先日、「狐石」について触れたが、民間伝承的な名称でのようで、信仰と直接的な関わりはないようだ。地名についても、ネット上の情報だけで、所在地以上のことは不明。
では、狐と玉について進んでみたい。とはいえ、ほんの入り口に過ぎないが。
(以前、「那須野の殺生石」で触れた、宮中を騒がせて捕えられた狐の「猶額にありたる白玉」とは別のものとして)
稲荷神社の狐には、宝玉を口にくわえるものがある。「如意宝珠」のようだが、本来、菩薩や観音が持つものを、なぜ狐がくわえるようになったのか。
ところで、「韓国民族文化大百科事典」にある「狐玉説話(여우구슬설화)」では、神異譚として、狐の持つ如意宝珠を奪って、天地を見極めた話しがあるようだが、その如意宝珠の由来は触れていない。
稲荷の狐は、農業に関わるといわれているので、ここで夢想して地中の玉と結びつけるのは無理があるだろう。
いかにも霊験あらたかそうな気がする。あるいは、きらりと光らせて威嚇の効果もあるやもしれぬ。