ~でもない、こ~でもないといっている、お気楽さまである。

ところで、この9月8日は、戦後日本が連合国の占領期から主権を回復した、「サンフランシスコ講和条約」が調印された日(昭和26年(1951年)9月8日)だ。発効は、翌年の4月28日。終戦の後、6年を経過して調印したことになる。

雑誌「東京人」の今月号(10月号)の、巻頭セクション「東京点画」の最初に「昭和の記憶はどこへ向かう」(高野光平)があって、高野教授が大学生に次のようなアンケートをした。「昭和と聞いて何を思い浮かべますか」の問いに、大学二年生の回答の約七割が一九八〇年代の事物だったそうだ。象徴的なワードとして「ちゃぶ台と松田聖子」だったという。今の若者には、昭和を遡ってもせいぜい30数年ほど前まででしかないことになる。
(ちなみに、「東京人」の今月号の特集は「石に恋して」だ。)

私の場合、小さな子ども時代のこと、庭先で蟻をいじめていたころ、家の中のラジオから流れてきた「尋ね人の時間」で満州とか大連といった地名が耳に入ったし、またニュースで繰り返し放送された「李承晩ライン」での拿捕といった言葉を知った。それが「昭和の記憶」を遡った代表かもしれない。

2018年9月7日金曜日

書字がうまくなりたい

歳とともに書字が汚くなる。昔のように、といってもシャープペンシルだが、滑らかに運べない。今は、0.5m/m、4Bの芯を使って、少ない筆圧でも書けるようにしているが、ぎくしゃくして見た目がよくない。そこで最後の策として、字体をできるだけ小さくしている。でも、語学教室でノートをとるとき、あわてて乱暴に書きなぐっているのに気付く。

以前のこと、ある選挙に出馬した高齢のメディア出身者が、テレビで主張をパネルに手書きしたのを見て驚いた。その結果知れ渡ったことであるが、ある症状の前触れでないかと噂になるほどだった。書字は、健康具合まで明るみに出してしまう。

PCは、字の下手さ加減が丸見えにならないから救いがあるが、美しい字を手で書きたいものだ。高校時代の書道の時間に「書聖」と呼ばれた「王羲之」について知った。今の人間から見ても、古さを感じさせない・・・素人には、それくらいしかいえないが。彼が書にした著名な「蘭亭序」は現物が残っていない。わがままな皇帝が自分の墓に副葬させたという。

ところで、「中国の隠者」(井波律子著、文春新書)に、「王羲之」は、隠者の一人として取り上げられている。(死を伴うかもしれない)政争から距離を置き、気ままに暮らしたい考えから選んだ道のようだ。同書に、「煩わしい俗世から身を引き離し、身も心も自由に解放して、王羲之は隠遁生活の快楽を味わい尽くした。かくも優雅なる隠遁を実行できたのは、いうまでもなく彼が富裕な大貴族であり、経済的に何の不安もなかったからだ。まさに羨むべき貴族的隠者である。」

竹林の七賢」もそうだが、彼らが一時期に隠遁したのは、身の安全を確保するためであったろうけれど、後世に名が残ったのは、名門出身だったからに違いない。市井の無教養人が会稽山の山陰にこもったところで、後世に知られることはない。七賢人のなかから政治に戻ったりする者も出ている。もともと、権勢を誇る人脈の中から、ポッカリ抜け出てしまっただけなのだろう。「まさに羨むべき貴族的隠者である。」

王羲之は59才で亡くなっている。

2018年9月6日木曜日

「平成30年 北海道胆振(いぶり)東部地震」

昨夜、例によって夜更かしして、日付の変わった今日、午前3時過ぎにテレビをつけたところ、各局が北海道で地震が発生したと一斉に報じていた。台風21号の後、今度は地震が続いたことになる。

(本ブログ関連:”地震”、”台風”)

遠くで発生した震災をニュースの一報で聞く限り、なかなか実感に至らない。今回もそうだった。それが、どんなに大きな震災であったか、今朝のニュース映像でようやく理解できた。

