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戦い済んで日が暮れて、あるファッションの変遷
おっしゃる通り、1960年代から70年代にかけてのジーンズ(Gパン)を巡る「共産党(民青)vs 全共闘(新左翼)」の対立や、それ以前の「地方文化人のベレー帽」などは、当時の空気感を生々しく伝える非常に興味深いディテールです。
日本の近現代における、いわゆる左翼・リベラル・文化人系のファッションの変遷を年代別に振り返ってみます。
1. 1950年代〜1960年代前半:新劇風・ロシア風と「ベレー帽」の地方文化人
戦後直後から安保闘争(1960年)の時代です。この頃の知識人や左翼系の定番は、どこかヨーロッパの労働者やロシアの知識人を思わせるスタイルでした。
地方文化人とベレー帽: おじさま方の間で流行した「ベレー帽」は、手塚治虫や当時の画家・芸術家、そして社会運動に関わる知識人のトレードマークでした。これにロイド眼鏡(丸眼鏡)や、マフラーを無造作に巻くスタイルが合わさり、「私はモノを考える人間である」という記号になっていました。
サークル文化とカチューシャ: 若者の間では、うたごえ運動や労働組合のサークル活動が盛んでした。女性はカチューシャにサブリナパンツ、男性は開襟シャツ(オープンカラー)にスラックスという、清潔感のある「健康的な労働者・学生」のスタイルが共産党系を中心に好まれました。
2. 1960年代後半:全共闘の反体制「Gパン」と共産党の「正装」
まさに、ご指摘のあった「Gパン論争」の時代です。1968〜69年の大学紛争期、新左翼(全共闘など)と既成左翼(共産党・民青)の間には、ファッションにおいて明確な思想的断絶がありました。
全共闘(新左翼)の「反体制・実戦」スタイル: 米国のヒッピー文化や公民権運動(反戦運動)の流れを汲み、ジーンズ(Gパン)をアイコンとしました。当時はまだGパン=「米軍の放出品」や「労働者の作業着」であり、既成の秩序に対する反逆の象徴だったのです。これに長髪(ロングヘア)、軍歌調ではないフォークソング、そしてヘルメットにタオルで顔を隠すスタイルが彼らの定番でした。
共産党(民青)の「規律と信頼」スタイル: 当初、共産党系の若者はGパンを「不良の服」「米帝の退廃文化」として嫌いました。市民や労働者から信頼されるために、男性は詰め襟(学ラン)や小綺麗なシャツ、スラックスを履き、髪も短く整えていました。当時の党派間の衝突(内ゲバなど)の際も、服装を見ればどちらの陣営か一目で分かったと言います。
数年での「Gパン」の一般化: お気づきの通り、70年代に入るとジーンズは単なる「若者の大衆ファッション」として完全に定着します。思想的な意味合いが薄れたことで、共産党の若者たちもごく自然にGパンを穿くようになり、ファッションによる分断は急速に融解していきました。
3. 1970年代〜1980年代:「衿詰め(人民服風)」とエコロジーの台頭
浅間山荘事件(1972年)以降、過激な政治運動が衰退すると、思想は「生活習慣」や「エコロジー」「市民運動」へと形を変えていきます。
衿詰めの服(人民服・マオカラー風): 70年代の中国(毛沢東主義)への憧憬や、カンボジア、ベトナムなどのアジアの解放運動に共感する知識人の間で、スタンドカラー(衿詰め)のジャケットや(白色)シャツが流行しました。スーツという「西欧資本主義の象徴」を拒否し、アジアの労働者や革命家に連帯するというポーズです。
マニッシュな女性と自然派: リベラル系の女性たちの間では、ウーマンリブ運動の影響もあり、女性らしさを強調しないマニッシュ(男性風)なパンツスーツや、逆にインド綿などの民族衣装、草木染めといった「自然派・オーガニック」のスタイルが定着し始めました。髪型はショートカット、または無造作なロングが好まれました。
4. 1990年代〜現代:記号化された「インテリ・リベラル」
