9月に入り、次第に「秋」の気配が漂い始めた気がする。今日は、旧暦の8月1日とはいえ、気象庁の「時に関する用語」によれば、「秋」は新暦9月~11月までの期間ということになる。安心して、秋の気分にひたりたい。
先日、ブログに「江戸端唄集」(倉田喜弘編、岩波文庫)所収の「端唄百番」にある、六七「本郷二丁目」について、イディッシュ語教室の所在とからめて記したが、今日は、残暑の昼とくらぶれば、夜に涼しさが身に沁みることで、三三「秋の夜」をYoutubeで聞いてみよう。
(本ブログ関連:”端唄”)
次のYoutubeの「秋の夜」に(「もっと見る」をクリックすると)、この歌の解説があって、同じ「月」でも、恋人を待つ女性の気持と違って、(岩波文庫に注釈はないけれど)佐渡金山で月を見上げる罪人の作との記述がある。それが証拠に、岩波文庫版の「月見ぬ人」を、「月見る人」に替えて、金山工の心情を込めて歌っているらしい。
岩波文庫版:
「秋の夜は、長いものとは まん丸な 月見ぬ人の 心かも ふけてまてども こぬ人の 音ずるものは かねばかり かぞうるゆびも 寝つ起つ わしゃ てらされてゐるわいな」
桃山晴衣(ももやま はるえ、1939年~2008年)氏についてよく存じませぬが、端唄の気分を味わいたく聞かせていただきました。
(Youtubeに登録のototatchinuru18に感謝)