火山灰山地の山裾の民家が、地震による山崩れの下になっていた。白く裂けた山肌が、近くの山々に引っかき傷のように随所に露出しているのが見えた。映像から、これはただごとではないとようやく認識した。当初、「震度6強」と発表されていたが、後に「震度7」に修正された。北海道で観測史上最大の震度という。

震度6強 ⇒ 震度7への修正
気象庁の「平成30年9月6日03時08分頃の『胆振(いぶり)地方中東部の地震』について」(第3報)は、「厚真町鹿沼(あつまちょうしかぬま)で『震度7』を観測しました」と発表した。当初の地震情報は、次の通り「震度6強」と発表されたが、「胆振地方中東部の地震において、震度データが入電していなかった地点のデータが入電し、厚真町で『震度7』を観測していたことがわかりました。」と修正された。

台風と同様、インフラ(電気・水道)が大きな痛手を受けている。北海道の場合、復旧に時間がかかりそうだ。


気象庁地震情報(平成30年9月6日03時12分発表)
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・6日03時08分ころ、地震がありました。震源地は、胆振地方中東部(北緯42.7度、東経142.0度)で、震源の深さは約40km、地震の規模(マグニチュード)は6.7と推定されます。
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本日16時57分現在、気象庁地震情報の震源が「胆振地方中東部」について、地震発生(03時08分)から、その後の余震をリストアップした。余震は、休むことなく続いている。