現代(2000年代以降)になると、かつての戦闘的な左翼ファッションは姿を消し、欧米の「リベラル・左派」に共通する、洗練された、あるいは定番化されたシニア知識人のスタイルに落ち着いています。
現代の定番アイテム:
特徴的なメガネ: 昔のロイド眼鏡の流れを汲む、少し個性的で知的なデザインのフレーム(丸メガネや太めのセルフレーム)。
天然素材の服: 麻(リネン)や綿(コットン)を中心とした、体に張り付かないゆったりしたシルエットの服。
色使い: アースカラー(カーキ、ベージュ、ブラウン)や、藍染めなどの藍色。
髪型: 本質主義・自然主義の現れとして、あえて白髪を染めない「グレイヘア」を綺麗に整えたり、男性であれば少し長めのロマンスグレーにしたりするスタイル。
こうして振り返ると、Gパンを巡る数年での変化は、「若者の風俗のエネルギーが、政党の硬直したイデオロギーをあっさりと乗り越えていった」象徴的な出来事だったと言えます。時代の変遷とともに服装のトゲは抜けていきましたが、「既成の権威(ピシッとした高級スーツなど)に対するアンチテーゼ」という精神だけは、形を変えながら現代の衣服の選び方にも息づいているようです。
2026年7月5日日曜日
(資料)今年の台風
2026年7月4日土曜日
自然観察園
2026年7月3日金曜日
演歌「人生万歳」
2026年7月2日木曜日
(資料)季語:成立・季節ごとに代表的なもの、半夏生 2026
| 時代・時期 | 主な出来事と季語の定義・役割 |
| 平安〜室町時代和歌・連歌の時代 | 【本歌取り・本意(ほんい)の形成】 和歌の時代から、特定の言葉(「桜」=春など)に季節のイメージを固定する「本意」が育まれます。これがのちの連歌に受け継がれ、複数の人で歌を詠み繋ぐ(連句)ための共通ルール(寄合・しきたり)として、季節の言葉の基礎が作られました。 |
| 江戸時代前期 貞門・談林派 | 【季語の必須化と大衆化】 庶民の文芸として「俳諧の連歌」が流行。松永貞徳(貞門派)らによって、俳諧のルール(式目)が厳格化され、**「発句(最初の5・7・5)には必ず季の詞を入れる」**という決まりが明文化されました。日常の言葉や俗語(諧謔)も季語として取り入れられ始めます。 |
| 江戸時代中期 蕉風の確立 | 【芸術性・内面の重視】 松尾芭蕉(蕉風)により、単なる言葉遊びから高い芸術性へと昇華。芭蕉は季語を単なる記号ではなく、**「自然の生命(いのち)や季節の移り変わりと、人間の内面を響き合わせるもの」**として深く定義し直しました。 |
| 江戸時代後期 歳時記の発展 | 【分類と整理の時代】 与謝蕪村や小林一茶らが活躍する中、季語を網羅して分類・解説した「歳時記(俳諧歳時記など)」が数多く出版されます。これにより、どの言葉がどの季節に属するかが、一般の地本(出版物)として広く固定化・共有されました。 |
| 明治時代〜現代近代俳句の成立 | 【「季題」の提唱と「季語」の定着】 正岡子規による俳句革新運動の中で、連歌から独立した「俳句」が確立。子規や高浜虚子は**「季題(のちに季語)」**という言葉を強く意識し、伝統的な「有季定型(季語を入れて5・7・5で詠む)」を俳句の本質として 定義しました。現代では、時代に合わせた「新季語(バレンタイン、冷房など)」も次々に生まれています。 |
| 季節 | 季語 | 読み | 解説・背景 |
新年 | 初春 / 新春 | はつはる / しんしゅん | 新年の始まりそのものを祝う、歳時記の筆頭に来る時候の季語です。 |
| 初日の出 | はつひので | 元旦の日の出。新しい年の希望や祈りを象徴する非常に人気の高い季語です。 | |
| 門松 | かどまつ | 正月に神様を迎えるために家の前に立てる飾り。新年の代表的な生活・行事の季語です。 | |
春 | 桜 / 花 | さくら / はな | 歳時記で単に「花」といえば桜を指します。春を象徴する圧倒的な主役です。 |
| 蛙 | かえる | 冬眠から目覚めて鳴き出す蛙は、春の訪れ(動物)を生き生きと表現します。 | |
