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2013年11月12日火曜日

KBS WORLD「国楽の世界へ」 オンドル

KBS WORLD「国楽の世界へ」は、先週水曜日(11/6)に文化的なキーワードに基づく韓国文化シリーズの第30回として、床下暖房の「オンドル(溫突、온돌)」について紹介した。

まず始めに、寒い冬に床下から部屋を暖めるオンドルについて次のように紹介した。
・11月に入り急に朝の空気が冷え、本格的な冬を思う・・・明日(11/7)は冬の始まり「立冬」だ。零下20度近く下がる極寒の冬が来る。
・この時期、韓国ではオンドルが重宝される。最近は床が均一に温まるが、昔は火元に近い床の「アレッモク(아랫목)」が、家中で一番温かい場所だった。昔の田舎では、飯を遅くにも温かく食べられるよう、ふた付き鉄製の器に入れ、アレッモクに敷いた布団の中で保温した。また明け方に冷めた床を暖めるため、おばあさんが早朝火を入れる光景も見られた。人々は、こうした温かい部屋で二日ほど休むと「これまでの積み重なる疲れも飛んでいく」とよく言う。

▼ 家の敷地を司る、成造神を称える南道民謡「城主祭歌(성주풀이)」を聴く。新築、転居のとき、家族のために巫堂(ムーダン、무당:シャーマン)を呼んで祓った際の歌が起源という。張りよくテンポよく聞こえる・・・Youtubeでイ・ソンヒは民謡三曲のニ番目で勢いよく歌っている。

次に、オンドルの構造と歴史、普及に関わった木こり歌について次のように解説された。
・韓国固有のオンドルは、料理の火を利用して室内まで温める実用的な暖房器具と言える。焚口から、煙突まで、熱い煙が通る道を作り、その上にオンドルの石を並べる。オンドルの初期、4世紀頃は、室内に並べた石は二列ほどで、部屋全体を暖める方式ではなかった。高麗時代に入り、部屋全体を暖める本格的なオンドルになった。
古くは、垂れ幕のあるベッドや椅子を用い、部屋の中でも靴を履いた生活だったが、オンドルで、韓国人の生活が変わった。17世紀、世界的に急激に寒さが厳しくなったといわれ、韓国中にオンドルが広まった。家々で火を焚くため、木の枝が大量に必要となり、木こりたちは厳しく寒い山中に、薪集めに行った。こうしたハン(恨)が込められた木こりの歌が多く残されている。

▼ 慶尚北道の木こりたちが木を切りながら歌った「オサヨン(어사용)」を聴く。歌声から労働の場面を想像して・・・どのような地形で、何の木を、どんな道具で、独り或いは仲間と切ったのか気になる・・・それにしても、厳しい思いがこもる歌だ、独り歌だろうか。

最後に、七佛寺の亜字房のオンドルと、今なお続くオンドルについて次のように説明された。
・オンドルの機能を果たすため、石の配置など知恵が必要だ。慶尚南道の河東地域にある七佛寺(칠불사)に亜字房(아자방)の部屋がある。亜字房は石の並びが「亜」の字に配列した、一度火を入れると100日間も温もりが残ったと伝えられる。
・近年の100年余り、生活や文化が洋風化する中、伝統を守っているのがまさにオンドルだ。家族がひとつの部屋に集まり、ぴったりくっついて温まった、そんな古き時代のよき思い出を、体で覚えているからだろうか。

▼ 済州島に伝わる子守唄「ウォンイチャラン(웡이자랑)」を聴く。家族の温もり・・・う~ん、今様の「島の赤ん坊(섬집아기)」などとは随分違うけど、子どもには母や祖母の声と「手の温もり」が一番なんですね。なるほど。