イ・ソンヒは、忠清南道の保寧(ボリョン)の山間に育った。ブログ「美しさ(아름다움)」の彼女の紹介文に、仏教関係者である父親に触れて次のような一行がある。
「仏教音楽梵唄(ぼんばい:범패)の伝授者の父をもっていたイ・ソンヒは、幼い時から高いキー(key)で歌手の素質を見せた。」と書かれている。
(「梵唄」は仏教用語で、仏徳をたたえる歌、経文に節をつけて唱えることで、「声明(しょうみょう)」を日本では、「梵唄」・「梵匿(ぼんのく)」・「魚山(ぎょざん)」ともいう・・・とのこと。)
幼い頃に葛藤があったなかで、イ・ソンヒが父親の修行をどのように見て、影響を受けたかは不明だが、梵唄が音楽環境としての役割を果たしたのではないだろうか。彼女の高音の美しさに、押し出すような芯の強さを感じていたが、それがわかるような気がする。
(本ブログ関連:7/25、8/27)
(付記)
上記「美しさ」のブログで、1980年5月の光州のできごとを慰霊したとして「5月の陽ざし(5월의 햇살)」(歌詞:1989年のアルバム5集「私の街(나의 거리)」所収)について触れている。なお、この曲はブログ「鈍才の瞑想ノート(둔재의 명상노트)」で聞くことができる。