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2013年2月5日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 金演洙

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(1/30)に、人物シリーズ65回目としてパンソリの名人、金演洙(キム・ヨンス、김연수:1907年 ~1974年)を紹介した。

まず、パンソリの成立の解説から始まった。
・昔、文字を読めない庶民のために読み聞かせて生活する人々の中から、登場人物を真似たり、旋律を加えたりして、パンソリの形態を持つ歌が生まれたといわれる。
・朝鮮時代末には、庶民やさらに両班(ヤンバン、양반)階級だけでなく、王までもが楽しむ音楽ジャンルとして広まった。身分の高い人前で演ずる際、歌詞に漢文や故事成語などを織り交ぜるようになった。しかし、パンソリの歌い手である「クァンデ(広大、광대:大道芸人)」たちにとって、その意味の理解は難しかったため、勝手な解釈で故事成語を入れたりして支離滅裂な歌詞となる事態が発生した。
・こうした状況のなか、金演洙はパンソリ歌詞の整理に努めた。

(本ブログ関連:"パンソリ")

▼金演洙による「春香歌(춘향가)」の中から、「千字文後解*(チョンジャディプリ、천자 뒤풀이)」を聴く。では、千字文を剥きになって諳んじる房子の心底はいかばかりか。
(*)千字文後解:「後解」について「全羅北道 韓国伝統ソリ文化」参照

次のように金演洙プロフィールが紹介された。
・1907年 全羅南道高興に生まれる。
・14歳まで書堂서당:寺子屋)で漢文を学び、高興普通学校、ソウル中東中学校に通った後帰郷。
・29歳のとき、歌の勉強を始める。遅いスタートだが、劉聖俊(ユ・ソンジュン、유성준)名唱について「水宮歌(スグンガ、수궁가)」を習得する。その後、朝鮮声楽研究会に入り、多くの名唱から現在残るパンソリ全5曲を学ぶ。
才能あるものの歌い手として声質が向かず、声量も弱いという弱点を克服し、さらに間違った解釈のパンソリ歌詞の漢文を正す作業など行った。

▼ 金演洙による「水宫歌(スグンガ、수궁가)」の中から「杲杲天邊(コゴチョンビョン、고고천변)」を聴く。語り口調なので・・・。

・1967年 東亜放送で、1日3、4時間ずつ何日にも渡り<パンソリ全5曲>を録音し、それを一日10分ずつ140回余りに分けて放送して大きな反響を受けた。当時はまだ、パンソリが大衆的な音楽だった。音源は後にまとめて発売され、貴重な資料となる。その後、<パンソリ5曲>の歌詞内容をまとめた資料集を発刊し、後輩たちの指導も熱心に行った。
・1974年 没する。

▼金演洙による「興夫歌(フンボガ、흥보가)」の中から「花草藏(ファチョジャン、화초장)」を聴く。途切れることなく、跳ねるような早いテンポの語り口・・・。