| 朧月 | おぼろづき | 春の夜の、水分を含んだ空気でほのかにかすんだ美しい月を指します。 | |
夏 | ほととぎす | ほととぎす | 夏の到来を告げる鳥。古来より和歌や俳句で最も愛されてきた夏の主役です。 |
| 蛍 | ほたる | 初夏の夜を彩る光。はかなさと夏の情緒を象徴する代表的な天文・動物の季語です。 | |
| 夕立 | ゆうだち | 夏の午後に激しく降る雨。現代でも非常になじみ深い夏の気候を表す言葉です。 | |
秋 | 月 | つき | 歳時記で単に「月」といえば、一年で最も美しいとされる「秋の月(名月)」を指します。 |
| 紅葉 | もみじ / こうよう | 秋の山々が赤や黄に染まる様子。春の桜と並び、日本の四季を代表する美しさです。 | |
| 蜻蛉 | とんぼ / あきつ | 秋の空を飛ぶ赤とんぼなど、秋の訪れと寂しさを感じさせる代表的な虫です。 | |
冬 | 雪 | ゆき | 冬の美しさを象徴する言葉。歳時記では「暮の雪」や「新雪」など多くの派生季語があります。 |
| 寒椿 | かんつばき | 冬の厳しい寒さの中で、鮮やかな赤い花を咲かせる力強い冬の植物です。 | |
| 枯木 | かれき | 葉を落とし、冬の寒空に立つ木々。冬の静けさや寂寥感(せきりょうかん)を表現します。 |
2026年7月1日水曜日
今年も半分が過ぎた、The New Moscow
2026年6月30日火曜日
6月の満月(ストロベリー・ムーン)、「野いちご」、カルガモ親子
W杯: 日本1⇔2ブラジル
2026年6月29日月曜日
夢の中の三段跳び
2026年6月28日日曜日
(地震)岩手県沖地震
2026年6月27日土曜日
翡翠の影こんこんと遡り (茅舎)
2026年6月26日金曜日
(地震)山梨県東部富士五湖の地震
W杯:日本1⇔ 1スウェーデン、千葉県北東部の地震、台風
2026年6月25日木曜日
「台風」といつから言い始めたか? 俳諧でどう表現したか?
A.「台風」という言葉が誕生したのは、江戸時代が終わり、明治時代になってからのことです。
| 時代 | 主な呼び方 | 特徴・語源 |
| 平安〜江戸時代 | 野分(のわき)、大風(おおかぜ) | 現代の台風だけでなく、突風や激しい嵐全般を指していました。 |
| 明治時代(末期) | 颱風(たいふう) | 気象学者の岡田武松(のちの中央気象台長)が、英語の typhoon や中国・台湾での呼び名(大風/颱風)の音に合わせ、学術用語として「颱風」と定めました。 |
| 昭和21年(1946年) | 台風 | 戦後の当用漢字制定に伴い、難しい「颱」の字から簡略化され、現在の「台風」になりました。 |
(地震)岩手県沖地震、震度6強
2026年6月24日水曜日
台風7号と8号はダブルパンチか、それとも互いに消し合うか?
2026年6月23日火曜日
古代遺跡: 夏至と冬至を示すもの
| 遺跡・建造物名 | 所在地 | 対象となる天体現象 | 構造・特徴 |
| ストーンヘンジ | イギリス | 夏至の日の出・冬至の日の入り | 巨石の直線上に夏至の朝日が昇り、その真逆に冬至の夕日が沈む。 |
| ニューグレンジ | アイルランド | 冬至の日の出 | 冬至の朝、特殊な窓から通路の最奥部へまっすぐ光が差し込む。 |
| ククルカン神殿 | メキシコ | 夏至・冬至(春分・秋分) | 夏至にはピラミッドの2面だけが完全に光り、残り2面が影になる。 |
| 金山巨石群 (かなやま~) | 岐阜県下呂市 | 夏至の日の出など | 巨石の隙間から夏至の光が差し込み、1年の周期を測る観測装置。 |
| 大湯環状列石 (おおゆ~) | 秋田県鹿角市 | 夏至の日の入り・冬至の日の出 | 2つのストーンサークルの中心を結ぶ線が、夏至の夕日の方向を指す。 |
| 箸墓古墳 (はしはか~) | 奈良県桜井市 | 冬至の日の出 | 太陽が最も弱まり復活する「冬至の朝日」が三輪山から昇る配置。 |