地震検知日時       震央地名          マグニチュード  最大震度  情報発表日時
9月6日16時53分  胆振地方中東部  M4.4  震度3  9月6日16時57分
9月6日16時28分  胆振地方中東部  M3.5  震度2  9月6日16時31分
9月6日16時11分  胆振地方中東部  M2.8  震度1  9月6日16時13分
9月6日15時52分  胆振地方中東部  M3.4  震度2  9月6日15時54分
9月6日15時23分  胆振地方中東部  M2.5  震度1  9月6日15時26分
9月6日14時51分  胆振地方中東部  M3.1  震度2  9月6日14時54分
9月6日14時39分  胆振地方中東部  M4.3  震度3  9月6日14時43分
9月6日14時04分  胆振地方中東部  M4.4  震度2  9月6日14時06分
9月6日13時58分  胆振地方中東部  M2.9  震度1  9月6日14時00分
9月6日13時34分  胆振地方中東部  M3.0  震度1  9月6日13時36分
9月6日13時26分  胆振地方中東部  M2.6  震度1  9月6日13時29分
9月6日13時24分  胆振地方中東部  M3.0  震度1  9月6日13時27分
9月6日13時01分  胆振地方中東部  M3.7  震度2  9月6日13時04分
9月6日12時31分  胆振地方中東部  M2.8  震度1  9月6日12時33分
9月6日12時28分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日12時31分
9月6日12時14分  胆振地方中東部  M3.7  震度2  9月6日12時17分
9月6日12時02分  胆振地方中東部  M2.5  震度1  9月6日12時05分
9月6日11時59分  胆振地方中東部  M2.5  震度1  9月6日12時02分
9月6日11時47分  胆振地方中東部  M3.2  震度1  9月6日11時49分
9月6日11時41分  胆振地方中東部  M2.9  震度1  9月6日11時43分
9月6日11時19分  胆振地方中東部  M3.3  震度2  9月6日11時22分
9月6日11時07分  胆振地方中東部  M3.8  震度2  9月6日11時10分
9月6日10時58分  胆振地方中東部  M3.4  震度2  9月6日11時01分
9月6日10時16分  胆振地方中東部  M3.3  震度1  9月6日10時19分
9月6日10時15分  胆振地方中東部  M2.8  震度1  9月6日10時17分
9月6日09時19分  胆振地方中東部  M2.7  震度1  9月6日09時23分
9月6日09時17分  胆振地方中東部  M3.8  震度2  9月6日09時19分
9月6日09時06分  胆振地方中東部  M3.2  震度1  9月6日09時09分
9月6日09時05分  胆振地方中東部  M3.4  震度1  9月6日09時07分
9月6日08時57分  胆振地方中東部  M3.0  震度1  9月6日09時00分
9月6日08時42分  胆振地方中東部  M3.6  震度2  9月6日08時45分
9月6日08時37分  胆振地方中東部  M3.4  震度1  9月6日08時40分
9月6日08時15分  胆振地方中東部  M3.4  震度2  9月6日08時18分
9月6日07時57分  胆振地方中東部  M2.8  震度1  9月6日08時00分
9月6日07時51分  胆振地方中東部  M2.7  震度1  9月6日07時55分
9月6日07時45分  胆振地方中東部  M4.2  震度2  9月6日07時49分
9月6日07時44分  胆振地方中東部  M3.4  震度1  9月6日07時46分
9月6日07時36分  胆振地方中東部  M3.3  震度1  9月6日07時39分
9月6日07時29分  胆振地方中東部  M3.8  震度2  9月6日07時32分
9月6日07時19分  胆振地方中東部  M3.5  震度2  9月6日07時22分
9月6日07時11分  胆振地方中東部  M2.6  震度1  9月6日07時15分
9月6日07時08分  胆振地方中東部  M3.5  震度2  9月6日07時12分
9月6日06時57分  胆振地方中東部  M3.7  震度2  9月6日07時00分
9月6日06時53分  胆振地方中東部  M3.9  震度2  9月6日06時56分
9月6日06時48分  胆振地方中東部  M2.7  震度1  9月6日06時51分
9月6日06時32分  胆振地方中東部  M3.9  震度3  9月6日06時37分
9月6日06時11分  胆振地方中東部  M5.4  震度4  9月6日06時15分
9月6日06時06分  胆振地方中東部  M3.6  震度2  9月6日06時10分
9月6日06時04分  胆振地方中東部  M4.4  震度3  9月6日06時09分
9月6日05時42分  胆振地方中東部  M2.4  震度1  9月6日05時46分
9月6日05時24分  胆振地方中東部  M3.0  震度1  9月6日05時29分
9月6日05時20分  胆振地方中東部  M3.9  震度3  9月6日05時23分
9月6日05時13分  胆振地方中東部  M3.3  震度3  9月6日05時16分
9月6日05時10分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日05時14分
9月6日05時09分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日05時11分
9月6日05時03分  胆振地方中東部  M2.9  震度1  9月6日05時06分
9月6日04時57分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日04時59分
9月6日04時42分  胆振地方中東部  M3.5  震度2  9月6日04時44分
9月6日04時39分  胆振地方中東部  M3.9  震度2  9月6日04時42分
9月6日04時32分  胆振地方中東部  M2.9  震度1  9月6日04時35分
9月6日04時10分  胆振地方中東部  M4.7  震度3  9月6日04時16分
9月6日04時06分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日04時09分
9月6日03時56分  胆振地方中東部  M4.0  震度2  9月6日03時59分
9月6日03時54分  胆振地方中東部  M3.1  震度1  9月6日03時57分
9月6日03時36分  胆振地方中東部  M3.5  震度2  9月6日03時40分
9月6日03時32分  胆振地方中東部  M4.6  震度3  9月6日03時36分
9月6日03時23分  胆振地方中東部  M4.8  震度4  9月6日03時28分
9月6日03時20分  胆振地方中東部  M5.3  震度3  9月6日03時26分
9月6日03時17分  胆振地方中東部  M4.7  震度3  9月6日03時23分
9月6日03時08分  胆振地方中東部  M6.7  震度6強 9月6日03時12分

