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2025年2月21日金曜日

裁縫室で見た映画:「小鹿物語」、「砂漠は生きている」

九州にいたとき小学校に「裁縫室」があって、そこで女の子たちに家庭科の裁縫を教えていたようだ・・・実際に目撃したことはないが(同じ時間帯、男子は別の場所にいたのだから)。ところで、男女が一緒にその部屋を利用するときがあった。映画教室だ(テレビもない、街の映画館に行く機会も少ない子どもたちにとって貴重な時間だった)。

(本ブログ関連:”裁縫室”)

裁縫室は和式の畳部屋のため、みんな座って(先生が映写する)子ども向け映画(教育映画)を鑑賞した。記憶に残っているのに「小鹿物語(The Yearling)」(1946年、日本公開1949年)がある。少年と野生の小鹿のふれあいの物語で、美しいカラーで見ることができた・・・なにしろ、小鹿を見たことがないので、その可愛らしさに引き込まれてしまったものだ。しかし、成長した小鹿が、一家の育てた農作物を食べる事件が発生することで、少年は決断を迫れることになる・・・。見届けるのがつらい映画だった。

当時、カラー映画は「総天然色映画」とわざわざ銘打つほどだった。ちなみに本作品は、Wikipediaによれば、アカデ三―賞の(カラー作品)の「美術賞」および「撮影賞」を受賞している。当時、これらの賞は、カラー作品とモノクロ作品の別に賞が与えられたという。

また、自然観察の記録(ドキュメンタリー)映画で話題になったものがあった。ディズニーの「砂漠は生きている(The Living Desert)」(1953年、日本公開1955年)だ。いってみれば、自然の驚異であり、普段見ることのできない動植物たちの生態をカラーで知らせてくれるものだった。その後の、テレビ番組「ディズニーランド」で、ドキュメンタリーの定番になった。

今この映画に対して、語られることは少ないが、当時、ドラマチックな場面の撮影技術に関心が向けられ、結果として作為があったと知られたりした。子どもにとって、生態系の捕食の連鎖(食物連鎖)を映像で見せつけられると、驚きと恐怖をないまぜしたものになった。そこに作為があったことを、少し経って知ることになる・・・あのディズニーがそんなことをするなんて。

今ではドキュメンタリー映画(写真)を見るにつけ、あまりのタイミングのよさに出くわすと、大人の冷静さを持って眺めているのに気付く。