畑地と隣接する住宅街の道を歩むとき、「スズメ(雀)」が「チッ・チュン、~」という鳴き声を耳にする。<さえずり> だろうか、姿が見当たらず、あちこちから聞こえてくる。
スズメの名について、「野鳥の名前」(安部直哉、ヤマケイ文庫)は、次のように由来を説明している。
・スズメの「スズ」: 「チチ」、「チュンチュン」などの鳴き声の擬声語。
・スズメの「メ」: 群れのこと。「カモメ」、「ツバメ」と同じ。鳥を表す接尾語。
ちなみに、「ヤマガラ」を昔は「ヤマガラメ」と呼んだそうだ・・・「ことばの歳時記」(金田一春彦、新潮文庫)によれば、歌集「拾遺集」に収められているとのこと。
ツバメ(燕)
今度は第四巻、「第四 折々のうた」(大岡信、岩波新書)に、江戸後期の俳諧師 小林一茶(宝暦13年〈1763年〉~ 文政10年〈1828年〉)の次の句が載っている。
(本ブログ関連:”折々のうた”)
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夕燕(ゆうつばめ)我(われ)には翌(あす)のあてはなき (一茶)
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ツバメは、明るい日射しのなかで宙を舞うのがふさわしく感じるが、<夕燕>になると、生きる必死さがにじみ出てくる。大岡信氏は「生活の気配の濃厚さ」と説明している。
小林一茶は、生きることに汲々としたのだろう。幼くしては母を失い、継母に痛めつけられ、15歳のとき、守ってくれた祖母を亡くしたことをきっかけに江戸に出たが、その後「俳諧師として立つべく苦闘したが果たさず、再び雪深い信濃にかえる」ことになる。そこで待っていたのは、異母弟との争いだった。