2018年9月5日水曜日

台風一過

台風「21号」の東京への影響は、どうやら杞憂に終わったようだ。明け方4時ごろ。激しく雨音がして目が覚めた。水を飲みに台所へ行ったとき、窓ガラスがいきなりピンク色に光った。近くで落雷でもしたのかと耳を澄ましたが、飛行機が遠くに飛ぶような低い響きがあったのみだった。

今朝、太陽は輝き部屋に陽を射し込んだ。久し振りに乾いた爽やかさを感じた。台風一過の輝きは格別だ。

ところで、11時丁度、Googleニュース記事を読み始めたとき、JAXAで「小惑星探査機『はやぶさ2』の記者説明会」が同時刻に開かれるのを知った。今まさに晴れ空遠く宇宙の彼方の小惑星「Ryugu(リュウグウ)」探査が行なわれようとしている。興味深くYoutubeでライブ視聴した。

とはいっても、素人が耳をはさむほどのこと、どれもこれも新鮮な話題。「はやぶさ2」が「リュウグウ」にタッチダウンする前に、① (9月中旬)2つの探査機ローバー「MINERVA-Ⅱ」の1Aと1Bが「リュウグウ」に発射される。面白いことに、重力の小さな小惑星のため、移動方法にホッピングが採用された。飛び跳ねながら地上環境を観察するようだ。② (10月初旬)その後「MASCOT」(独仏制作)が投下され、鉱物試料の産状を把握する(スケジュール表のみ)、③(10月下旬)「はやぶさ2」がタッチダウンして小惑星の鉱物試料(サンプル)の収集といった段取りのようだ。


(Youtubeに登録のJAXA | 宇宙航空研究開発機構に感謝)

(参考)相模原市立博物館で開催された一般(特に子ども)向け「はやぶさ2」の講演会(9/2)

(Youtubeに登録のHoshizora KODANに感謝)

2018年9月4日火曜日

台風21号の経過

心配した台風21号は、本日(9/4)12時ごろに徳島県南部に上陸して四国を抜け、14時ごろには兵庫県神戸市付近に再上陸した。その後、京都を抜けて日本海を北上している。

21号は、強風で「非常に強い」階級に相当し、平成5年(1993年)の台風13号以来(25年ぶり)といわれていた。実際は、徳島県の室戸岬で、瞬間風速55.3mを観測し、「猛烈な」階級に相当した。

台風の風速:「強さの階級分け」(気象庁)
階級                  最大風速
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強い             33m/s(64ノット)以上~44m/s(85ノット)未満
非常に強い     44m/s(85ノット)以上~54m/s(105ノット)未満
猛烈な     54m/s(105ノット)以上
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関東では今日から明日にかけて、暴風、大雨が予報されているが、東京(都下)の体感としては、一日続く(普通の)雨とたまに揺する強風があったくらい。ただし、自然災害は、翌日になって知らされることが経験上多々あるので、特に台風進路の四国、関西周辺の被害状況が気になる。

2018年9月3日月曜日

(資料)台風21号 注意喚起

「台風21号」について気象庁の「台風第21号に関する東京都気象情報 第4号」(9/3、16時47分)は、「非常に強い台風第21号は、勢力を保ったまま(明日)4日日中四国地方から近畿地方に接近し、上陸する見込みです。」とのこと。

子どものころ、台風接近前に父親が木製の雨戸に釘を打ち付けて準備補強した記憶がある。父親がまだ帰宅していない夜に、あまりの強風のため停電で真っ暗になり、母親を中心に子どもたちが寄り集まり、ローソクをたてたことがある。不思議なことに、台風への恐怖心はなかった。ローソクの明かりを見て、いつもにない経験に騒いだりした。

今回の21号は、一時期(昭和の三大台風といわれる)「伊勢湾台風」(1959年)の進路に重なるといった予想があった。最初に記憶に残った最大の被害をもたらした台風だ。以前に記したことだが、その伊勢湾台風を経験した子が転校してきたことがあった。子どもながら、災害の実情を理解できる程度になっていたので、クラスの回りの者も質問を深入りすることはなかった。

