▼▼ 青字下線付語句のリンク先は、マウス右クリック+<新しいタブ>で進んでください。(本ブログ関連)の最下段に「次の投稿ホーム」があるとき次ページがあります。▼▼

2026年3月18日水曜日

石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも(志貴皇子)

万葉集」の入門書はたいてい、最初の歌として、雄略天皇の「籠(こも)よ   み籠持ち   掘串*(ふくし)もよ   み掘串(ぶくし)持ち  この丘に ~」で始まる御製歌が紹介される。春の山に入って、菜を摘む娘に名乗り求婚するという、日本最古の和歌集の始まり(巻一の一)にふさわしい。
(*)掘串(ふくし): 上代、竹・木などで作った土を掘るへら状の道具(コトバンク)

万葉集をじっくり読んだことがなく、解釈本をときどき目にするくらいだった。そんなとき、別の入門書にあった、水の流れのまま歌が進んでいく心地よさを感じた、志貴皇子の歌(万葉集の巻八の巻頭)があった。

いつもの通り、(最初の巻に戻って)第一巻、「(第一) 折々のうた」(大岡信、岩波新書)に、やはり載っていた。「石の上を激しく流れる(水は)滝となって、そのほとりに、さわらびも芽を出す季節になったのだ。冬は去った、さあ野に出よう」と、志貴皇子のおおらかに歌うしらべを紹介している。

(本ブログ関連:”折々のうた”)

------------------------------------------------
石(いは)はしる垂水(たるみ)の上のさわらび(蕨)の萌え出づる春になりにけるかも
------------------------------------------------

ところで、上記の雄略天皇が語りかけた女性が食用として「若菜摘み」する<菜>は、野草の若菜全般を指す。そこに、わらび(蕨)も含まれるわけで、春らしく、大地の生命力をいただくことにつながる。

正直いうと、「さわらび」の言葉から、なぜかワサビ畑をイメージをしてしまい、いったん、そう思うと映像からなかなか抜けだせない・・・。