今日は祝日「山の日」。本格的な山とはしばらく縁遠い。鉱物採集で山に入るのは、登山といえない。以前、ブログに記したように、鉱石(資源となる鉱物)の運搬上、鉱山(跡)が深山にあるケースは多くない。また、ズリ(跡)で鉱物採集するとき、地面に向かってハンマーを打ち下ろし、石を砕き続けるわけで、山景に親しむ余裕はない。
(本ブログ関連:”山の日”)
集団で鉱物採集地の山を登りくだりしたとき、いずれも後塵を拝したことがあった。それも、若者に同道してもらってのこと。以来、横付けという、車道から近い鉱山跡で採集するようになった・・・安直なことで。
山といえば、懐かしい想いのする「あざみの歌」(作詞横井弘、作曲八洲秀章)がある。戦後間もなく発表され、その後、倍賞千恵子も歌った憂いに満ちたこの曲を、あまり聴かれることはないようだ。私にとっては、彼女のイメージと重なって思い出深い、なにしろ寅さんの妹さくら役でもあるからだ。
「唱歌・童謡ものがたり」(読売新聞文化部、岩波現代文庫)によれば、作詞者横井弘(1926年10月12日~2015年6月19)は、まだ18歳の1945年5月に召集を受け、同年8月に終戦を迎える。あっという間の4ヶ月だったようだ。母子で暮らした四谷の家は焼け、人づてに長野県下諏訪の町に至ったという。復員した彼が八ヶ岳の八島ヶ原湿原で作ったのが「あざみの歌」だったとか。また、作曲者八洲秀章は、すでに旋律を作曲していて、それに合った詩を探していたという。
(本ブログ関連:”「唱歌・童謡ものがたり」”)
結果、Wikipediaによれば、「あざみの歌」は、作曲者八洲秀章の歌唱で、1949年(昭和24年)8月8日から1週間、NHKのラジオ歌謡で放送された。1951年には、歌手伊藤久男の歌でレコード化されている。
上記「唱歌・童謡ものがたり」に、作詞者横井弘とのインタビューが載っており、「でも、やはりこの歌が一番思い出深いなあ。自分の一生を決定づけた歌ですからね。華麗でも高貴でもないが、素朴に、ひたむきに咲いているアザミの姿に理想の女性像を重ねてみたんです。別に特定の人物はいませんが、この思いは今も全く同じです」とのこと。
(Youtubeに登録のtengokuemakiに感謝)