災害経験について、どんな経験についてもそうだろうが、語ることの難しさを子どもながらに感じた。不用意に聞き出すことの愚かさも、子どもたちは十分に理解できていた。

(関東地方への影響)
ライブドアニュース速報の「台風21号に関して気象庁が注意喚起 特に警戒が必要な時間帯の目安」(9/3、13時18分)は、関東(甲信)への影響について、次のように報じている。(抜粋)
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・「暴風」に警戒が必要な時間帯は、関東甲信が4日夜。
・「大雨」に警戒が必要な時間帯は、関東甲信が4日昼すぎから5日にかけて,1時間に50ミリから70ミリの非常に激しい雨が降るおそれ。
・「高波」に警戒が必要な時間帯は、関東が4日昼すぎから5日にかけて、7mの大しけが予想されている。
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2018年9月2日日曜日

(資料)七十二候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」

昨日(9/1)のブログに、台風シーズンを示すものとして、「二十四節気の『立春』(2/4)から210日目の今日(9/1)を、雑節の『二百十日』と呼び・・・」と記した。

二十四節気」については、ひと月を「節気」と「中気」に按配したもので、12×2=24に区分する。現在は「処暑」にあたる。

二十四節気を、さらに「初候」、「次候」、「末候」に按配して、24×3=72に区分したものを「七十二候」と呼ぶ。

二十四節気「処暑」の「末候」(9/2から)を、七十二候では、 <稲が実る> を意味する「禾乃登(こくものすなわちみのる)」という。

実は、この「禾乃登」について知らなかった。暦の言葉に疎いこともあり初耳だ。そこで、ネットという便利なツールを活用して調べてみた。ウェザーニュースの記事「七十二候『禾乃登』 この時期は要注意 農作物にとっての厄日とは」(9/2)に、次のような解説がある。(抜粋)
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・この頃は、稲穂が徐々に色づき始め、頭も下がり、着々と近づく秋の訪れを感じることができます。
・しかし、稲をはじめとした農作物を無事に収穫するには、乗り越えなければならない日があるのです。
・それは、立春から数えて210日目の「二百十日」(9/1)と、220日目の「二百二十日」(9/11)。昔から強い風が吹くまたは天気が荒れる日とされ、8月1日の「八朔」も含めて三大厄日と言われています。
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「禾乃登」は、<実りの秋> を脅かす台風への警戒を喚起する。まさに、今年最大級の台風「21号」が(明後日、明々後日)本州通過が予想されているこの時期にあたる。

2018年9月1日土曜日

二百十日 2018

二十四節気の「立春」(2/4)から210日目の今日を、雑節の「二百十日」と呼び、台風の多いころを指す。tenki.jpの用語辞典によれば、「稲の開花期にあたることから、古くから台風に警戒すべき日とされている。」とのこと。

(本ブログ関連:”二百十日”、”立春”)

二百十日の言葉を子どものころよく聞いた。それが最近あまり聞かれないのはどうしてだろう。昔、住んでいたのは日本有数の工業地帯だったが、それでもこの言葉は身近にあった。まだ農業が日本の生活に深く根をおろしていた時代だったからだろうか。

「温暖化」の影響か、台風の動きが今までと変わり、強風や豪雨のせいで山崩れや堤防決壊などの災害(人命被害)発生に話題が集中している。二百十日と関連付けて、農業被害に注意を呼びかけるふうでもない。農事のなかで語られる二百十日より、台風と豪雨が今は一大事になっている。台風21号については、そのエネルギーが強力と注意喚起されている。

ところで、テレビで、静止地球環境観測衛星ひまわり8号」の気象観測性能が格段に向上していると紹介された。従来の観測衛星と比べて、海洋上の温度(水蒸気)の観測精度が上っているという。その結果、海洋の温度(水蒸気)の影響を継続して受ける、地上の集中豪雨を精緻に予測できるようになったそうだ。そんな分析システムが開発されたら、台風災害を格段に減らすことだろう。