小雨ぱらつくなか、地元の公民館に記録映画「アマ・ルール 大地の人 バスク」(1981年、民族文化映像研究所)を見る。スペインとフランスを分けるピレネー山脈の両側にまたがり大西洋に面するバスク地方(Euskal Herria)の人々の記録映画である。
牧歌的なバスク民族の生活をイメージしてしまうが、確かに映画では(チーズ作りのため)山地に登り羊を放牧する男たち様子を主軸にしていたけれど、実際にはスペイン側に工業地帯を持ち多数の人口を抱えていることも触れていた。彼らの住むところは、本来、広葉樹のブナ林に恵まれ、ピレネー山脈を水源とする環境のようで、辺境の地というわけではないようだ。
30年前、1981年当時の映画なので、現在の状況を知るわけではないが、ただバスク語の響きがどのようか聞いてみたかったのだ。民族性なのかもしれないが、抑揚をきかせたしゃべり方ではなく、一語一語明確な言葉使いに聞こえた・・・。バスク語の地名の痕跡は、実際の彼らのバスク地方の周辺にもとどめていて、本来の活動した範囲はもっと広かったらしい。
そうそう、映画の題名「アマ・ルール」は、バスク語で「母なる大地」の意だそうだ。
帰り道の雨脚は強かった。